その他の漬物・発酵

京都人が教える千枚漬けの漬け方2種 皮も有効利用!

京都人が教える千枚漬けの漬け方2種
皮も有効利用!

京野菜の聖護院かぶを使って千枚漬けを漬ける方法をご紹介します。
聖護院かぶがなくても普通のかぶでも大丈夫です。
保存袋で簡単に漬ける方法です。

一般的な漬け方と、少し乳酸発酵させる漬け方の2種類の漬け方をご紹介します。

【目次】
1.千枚漬けには聖護院かぶを使います
1−1.千枚漬けのシーズン
1−2.聖護院かぶと聖護院大根の見分け方
1−3.聖護院かぶについてちょっと脱線
2.千枚漬けの漬け方(お店と同じ味)
2−1.かぶの皮をむき、スライスする
2−2.千枚漬けをスライスする道具
2−3.聖護院かぶを漬ける(下漬け)
2−4.2日後(本漬け)
2−5.さらに2日後(完成)
3.少し乳酸発酵させる千枚漬け
3−1.漬けてから 1日後
3−2.さらに3日経過(完成)
4.皮の有効利用法
5.まとめ
6.動画で説明

千枚漬けには聖護院かぶを使います


千枚漬けには、京野菜である聖護院かぶを使います。
聖護院かぶが手に入らない方は、普通のかぶを使っても大丈夫です。

聖護院かぶを入手するにあたって、ちょっと注意しなければならない点があります。
聖護院かぶとよく似た、同じく京野菜の聖護院大根というものがあります。
これらはよく似てますが、やはり大根とかぶという違いがあります。
千枚漬けには聖護院かぶを使います。

どちらを漬物にしても美味しいですが、千枚漬けのきめ細やかで柔らかくツルンとした食感は、かぶでしかできません。
大根で作るとシャキシャキしたものになります。

たいてい京都の八百屋さんには、聖護院かぶと聖護院大根が一緒に売られていますが、野菜の名前が書いてありますから、それを見れば間違うことはありません。

しかし、私は間違って聖護院大根を買ってきて、千枚漬けを作ってしまいました。
その時は、聖護院大根だけが売られて、かぶが無かったので、間違って買ってしまったのです。

これから2種類の千枚漬けを紹介しますが、片方は、間違って聖護院大根を千枚漬けにしていますが、気になさらずに、聖護院かぶだと思って見てください。

千枚漬けのシーズン

聖護院かぶが売られているのは11月〜2月くらいなので、その期間が千枚漬けのシーズンとなります。

聖護院かぶと聖護院大根の見分け方

聖護院大根と聖護院かぶ

聖護院大根の方が、普通の青首大根と同じで、葉っぱに近い方が少し青いです。
かぶは全体が白いです。

形には個体差がありますけど、聖護院大根の方が細長い傾向にあります。

聖護院かぶについてちょっと脱線

八百屋のおじさんから聞いた話ですが

昔、長野のお坊さんが京都に来て、聖護院大根の種を持ち帰り、長野で栽培を始めたら、京都と長野の気候が違うため、根が育たずに葉だけが育ち野沢菜になりましたとさ。

要するに、野沢菜の祖先は聖護院大根だったという話です。

それで、調べてみたら、聖護院かぶでなく、大阪の天王寺かぶを長野で育てたら野沢菜になったというのが有力な説のようです。
コレにも諸説あるみたいです。

千枚漬けの漬け方(お店と同じ味)

まずは、お店と同じ味の千枚漬けの漬け方をご紹介します。
塩で1日下漬けしてから、甘酸っぱい調味液に2日くらい漬けます。
発酵はさせません。
お店で売ってる甘酸っぱい千枚漬けの味そのまんまにできますよ。

【千枚漬けの材料】
聖護院かぶ 1個
塩 皮を剥いた聖護院かぶの重さに対して2%
砂糖 50g
酢 100ml
みりん 50ml
昆布 5cmくらい
唐辛子 適量
※聖護院かぶが手に入らない場合は、かぶなら何でも良いです。

かぶの皮をむき、スライスする


まずは、かぶを洗い大胆に天と地を切り落としてから、皮を剥きます。

皮の付近には、漬物にするにはちょっと硬い部分があるので、皮は分厚い目に剥いた方がいいです。

皮は捨ててはいけません。
少し干してセミドライにしてからきんぴらにすると美味しいです。
その方法は後述します。


これを薄く切ります。
お漬物屋さんでは、専用の道具を使って薄く切りますが、家では包丁で切ります。
これを均等に薄く切るのは難しいので、全神経を集中させて切ります。
千枚漬けというのは、円形だから価値があるのです。
だから、なるべく円形でスライスしようと頑張りました。


