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セイタカアワダチソウの根でコーヒーを作ってみた
セイタカアワダチソウの根でコーヒーを作る事ができるかどうか、実験してみました。
何故セイタカアワダチソウの根をコーヒーにしようと思ったのか、そしてどのように作ったのか、出来たコーヒーはどのような味だったのかをレポートします。
【目次】
1.セイタカアワダチソウコーヒーを作るまでの話
2.セイタカアワダチソウの根を収穫
3.セイタカアワダチソウの根をコーヒーにする
4.アレロパシーの物質について
5.セイタカアワダチソウコーヒーを淹れる
6.セイタカアワダチソウラテ
7.セイタカアワダチソウコーヒー試飲
8.セイタカアワダチソウコーヒーの味を検証
9.まとめ
10.動画で説明
11.セイタカアワダチソウの関連記事
セイタカアワダチソウコーヒーを作るまでの話
まず最初に言っておきますが、セイタカアワダチソウコーヒーというものは、世間では認識されていません。
そして売ってません。
何故、そんな物を作ろうと思ったか?
それは、
先日猫じゃらしでコーヒーを作りました。
![猫じゃらしコーヒー](https://otokonakamura.com/wp-content/uploads/16655547318704.jpg)
これが猫じゃらし(エノコログサ)を炒って焦がしてコーヒーにしたものです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
猫じゃらしコーヒーは意外にも美味しかったです。
めちゃくちゃ美味しい物ではありませんが、飲めるレベルの味で、実験としては成功と言えるものでした。
その成功に気を良くして、コーヒー豆以外の素材で作られたコーヒーの事を考えました。
コーヒー豆以外の素材で作られたコーヒーと言えば、まず、タンポポコーヒーがあります。
タンポポコーヒーは、タンポポの根を焙煎してコーヒーにした物です。
味はコーヒー豆から作ったコーヒーに似ています。
ノンカフェインで妊婦さんでも飲めるコーヒーです。
また、チコリコーヒーというのもあります。
チコリというキク科の植物の根を焙煎してコーヒーにしたものです。
これもタンポポコーヒーによく似た味です。
タンポポは、キク科の植物です。
チコリも、キク科の植物です。
という事は、キク科のセイタカアワダチソウの根も焙煎すればコーヒーになるのではないか?
…と思いました。
セイタカアワダチソウの根を収穫
セイタカアワダチソウの根でコーヒーを作ってみたいと思いましたが、私の行動範囲にはセイタカアワダチソウは生えてるものの、根まで収穫できるような状態の良いものはありません。
そんなある日、別の用事で鳥取県まで行く機会がありました。
その行った先には、なんとこの通り、セイタカアワダチソウの群生地がありました。
これは根っこを採取する絶好の機会です。
この機会を逃すわけがありません。
せっせと引っこ抜きました。
何も道具を持ってなかったので、ただ抜いただけです。
セイタカアワダチソウは、地中の浅い部分で地面とほぼ水平に地下茎が広がっているので、それが途中で切れないように慎重に引き抜くと良いです。
これだけ収穫して帰りました。
セイタカアワダチソウの根をコーヒーにする
まずは、根を洗います。
地上に出てた部分を切り落としました。
収穫した時は、ハサミを持ってなくて、地上部分を適当ななところで折っただけなので、地上部分が中途半端に残ってたためです。
このように、根と地上部分に分けました。
根をネットに入れて干しておきます。
幸いにも天候に恵まれて、1週間でパリパリに乾きました。
根を細かく切ります。
根の太い部分は、キッチンバサミで切るには硬かったので、園芸用のはさみで切りました。
だいたい細かくなりました。
これをコーヒー豆と同じように焙煎するので、根の太い部分は、コーヒー豆1粒分程度の大きさにしました。
フライパンを熱して、煎ります。
煙が出て、細い根は焦げて真っ黒になってるのに、太い根はあまり色が変わってません。
要するに、火が均等に通ってません。
このままでは細い根だけ真っ黒の炭になり、太い根は焦げてないという事態になるので、一旦バットに取り出しました。
太くて火が通ってない部分だけを取り出して、もう少し細かく切り、また煎ります。
これでも均等に火が通ってるとは言えませんが、先ほどよりも改善されてるので、もうこの辺にしておきます。
バットに入れて冷ましておきます。
一応、これがセイタカアワダチソウコーヒーです。
これをグラインダーで粉にしてからコーヒーを淹れます。
ちなみに、今回の焙煎方法は、私が過去にコーヒー豆のフライパン焙煎を研究した事がありまして、その時に培った技術を応用してます。
コーヒー関連の記事だけで11記事あるので、興味のある方はご覧ください。
↓オトコ中村のコーヒーに関する記事↓
https://otokonakamura.com/category/other/cafe/
アレロパシーの物質について
セイタカアワダチソウは、根から他の植物の生長を阻害する物質を出して繁殖します。
その事をアレロパシーといいます。
アレロパシーは、植物の出す化学物質が他の植物に影響を与える事を言います。
だから、セイタカアワダチソウの根には他の植物の成長を阻害する物質が含まれてます。
その物質を調べてみると、
↓こちらのサイトでは↓
