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納豆を真夏に72日常温放置するとどうなるか

納豆の熟成度合いを比べる

納豆を真夏に72日常温放置するとどうなるか

暑い中で納豆を常温で放置したらどうなるかという実験をやってみました。
納豆を買ってきて、タイトルの通り、真夏に72日間常温放置しました。
その結果は、なかなか刺激的であり、そして新たな発見がありました。

【目次】
1.実験を始めたキッカケ
2. 2023年7月15日実験開始
3. 2023年8月6日(実験開始から22日経過)
4. 22日常温放置納豆を試食
5. 2023年9月3日(実験開始から50日経過)
6. 50日常温放置納豆を試食
7. 2023年9月25日(実験開始から72日経過)
8. 72日常温放置納豆を試食
9. 72日熟成納豆を味噌汁に溶かす
10. 72日熟成納豆をピザのトッピングに
11. 72日熟成納豆を使った料理を試食
12.納豆を常温保存してみて分かった事と思った事
13.動画で説明

実験を始めたキッカケ

この実験を始めたのは、このブログでいただいたコメントです。

私は、1年以上前から、完成後の納豆を全く冷蔵庫に入れず、常温保存するようになりました。冷蔵保存するより、常温保存したほうが断然美味しいと感じます。

『納豆を作る』にいただいたコメントより抜粋

このコメントを書いてくれた人は、納豆を手作りしてるのですが手作り納豆でsも市販の納豆でも同じです。
納豆を冷蔵保存するよりも常温保存する方が断然美味しいという部分は、私にとってとても興味深い内容だったので、実験してみようと思いました。

そして、この実験をするために夏が来るのを待ってました。
常温保存するのが、仮に冬だったら常温保存も冷蔵庫もあまり変わりません。
春や秋なら冷蔵庫と常温の違いはありますが、あまり大きな違いはありません。
やはり夏が最も効果的です。

暑い方が納豆菌の活動も活発ですからね。

2023年7月15日実験開始

2023年7月15日に実験用の納豆を買ってきました。

これは滋賀県産の大豆を使った納豆で、私の住む京都ではフレスコというスーパーでいつも売ってます。

賞味期限は2023年7月23日となってます。

これを常温で放置します。
エアコンの効いてない暑い部屋に置きました。

2023年8月6日(実験開始から22日経過)

この実験を始めた7月15日から8月6日までの22日間の京都の気温は

最高気温が30℃を超える真夏日が3日
最高気温が35℃を超える猛暑日が19日

めちゃくちゃ暑いです。
納豆菌が活発に活動してくれた事でしょう。

蓋を開けて、タレとカラシを取り除きました。

フィルムをめくりました。
フィルムをめくる時にほとんど糸を引きませんでした。

買ったばかりの納豆のフィルムをめくる時は、糸が引いて数粒はフィルムにくっ付くのですが、それはありませんでした。

色は赤茶色く変色しています。

あ、そうそう、賞味期限は2週間過ぎてます。

買ったばかりの納豆と見比べてみましょう。

色の違いは明らかで、それ以外に、豆の粒が少し小さくなったように見えます。
これは豆の水分が飛んだためだと思いますが、それ以外にも豆の成分が分解されて気化してる分もあると思います。
実際に納豆からはアンモニアが発生してるので、豆の成分が気化してるのは間違いないのですが、ごく微量だと思います。
ほとんどが水分が飛んだために、豆が小さくなっていると考えられますが、私の憶測です。
科学的に分析したわけではありません。

そんな科学的な話はいいから、味ですよ。
味を確かめてみましょう。

醤油を少し垂らして混ぜます。

混ぜる時もあまり糸を引きません。

22日常温放置納豆を試食

では、いただきます。

パクッ

モグモグ…

凄い納豆臭です!!

