麦芽からのビール作りに挑戦 (前編)

      2017/04/30

お馴染みのビール作りでございます。
今までは、ビールキット缶を使ってビールを作っておりましたが、それだけでは物足りなくなってきました。

より本格的な、麦芽からのビール作りに挑戦してみようと思います。

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ビールの原料は大麦

基本的な事から説明しますが、ビールは大麦の麦芽から作られます。
大麦麦芽は、大麦が発芽した状態で乾燥させて生長をストップさせたものです。

大麦は、主成分がデンプンです。

大麦が生長するためには、デンプンを糖に変えなければエネルギーにできないから、発芽するとデンプンを分解するアミラーゼという酵素が活性化します。
その酵素を利用すると、麦芽のデンプンを糖に分解させることができます。
ビールを作るには、まず麦芽のデンプンを糖に分解させる必要があるのです。
麦芽のデンプンを糖に分解させる事を、糖化(マッシング)と言います。

なぜ糖化(マッシング)が必要なのか

お酒というのは、酵母菌が糖をアルコールに分解することで作られます。
酵母菌は、デンプンをアルコールに分解する事はできません。
ビール作りでは、まず麦芽のデンプンを糖化させる必要があるのです。

また、日本酒の場合ですと、日本酒の原料はお米です。
お米もデンプンが主成分ですから、お米のままではお酒になりません。
日本酒は、麹菌が作る酵素によって、お米のデンプンを糖化して作ります。

また、ワインの原料はブドウですが、ブドウには最初から糖分が含まれているので、糖化を行う必要はありません。

ビールキット缶を使えば糖化は不要ですが

私が今までやっていたキット缶でのビール作りは、すでに糖化して煮詰めたうえにホップまで加えたものが缶に詰め込まれているので、糖化は不要で、発酵させるだけで完成でした。

キット缶にはほぼ全ての原材料が入っているので、簡単で美味しいビールを作る事が出来ます。
その反面、完成するビールは、キット缶の種類によって味が決まってしまうのです。
キット缶も様々な種類があるので、ある程度はバリエーションがあるのですが、それでも限られています。

それに比べて、麦芽からのビール作りは、糖化から始めなければいけませんが、使用する麦芽の産地や種類を選び、好みでブレンドしたりすることが出来ます。
またホップも好きな品種を選び、ブレンドする事も自由です。
おまけに、その他のハーブや香辛料、副原料なども好みで加える事が出来ます。

要するに全てが自由なんです。
可能性は無限大で、何を作ってもOKです。
ワクワク心躍りますね。

ただ、配合を失敗すると、とんでもなくマズいビールが出来る可能性もあります。

まあしかし、それも楽しいじゃないですか。

麦芽からのビール作り工程

ざっと以下のような工程で作ります。
作りはじめから飲めるまで、およそ1ヶ月です。

麦芽からのビール作り工程
1.破砕 約30分
2.糖化(マッシング) 約1時間
3.麦汁を濾す 約10分
4.煮沸して、ホップを加える 約1時間
5.冷却してイーストを加える 約30分
6.1次発酵 約1週間 ←今回の説明はココまで
7.瓶詰め 約1時間
8.2次発酵 約1週間
9.熟成 1週間~2週間以上

では、仕込み開始

麦芽からのビール作り初挑戦になりますが、スタイルは、私の好きなアメリカンペールエールにしてみます。

アメリカンペールエールのレシピ
〈材料 完成量2リットル分〉

北米産麦芽 80g
カラメルモルト 10g
水 2リットル以上
ホップ (ガレーナ種) 3g
ホップ (カスケード種) 3g
アイリッシュモス 1.5g
エールイースト 1.5g

※この分量だと、アルコール1%未満のビールが出来上がります。
日本の法律ではアルコール1%を越えるビールを作ってはいけません。
上記レシピの北米産麦芽を400g カラメルモルトを50gにして作るとアルコール分5%くらいのビールになりますが、やってはいけません。

〈主に必要な道具〉
すり鉢又はグラインダー
鍋 2個
温度計 1個
ザル 1個
2リットルのペットボトル 1本
500mlの炭酸用ペットボトル 4本

北米産麦芽楽天の ブリューランド というショップで仕入れた北米産麦芽。
私はいつもこのショップでビール原料を仕入れています。

これがビールの主原料となります。

カラメルモルトこちらは、カラメルモルト。
麦に水分を含ませて蒸し、デンプンの一部を糖化させてから、その糖分をカラメル化させたものです。
ビールに甘味と色を付けます。

1.破砕 約30分

すり鉢で麦芽を破砕するすり鉢で麦芽をゴリゴリと挽きます。
すでに挽き割り済みの麦芽も売っているので、それを使えば、この工程を省略する事ができます。
しかし、美味しさを追求するなら挽きたてでしょう。

例えばコーヒー豆なんて、挽きたてと、そうでない物の香りは比べ物にならない程違いますから、必ず淹れる直前に挽きます。
そば粉や小麦粉なども挽きたての風味の良さは格別です。
石臼があれば自分で挽きたいくらいです。
また、お米は精米したてが断然美味しいので、なるべく精米したてを買うようにしています。
かつお節は、削りたての風味良さと言ったらたまりません。
削り器があれば自分で削りたいくらいです。

