黒ビールを作ってみた(手作りビール第4弾)激苦スタウトまたの名を黒IPA(手作りビール第4-2弾)
の続き
コーヒースタウトって何の事か分かりますか?
コーヒースタウトとは、「コーヒー」と「黒ビール(スタウト)」を融合させたビールの事です。
コーヒーも、黒ビールも、素材を真っ黒になるまで焦がして作った苦いドリンクという意味では共通であり、味も香ばしくて苦いという意味で共通なので、両方を組み合わせても美味しいんじゃないかと思いました。
私はコーヒーが大好きで、またビールも大好きなので、大好きな両方を混ぜて同時に楽しむ事ができたらどれだけ幸せな事でしょう。
コーヒーにはカフェインが、ビールにはアルコールが含まれている
コーヒーには、ご存知の通りカフェインが含まれています。
だから、私は朝にコーヒーを飲んで、目を覚ましてからでないと一日が始まりません。
私にとってコーヒーとは朝に飲むものなのです。
そして、ビールにはアルコールが含まれています。
ですから、朝からビールを飲むことなんて、あまり無いですね。
朝まで飲んだ事はありますが…
私にとってビールとは、たまに昼から飲む時もありますが、基本的に夜に飲むものなのです。
朝に飲むコーヒーと夜に飲むビールを融合させると、いつ飲めばいいのでしょうね。
そんな屁理屈は置いといて…
コーヒースタウトは、ビールが主役でコーヒーは風味付けに混ぜる程度なので、夜に飲むつもりで作ります。
「コーヒースタウト」で検索してみると
いくつかの国内クラフトビールメーカーが限定販売などでコーヒースタウトを作っているという情報がヒットしました。
決して主力商品という訳でなく、限定販売などの脇役で作られているみたいです。
きっと、あまりにも個性的で、美味しくても毎日飲みたいような味ではないのでしょうね。
しかし、コーヒーの香ばしさと黒ビールの香ばしさが合うという考え方は、どの醸造所も共通のようです。
さて、コーヒースタウトは、珍しい商品ですが、国内でも作られています。
ですが、少量しか作られていないので入手困難であります。
自分で作るからいいですけどね。
コーヒースタウトを作る
これは、黒ビールを作ってみた(手作りビール第4弾)で紹介したタンクで1次発酵途中の黒ビール原液です。
コーヒースタウトは、黒ビール原液にコーヒーを混ぜて作ります。
黒ビール原液 1200ml
アイスコーヒー 300ml
砂糖9g
黒ビール原液1200mlを取り出して、1次発酵完了まで置いておきます。
コーヒースタウトに使うコーヒーについて
私は、コーヒーの事を語り出したら、文字数がいくらあっても足りません。
しかし、コーヒースタウトの事を理解していただく為に、可能な限り少ない文字数で、コーヒースタウトに使うコーヒーについて説明しようと思います。
興味の無い方は、ここの部分を飛ばして読んでください。
コーヒースタウトに使うコーヒーは、常温かそれ以下の温度で飲むことを考えているので、アイスコーヒーを使います。
アイスコーヒー用とホットコーヒー用に使う豆が違う事はご存知でしょうか?
