その他の野草 麺料理

野生種の蕎麦を収穫して食べる(シャクチリソバ)

2024年1月16日

天然蕎麦

野生種の蕎麦を収穫して食べる(シャクチリソバ)

蕎麦に野生種があるのはご存知でしょうか。
厳密には蕎麦と別品種になりますが、ほとんど同じです。
河原に生えてる野生の蕎麦を収穫し、粉にして、手打ち蕎麦を作ります。

【目次】
1.2023年11月1日に野生の蕎麦を発見してから収穫まで
 1ー1.2023年11月15日
 1ー2.2023年11月21日
 1ー3.2023年11月28日
 1ー4.2023年12月8日
 1ー5.2週間くらい干しました
2.殻剥き
 2ー1.板摺り
 2ー2.すり鉢
 2ー3.手で殻をむく
 2ー4.殻むき機購入を検討する
 2ー5.昔はどのように殻むきしてたのか調べる
3.粉砕
4.蕎麦を打つ
 4ー1.こねる
 4ー2.伸ばす
 4ー3.切る
 4ー4.ネギを刻んでおく
 4ー5.茹でる
5.天然蕎麦を試食
6.まとめ
7.動画で説明

2023年11月1日に野生の蕎麦を発見してから収穫まで


ここは京都の鴨川です。
河原に蕎麦畑みたいな風景が広がってませんか?


参考までに本物の蕎麦畑の画像も貼っておきます。


蕎麦畑ほど花の密度は濃くないですが、花を拡大するとこうなってます。
まるっきり蕎麦の花です。

これは今になって調べてみたら、シャクチリソバという蕎麦の中間で、栽培されてる蕎麦とは違う品種である事が分かりました。
蕎麦よりかはダッタン蕎麦に近い品種のようです。
外来種で、繁殖力が強く、湿った環境を好むので、河原などで群生してます。
葉や茎を食べたり、薬草として根っこを煎じて飲むようです。
種は簡単に落っこちてしまうので、調べた限り種を食べるという記述は見つかりませんでした。

これを発見した時は、そんな事知りませんから、蕎麦が生えてるとしか思いませんでした。
蕎麦が野生化して群生してるのですから、野草愛好家としてはテンション爆上がりでした。

いつ頃が収穫時期なのか分からないので、この蕎麦の花がどうなるのか、頻繁にここに来て観察しなければいけません。

ここは我が家の近くのいつもの河原でなく、我が家の近くから何キロメートルも下ったところだから頻繁に来るの面倒くさいですが、それでもまあ頻繁に来ました。

2023年11月15日


相変わらず花が咲いてますが、よく見ると、実が出来始めています。
これは間違いなく蕎麦の実です。

まだ収穫には早そうなので観察を続けます。

2023年11月21日


花はまだ残っていますが、実の量が増えて大きくなってきたように見えます。

2023年11月28日


実が大きくなったのか大きくなってないのかよく分かりません。
まだ花も残ってます。


まだ花だけが咲いてる個体もあります。

収穫するには早そうです。

2023年12月8日


このようにまだ収穫するのには早そうなものもありましたが…


これは、バッチリ収穫すべきタイミング!

指先で軽く摘めば簡単に採れました。
逆に言うと、指を触れるだけで簡単に落ちてしまいます。
まとまった量を収穫するのは難しいかも知れません。


これだけ収穫できました。
このまましばらく干しておきます。

2週間くらい干しました


重さを量ってみると、64gです。
たった64gですが、貴重な天然そばです。

さて、これをどうやって蕎麦粉にすれば良いのでしょうか。
天然の蕎麦という事で、収穫後の事は何も考えずにここまで来ましたから、ここでふと立ち止まって、どうやって粉にしようかと考えました。

蕎麦を粉にするには、石臼です。

石臼なんか家にありませんよ。
それで、今回のために買おうかと検討しました。
直径15cm程度の小さい石臼なら5000円程度で売ってます。

けど絶対に置き場所に困りますよ。
我が家の台所に置く場所なんて無いです。
めったに使わないから、押し入れの奥とかに片付ける事になります。
押し入れの奥から出すの重たいですから面倒で、出すの億劫になりますよ。
だから絶対使わなくなるのが予想されるので、石臼は買いません。

石臼を使わずに、工夫して粉にしようと思います。

殻剥き

まずは、蕎麦の殻を剥かなければいけません。
皆様は、どうやって蕎麦の殻を剥くのかご存じですか?
私は実際にやってみるまで知りませんでした。
そのためにいろんな方法を試してみました。

板摺り

とりあえず、お米の籾殻を外す方法を参考にして、まずは、板摺りをしてみます。


板と板の間に玄蕎麦を挟んで体重をかけて擦り付けます。

こうすると殻が…


全く剥けてません。

すり鉢


次は、すり鉢に玄蕎麦を入れて、擦ってみます。


全くできてません。

手で殻を剥く


手で殻を剥いてみます。
爪で殻に切れ込みを入れて、何とか殻を剥く事ができます。


この通り、殻を剥く事が、できました。
蕎麦の香りがしてきましたよ。


この調子で少しコツを掴んだので、30分くらい手で殻を剥きました。

30分も手で殻むきをやったら爪や指先が痛くなって、限界が来ました。
これ以上無理です。


そして、剥いてない残りの重さを量ってみました。

55g!


最初が64gだったから、たった9gしか進んでません。

オトコ中村

こらアホらしいわ。
こんなのやってられません。

殻むき機購入を検討する

なんか便利な蕎麦のから剥き機が無いかと思って、ネット通販で調べてみました。
アマゾンには無かったけど、楽天で見つかりました。

小型玄ソバ脱皮器
66万2080円(税込)送料無料!(2024年1月16日現在)

オトコ中村

こんなの買えるかい!
てか置く場所も無いわ!

