マーマイト
イギリスが生んだ奇跡の食品を手作りする
皆様は、イギリスが生んだ奇跡の食品マーマイトをご存知でしょうか?
今回は、マーマイトを使った料理と、それだけでなく、マーマイト自体を作る方法まで紹介します。
【目次】
1.マーマイトとはどんなモノか
1-2.マーマイトの原材料
1-3.強化剤とは
1-4.マーマイトの味は?
2.マーマイトを使った料理
3.ここでちょっと休憩
4.ビール酵母とは
5.ビール酵母の利用法
6.マーマイトを作る
6-1.マーマイトの材料
6-2.強化剤を入れる
7.マーマイトの完成
8.自家製マーマイトを料理する
9.まとめ
マーマイトとはどんなモノか
これがマーマイトです。
カルディにて125g入りの瓶を734円(消費税8%込)で買いました。
マーマイトは、イギリス産の、原料にビール酵母を使った食品です。
イギリスではパンやクラッカーに付けて食べるみたいです。
ビタミンB群も多く含まれていて、栄養補助食品としての役割もあります。
マーマイトの原材料
原材料を見ると、酵母エキス、食塩、野菜エキス、スパイス、セロリエキス、強化剤と書いてあります。
強化剤って何だ!?
ちょっと興味が沸いてしまうじゃないですか。
何を強化してくれるのでしょうか?
ムフフ…
変な想像してしまうじゃありませんか。
いやいや、
ちゃんと調べてみましょう。
強化剤とは
強化剤を調べてみると、別名、栄養強化剤とも言い、食品の栄養価向上を目的とした食品添加物の事である事が分かりました。
要するにビタミン・ミネラル・アミノ酸などの事みたいです。
法律では、添加した栄養分を全て「ビタミンB1、B2、ナイアシン…」などと全て書かず、「強化剤」と一言書いておけばそれで良いので、そのように書かれているのでしょう。
だから、原材料に強化剤と書いてあれば、ビタミンなどの栄養が入っているという事です。
マーマイトの味は?
蓋を開けてみました。
溶けたチョコレートのような物体が入っています。
スプーンですくうと、固さと粘り強さがあります。
これをちょっと舐めてみます。
画像のスプーンの先に付いている量はおよそ1~2グラムでしょう。
実際に舐めた量は、これよりはるかに少なく0.1グラムくらいです。
画像の量でも僅かな量に見えますが、それでも、そのままを口に放り込むのは、初心者にはちょっとキツイと思いますのでご注意ください。
味はと言いますと…
味は…
味は…
今までに経験した事の無い味ですね~(泣笑)
塩辛く、苦味とコクがあります。
苦味は、醤油を焦がしたような香ばしい苦味で、日本の醤油や味噌に通じる部分もあるかもしれません。
そして、決して美味しい物ではありません。
一言付け加えておきますが、この味の評価は、私がかなり好意的に評価したものです。
ちなみに、妻は
「鳥肌が立つほどマズイ!」と言っていました。
マーマイトを使った料理
まずは、基本のマーマイトトーストにしてみましょう。
少しパンに塗ってみました。
マズイです!!
人は、生きていくために何故これを食べなければいけないのか?