包丁で切ると分厚い部分や、薄い部分や、全く均一でないバラバラのスライスになりました。

切り進めると、残りの部分を円形に切るのはどうしても難しくなってきたので、半分に切って半円にしてスライスしました。

やはり、半円にすると切りやすいです。
最初からこうしておけば良かったかもしれません。

千枚漬けをスライスする道具

ちょっと脱線になりますが、千枚漬けをスライスする道具というものがあります。
スライサーという道具は他にもありますが、それは千枚漬け専用のスライサーなのです。


京都の錦市場にそれを売ってるお店があります。


有次というお店です。
(1560年)に「刀鍛冶 藤原有次」として創業した、450年以上の歴史があるお店です。

店内は、包丁とか刃物とか調理道具がズラーっと置いてあります。

けど店頭にその道具は置いてません。

お店の人に聞いたら、ちょっと待ってくださいって言って、しばらく待たされましたが、店の奥から出してきてくれました。


これが千枚漬けをスライスする道具です。
幅は、もちろんあらゆる聖護院かぶをカバーできる幅なので、結構でかいです。

刃と本体の間にクサビを打ち、スライスする厚さを調節できるようになってます。
もちろん刃を研いでメンテナンスもできますから、半永久的に千枚漬けを綺麗にスライスすることができます。

そして、お値段は、38500円(たぶん税込)との事。

欲しかったですが、高かったので、買わずに帰ってきました。

この道具があれば、お店で売ってるような千枚漬けのスライスが自宅でできるようになりますよ。

聖護院かぶを漬ける(下漬け)


皮を剥いたかぶの重さは864gでした。

これに対して2%の重さの塩で漬けます。


塩を17g用意しました。
18gでもいいですよ。


袋にかぶと塩を入れて、なるべく袋の中の空気を抜いて蓋を閉じます。
この時、袋の中を混ぜて塩を全体にまぶすとかは特にしてません。
塩が一部分に固まっていても、かぶから水分が出て、次第に塩の混じった水分が全体に行き渡るので、結局全体が漬かるのです。

全体が漬かるようにするには、袋の空気をしっかり抜いておく事です。
空気がちゃんと抜けてるとかぶから出た水分が全体に行き渡り、重石を乗せて漬けたのと同様の効果が期待できます。

そして、このまま1日置いておきます。

2日後(本漬け)


結局2日置きました。
1日目は家に帰るのが遅くなったので、その日は何もせずに結局2日置いたという訳です。
2日置かなければいけないという事ではありません。
1日でもいいですし、2日でもいいです。

水分が出て、かぶはしんなりして、ちゃんと漬かってます。


水分を切ります。
この時点で水分をしっかり切っておいた方が、いい味に漬かりますよ。
本漬けした際に調味液の味がよく染み込みます。

【本漬け用調味液】
砂糖 50g
酢 100ml
みりん 50ml
昆布 5cmくらい
唐辛子 適量


袋に調味液の材料を全て入れて、袋の空気を抜いて蓋を閉じます。
混ぜて砂糖を溶かすような事は、しなくていいです。
勝手に溶けます。


水分が漏れても大丈夫なように、バットに入れて、冷蔵庫で2日ほど置いたら完成です。

さらに2日後(完成)


しっかり味も染み込んだ事でしょう。


お皿に盛っていただきます。

甘酸っぱくて、さっぱりして、かぶは柔らかく滑らかできめ細やかで美味しいです。
お店で売ってる千枚漬けと同じ味です。

大きなかぶ1個を漬けても、もて余すどころか、家族4人ですぐに食べ尽くしました。

少し乳酸発酵させる千枚漬け

今から紹介する方法は、売ってる千枚漬けとは違う味になります。
乳酸発酵させるので、発酵による酸味が出ます。
お腹に優しい乳酸菌たっぷりの漬物になります。

【少し乳酸発酵させる千枚漬けの材料】
聖護院大根 1個
塩 大根の2%の重さ
唐辛子 適量
昆布 適量

聖護院かぶの皮を剥いて、スライスするところまでは同じです。


袋に全ての材料を入れます。


5分くらい置いたら、昆布を取り出します。
昆布が、かぶの水分を吸って柔らかくなってるので


昆布を刻みます。

昆布は、刻んでも刻まなくてもどちらでもいいですよ。


昆布を入れて、袋の空気を抜いて蓋を閉じます。

このまま常温で置いておきます。
冬だったら暖房の効いた暖かい部屋に置いておくといいです。
冷蔵庫に入れると乳酸発酵のスピードが遅くなるので、暖かい部屋に置いておくのがいいです。