話はそれましたが、要するに麦芽も、挽き割り済みを買うより、自分で挽いた方が断然美味しいという事です。

すり鉢で麦芽を破砕するゴリゴリゴリゴリ…

 

ゴリゴリゴリゴリ…

 

頑張ってみましたが、硬くて全然割れません。

すり鉢で破砕した麦芽10分くらい挽いた結果がこれです。
最初とほとんど変わっていません。

麦芽は挽き割り済みを買った方がいいかも知れませんね。

いやいや、ちょっと待った。

グラインダーで麦芽を破砕するすり鉢がダメならグラインダーがあります。

グラインダーで麦芽を破砕するマルチブレンダーのグラインダー機能で、ギュイーンと麦芽を粉砕します。

グラインダーで破砕した麦芽5秒くらいでこんなになりました。
この時は、このくらいの細かさでOK。
と思いましたが、よく見ると全く潰れていない物もちらほら混ざっているので、もう少し細かくしておいた方が良いです。

ちなみにグラインダーでは5秒で細かく出来ましたが、一度に細かく出来る量は30gくらいなので、何回も何回もこれを繰り返す事になります。

やはり、麦芽は挽き割り済みを買った方がいいかも知れません。

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鍋に入れた挽き割り麦芽全ての麦芽を粉砕して鍋に入れました。

2.糖化(マッシング) 約1時間

酸休止水2リットルを加えて、かき混ぜながら火にかけます。
35℃になるまで加熱して、35℃を5分保ちます。
これを酸休止と言います。

35℃でフィターゼという酵素が活性化して、フィチン酸という酸を作り出し、酸性になります。
酸性の条件である方が糖化酵素の働きが良くなるので、酸休止を行います。
けど、麦芽に水を加えた時点で酸性になっているので、酸休止は省略しても特に問題は無いみたいですが、とりあえず初めてなのでやってみました。

タンパク休止次に50℃まで加熱して、50℃を30分保ちます
これをタンパク休止と言います。

タンパク質分解酵素が良く働く温度なので、タンパク休止と言います。
ビールに含まれる余分なタンパク質を分解する事によって、クリアな味わいになる事が期待できますが、クリアである事が良いこととは限りません。
また、タンパク質を分解してできるアミノ酸が、酵母菌が増殖する為の栄養源となるために、タンパク休止を行います。

もし、クリアな味が身上のラガービールを作る場合は別ですが、今回のようなアメリカンペールエールを作るのならタンパク休止を省略しても特に問題は無いみたいです。
けど、初めてなので、とりあえずやってみました。

糖化次に、62℃~70℃の間を30分保つ。
これが糖化です。
糖化酵素が65℃で活発に働くので、この温度を維持します。

オートミールのような、グラノーラのような匂いがします。
これが大麦の匂いなんでしょう。

酵素失活化77℃以上を5分保つ。
酵素失活化と言います。

3.麦汁を濾す 約10分

麦汁を濾すザルで籾殻を濾し取ります。
下に落ちた液体が1番搾り麦汁です。
さらに、籾殻に水をかけて、籾殻内に残っている糖分を取り出せば、それが2番搾りとなります。
今回は1番搾りのだけ使用しました。

1番搾り麦汁の味は、オートミールのようなグラノーラのような香りのする甘い汁です。

4.煮沸して、ホップを加える 約1時間

麦汁を1時間煮沸する1時間煮沸します。
灰汁が浮くので、それは取り除きます。

ホップ投入煮沸を始めて15分後、ガレーナ種のペレットホップを投入。
これはビールに苦味を付けるためのホップです。

ペレットホップこれがペレットタイプのホップです。

ペレットホップとアイリッシュモスを投入煮沸終了1分前(煮沸開始から59分後)に、カスケード種のペレットホップと、アイリッシュモスを水で戻したものを投入。
この段階でのホップは、ビールに香りを付けるのが目的です。

アイリッシュモスアイリッシュモスとは、これです。海藻を乾燥させたもので、ビールのタンパク質を吸着して沈殿するので、ビールがクリアになります。

アイリッシュモスを水で戻すこのように水で戻しておいてから投入します。

5.冷却してイーストを加える 約30分

冷却煮沸が終われば、鍋ごと冷水に浸けるなどして、なるべく早く冷やします。
25℃まで温度が下がればイーストを投入します。

水で予備発酵させたイースト今回は、水でイーストの予備発酵をしてから投入してみましたが、ドライイーストのまま投入しても問題ありません。

6.1次発酵 約1週間

ペットボトルで1次発酵させるペットボトルに移し替えて、暗い所に置いておきます。
蓋は、ボトル内で発生した炭酸ガスを逃がす事が出来るように、軽く閉めます。

1日経過1日経過しました。
発酵が始まっています。
底に沈殿している成分が、中で発生する炭酸ガスとともに、浮かび上がっては、また沈み、浮かび上がっては、また沈みを繰り返しています。
透明の容器で発酵させると、発酵している様子がよく分かり、楽しいです。

 

続き 麦芽からのビール作りに挑戦 (後編)

 

私がいつもビール原料を仕入れている楽天のショップです。

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