ブラックサンダーを原価10円以下で作る

      2017/02/15

皆様は、ブラックサンダーを食べた事ありますか?

ブラックサンダー画像は、どこかのサイトから拝借しました。

有楽製菓株式会社が作るこのお菓子を、私は、つい最近まで食べた事がありませんでした。
友人知人からは、美味しいとの評判を何度も耳にしていましたが、本物志向が強い私は、たかが駄菓子という見下したような驕りがあったのでしょうか、買う事はありませんでした。

ところが、最近子ども達のお菓子にブラックサンダーがあり、とうとう私も口にする機会が訪れました。

 

これ美味しいやん!!

 

驚きましたね。
30円でこの味ならヒットして当然です。
この味・このボリュームで、誰もが財布の事情を気にせずに買える30円という価格設定がヒットの秘密ではないか?と私は勝手に分析しております。

そして、30円で売っているという事は、材料原価は、おそらく5円くらいではないでしょうか?
5円でこの味を出すというのは、至難の業です。
企業努力の賜物ですね。
見習いたいものです。

そして、この企業努力を見習うと共に、私もブラックサンダー作りに挑戦してみようと思います。

有楽製菓が1個当たりの原価5円(税抜き)で作っていると仮定して、私もこれを目指しますが、5円というのは、業務用のルートで大量に仕入れているからであって、家庭で作る場合、基本的にスーパー等で仕入れる訳ですから話が違います。
私は、1個当たりの原価10円(消費税5%込み)を目標に作ってみようと思います。

クックパッド等で調べると、手作りブラックサンダーのレシピが色々と載っていますが、そこに載っているのは、オレオクッキー等を、板チョコで固めて作るパターンばかりです。
この方法で作ると、確実に美味しいものができるでしょうが、原価はとても高くなります。
お金をかければ、ブラックサンダーよりもはるかに美味しいものを簡単に作れますが、安くて美味しいものを作るのが、有楽製菓の企業努力に通ずるものがあると思うので、今回は、それを目指すのです。

ブラックサンダーは「準チョコレート菓子」

さて、ブラックサンダーのパッケージを見ると、「準チョコレート菓子」と記載してあります。
安くて美味しい駄菓子を作るのに、少々長くなりますが、この「準チョコレート菓子」について説明せねばなりません。

「準チョコレート菓子」とは、準チョコレート生地が60%未満の準チョコレート加工品の事。
「準チョコレート」とは、準チョコレート生地そのものか、準チョコレート生地が60%以上の準チョコレート加工品の事。
「準チョコレート生地」とは、カカオ分15%以上・ココアバター3%以上。脂肪分18%以上で、水分3%以下のもの。

という規格があるみたいです。
昨年私が、生のカカオ豆から手作りしたチョコレートが、カカオ分74%。
準チョコレートの規格は、カカオ分15%以上。
すごい差ですね。

※生のカカオ豆からチョコレートを作った記事は、以下をご覧ください。
カカオ豆からチョコレートを作ろう

私が手作りしたチョコのカカオ分74%以外の残り26%は、全て砂糖でした。
また、準チョコレートのカカオ分15%以外の残り85%は、何かというと、砂糖・粉ミルク・植物油です。

砂糖と粉ミルクは分かりますが、植物油と言われても、何の植物か分かりませんね。
はて、植物油とは何でしょう?

植物油とはこれです。

パーム油パーム油です。
アブラヤシという、椰子の実から抽出された油です。
業務スーパーで、1リットル入り158円(消費税5%込)で購入。

チョコレートや、その他全ての食品の原材料に「植物油」と記載されている物の、ほとんどが、これを使用しています。
チョコレートの場合、カカオバターの代用としてパーム油を使用する事によって、大幅にコストダウンできるのです。
ただ、コストダウンと同時に味もダウンします。

ちなみに、ベルギーでは、植物油を少しでも混ぜたら、チョコレートとして認められないとの事。
だからベルギーのチョコレートは、美味しいと評判なのでしょうね。

まあ要するに、「準チョコレート」は、チョコレートをパーム油で引き伸ばしていると考えて差し支えないと思います。
そして、「準チョコレート菓子」は、準チョコレートを使用したお菓子と考えて差し支えないと思います。

また、日本で作られている、準チョコレートでない普通のチョコレートにも、ほとんどパーム油が入っています。
原材料に植物油と記載されているものは、パーム油が入っていると考えて差し支えないです。
理屈が長くなりましたが、準チョコレートについて理解していただけましたでしょうか?

