お家でできる!米から作る米酢の作り方 【米酢前編】

2021年8月26日

お家でできる!米から作る米酢の作り方 【米酢前編】

米酢は、お米から作られているという事は、どなたでもご存知でしょう。
では、どのように作られているかと聞かれると、はっきり答えられますか。
今回は、米酢がどのように作られているのか、そして、ご自宅で米酢を作る方法をご紹介します。

【目次】
1.お米が米酢に変化する流れ
1−1.第1段階 糖化
1−2.第2段階 アルコール発酵
1−3.第3段階 酢酸発酵
1−4.お米が米酢に変化する3段階とその活躍する微生物
2.米酢を作る流れ
3.日本酒を作るのは簡単
4.米麹の材料
4−1.種麹について
5.米麹を仕込む
5−1.麹を2日間放置
6.日本酒を仕込む
6−1.仕込みから2日後
6−2.仕込みから5日後
6−3.仕込みから6日後
7.濾過
8.沈殿
8−1.2日後
9.動画で説明

お米が米酢に変化する流れ

まず、お米が米酢に変化する流れをご説明します。

【お米が米酢に変化する3段階】
第1段階 糖化
第2段階 アルコール発酵
第3段階 酢酸発酵

米酢は、大まかに言って、お米を3段階に分けて酢に変化させます。

第1段階 糖化

第1段階は、糖化です。
麹菌が作ったアミラーゼという酵素で、お米のデンプンをブドウ糖に分解します。


仮に、この黄土色の粒がブドウ糖の1分子だったとしましょう。


デンプンというのは、ブドウ糖の分子が何百個も鎖のように連なったものです。


そのデンプンがアミラーゼという酵素の働きによって…


鎖が断ち切られて、ブドウ糖に分解されます。

これが糖化です。

この説明は糖化のイメージです。
正しく説明しようと思えば、もっと詳しい説明が必要になりますが、今回は、お酢作りについての説明なので、糖化についてはイメージだけお伝えしますね。

第2段階 アルコール発酵

第2段階は、アルコール発酵です。


酵母菌がブドウ糖をアルコールと二酸化炭素に分解します。
これをアルコール発酵と言います。
こんな化学式覚えなくてもいいですからね。
アルコール発酵によってブドウ糖が、アルコールと二酸化炭素に分解されるという事だけ理解していただけたらいいです。

第3段階 酢酸発酵

第3段階は、酢酸発酵です。


酢酸菌が、アルコールと酸素を結びつけて、酢酸と水に分解します。
これも、こんな化学式覚えなくていいですよ。
酢酸菌が、アルコールと酸素を結びつけて酢酸と水に分解するという事だけ理解していただけたらいいです。

以上のように、お米が3段階でお酢に変化します。

お米が米酢に変化する3段階とその活躍する微生物


3つの段階それぞれで違う微生物が活躍しています。

第1段階の糖化では、麹菌。
第2段階のアルコール発酵では酵母菌。
第3段階の酢酸発酵では酢酸菌が活躍します。

このように麹菌、酵母菌、酢酸菌とそれぞれの微生物が役割をバトンタッチして米酢が出来るのです。
こんな事が、昔の微生物の存在を理解してなかった時代から行われてたのですから、すごいと思いませんか。

科学の進んだ現代では、微生物の事をもっと理解してるはずなのに、普段口にしてる米酢がどのように作られてるか、あまり理解できてなかったのではないでしょうか。

我々の子供たちにもこういう事を伝えていきたいですね。
これぞ真の食育だと思ってます。

米酢を作る流れ

米酢は、大きく2段階に分けて作ります。


まず日本酒を作ってから、それを酢酸発酵させて作ります。

市販の日本酒を使って酢作りはできないのかというと、市販の日本酒には酸化防止剤が入ってるので、お酢にはなりません。
日本酒でも、生原酒には酸化防止剤が入ってないので、それを使ったらお酢を作る事はできると思います。

それはさておき、今回説明するのは、お米から米酢を作る方法ですから、既製品の日本酒は使わずに手作りします。

日本酒を作るのは簡単

日本酒は、実は簡単にできます。
材料をまとめて容器に放り込めば勝手にできますよ。

【日本酒の材料】今回作る量
米麹 500g程度
お米 6合(炊く)
水 2リットル
ドライイースト 1g程度

これが日本酒の材料です。

よくテレビなどのメディアで酒蔵を取材して、酒造りを難しい事のように報道してますよね。
あれで、酒造りは難しいってイメージを持ってる人は多いと思います。

確かに、毎年味の違う農作物であるお米を原料に、毎年、何度作っても、毎回同じ安定した美味しさの酒を作るのは難しいです。

プロの味を出すのは、そりゃ難しいですよ。

けど酒を作る事自体は、めちゃくちゃ簡単です。

材料をまとめて容器に放り込めば勝手にできます。

米麹を作るのが、ちょっと面倒なので、そんな人は、場合は市販の米麹を使えばいいです。
乾燥タイプの米麹なら、ほとんどのスーパーに売ってます。

今回は、ちゃんと米麹から手作りしたいと思います。

米麹の材料

今回は、とりあえずお米3合で米麹を作りますが、1リットルの米酢を作ろうと思えば、お米1合分の米麹で十分です。

【米麹の材料】今回作った量
お米 3合
種麹 1g

お米の品種は問いません。

種麹について


種麹とはこういうものです。

麹菌の胞子を集めたものです。

これをお米に植え付けて米麹を作ります。

100g入りで、1500円程度で売られてます。
一回1g程度しか使わないんで、百回仕込める量です。
だいたい米麹を仕込むなんて年に一回程度ですから、およそ100年分入っるという計算になります。
一応、正味期限が1年程度に設定されてますけど、私は冷蔵庫で保存してますけど、私の使っている物は、9年前に買いましたが、


