ビール酵母は、ビール作りの際には「オリ」と呼んでいるのですが、オリが混ざればビールの味が劇的にマズくなるので、これを食べようという気は起こりません。
だって、オリはマズいですからね。
なので、自宅で行う手作りビールの場合、沈殿したオリ(ビール酵母)は、廃棄処分するか、庭の植物に与えるくらいしか使い道がありません。
しかし、ビール酵母には酵母菌が生み出したビタミンB群などの栄養素がたくさん含まれているのです。
だから、日本のビール会社では、ビール酵母を原料に、エビオス錠などのサプリを作っています。
そして、イギリスでは、ビール酵母をマーマイトという食品にしてしまうのです。
エビオスなどのサプリも食品のうちですが、サプリは、味は関係なく栄養成分だけを期待したものです。
しかし、イギリスのマーマイトは、栄養成分だけでなく味まで期待してるのですよ。
その結果が、あの味ですからね。
いや、しかし、イギリス人はあれを美味しいと思っているのです。
食文化の違いとしか説明できませんね。
我が家にも、ビール酵母が発生する機会がありました。
要するにビールを作ったという事です。
48gのビール酵母が取れました。
これを使ってマーマイトを作ってみましょう。
手作りすると案外美味しくできるかも知れませんよ。
【マーマイトの材料】今回作った量
ビール酵母 48g
セロリのすりおろし 27g
玉ねぎのすりおろし 12g
塩 6g
コショウ 少々
強化剤 適量
鍋に、ビール酵母・セロリのすりおろし・玉ねぎのすりおろし・塩・コショウを入れました。
火にかけます。
沸騰すると、ビール酵母のくたびれたイーストの匂いが一気に広がり、嗅ぐだけで気分が悪くなります。
栄養強化剤ではありませんが、今回特別に用意した強化剤があります。
ジャーン!!
これが強化剤です。
カンボジアのお土産にいただいたものなのですが、蒸留酒にコブラとサソリと高麗人参が漬けてあります。
強烈なインパクト!
何かが強化されそうでしょ。
強化剤を小さじ1杯加えます。
煮詰めて少し焦がします。
マーマイトは、焦げた香ばしい苦味がアクセントになっているので、ちょっと焦がすのがポイントです。
もう少し焦がしたかったですが、これ以上火にかけたら焦げ付きそうなので、ここで火を止めました。
これで完成とします。
26gのマーマイトが完成しました。
こうやって見ると、食物繊維が残っているのが気になります。
すりおろした野菜を入れるのでなく、野菜の汁だけを入れるべきでしたね。
ちょっと味見してみます。
塩辛いです。
ちょっと塩の量が多かった みたいです。
イーストの臭みは飛んだのか、感じません。
程よい香ばしさも付いてます。
強化剤の味は、入れた量が少なかったのか、感じられませんでした。
塩辛いですが、野菜の香りが広がって、意外と美味しいです。
いや、決して美味しくないですが、売っているマーマイトよりも美味しいです。
これは、大成功です!!
コンソメスープ1人前に1gくらいの自家製マーマイトを混ぜてみます。
自家製マーマイトを混ぜたスープは、白濁しました。
さて、お味の方ですが、スープの味が、たぶん向上してると思います。
旨味と広がりが出ています。
強化剤の効果は、例えば身体の一部が固くなってくるとか、そういった効果はありませんでした。
ちなみに、あの強化剤をストレートでぐいっと1杯飲んだ時も、そういった効果はありませんでした。
パンに付けてみました。
固いので、塗り広げる事ができず、無理矢理なすり付けた感じです。
味は、塩辛さが目立ちます。
はっきり言って、マズイです。
パンに塗るのは遠慮したいです。
ウェブで、マーマイトにチーズを組み合わせると美味しいという情報を得たので、スライスチーズを乗せてみました。
確かに、マイルドになって味は向上しました。
けど、マズさがマイルドになっただけで、マイルドなマズさです。
残念ながら、これ以上食べたいとは思いません。
マーマイトは、日本人の口には合いません。
もし、何かの間違いでマーマイトを入手してしまった人は、スープ系の隠し味なら何とか使えると思います。