昔はどのように殻むきしてたのか調べる

昔はどのように殻をむいてたのか調べてみました。

そしたら、昔は殻ごと粉にして、そのごちゃ混ぜになった粉の中でも殻の方が軽いから、ふーっと吹き飛ばせば、殻だけが飛んで、殻を取り除く事ができるみたいです。

それでも少しは殻が混じります。

完成した蕎麦に殻が混じって、黒い斑点ができます。
それを蕎麦の星と呼ぶみたいです。

要するに少しの殻は許容範囲みたいです。

だから、このまま粉にしてみます。

粉砕


石臼は無いですから、グラインダーで粉にしようと思います。
グラインダーに玄ソバを入れます。


蓋をして、回転させます。


ピンボケですみません。
全く粉になってないように見えます。


バットに広げてみると、少しは粉になってるみたいです。


ザルで振るいます。


一応、蕎麦粉ができてます。


この調子で『粉砕→ザルで振るう』という工程をさらに4回行いました。

少しは細かい殻が混じってますが、これは許容範囲でしょう。


粉砕したら殻は割れて中身が出ただけで、殻は細かくなりませんでした。
おかげでザルで簡単に蕎麦粉だけを振るう事ができました。

これが石臼を使って挽いていたらまた違う結果になっていたと思います。


蕎麦粉が粗いので、蕎麦粉だけを挽いて細かくしました。


これは、殻を剥いたそばの実です。
丸抜きと言うらしいです。

これも粉砕します。


蕎麦粉ができました。


完成した蕎麦粉の重さを量ってみると41gでした。


京都産天然蕎麦粉です。

これはとても貴重です。

これでやっと蕎麦を打つ事ができます。

蕎麦を打つ


蕎麦の材料(今回作った量)
天然蕎麦粉 41g
地粉 60g
水 40ml

蕎麦粉が41gしかないから小麦粉60gと混ぜて六四蕎麦にします。

ちなみに私は蕎麦打ちは素人です。
素人向けの蕎麦打ちの記事を書いた事もあります。

↑この記事では六四から始めると書いてますが、これは蕎麦粉が六で小麦粉が四の六四です。
これから作るのは蕎麦粉が四で小麦粉が六の六四です。
素人でも自分で蕎麦を打てば美味しいですよ。

こねる


ボウルに小麦粉と蕎麦粉を入れて箸で混ぜます。
粉が混ざったら、水を半分入れて箸で混ぜます。


水残り半分を入れ箸で混ぜます。
水分が全体に回ったら手でこねます。


水分が少ないので少し足しました。
足した水分は分量外です。

力を入れてこねます。
生地を10分以上休ませます。

小麦粉の割合が多いので、手打ちうどんの要領で考えると良いです。

伸ばす


打ち粉をして指で少し伸ばしてから、めん棒で伸ばします。
打ち粉には蕎麦粉を使うのが理想ですが、もう蕎麦粉が無いので小麦粉を使ってます。


とにかく薄くのばします。
小麦粉の割合が多いから、コシが強くてなかなか伸びません。
蕎麦粉の割合が多ければ、もっと簡単に伸びますよ。


打ち粉をして三つ折りにしてまな板に乗せました。

切る


どんどん切っていきます。
上手に切れるかどうかというのは、あまり気にせずに適当に切ります。


全部切れました。

ネギを刻んでおく


蕎麦を茹でる前にネギを刻んでおきます。

茹でる


お湯を沸かして、麺をほぐして入れます。
さらに箸でほぐします。
茹で時間は2分くらいが目安です。
途中で沸騰してきたら水を差しました。
小麦粉の割合が多いからうどんうどんのような茹で方になってます。
最後に固さを確認します。


お湯を切って、冷水で締めます。


お皿に盛って完成です。
蕎麦つゆは既製品を使いました。

とうとう京都産の天然蕎麦が完成しました。

天然蕎麦を試食


麺がボロボロになってしまいましたが、まあいいです。

味は、ちゃんと蕎麦の味してます。

うどんのようなコシがあって、後から蕎麦の風味がします。

飲み込んだ後に華やかな蕎麦のアロマを感じました。
野草独特のクセの強さを持っています。

美味しいです。
うどんと蕎麦の良い所を両方味わえた感じです。
そして、天然の蕎麦を食べられた事にとても満足しました。

これを食べた後に、比較のために既製品の蕎麦を何種類か食べてみましたが、あまり蕎麦の香りを感じませんでした。
それに比べて今回の天然蕎麦は、個性的な香りだったなぁと、他の蕎麦を食べて改めて感じました。

野生種だから栽培された蕎麦より香りやクセが強いです。

まとめ

  • シャクチリソバという蕎麦の野生種がある。
  • シャクチリソバは薬草として葉や茎を食べる。
  • 薬草としてシャクチリソバの根を煎じて飲む事もある。
  • 蕎麦の殻むきは難しい。
  • 蕎麦を粉にするのは手間暇がかかった。
  • シャクチリソバで打った蕎麦は華やかな蕎麦のアロマを感じた。

と言うわけで、今回の蕎麦は、厳密にはシャクチリソバで、蕎麦ではありませんでした。
蕎麦の仲間だからほとんど蕎麦と変わりませんけどね。
だから、蕎麦として食べました。
そして、蕎麦の味しました。

シャクチリソバは、全国に分布してるみたいなので、皆様も探して天然蕎麦打ちに挑戦してみてください。

また、シャクチリソバの葉や茎は食用になるそうなので、来シーズンはそちらにも挑戦してみようと思います。

動画で説明

動画では私が実演してます。
そして蕎麦について熱く語っています。
動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
YouTubeもやってます。
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詳しくは プロフィールのページ をご覧ください。

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