口の中で納豆臭が爆発しました。
呼吸をすると、その強烈な納豆臭が鼻を突き抜けます。
これは泣く子も黙る納豆臭で、眠る姫も起きるでしょう。

納豆の味も濃厚で、匂いも味も濃厚なのです。
何故か少しエビのような匂いも感じられました。

そして、納豆を置いておくと発生する白い粒々、あれは、チロシンというアミノ酸で、納豆のタンパク質が分解されて発生する物です。
もちろんチロシンの粒も感じられます。

何もかもが強まった納豆という印象で、こういうのも有りだと思いました。

納豆好きな人には、これくらいの方が食べ応えがあって良いのではないかと思います。

2023年9月3日(実験開始から50日経過)

8月の京都の気温は

最高気温が30℃以上の真夏日が10日
最高気温が35℃以上の猛暑日が20日
最高気温が25℃以上の夏日が1日

最低気温は、25℃以上の熱帯夜が30日ありました。
25℃を下回ったのは1日だけです。

実験開始の7月15日から9月3日までの50日間では

最高気温が30℃以上の真夏日が14日
最高気温が35℃以上の猛暑日が35日

文句なしの暑さです。

蓋を開けて、タレとカラシを取り除きました。

フィルムをめくりますが、全然糸引きません。

おお、見た目やばいですね〜。

水分が飛んで、色が濃くなって豆が縮んでいます。

少し醤油を垂らしてまぜます。
全然糸を引きません。

匂いは、納豆臭が濃くなった感じがします。

では、食べたくないけどこれを食べてみます。

50日常温放置納豆を試食

では、いただきます。

味は濃厚です。

水分が飛んでるので、味が濃厚で、旨味が凄いです。
口の中が旨味でいっぱいになります。

チロシンの粒々感もあります。

納豆の水分が飛んでるから、ネチョーっと奥歯の間に挟まって、それがじわじわ溶けて口の中に旨味が供給されて、ずっと口の中は旨味が維持されています。

この日はカメラマンのbobさんも来ていたので、bobさんにも食べてもらいました。

bob

凄い旨味ですね。
歯応えが、塩の粒を噛んでいるような、味の素の粒を噛んでいるような、そんなんがあって

でも…

普通や。

オトコ中村

そやね。
案外普通に食べられるよね。

bob

もっと食べられなさそうな見た目だったから意外。

これを食べたら普通の納豆が物足りなくなる。

そんな納豆の新機軸を感じました。

また、私の妻にも食べてもらいました。
妻は恐る恐る、2粒だけ食べました。

旨味って嘘やんって思ってたけど、確かに旨味あるね。

この旨味を活かして、これを潰して練ったりしたら調味料に使えそう。

オトコ中村

調味料に使えそうって言うのは同感。
納豆の新たなる可能性を感じるね。

2023年9月25日(実験開始から72日経過)

