手作りで、白カビタイプのチーズも、青カビタイプのチーズも成功し、波に乗ってきた自家製チーズ作りですが、読者の方から面白い情報をいただきました。
その情報を要約すると…
という内容でした。
これは面白い!
米麹のチーズとは、このアイデアは思いつきませんでした。
考えてみると、米麹にもタンパク質分解酵素が含まれるので、それが牛乳のタンパク質を分解して、旨味のあるチーズになるかもしれません。
いや、なるのでしょう。
これは試してみる価値がありそうです。
と言う訳で、早速試してみました。
米麹チーズを作る
牛乳 1リットル
白カビチーズ 15g
塩 4g
米麹 100g
原材料に使用した白カビチーズはこれです。
自家製白カビチーズです。
このチーズの作り方については、以下の記事をご覧ください。
ブリーチーズ作りに挑戦!(ブリーチーズ前編)
ブリーチーズと言うより、どちらかと言うとカマンベールチーズが完成(ブリーチーズ後編)
米麹チーズの作り方
まず、牛乳に白カビチーズを入れ撹拌し、それを35℃まで温めます。
温めた物を、適当な容器に入れ、温かい所に置いて、夏なら1日、冬なら2日以上発酵させます。
2日後
牛乳が固まってヨーグルトが完成したのですが、ご覧の通り普通のヨーグルトではありません。
もうすでに牛乳の固形分(カード)と、水分(ホエー)が分離しています。
さらに、炭酸ガスと思われる気泡が少しプクプクと発生しています。
このような状態になったのは初めてです。
これが良いのか悪いのか分かりませんが、水分を切るには非常に都合が良かったです。
これをガーゼで濾して、ギュッと搾ったら水切りヨーグルト(カード)がすぐに出来ました。
いつも自家製チーズを作る時は、ヨーグルトの水分を切る段階で、こんなに効率よく水分を切る事が出来ません。
たいてい丸1日かけて水分を落としてから冷蔵庫で数日間かけて乾燥させ、ゆっくりと水分を飛ばしてました。
ところが今回は、ガーゼで濾して、ギュッと搾るだけで、すぐに目標の水分量まで水分を切る事ができました。
水切りヨーグルト(カード)に米麹と塩を加えます。
混ぜました。
ナイフで適当な形に成型しました。
蓋をして、暖房の効いていない寒い部屋に置いて熟成させます。
冬だから常温で置きましたが、夏なら冷蔵庫の中で熟成させると良いでしょう。
私が勝手に決めた基準では、自家製チーズを熟成させる時、最高気温が15℃以下なら暖房の効いていない部屋で常温熟成、最高気温が15℃を超えるようなら冷蔵庫で熟成。
という独自の基準で熟成させています。
通年で冷蔵庫で熟成させてもいいのですが、冷蔵庫はチーズを熟成させるには、ちょっと温度が低いために、熟成に時間がかかってしまいます。
冷蔵庫内の温度よりも高い温度で熟成させると、熟成を早める事が期待できます。
早く結果を知りたいので、そのために常温で熟成させるのですが、あまり温度が高いと雑菌が繁殖するリスクが大きくなります。
雑菌にやられるとチーズが台無しになってしまいます。
雑菌が繁殖するリスクが少なく、しかもチーズの熟成が早く進む温度が15℃以下なのです。
15℃という温度に科学的な根拠はありませんが、何となく経験則で15℃と設定しているのです。
2週間熟成させました
お!?
順調に白カビに覆われました。
この白カビは、米麹のコウジカビでなく、白カビチースの白カビ(ペニシリウム・カメンベルティ)でしょう。
コウジカビは、もっと高温でないと繁殖できないために、低温でも繁殖できる白カビチーズの白カビが繁殖したものと思われます。
ただ、所々に青カビがポツポツと発生しています。
これは好ましくない青カビなので取り除きます。
この段階での好ましくない青カビの発生は、発見次第取り除くという対策しか持ち合わせておりません。
おそらく、水きりヨーグルトと米麹を混ぜ合わせた段階で、調理器具をきちんと消毒しなかったあたりに青カビ発生の原因があるのではないでしょうか。
今後は気をつけます。
さらに1週間熟成(合計3週間熟成)させました
目標は1ヶ月以上熟成ですが、とりあえず試食してみます。
熟成が完成してから食べ始めると、食べ終わる頃には熟成が進みすぎてクドい味になる事が多いので、ちょっと若い段階からチビチビ食べ初める事にしました。
好ましくない青カビが、ちらほらと見られますが、少しだけなので、それらは取り除けば問題ないと思います。
それでは、いただきます。
パクッ
モグモグ
ん…
んん…
お!?
初めての味だ!
白カビチーズの味に、米麹の味が混ざっています。
いや、それだけでは全く説明が足りないです。
米麹が糖化して、さらにアルコール発酵したのか、日本酒のような酒粕のような風味があります。
それが、白カビチーズの味と混ざって、ハーモニーを奏でているのでしょうか?
う~ん、不協和音かもしれません。
このあたりの味に対する感じ方は人それぞれなので、独特なハーモニーと感じる方も居るかもしれません。
私と一緒に食べた妻は、不協和音に感じた様子でした。
そして、最初は赤ワインと共にチーズを食べたのですが、赤ワインとはイマイチ合いませんでした。
次に日本酒と共に食べたのですが、日本酒ともイマイチ合いませんでした。
まだチーズの熟成がちょっと若いから評価が良くないのかもしれません。
もう少し熟成させてから再度評価してみましょう。
さらに9日間熟成(合計1ヶ月間熟成)させました
さて、9日間の熟成でどのように変化したでしょうか。
パクッ
モグモグ
ん…
あまり変わらんなぁ。
ちょっとチーズの味が深くまろやかになったような気がしますが、大きな変化ではありませんでした。
8歳の娘は、「マズくは無いけど………柔らかかった。」と、コメント。
私に気を使ってマズくは無いと言ってくれたのでしょう。
1切を残さずに食べたので、食べられないほどのマズさでは無かったのだと思います。
10歳の息子は1口も食べませんでした。
食わず嫌いです。
まあそんな訳で、とても珍しく、そして、あまり美味しくないチーズになってしまいました。
それにしても、とにかく今までに無い味のチーズです。
そして、日本独自のチーズだと思います。
レシピを改良したら、もっと美味しくなる可能性を秘めていると思いますが、どうでしょう?