柿酢作りに挑戦!

2014年10月4日

柿の木

京北の山にある柿の木です。

京北の柿少し収穫しました。

京北の柿これは、渋柿で、おまけに見ての通り、とても小さい。
はっきり言って、食べるのに困りますね。

今どき、このような柿は、たいてい誰も採らずに、放置されていますが、物好きな私は、思わず採ってしまいました。
それは、柿酢を作ってみたかったからです。

柿酢は、作った事ありませんが、柿のヘタを取って、蓋付きの容器に入れてやれば、自然に発酵して出来るみたいです。
そんなに簡単に、天然の醸造酢が出来るなら、発酵食品が大好きな私が、一度やってみたいと思うのは当然ですね。
菌が生きている天然の醸造酢なんて、きっと美味しくて、体に良いですよ。

柿酢を仕込む

ヘタを取って容器に入れる

ヘタを取って、蓋付き容器に入れました。
ヘタを取った最初の1個目から、いきなり黒い芋虫がニョキッと出てきて、ビックリしました。
まさか渋柿を食べる虫なんて、いないだろうと思ってましたが、物好きな虫もいるのですね~。

おかげで、虫の有無を調べる為に、全ての柿を切って、中を確認してから容器に入れました。
最終的に3個ぐらいから虫が出てきて、処分しました。

1週間後

1週間後

実が熟して、つぶれて、水分が出てきました。
発酵が始まっていて、ポコポコと気泡が出ています。

混ぜるスプーンで、実をつぶして、混ぜました。

さらにに1週間後(作りはじめから2週間後。)

さらに1週間後

ポコポコと、元気よく発酵しています。

蓋を開けて見てみる蓋を開けて見てみます。
表面にある白いものは、酸膜性酵母でしょう。

スプーンでかき混ぜるスプーンで、混ぜてやります。
混ぜたスプーンを舐めてみると、もう渋くありません。

シュワシュワーと泡が出てきます。
酵母菌が活発に働いているのでしょう。

あと3ヶ月くらいで完成予定このまま、あと3ヶ月くらいで、おそらく酢になると思います。

そして4ヵ月後

4ヶ月経過した柿酢

熟成期間の目安は3ヶ月ですから、もう4ヶ月経っているので完成してるはずです。

4ヶ月経過した柿酢の中身中を見てみますが、あまり酸っぱい匂いはしません。

表面の白いモヤモヤは、カビではなく、酸膜性酵母だと思います。
別に腐っている訳では無さそうなので、失敗してないと思うのですが…

4ヶ月経過した柿酢味見少し味見してみます。

少し酸っぱいような気がしますが、特に何の味もしないです。

柿酢というのは、柿の糖分が発酵によってアルコールに変わり、アルコールが酢酸に変わって出来ます。
私が思うに、この柿は、問題なく発酵は進んだのだけれど、糖分が少なかったために、酸も少なく出来上がったのだと思います。

「それならば!」という事で、ちょっと邪道ですが砂糖を50gくらい投入して、再び発酵させることにします。
そうすれば、キュンと酸っぱい柿酢が出来るのではないでしょうか。

砂糖を投入してから1ヶ月経(仕込み始めて5ヶ月経過)