ソクラテスは、「生きるために食べよ、食べるために生きるな。」という言葉を残しましたが、そんな哲学的な事を考えてしまうほどです。
考えても考えても、これを食べる意義が見出せません。
パン全体に塗らずに、一部だけに塗って正解でした。
これ以上は食べられない味でした。
パッケージには、「スープに混ぜたり」と書いてあったので、コンソメスープ4人前に対して、小さじ半分くらいのマーマイトを溶かしてみました。
これは、スープの隠し味になり、奥深さと広がりが出たような味になりました。
しかし、マーマイトの量が少なかったために、食べていてもマーマイトと気付かないレベルです。
もう少し量を増やしてみましょう。
コンソメスープ4人前に対して、小さじ山盛り1杯のマーマイトを混ぜてみました。
明らかにマーマイトの苦味とコクが感じられる味になりました。
妻もギリギリ美味しく食べられる許容範囲だったみたいですが、これ以上マーマイトを増やさないで欲しいとの事でした。
味噌汁1杯に対して、ティースプーン半分くらいのマーマイトを混ぜてみました。
これも、味噌汁に少しの苦味とコクが足された味になりました。
悪くは無いです。
しかし、コンソメスープならともかく、あえて味噌汁にわざわざマーマイトを入れる必要性は感じません。
カレーにも入れてみました。
妻が作ったカレーに、画像のスプーン2杯分を混ぜました。
けど、カレーからは、マーマイトの味が感じられませんでした。
本当に隠し味でした。
カレーにマーマイトを混ぜた事は、家族には伝えてませんし、気付かれてもいません。
妻は、私のブログを読んで、初めてあの時のカレーにマーマイトが入っていた事を知るでしょう。
パッケージに「ディップに混ぜたり」とも書いてあったので、マヨネーズに1割くらいのマーマイトを混ぜてみました。
マーマイトマヨネーズは、マヨネーズにコクと苦味が追加された味になっています。
ですが、あえてマヨネーズにマーマイトを混ぜたいとは思わない味です。
田楽味噌に1割くらいのマーマイトを混ぜてみました。
マーマイト田楽味噌は、ほとんどマーマイトが感じられません。
普通の田楽味噌とほとんど変わりません。
そこで、味噌に対して25%くらいのマーマイトを混ぜた強化版を作ってみました。
強化版マーマイト田楽味噌は、明らかに苦味とコクが感じられるようになりました。
しかし、結論を言うと、マーマイトを混ぜない方が美味しいです。
ここでちょっと休憩
画像のケーキは、今回の話題と全く関係ありません。
マズイ画像ばかりをお見せしたので、気分転換に美味しそうなケーキの画像をご覧ください。
ここまで読んでこられた方ならもう分かると思いますが、マーマイトはマズイです。
イギリスでは、これが売れているというのですから、食文化の違いとは、美味しいとマズイを逆転させるほどの違いなのですね。
ところで、すでに述べましたが、マーマイトは、ビール酵母を原料に作られています。
ビール酵母とは
ビール酵母とは、ビールを発酵させる酵母菌の事です。
ちなみに、パンを膨らませるイースト菌も同じ菌です。
日本語で言うと酵母、英語で言うとイーストです。
だから、パンを膨らませるためのドライイーストでも天然酵母でもビールを発酵させる事ができます。
例えば、ペットボトルでビールを発酵させたとしましょう。
茶色い液体がビール、底に沈んでいる白っぽいものがビール酵母です。
ビール酵母は、ビールに混ざるとビールがイースト臭く苦くマズくなります。
だからビールを手作りする時は、ビールをボトルに詰める際に、ビール酵母が混ざらないよう注意します。
幸いビール酵母は沈殿してくれるので、複雑な手順も不要で、上澄みをボトルに詰めるだけでいいです。
ボトル詰めの際は、振動を与えると沈殿しているビール酵母が浮かび上がるので、静かに行う必要があります。
日本で売られているビールは、主にビールを濾過して酵母を取り除いています。
だから日本のビールはクリアな味の物が多いのです。
ビール作りに関して詳しく知りたい方は
↓こちらをお読みください↓
ビール酵母の利用法
ビール酵母は、ビール作りの際には「オリ」と呼んでいるのですが、オリが混ざればビールの味が劇的にマズくなるので、これを食べようという気は起こりません。
だって、オリはマズいですからね。