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それでは、1個あたりの原価10円を目指してブラックサンダーを作ってみましょう。

まずは、チョコに混ぜるクランブルを焼きます。

〈材料 ココアクランブル〉
薄力粉 150g
ココアパウダー 10g
上白糖 50g
パーム油 50g
〈材料 プレーンクランブル〉
薄力粉 40g
上白糖 20g
パーム油 20g

※この材料は、美味しさより安さを追求しています。
美味しさを追及するならパーム油をバターに、上白糖を粉砂糖に変えてください。

クランブルを焼く全ての材料を混ぜてボロボロの状態で天板に敷き詰めます。

クランブルが焼けた180℃で25分焼きました。

サックリとした、それなりに美味しいクランブルになりました。

次は、クランブルをチョコレートで固めます。
チョコレートは、既製品のできるだけ安いものを使用します。

ひとくちチョコレートこんなチョコレートを買ってきました。

200g入りで258円(消費税5%込み)
一応、スーパーで一番安いと思われる物を買ったのですが、これでも高い気がします。

これは、準チョコレートではなく、普通のチョコレートだから、駄菓子素材として使うには、実際に高いです。
だから、これをパーム油で引き伸ばして、コストダウンを図ります。

チョコレートをのばす

チョコレート 100g
パーム油 25g
上白糖 10g

以上を混ぜると、100gのチョコレートが135gのチョコレートに引き伸ばされるという計算です。

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溶かす溶かします。

クランブルを混ぜる焼いておいたクランブルを混ぜます。

バットに広げるバットに広げて冷やし固めます。
冷蔵庫で1時間くらい冷やしましたが…

あれ?

本来なら、パリッと固まっているはずですが、ふにゃっと柔らかいぞ。

チョコレートなら冷蔵庫で1時間も冷やせば、パリッと固まっていて当然ですよね。
柔らかい原因は、パーム油を混ぜてチョコレートを引き伸ばしたためでしょう。
きっとそうに違いない。

そこで、パーム油の事について、また詳しく調べてみると…
パーム油は、もともとは半固形油脂なのだけれど、分別の仕方で融点を調整でき、様々な製品に分けられるという、他の油脂と異なった特徴があるという事が分かりました。

今回使用したパーム油は、「パームオレイン」と言って、炒め物や揚げ物専用に作られた、融点が15℃以下のものです。
融点が15℃以下という事は、15℃以上では液体ということです。
15℃以上で液体になる油などチョコレートには使用できません。
これをチョコレートに混ぜると、当然ふにゃふにゃのチョコレートになります。
市販のチョコレートのように、パーム油を混ぜてカチッと固まった物を作るには、どうするかというと、「パームステアリン」という融点が30~40℃の、カカオバターの代用品として作られたものを使用しなければいけません。

そこで、パームステアリンを仕入れようと調べましたが、スーパーにも、製菓材料店にも売っていません。
アマゾンや、楽天にも、その他通販にも売ってませんでした。

さらに調べると、生産国のマレーシアやインドネシアから直輸入するか、もしくは直輸入している商社から売ってもらうかのいずれか。

ちなみに直輸入するとしたら、トン単位。
商社から買うとしても、数十キロ単位。
それ以前に、商社が個人を相手に商売などしてくれません。

どうやら個人で買うのは、諦めたほうがよさそうですね。

だから、個人で安いチョコレートを作るには、既製品のチョコレートの出来る限り安い物を買う。
仕入れの努力でコストダウンを図るのが現実的でしょう。

まあ、そんな事言っても、すでに作ってしまったのだから、この、少し柔らかいものでブラックサンダーを完成させましょう。

適当な大きさに切るこれを適当な大きさに切ります。

そして既製品のチョコレートでコーティングします。

コーティング用のチョコレートは、もうパーム油で伸ばしません。
チョココーティングする少しだけ白いブラックサンダーも作りました。

コーティングは、本来ならもっと薄くするつもりだったのですが、厚くなりました。

パーム油を混ぜていたら、薄くコーティングできたのかもしれません。
けど、固まらないチョコレートじゃぁ話にならないですからね。
チョコレートが厚くなったから、その分美味しくなるのでしょうが、チョコレートの量が増えて原価を押し上げています。

手作りブラックサンダー冷やして固めれば、手作りブラックサンダー完成です。

原価計算すると、1個あたり13.79円(消費税5%込み)でした。

目標原価オーバーですが、まいっか。

白いブラックサンダーこちらは、白いブラックサンダーです。

この白いコーティングチョコは、明治の板チョコホワイトを使用しました。
1個あたりの原価は30.63円(消費税5%込み)かなり高級になってしまいました。

高級感を出すために、缶に入れてみました。

断面味はどうでしょう?

美味しさイナズマ級!!(笑)

冷蔵庫で冷やしている限りは、中の柔らかいチョコレートも少し固いです。

本物のブラックサンダーは、準チョコレートなのでカカオ感がほとんど無いですが、ミルクと砂糖と香料で見事に美味しく作られています。

手作りのこちらは、コーティングのチョコレートが準チョコレートではなく、普通のチョコレートであるのと、それが分厚いために、カカオ感が強いです。

それでもこちらの方が美味しいかと言うと、どうでしょうか。
甲乙付け難いです。

それにしても、ブラックサンダーは、準チョコレート菓子であれだけ美味しいのだから、やはりすごいと思います。

さすがヒット商品、そう簡単に真似できないです。

 

※2016年3月5日追記、ブラックサンダーの原価を気にせずに美味しいと思う材料で作ってみました。
ブラックサンダーの原価を気にせずに手作りする

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