◆米ぬかが余ったときどうする?
これは、米ぬかです。
たくあんを仕込むときに、ぬかを使用するので、3kgほど仕入れました。
けど、実際たくあんでは、600gしか使用しなかったので、2.4キログラムの、ぬかが残りました。
さて、これをどうしよう。
普通は捨てるかもしれませんが、私は捨てませんよ。
我が家では、普段ぬか床に少しずつ足して使用しているのですが、2.4kgのぬかを使い切るには、1年以上かかりそうです。
ぬかを1年以上も置いておくのは、邪魔だし、食品衛生的にも問題がありますね。
という訳で、ぬかを消費するために、ぬかをテーマにいろいろ料理実験をしてみようと思います。
まずは、煎ってみる
煎りぬかにしたら、味はともかく、そのまま食べることも可能。
調べてみると、きな粉の代用として使えるという記述がありましたが、実際試してみたところ、味が美味しくない。
煎りたてだと、香りは良いですが、ぬかは、ぬか。
美味しくないです。
真っ黒になるまで煎ってみる。
家中が、香ばしい匂いに包まれます。
煙たいと言った方が近いかも…
火災報知機が作動する寸前です(笑)
こういう実験をするには、家族の理解が必要です。
私は幸いにも、家族の理解に恵まれて、自由に実験をさせてもらっています。
しかし、自由に実験していると言えども、家族の理解を得るには、美味しい物を作り出さないといけないので、多少のプレッシャーは感じているのですよ。
これでコーヒーを淹れてみる
ペーパードリップで淹れます。
ぬかコーヒーの出来上がり。
味は?
別にマズくないです。
薄っぺらいコーヒーといった味で、苦痛なく飲めますが、美味しいと言う程ではありません。
ぬかで酵母を起こしてみる
ビンに煎ってないぬか(容器の3割くらいの量)と、砂糖(小さじ1杯くらい)入れる。
水で満たして、混ぜる。
1時間後。
ぬかが沈殿しました。
1日後。
プシュー!!と蓋を開けるとあふれ出すぐらい元気に発酵しています。
この寒い季節に、1日でこんなになるなんて、この酵母、相当元気です。
この酵母液を使ってホームベーカリーでパンを焼く
ぬか酵母パンを焼きました。
補助的にドライイーストを使っています。
また、小麦粉に対して1割のぬかを配合しました。
表面はカリッと中はふわっで、香ばしくて美味しいです。
ぬかを混ぜる割合は、小麦粉の1割か、多くても2割くらいの重量にしましょう。
また違ったアプローチでぬか天然酵母を起こす
ぬか酵母パンを焼きました。
外はカリッと、中はふんわりで、やっぱりおいしい。
ぬかの酵母は元気で、パンを焼くのに適しているということが分かりました。
また、ぬかをパンに配合すると、香ばしいパンになります。
全粒粉のパンをイメージしていただくとそれに似ているので分かりやすいかな。
という訳で、パン作りにぬかを使用するのは、とてもいい使い方だと思います。
これは、地味ですが新発見ですね。
ぬかコーヒーをアレンジしてもっと美味しい物を作ってみる
イタリアに、大麦を煎って抽出した「オルゾー」という茶があります。
オルゾーは、香ばしい茶で、ミルクティーにすると美味しいです。
で、ぬかコーヒーとオルゾーの味が、少し似ているという事に、後から気が付きました。
それならば、ぬかコーヒーにミルクを入れたら美味しいに違いない。
また、ぬかコーヒーという呼び方はやめて、もっと美味しそうな名前に変更しよう。
名づけて「ライスブランミルクティー」
早速作ってみよう。
ぬか 30g
砂糖 30g
水 50ml
牛乳 250ml
ぬかを煎ります。
真っ黒けになるまで煎ります。
モクモクと煙が出てきた。
換気扇はフル回転です!
砂糖を投入。
砂糖を焦がしてコクを出そうと思ったけど、砂糖が焦げる前に、ぬかがこれ以上焦げたらマズイというところまできたので、次の工程に進みます。
水を入れると、すぐにボコボコに沸騰します。
牛乳を入れます。
温まれば完成です。
茶漉しで漉していただきましょう。
ライスブランミルクティーの完成。
お味は?
美味しい。
うん、普通に美味しいです。
妻からは、オルゾーよりも美味しいという評価をいただきました。
やったー!成功!
美味しいのだけれど、ただ、作るときにものすごく煙が出るのが問題点。
あと砂糖は、わざわざ煎ってる途中で投入せずに、完成してからお好みで入れたらいいです。
もう一工夫で商品化できるかも!?
