肉料理

お家でできる北京ダックの作り方

2023年9月21日

北京ダック

お家でできる北京ダックの作り方

北京ダックを家で作ってみました。
家で作るのは、なかなかハードルは高いですが、大丈夫でした。
これを読めばご自宅で北京ダックを作れるようになりますよ。

【目次】
1.北京ダックを作った理由
2.北京ダック作りの流れ
3.北京ダックを作る
4.材料の入手方法
5.まずは水洗いして吊るす
6.熱湯をかけお腹の穴を塞ぐ
7.水飴を塗る
8.表面を乾燥させる
9.炭火を熾す
10.一斗缶でオーブンを作る
11.北京ダックを焼き始める
12.焼き方を変える
13.春餅(チュンピン)を焼く
14.北京ダックを焼き始めて3時間経過
15.野菜を切っておく
16.北京ダックを焼き始めて4時間経過
17.北京ダックを焼き始めて5時間経過
18.北京ダックを切り分ける
19.北京ダックをいただく
20.北京ダックの味
21.北京ダック総括
22.動画で説明

北京ダックを作った理由

北京ダックをなぜ家で作ろうと思ったかと言うと
本物の甜麺醤を作ったからです。
本物の甜麺醤については説明すれば長くなりすぎるので以下の記事を読んでください。

上記の記事を読んでいただいたらわかるように、本物の甜麺醤というのは、私が7年の研究期間を経てできたものです。

これほどの甜麺醤ですから、最高の方法で食べたいと思いました。
甜麺醤を使う最高の料理と言えば北京ダックだ!
もちろん、本格的な、吊るして焼く北京ダックです。

吊るして焼く北京ダックって、なかなか簡単に作れませんよ。
しかし、この困難な料理にあえて挑んでみました。

北京ダック作りの流れ

北京ダック作りの流れを簡単に説明します。

【北京ダック作りの流れ】

・熱湯をかける(所要時間の目安:5分)
 ↓
・水飴を塗る(所要時間の目安:5分)
 ↓
・表面を乾燥させる(所要時間の目安:24時間)
 ↓
・焼く(所要時間の目安:3時間)
 ↓
・完成!

ざっとこんな感じです。
では作り始めましょう。

北京ダックを作る

<北京ダックの材料>
アヒル 一羽

水飴 50g
熱湯 50ml

材料の入手法

アヒル一羽は、普通のお肉屋さんでは手に入らないので、ネット通販を使うと良いですよ。

まずは水洗いして吊るす

アヒルは冷凍だったので冷蔵庫に1日置いて解凍しました。

まずは水洗いします。
全体を洗い、内臓が入ってた部分なども洗います。

そして、S字フックを用意します。

背骨の近くの硬い部分に串で穴を開けて、そこにS字フックを引っ掛けます。

棚の取手に吊るしました。

熱湯をかけお腹の穴を塞ぐ

全体に熱湯(分量外)をかけます。
どれだけ熱湯をかけるのが正解なのかはよく分かりませんが、とりあえず、2.5リットルのやかん1杯分の熱湯をかけました。

調べた作り方によると、熱湯をかけた後に、ポンプを使ってアヒルのお尻から空気を入れます。
それによって、皮が身から剥がれるのだと思います。

我が家にそんな道具は無いので、空気を入れるのは省略します。

お腹の穴を串で塞いでいきます。

これでOKです。

水飴を塗る

水飴に熱湯を加え溶かします。

刷毛で全体に水飴を塗ります。

表面を乾燥させる

扇風機の風を当てて、表面を乾燥させます。

4時間経過しました。

表面が少し乾燥して色が変わりました。

これ以上常温で乾燥させるのは、食品衛生的な観点から好ましくないので、冷蔵庫にいれて、ラップをかけずに置いて、乾燥させる事にします。

冷蔵庫内では吊るす事ができないので、このようにして入れてました。

これは冷蔵庫に入れてから24時間経ったものです。

炭火を熾す

焼く1時間前には冷蔵庫から出しておきます。

では、焼くために炭火を熾します。

チャコスタという炭火を熾す道具に炭を入れます。
着火剤として牛乳パックを細く切り丸めたものにマッチで火を点けます。
その上にチャコスタを乗せます。

着火完了です。

このまま炭火が完全に熾るまで1時間くらい放置です。
今回使っている炭は、オガ炭と言って火が熾るのに1時間くらいかかりますが、長時間安定した火力を維持してくれます。