砂糖を入れて1ヶ月後の柿酢

ポコポコ気泡が出ています。

これは、酵母菌が、砂糖をアルコールと二酸化炭素に分解してる証拠で、この気泡の正体は、二酸化炭素です。

砂糖を入れて1ヶ月後の柿酢の中身シュワーっと酵母菌が元気に活動しています。

このまま発酵を続ければ、あ2ヶ月くらいで酢が完成するのではないでしょうか。

しかし、こんなに酵母菌が元気なら、このまま酢にするだけではもったいない。

この酵母でパンを焼いてみましょう。

柿酵母パンを焼く

まずは酵母種を育てる

柿酢を30gだけ取り出す

30gだけ発酵途中の柿酢を取り出しました。

強力粉を30g入れるここに強力粉を30g加えます。

混ぜる混ぜる。

1日置く1日置きます。

1日後翌日。
少し膨らみました。

1日後の中身ほらね。
酵母菌が元気な証拠です。

さらに強力粉と水を加え混ぜるさらに強力粉30gと水30gを加え、混ぜます。

さらに1日置くもう1日置きます。

さらに1日後翌日、さらに膨らみました。

さらに強力粉と水を加え混ぜて置くさらに強力粉50gと水50gを加え、混ぜて、1日置きます。

酵母種完成翌日、さらに膨らみました。
これで柿酢から起こした酵母種が完成です。

育てた酵母種を使ってパンを焼く

〈材料〉
柿から起こした酵母種 100g
強力粉 350g
バター 25g
甜菜糖 20g
塩 5g
水 180ml

生地をダッチオーブンに入れる

ホームベーカリーの天然酵母パン生地コースで、1次発酵まで完了させてから、ダッチオーブンに入れて2次発酵させます。

生地が膨らんだ常温で一晩、さらに40℃のオーブンで2時間発酵させて、やっと膨らみました。
天然酵母パンは、なかなか膨らまずに「失敗したかな?」と不安になることがありますが、根気よく待ち続けると、たいてい膨らんでくれるものですね。

では、これを焼きます。

※ダッチオーブンでのパンの焼き方は ダッチオーブンでパンを焼く をご覧ください。

柿酵母パン焼けました~。

これが、ものすっごく美味しく焼けました。
特に、子ども達からの評価が高かったです。
子ども達に喜んでもらえると、ホッとひと安心です。

柿酢をさらに1ヶ月発酵させました

半年発酵させた柿酢

仕込んでから合計で6ヶ月発酵させました。

柿酢の中身表面の白い物は、カビではなく酸膜性酵母だと思います。
ちゃんと酸っぱい匂いがするような、しないような、どうでしょう。

味見恐る恐る味見をしてみます。

ちょっと酸っぱいです。
ですが酢としては酸味が弱いですね。

ま、いいか。
これで完成という事にしておきましょう。

布で搾った柿酢布に包んでギュッと搾ったら、およそ200mlの柿酢ができました。
白く濁っていますが、透き通るまで濾過する技術が無いので、これで良しとしておきます。
濁っていようが味に大差は無いでしょう。

柿酢試飲少し試飲してみます。

 

グビッ。

 

 

ん…?

 

 

何やこれ?

 

少しは酸味があるのですが、酢では無いです。
何なんでしょうね、これ。

別に腐敗している訳では無いですよ。

何と言うか、柿酵母エキスとでも言いましょうか。
これでパンでも焼けそうです。
それは、もうすでにやりましたね。

いや、これを無理やりでも「柿酢」と呼ぶ事にします!

無理やり柿酢が完成したという事にして、これで料理を作る

酢の料理と言えば、やはり酢の物ですよね。

酢の物を作るには、まずは三杯酢を作ります。
三杯酢を作っておけば、あとは、好きなものに和えるだけなので、基本となる三杯酢のレシピを載せておきますね。

◆三杯酢
〈材料 酢の物4人分くらい〉

出し汁 150ml
柿酢 50ml
砂糖 10g
うす口醤油 20g

酢の物

柿酢を使った酢の物。
キュウリ・ワカメ・じゃこ・ちくわを三杯酢で和えました。

普通に美味しいです。

ですが、酸味が弱すぎる!

やはり柿酢とは言えないなぁ。
柿酢と言うよりは、やはり柿酵母エキスと言うのが正しいかな…
柿酵母エキスとして、料理の隠し味で、旨味と広がりをもたらしてくれるので、逆に新たなる可能性も秘めていて、ワクワクする部分もありますが、決して「柿酢」では無いです。

補足(2016年6月26日)

後から酢の作り方を勉強したのですが、柿酢の作り方は、このようなアバウトな作り方では、まともな酢が出来なくて当然だという事が分かりました。
ちゃんとした酢作りについては、その後、米酢を作り成功させた記事 米酢を作る 仕込み編 をご覧ください。

柿酢については、また柿が手に入ったら、改めて作ろうと思います。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
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