ぬかでヨーグルトを作ってみる
「え? ぬかでヨーグルト? どういう事?」と、お思いの方もいらっしゃるでしょう。
なので、説明します。
ぬかと言えば、ぬか漬けですが、ぬか漬けといえば、乳酸菌ですね。
そうです。
ぬかには乳酸菌が生きているのです。
そして、乳酸菌と言えば、ヨーグルトですね。
ぬか → 乳酸菌 → ヨーグルト と言う発想で、ぬかヨーグルトを作ろうと思った訳です。
果たして、ぬかでヨーグルトが作れるのか?
ぬか酵母も元気だったのだから、乳酸菌も元気なはず。
必ず、ぬかでヨーグルトは作れるはずです。
早速、実験してみましょう。
容器にぬかを適量(30gくらい)入れました。
牛乳900mlを入れて混ぜます。
茶漉しで、ぬかを取り除き、ビンに注ぎ、40度に温めます。
そして、1日放置。
1日経過。
ん?
見た目には、水分と固形分が分離しているのが確認できます。
上に固形分、下にに水分、一番下にぬかの微粉末が沈んでいます。
固まっている!
確かにヨーグルトになっている。
それと、少しシュワーと炭酸の泡が出ています。
早速試食。
微炭酸の濃厚なヨーグルトだ!!
これは新食感!!美味しい。
水分と固形分が分離しているために、固形分が濃厚なヨーグルトとなっております。
また、ヨーグルト菌と同時に酵母菌も繁殖したために、炭酸ヨーグルトになった模様。
口の中で濃厚なヨーグルトが、シュワーっとなります。
本当に新食感!!
何故炭酸になるかと言うと、牛乳に含まれる乳糖を酵母菌が食べるからです。
酵母菌は、糖分を二酸化炭素とアルコールに分解するために、酵母菌が働くと炭酸になるのです。
炭酸になると同時に、アルコールも含まれています。
ただし、このヨーグルトのアルコールは、微量です。
酵母菌が発生させる二酸化炭素でパンを膨らませたり、酵母菌が発生させるアルコールでお酒を作ったりします。
ビールやスパークリングワインなどは、酵母が発生させる二酸化炭素とアルコールを両方利用したものです。
まあそんな訳で、非常に面白い実験結果となりました。
炭酸ヨーグルト商品化までもう一歩か!?
ぬかクッキーを作ってみる
小麦ふすまのクッキーがあるのだから、ぬかのクッキーがあって当然じゃないですか。
小麦粉 70g
炒りぬか 50g
バター 50g
砂糖 50g
卵黄 1個分
ベーキングパウダー 1g
※下準備
バターは溶かしておく
卵黄は常温にしておく
①全ての材料を混ぜ合わせる
②棒状に伸ばしてラップで巻く
③冷凍する
④オーブン余熱・洗い物・片付け・用事などをする
⑤生地を冷凍庫から取り出して、好みの厚さに切り、天板に並べる
焼く前の状態です。
これを180℃で20分焼きます。
焼けました。
ぬかの香ばしい匂いがしています。
完全に冷ましてからいただきます。
さて、お味は?
ん!
ん~
イマイチ!
いや、正確に言うと、ぬかをこれだけ大量に混ぜ込んで、よくもこれだけ美味しく作れたなあと感心するぐらい美味しいのですが、ぬかを混ぜる事によって、やはりまずくなってます。
もし、材料のぬかを、アーモンドプードルに置き換えたら、どれだけ美味しいものができた事でしょうか。
ぬか料理のまとめ
いろいろ実験してみましたが、以上の実験結果を踏まえると、ある法則を発見しました。
その法則とは…
ぬか料理の法則 「料理にぬかを使用すると、まずくなる。」
こんな、当たり前の事に、いろいろと実験を繰り返して、やっとたどり着きました。
やれやれ。
ぬか料理の法則を知った上で、私なりにお勧めの、ぬか使用法を順番に並べてみます。
○1番(最高の使い方)
ぬか漬けや、たくあんなどの漬け床に使用する。
ぬかに住んでいる乳酸菌や酵母菌の働きにより、食品の保存性が高まり、美味しくなり、善玉菌たっぷりの健康食品になります。
○2番(まあまあの使い方)
パンに混ぜる。
ぬか天然酵母でもパンが焼けるし、イーストで焼く場合も、ぬかを混ぜてもまずくなりません。
混ぜる割合は、小麦粉の1割から2割までにしましょう。
○3番(とりあえず悪くない使い方)
ライスブランミルクティーにする。
1回か2回も飲めば、もう満足すると思います。
アッサムのミルクティーには敵わないですよ。
○4番(お勧めできない使い方)
料理に混ぜる。
料理がまずくなります。
ただ、「ぬかは栄養豊富なので、まずくても食べる」とおっしゃる方もいるでしょう。
だから止めはしませんが、お勧めはできません。
○その他(番外編)
ぬかヨーグルトにする。
炭酸ヨーグルトという新食感ではあるのですが、品質が不安定なため、レシピ化には至ってません。
興味のある方は実験してみてください。