一斗缶でオーブンを作る

一斗缶の底を缶切りで抜いて、筒状にします。
これが北京ダックを吊るして焼くオーブンになります。

どのようにして焼くかは、続きを読めば分かりますよ。

北京ダックを焼き始める

炭火が熾ったので、コンロにぶちまけます。
その上に一斗缶オーブンを置きます。

10インチダッチオーブンの蓋です。
蓋の取手に北京ダックのS字フックを引っ掛けます。
そのままオーブンに投入しました。

このままでは蓋に隙間が空いてるので、熱気が逃げてしまいます。

アルミホイルで蓋の隙間を塞ごうとしましたが、なんと、中途半端な長さでアルミホイルが無くなってしまいました。
急遽、コンビニにアルミホイルを買いに行こうと思います。

コンビニに行く前に、あまりにもモクモクと煙が出てきたので、おかしく思い、北京ダックを一旦取り出して様子を見る事にします。

火に近い部分だけが極端に焦げています。

これは、明らかに焼き方がダメですね。

焼き方を変える

コンビニに、アルミホイルを買いに行きながら、カメラマンのbobさんと作戦会議した結果、強火の遠火で焼こうという事になりました。

バーベキューコンロの上に、チャコスタを2個置いて、その上に一斗缶オーブンを乗せます。
なぜチャコスタが2個なのかというと、2個でないと上に一斗缶オーブンを乗せられないからです。

そして、何故2個あるかと言うと、1個は私の所有物、もう1個はbob氏の所有物です。
bob氏は撮影だけでなく、いつも機材まで協力してくれるのです。

チャコスタ2個の上に一斗缶オーブンという焼き方は、安定感が心許ないですけど、この方法で焼いてみましょう。

蓋の隙間をアルミホイルで塞いで、上に炭を1個乗せて上からも加熱します。

しばらくすると煙が出てきましたが、これは北京ダックから滴り落ちた脂が燃えた煙なので、大丈夫です。

春餅(チュンピン)を焼く

春餅(チュンピン)とは、中国のクレープみたいな小麦粉を薄く焼いた生地で、それでおかずを包んで食べるものです。
今回は、北京ダックを包んで甜麺醤を付けて食べるために、春餅を焼きます。

<春餅の材料>直径18cm20枚分
薄力粉 350g
熱湯 270ml

振るった小麦粉に熱湯をかけて、箸で混ぜます。
箸では混ぜにくいので、ゴムベラに変えて混ぜます。
温度が下がってきたら手でこねます。

生地がある程度滑らかになったら、ラップをかけて15分くらい生地を休ませます。

台に打ち粉をして、生地を練ります。
滑らかになったら、生地を細長く2等分して伸ばします。

さらに2等分して伸ばし、それぞれを5等分します。
要するに生地を20等分にします。

そして、20個の生地を丸めます。

丸めた生地を少し押さえて広げ油を付けて2個を重ねて手のひらで押さえ広げます。
ココットに入ってるのは油です。

2個重ねた生地を、打ち粉をして麺棒で直径18センチくらいまでのばします。

フライパンを熱し油を引き、強火で生地を焼きます。

10秒程度で裏返し、さらに10秒程度で膨らんできます。
これで焼き上がりです。

冷めたら、2枚を重ねて焼いたので、これを剥がします。
これが意外と簡単に綺麗に剥がれるのです。

折りたたんでお皿に並べておきます。

これで春餅の完成です。

北京ダックを焼き始めて3時間経過

それでは、蓋を持ち上げて北京ダックの様子を見てみます。

お!?

どうでしょうか。

色だけでは何とも判断が難しいですが、中まで火が通っているという自信がなく、もうしばらく焼くことにしました。

炭が燃え尽きて火力が弱くなってきたので、炭を足したり、炭火と北京ダックの距離を近づけたり、微調整はしていますが、そこまで細かく説明すると、あまりにも長くなりすぎるので、火力調整についての説明は省略します。

野菜を切っておく

北京ダックと一緒に春餅に包んで食べる野菜を切っておきます。

キュウリは千切りに、ネギは白髪ネギにしておきます。

北京ダックを焼き始めて4時間経過

それでは、蓋を持ち上げて北京ダックの様子を見てみます。

お!?

良い感じではないでしょうか。

反対側を見てみると、赤で囲った部分を、もう少しこんがり焼きたいと思いました。

蓋の上に炭を置いて、もうしばらく焼きます。

北京ダックを焼き始めて5時間経過

蓋を持ち上げて、様子を見て…

あれ!?

無くなったぞ!?