このように輪ゴムで止めて冷蔵庫で保存してますが、9年経った今でも生きてますよ。

米麹を仕込む


まずお米を洗い、1時間くらい水に浸けて、お米に水を吸わせます。
今は夏で、水温が高いから水につけるのは1時間程度でいいですけど、冬だったら2〜3時間は浸けておきます。


ザルで水を切ってから、お米を蒸します。

麹を作る時は、炊かずに蒸します。
炊くと、お米がたくさん水分を含んでしまうので、そうするとまともな米麹ができません。

普通の家庭でお米を蒸すのは面倒なので、水分を少なく炊いて作る方法もあります。

自宅消費用ならこの方法もありですが、今回はちゃんと蒸して作ります。


我が家にお米を蒸す用の鍋はないですから、普通の鍋で蒸します。
ザルのままお米を入れて、出来るだけお米の表面積が広くなるように広げてください。
蓋をして、中火で40分〜1時間くらい蒸します。


1時間くらい蒸して、蓋を開けました。


ちゃんと火が通ってるか少しだけ箸でつまんで食べて確認しました。

大丈夫です。
火が通ってます。


これを桶にぶちまけて冷まします。

桶がなければ、ボウルでも何でもいいですよ。
桶の方が雰囲気が出るので桶を使っているだけです。

ここに麹菌を植え付けるのですが、麹菌は50℃を超えると死んでしまうから、人肌程度まで冷まします。


麹菌を茶漉しに1g程度入れて、お米に満遍なく振りかけていきます。


混ぜます。
しゃもじで混ぜてみましたが、あまり要領を得なかったので


手で、混ぜました。
両手をすり合わせて、お米に麹菌をなすりつけるようなイメージで混ぜるといいですよ。

ところで、今回は種麹を使いましたが、天然の麹菌を培養して米麹を作ることもできます。
天然麹菌については以下の記事をご覧ください。


混ざったら、適当なタッパーに入れます。

麹菌が呼吸をするから、タッパーは深いタイプより、浅く広いタイプの方がいいです。


そして、麹菌が呼吸をするから、蓋は閉めずに、乗せるだけいいです。
少し隙間を開けておきます。

このまま30℃程度で48時間保温します。

これが冬だったら保温するのが面倒なんですよ。
保温機を使ったり炬燵を使ったり、床暖房を使ったりなど工夫して保温しなければいけません。

けど、今は夏です。

夏の間は、そのまま放置しておけば、麹菌が育ってくれます。

麹を2日間放置


さて、2日経ちました。

蓋を開けて中を見てみます。



白くなってるの分かりますか?
白い米麹になりました。


これで米麹の完成です。

日本酒を仕込む

さて、日本酒を仕込みましょう。
今は、夏です。

伝統的な日本酒というものは、冬に作ります。
だから冬でなければいけないという事はないです。
夏でも酒は作れます。

【日本酒の材料】今回作る量
米麹 500g程度
お米 6合(炊く)
水 2リットル
ドライイースト 1g程度


樽に、炊いてから冷ましたご飯→水→米麹→ドライイーストを入れます。


軽く混ぜます。


蓋を閉めて置いておきます。

ここで、麹菌が作った酵素によってお米の澱粉がブドウ糖に分解される「糖化」と、
酵母菌がブドウ糖をアルコールと二酸化炭素に分解する「アルコール発酵」が同時に行われます。

仕込みから2日後


蓋を開けて様子を見ると、もうお酒の匂いがしてます。


もろみをかき混ぜると、お米が溶けてほとんど液体になってることが分かります。

仕込みから5日後


アルコール発酵によって発生した二酸化炭素が米粒にくっ付いて浮いています。
これを粕蓋と言いますが、浮いてる部分は空気に触れますから、雑菌が繁殖しないように、たまにかき混ぜて沈めてやるといいです。


ちょっと味見してみましょう。


米粒が残ってますけど、そのまま飲んでみます。
米粒の残った微炭酸のお酒になってます。

ほとんど酒になってますけど、もう1日置く事にします。

仕込みから6日後


もろみの表面には米粒が残っています。
上手くいけば米粒は全て溶けるのですが、浮いてる米粒は粒のまま溶けてないので、100点満点の出来ではありませんが、まあこれで完成としましょう。


またちょっと味見します。
米粒は残ってますが、一応酒になってます。

仕込みから6日間で酒になりました。

濾過


大きな鍋の上にザルを置いて、晒しを被せます。
そこにもろみを注ぎます。


しばらく置いて濾過します。

下に白い液体が溜まりました。

これがいわゆる「どぶろく」です。

沈殿


透明な液体にするために、別の容器に移し替えて、濁り成分を沈殿させます。


これは密閉瓶ですけど、密閉すると中で炭酸ガスが発生して瓶が破裂する恐れがあるので、ゴムパッキンを外して密閉できないようにしました。

このまま何日か置いて、濁り成分を沈殿させます。

2日後


2日置いたら濁り成分は沈みました。

ちょっと黄色がかって、透き通ってませんが、これが本物の純米酒の色です。

市販の透明なお酒は、活性炭で濾過してるのです。

お酒に色が付いてるのは、これが純米である証拠だけでなく、仕込みが夏だった事や、仕込みが雑だった事も影響してるでしょう。
けど、お酢づくりのための酒なら、この色はむしろ歓迎すべきです。

それでは、これでお酢を仕込みましょう。

前編はここまでになります。
続きは後編をご覧ください。
↓↓↓後編はこちら↓↓↓

動画で説明

動画では、オトコ中村が講義形式で説明してます。
動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住で2児の父 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
ツイッターで更新情報など色々呟いてます。
詳しくは プロフィールのページ をご覧ください。

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