なので、自宅で行う手作りビールの場合、沈殿したオリ(ビール酵母)は、廃棄処分するか、庭の植物に与えるくらいしか使い道がありません。
しかし、ビール酵母には酵母菌が生み出したビタミンB群などの栄養素がたくさん含まれているのです。
だから、日本のビール会社では、ビール酵母を原料に、エビオス錠などのサプリを作っています。
そして、イギリスでは、ビール酵母をマーマイトという食品にしてしまうのです。
エビオスなどのサプリも食品のうちですが、サプリは、味は関係なく栄養成分だけを期待したものです。
しかし、イギリスのマーマイトは、栄養成分だけでなく味まで期待してるのですよ。
その結果が、あの味ですからね。
いや、しかし、イギリス人はあれを美味しいと思っているのです。
食文化の違いとしか説明できませんね。
マーマイトを作る
我が家にも、ビール酵母が発生する機会がありました。
要するにビールを作ったという事です。
48gのビール酵母が取れました。
これを使ってマーマイトを作ってみましょう。
手作りすると案外美味しくできるかも知れませんよ。
マーマイトの材料
【マーマイトの材料】今回作った量
ビール酵母 48g
セロリのすりおろし 27g
玉ねぎのすりおろし 12g
塩 6g
コショウ 少々
強化剤 適量
鍋に、ビール酵母・セロリのすりおろし・玉ねぎのすりおろし・塩・コショウを入れました。
火にかけます。
沸騰すると、ビール酵母のくたびれたイーストの匂いが一気に広がり、嗅ぐだけで気分が悪くなります。
強化剤を入れる
栄養強化剤ではありませんが、今回特別に用意した強化剤があります。
ジャーン!!
これが強化剤です。
カンボジアのお土産にいただいたものなのですが、蒸留酒にコブラとサソリと高麗人参が漬けてあります。
強烈なインパクト!
何かが強化されそうでしょ。
強化剤を小さじ1杯加えます。
煮詰めて少し焦がします。
マーマイトは、焦げた香ばしい苦味がアクセントになっているので、ちょっと焦がすのがポイントです。
もう少し焦がしたかったですが、これ以上火にかけたら焦げ付きそうなので、ここで火を止めました。
これで完成とします。
マーマイトの完成
26gのマーマイトが完成しました。
こうやって見ると、食物繊維が残っているのが気になります。
すりおろした野菜を入れるのでなく、野菜の汁だけを入れるべきでしたね。
ちょっと味見してみます。
塩辛いです。
ちょっと塩の量が多かった みたいです。
イーストの臭みは飛んだのか、感じません。
程よい香ばしさも付いてます。
強化剤の味は、入れた量が少なかったのか、感じられませんでした。
塩辛いですが、野菜の香りが広がって、意外と美味しいです。
いや、決して美味しくないですが、売っているマーマイトよりも美味しいです。
これは、大成功です!!
自家製マーマイトを料理する
コンソメスープ1人前に1gくらいの自家製マーマイトを混ぜてみます。
自家製マーマイトを混ぜたスープは、白濁しました。
さて、お味の方ですが、スープの味が、たぶん向上してると思います。
旨味と広がりが出ています。
強化剤の効果は、例えば身体の一部が固くなってくるとか、そういった効果はありませんでした。
ちなみに、あの強化剤をストレートでぐいっと1杯飲んだ時も、そういった効果はありませんでした。
パンに付けてみました。
固いので、塗り広げる事ができず、無理矢理なすり付けた感じです。
味は、塩辛さが目立ちます。
はっきり言って、マズイです。
パンに塗るのは遠慮したいです。
ウェブで、マーマイトにチーズを組み合わせると美味しいという情報を得たので、スライスチーズを乗せてみました。
確かに、マイルドになって味は向上しました。
けど、マズさがマイルドになっただけで、マイルドなマズさです。
残念ながら、これ以上食べたいとは思いません。
まとめ
- マーマイトは、イギリス生まれの原料にビール酵母を使った食品。
- 強化剤とは、栄養強化剤とも言い、食品の栄養価向上を目的とした食品添加物。
- マーマイトの味は塩辛く、苦味とコクがある。
- マーマイトは、パンやクラッカーに付けたり、スープやディップに混ぜて食べる。
- 自家製マーマイトは意外と美味しかったが、それでもパンに付けるとマズかった。
マーマイトは、日本人の口には合いません。
もし、何かの間違いでマーマイトを入手してしまった人は、スープ系の隠し味なら何とか使えると思います。