何と!?
落っこちてました(笑)

下の炭火は、ほとんど燃え尽きてたので、下が焦げるという事はありませんでした。

北京ダックを救出します。

無事に救出しました。

自家製北京ダック

これで北京ダックが完成しました。

S字フックが外れて落ちるという事は、その部分までちゃんと火が通って、柔らかくなったためでしょう。
これで完全に火が通ったと思います。

北京ダックを切り分ける

お腹の穴を塞いでた串を抜きます。

こうやって中に溜まっている余分な水分を抜きます。

熱くて素手で触れないので、軍手の上にゴム手袋をはめて北京ダックを持ってます。

身を削ぐように切り取っていきます。

途中から北京ダックが崩壊したので、まな板の上で切り出しました。

北京ダックをいただく

それでは、北京ダックをいただきます。

いや、しかし、ここまで長かったですね〜。

春餅を広げ、北京ダック・きゅうり・ネギを乗せ、本物の甜麺醤を付けて、巻きます。

これを、かぶりつきます。

北京ダックの味

甜麺醤の香りは効いてます。
北京ダックは鶏肉と違うアヒルの香りです。
アヒルの肉は柔らかく焼けてますが、味が付いてないのが物足りないです。
皮はパリッとして、水飴を塗っているためにほんのり甘く美味しいですが、めちゃくちゃ美味しいわけではありません。
そういった北京ダックの味と本物の甜麺醤の味が混ざり、キュウリとネギが爽やかです。
それから、春餅はモチモチして美味しいです。

総合的に、大して美味しくないなぁ。
という印象。

以前、鶏肉で同じ料理を作った事があります。
その様子は以下の記事に書いてます。

鶏肉は食べ慣れた味なので、鶏肉で作ったものは、美味しかったですが、普段通りの普通の料理を食べてるという印象でした。

北京ダックは、もちろん鶏肉と違う味がします。
だから普段と違う非日常の味です。

しかし、非日常だからと言って美味しいとは限りません。

今回撮影協力してくれたbobさんの感想も聞いてみます。

オトコ中村

bobさん、どうですか?

bob

美味しかったですよ。

1口目は、オトコ中村謹製の本物の甜麺醤の味が口いっぱいに広がり
2口目の後味でいわゆる北京ダックの、普通の食べ慣れた鶏じゃない鳥臭さと言うか、その風味が春餅のモチモチ感と共に、甜麺醤と妙なるハーモニーを奏でていました。

オトコ中村

なるほど。

bob

いつもの鶏じゃないというのが、この甜麺醤のおかげでプラスされて

得にも言われぬ、まあ高貴な味がしたと言いますかね。

オトコ中村

高貴な味ですか?

bob

高貴な味を知ってるか?
って聞かれたら

よう言いませんけど。

まあ5時間くらいかけて焼く、苦労も見てしまったんで
ついつい美味しいなぁと思っちゃう訳ですわ。

苦労した分、味が上方修正されたようですね。

北京ダック総括

という訳で、北京ダックを作るのには、乾燥させるのに1日、焼くのに5時間かかりました。
なかなか時間と手間暇がかかる割には期待した程の美味しさではありませんでした。

YouTubeの視聴者さんからのコメントで、本場で北京ダックを食べた事があるが、北京ダックという料理は大して美味しくない料理だという意味のコメントを2件いただいてます。
また逆に、東京にある全修徳というお店の北京ダックがとても美味しいという話を聞いた事があります。

北京ダックは美味しくないものなのか、それとも上手く作れば美味しいものなのか?

私は北京ダックを食べた経験は、過去に1度だけあります。
20歳の時にニューヨークに旅行に行き、中華料理店で北京ダックヌードルという料理を食べたのです。
簡単に説明すると、ラーメンの具が北京ダックなのです。
それは、大して美味しくありませんでした。
その時は、北京ダック自体美味しいはずだが、ラーメンの具する事で美味しさがダウンしてるのではないかと考えていました。

北京ダックが美味しいのか美味しくないのか、という事を語ろうと思ったら、全修徳に行って北京ダックを食べてみないといけないですね。

家で焼く方法については、普通のオーブンで焼けばもっと楽に焼けたでしょう。
また、焼くのではなく、油で揚げるという方法もあるみたいです。

私はどうしても吊って焼きたかったので、面倒ですが今回のような方法になりました。

今回の経験で、北京ダックという料理のレパートリーが増えました。
もう作らないかも知れないけどね。

動画で説明

動画では私が出演して実演してます。
18分を越える長尺動画ですが、動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
YouTubeもやってます。
X(旧Twitter)で更新情報など色々呟いてます。
詳しくは プロフィールのページ をご覧ください。

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