9月1日から25日までの京都の気温は

最高気温が30℃を超える真夏日が18日
最高気温が35℃を超える猛暑日が5日

この実験を始めた7月15日から9月25日までの気温は

最高気温が30℃を超える真夏日が31日
最高気温が35℃を超える猛暑日が38日
最高気温25℃を超える夏日3日

納豆菌が活動するのに十分な気温だったと思います。

蓋を外して、タレとカラシを取り除きました。

フィルムをめくります。
端っこが乾燥してくっ付いていて、そこをはがすと糸を引きました。
それ以外の部分は、糸は引いてません。

より色が濃くなったように見えます。
しかし、前回とあまり変わらないように見えます。
見慣れただけでしょうか。

こうやって見比べてみると分かりやすいですね。
日を追うごとに色が濃くなっています。

少し醤油を垂らして混ぜます。

水分が飛んで固まっているので、混ぜると言うより、ほぐすと言った方が正確かもしれません。

では、これを食べてみます。

72日常温放置納豆を試食

お箸では摘みにくいので、スプーンでいただきます。

水分が飛んでいる分、味が濃厚になっています。

そして凄い旨味です。
歯にまとわり付いて、そこから口の中に旨味が常に供給され続けます。
だから食べてからしばらく経っても、ずっと旨味を感じ続けます。

これを食べて思ったのですが、京都にある大徳寺納豆に似てます。

大徳寺納豆は、大豆に麹菌を生やして塩漬けし、乾燥させた物です。

だから納豆菌で発酵してないので、厳密に言うと納豆ではありません。
納豆臭もしません。

けども、大豆を発酵させたものが乾燥してるという部分は共通なので、似ています。

大徳寺納豆は、料理のアクセントに使うなど、色々なアレンジができます。

これは、京都の料理屋さんで出てきたウドの天ぷらに細かく砕いた大徳寺納豆を付けていただくという料理です。

大徳寺納豆はこのような使い方もされます。

72日熟成納豆を味噌汁に溶かす

お椀に72日熟成納豆を3粒入れ、スプーンで細かく潰します。
そこに熱湯を少し注ぎ、混ぜて納豆を溶かしておきます。

味噌汁はフリーズドライの味噌汁を使います。
溶かした納豆の上にフリーズドライ味噌汁を入れて、熱湯を注ぎ、混ぜたら完成です。

これの味は後述します。

72日熟成納豆をピザのトッピングに

ピザは、手抜きして焼くだけの物を買ってきました。

その上に72日熟成納豆をばら撒き、これを焼きます。

焼けました。

適当に切っておきます。

72日熟成納豆を使った料理を試食

一口目は、普通の味噌汁とあまり変わらんなぁと思いました。

しかし、2口3口と進んでいくと、納豆の味がしてきました。
後味に納豆の旨味が残ります。

味噌の味は、ゴクリと飲んだらそのまま流れていくのですが、納豆の味はゴクリと飲んだ後も、ネバネバして口や喉に残ります。
美味しさがしつこく口の中に維持されます。

3粒では少ないかとも思いましたが、食べ終わってみると3粒でもパンチ力は十分でした。

続いて、ピザをいただきます。

あまり納豆の強烈さは感じませんでした。
納豆を焼いているので、炒り豆の、きな粉の香りもあります。

そして、後味にネバーっと納豆の味が口の中にしつこく残ります。
チーズの後味も、すぐに流れる事なく、納豆のネバネバと一緒に口の中に残ってます。

家族もピザを食べたのですが、私の感想と違いました。

家族の感想は以下の通りでした。

納豆の味が強烈だ。
納豆の味が強過ぎてピザの味が消えた。
けど美味しい。

私は、強烈な納豆を食べ慣れて、これが普通に感じるようになってしまいました。
だから、ピザは普通に感じたのですが、本当は強烈な味だったようです。

納豆を常温保存してみて分かった事と思った事

このように、熟成させた納豆を食べてみると、強烈な納豆の味こそが本当の納豆の味だと感じるようになりました。

買ってきたばかりの新鮮な納豆は、なんと味の無いものか!とも思うようになりました。

それから、この実験をして、お腹を壊すと言う事はありませんでした。
むしろ、お腹に良いのではないかと思ってます。

納豆の熟成が進む事によって身体に良い成分が増えてると思います。
これは科学的に分析した訳じゃないですよ。
私が勝手にそう思ってるだけですよ。

そして、熟成させた納豆は、調味料や、料理のアクセントに使える事も分かりました。

納豆というのは冷蔵庫が無い時代から食べられていた物です。
納豆の歴史からすると、冷蔵保存するようになったのは、つい最近の事でしょう。
そもそも冷蔵庫に入れる物じゃなかったはずです。

だから、納豆を常温保存するというのは、こんな実験をする前からすでに行われていた事で、当たり前の事ですよ。

動画で説明

動画では私が出演して熱く語ってます。
18分を超える動画ですが見応えありますよ。
動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
YouTubeもやってます。
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詳しくは プロフィールのページ をご覧ください。

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