https://minorasu.basf.co.jp/80067
「ポリアセチレン」と書かれていました。
↓こちらのサイトでは↓
http://www.miyazaki-c.ed.jp/gokase-h/forestopia/r_announcement/research_02.pdf
「シスデヒドロマトリカリアエステル」と書かれていました。
いずれにせよ、セイタカアワダチソウの根には、確かに植物の成長を阻害する物質が含まれている事が証明されています。
その物質の、人体への影響が気になりました。
せっかくコーヒーを作っても、それが体に悪ければ意味がないですから。
私がウェブで調べたかぎりですが、人体への影響について書かれた資料は見つかりませんでした。
きっと、そんな事を研究してる人が居ないんですよね。
それで、その物質についてはよく解らず終いでした。
しかし、よく考えたら、アレロパシーはタンポポにもあります。
セイヨウタンポポの、あのものすごい繁殖力は、アレロパシーの影響を抜きにしては考えられません。
人は、そのタンポポの根をタンポポコーヒーとして飲んでます。
おまけにタンポポコーヒーは体に良いと言われてます。
タンポポのアレロパシーの物質を全く気にしなくて良いなら、きっと、セイタカアワダチソウのアレロパシーについても気にしなくても良いと思います。
と言う訳で、安心してセイタカアワダチソウコーヒーを飲みましょう。
セイタカアワダチソウコーヒーを淹れる
手動のコーヒーミルに2杯分入れ、挽きます。
コーヒー豆の時よりも回すのに抵抗がありますが、ちゃんと粉になりました。
ペーパードリップで淹れます。
最初は熱湯を少し注いで蒸らし、しばらくしてからお湯を注ぎます。
どう見てもコーヒーにしか見えませんね。
匂いもコーヒーとそっくりです。
カップに注ぎます。
セイタカアワダチソウラテ
サーバーのコーヒーに牛乳を足して温めて、セイタカアワダチソウラテも作りました。
セイタカアワダチソウコーヒー試飲
セイタカアワダチソウコーヒーをいただきます。
コーヒーによく似た味です。
と言うか、たんぽぽコーヒーと一緒のような味です。
かと思ったら、最後にものすごくエグい苦味がきて、それが舌に残ります。
口に含んだ瞬間は、コーヒーの香ばしい香りがして、心地良いのかと思いきや、飲み込んだら舌にエグい苦味が残る感じです。
そのエグい苦味は持続力があります。
このエグい苦味はきっとアクだと思います。
私は苦味に対して、例えば辛い料理に強い人が居るみたいに、苦味には強いです。
ちなみに辛い料理は苦手です。
苦味に強いためか、セイタカアワダチソウコーヒーのエグい苦味も、心地良くはありませんでしたが平気でした。
高1の息子は、この苦味がかなりキツかったようで、麦茶を飲んで口を浄化しようとしましたが、それでも苦味が残っていると言ってました。
セイタカアワダチソウラテも飲んでみます。
こちらも、後から来る苦味が牛乳のおかげでマイルドにはなっているものの、しっかりと存在感があります。
苦味に弱い人には飲めない味です。
セイタカアワダチソウコーヒーの味を検証
セイタカアワダチソウコーヒーを飲む直前に、タンポポコーヒーの作り方を調べました。
飲む直前に調べたという事は、今まで作り方をろくに調べずに独自の方法で作ってました。
何故なら、セイタカアワダチソウコーヒーの作り方なんて調べても見つかりませんからね。
しかし、たんぽぽコーヒーの作り方を調べておけばよかったと思いました。
タンポポコーヒーの作り方は、根を乾燥させる前の、生のタンポポの根を細かく、フードプロセッサーなどで細かくして、それを水にさらしてアク抜きをして、それを乾燥させて焙煎します。
私は、アク抜きという工程をすっ飛ばして作ってました。
あのエグくて持続力のある苦味は、やはりアクだったのです。
セイタカアワダチソウは、私が注目している食材ではありますが、アクがとても強く、普通には食べられないのです。
食べる時も、必ずアク抜きをします。
セイタカアワダチソウコーヒーもアク抜きさえすれば、タンポポコーヒーと同じように美味しく飲めると思います。
これはもう一回やり直さないといけません。
しかし、私の行動範囲にはセイタカアワダチソウの群生地が無いから、遠くまで採りに行かないといけません。
私の行動範囲にも、もちろんセイタカアワダチソウは生えています。
しかし、根を採るのに適した状態の良いものはありません。
また、良い状態の根を収穫できたら、今度はアク抜きしてコーヒーを作りたいと思います。
続編を、お楽しみにお待ちください。
↓2023年10月12日続編が出ました↓
まとめ
- セイタカアワダチソウの根は地中の浅い部分で地面とほぼ水平に地下茎が広がっているので、それが途中で切れないように慎重に引き抜くと良い。
- セイタカアワダチソウの根にはアレロパシーの物質が含まれているが、気にしなくても良いと思う。
- セイタカアワダチソウの根を洗う→干す→細かく切る→焙煎する→粉にする→淹れる→コーヒーの完成。
- セイタカアワダチソウコーヒーの味はタンポポコーヒーそっくりだが、アクが強すぎた。
- 根を洗った後に細かく切って水にさらしてアク抜きをする必要がある事が判明。
動画で説明
動画では私が自ら根を引っこ抜き、コーヒーを作り、飲んで、熱く語っています。
動画でしか伝わらない事もあるので、併せてご覧ください。
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