漬けてから 1日後


1日経ちました。
もうすっかり漬かって、水分も出ています。
この時点で食べても十分美味しいですが、さらに常温で置いて、少し乳酸発酵させると酸味と旨味が出てもっと美味しくなります。


袋を押さえて空気を抜きます。
袋の中にできる限り空気が残らないようにします。漬けたばかりの時は、かぶが固いから隙間に空気が残りましたけど、1日漬けたらしんなりしてるので、できるだけ隙間なく空気が残らないようにします。
袋にたくさん空気が残っていたらカビが生える原因となるので注意してください。

さらに3日経過(完成)


いい感じに漬かってます。


漬け汁が、ほんの少し濁ってるのがわかりますか。
この濁ってきたのが、乳酸発酵が始まったサインです。

千枚漬けの場合は、ほんの少し濁るだけで十分美味しくなってます。

ちなみに、聖護院かぶが手に入るのは冬なので、冬に暖かい部屋に置いて4日でできましたが、仮に夏に同じように漬けたら1日で乳酸発酵が始まります。
温度によって、発酵が始まるまでの期間が変わるので、漬け汁が少し濁ったら食べ頃と判断してください。

食べ頃になったら、冷蔵庫に入れて発酵のスピードを遅くする事で、食べ頃の期間を伸ばす事ができます。


少し乳酸発酵させた千枚漬けです。
発酵による酸味と旨味が出て美味しいです。
甘味はありません。

お漬物の乳酸菌は、生きて腸まで届くので体に良いですよ。

醤油をかけていただくと、またそれも美味しいです。

皮の有効利用法


コレは、剥いた皮です。
少し干してセミドライにしてから、刻んできんぴらにすると美味しいです。


お漬物屋さんは、この皮を捨てるんですよ。
冬になると、お漬物屋さんの前に、袋に詰められた皮が積まれている光景を目にします。
これも京都の冬の風物詩ですね。

もったいないから、あれを引き取って家で食べてやろうかと思った事もあります。
しかし量が半端ないから実行には至りませんでした。

けど、家で発生した皮くらいは有効利用させてもらいたいですね。


ネットに入れてベランダで干します。

ネットが無くても、ザルとかお皿とかに重ならないように置いても大丈夫です。

ベランダでなくても室内でもいいです。
室内の場合は、風通しの良い場所か、エアコンの風が当たるような所がいいです。


皮は、2日間干しました。
11月の寒くなり始めた季節に2日間です。
天気は良かったです。
そんな条件で、この程度のセミドライになりました。
きんぴらにするにはちょうどいい感じだと思います。


これを千切りにします。


全部切ったら、このようになりました。

【きんぴらの味付け】
醤油 適量
七味か一味 適量
いりごま 適量
ごま油 少し


フライパンを熱して油をひき、刻んだ皮を炒めます。
野菜は、たいてい炒めるとしんなりしてきますが、セミドライにすると、炒めてもあまり変化がありません。
だから、火が通ったかどうかの判断が付きにくいです。
あまり火が通ってなくても食べられますけど、結構じっくり目に炒めた方が美味しいと思います。

火が通ってきたと思ったら、醤油、七味、炒りごまを入れて混ぜます。
仕上げに火を止めてごま油を入れて完成です。

お皿に盛ります。


聖護院かぶの皮のきんぴらです。

コリコリしててかぶの味が凝縮されて、ゴマの風味と相まって美味しいですよ。

こんなに美味しいなら、一丁頑張って漬物屋さんから皮を引き取って大量に作ってみようかと思いますよ。

思ってるだけですよ。

まとめ

  • 千枚漬けには、京野菜である聖護院かぶを使う。
  • 聖護院かぶと聖護院大根を間違わないように注意する。
  • 千枚漬けをスライスする専用の道具がある。
  • 手作りの千枚漬けは美味しい。
  • 少し乳酸発酵させると体に良い。
  • 皮はセミドライにしてきんぴらにすると美味しい。

動画で説明

千枚漬けについての動画は2本あります。
オトコ中村が熱く語っております。
動画でしかお伝えできない事もあるので併せてご覧ください。

↑こちらは少し乳酸発酵させるタイプです。
間違って聖護院大根で漬けてますが、かぶで漬けていると思って見てください。
皮のきんぴらの作り方もこちらで紹介してます。

↑こちらはお店と同じ味の千枚漬けの漬け方です。
聖護院大根と聖護院かぶの見かけ方、千枚漬け専用のスライサーなども紹介しています。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住で2児の父 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
ツイッターで更新情報など色々呟いてます。
詳しくは プロフィールのページ をご覧ください。

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