コーヒーをアイスで飲むと、ホットで飲む時に比べてあまり香りを感じる事が出来ません。
そのために、アイスコーヒーでは、豆を焦がしてガツンと苦味を強化して苦味によってコーヒーを楽しみます。
もちろんホットコーヒーでも苦味を楽しみますが、アイスコーヒに比べて苦味の度合いは少ないです。
逆にアイスコーヒーにも香りはありますが、ホットコーヒーに比べて香りの度合いは少なくなります。
要するに、分かりやすく言うと以下のようになります。
アイスコーヒーは香りが弱く、苦味が強い傾向にある。
コーヒースタウトには、アイスコーヒーを混ぜますが、私は、基本的にホットコーヒーしか飲まないので、家にアイスコーヒー用の豆がありません。
だったら買えばいいじゃないか。
確かにその通りなのですが、使うのはほんの少量なので、豆が余ってしまうのです。
余った豆は捨てればいいのですが、小ロットで買って割高な上に、残りを捨てるとなると、コスパ悪すぎなので、あまり賢い選択ではありません。
そこで、ホットコーヒー用の豆をさらに焙煎して、アイスコーヒー用の豆を作ります。
我が家で最近飲んでいるホットコーヒー用の豆はこれです。
やまやで1kg1058円(税込み)で売っています。
これは安くて美味しいです。
原材料名:コーヒー豆(生豆生産国名:コロンビア、ブラジル、他)って大雑把な表記ですね。
コロンビア産の豆とブラジル産の豆と言っても色々ありますからね。
これじゃぁ、どんな豆が使われているか全然分かりません。
まあ、こういう表記をするというのは、要するに大した豆は使われていないという事です。
それでも割と美味しいから買っているのですけどね。
こんな豆でもフライパンで、もう少し焦がしてやると、そりゃもう驚くほど美味しいアイスコーヒーの豆になるのです。
コーヒー豆は、深く焙煎すれば、苦味が強くなり、香りが弱くなります。
深く焙煎してもいい香りのする豆もありますが、それについては説明を省きます。
美味しくない豆でも、真っ黒に焦がすと、香りは飛んでしまいますが、苦味が利いて、アイスコーヒーだとある程度美味しくなります。
アイスコーヒーなら、どんな豆でもある程度美味しく出来るのです。
そのため、日本で流通しているアイスコーヒーの大半が、安い豆で作られています。
それはさておき、この方法では既にホットコーヒー用として焙煎済みの豆をさらに焙煎するのですが、そうする事によって、鮮度が回復するのです。
厳密に言うと古くなった豆の鮮度は回復しませんが、回復したと言っても差し支えないくらい変身します。
2回焙煎するのですから、これを「ダブル焙煎」と表現すれば、美味しそうに聞こえますよね。
自分で炒ると、炒りたてであるという点では何所にも負けません。
炒りたてであるという事は、それだけで美味しい条件の一つを満たしています。
過去の記事 美味しいコーヒーを飲むために守るべき3大条件 で説明したとおりです。
豆を挽く
ダブル焙煎した豆を手動のコーヒーミルで挽きます。
挽いた豆は、そのまま時間を置かず、すぐに淹れます。
挽きたてであるという事は、またそれだけで美味しい条件の一つを満たしています。
これも過去の記事 美味しいコーヒーを飲むために守るべき3大条件 で説明したとおりです。
アイスコーヒーを淹れる
ペーパードリップで30gの豆から150mlのアイスコーヒーを抽出します。
これを2クール行って300mlのアイスコーヒーを作ります。
2クールに分けて淹れるのは、家には小さいコーヒーサーバーしかないので、そうせざるを得ないのです。
アイスコーヒーは、豆を粗挽きにしてネルドリップにすると美味しいと言いますが、確かにその通りなのですが、我が家にはネルが無いのでできません。
淹れ方よりも、それよりも淹れたてである事が大事です。
淹れたてであるという事は、それだけで美味しい条件の一つを満たしています。
これも過去の記事 美味しいコーヒーを飲むために守るべき3大条件 で説明したとおりです。
ちなみに、このアイスコーヒーを少しだけ試飲しましたが、めちゃくちゃ美味しかったです。
コーヒーの話は終わりました
500mlのペットボトルに、砂糖3g、1次発酵が済んだビール原液400ml、淹れたてアイスコーヒー100mlを入れ、蓋をギュッと閉めて、1ヶ月熟成発酵させます。
この時点で少しだけ試飲してみましたが、コーヒーの味が勝っている苦い汁でした。
1ヶ月の熟成発酵によって、どのように味が変化するでしょうか。
そして
1ヵ月後
さて、どんな味になったでしょうか。
ワクワクドキドキです。
では、いただきます。
コーヒースタウト
さて、気になるお味は?
グビッ!
ん?
ん~?
コーヒーだ!
飲んだ感じはビールなのだけれど、コーヒーの味が勝っています。
炭酸のピリピリ感とホップの苦味も感じるので、これはビールだと分かるのですが、口の中に残る香りと苦味は、まるっきりコーヒーです。
モルトを焦がした黒ビールの特有の香ばしさは、コーヒーの香ばしさに吸収されて感じません。
ビールなのにコーヒーです。
これは実に珍しい味だ。
原材料の比率で言うと、ビール8割に対してコーヒー2割なので、ビールの味が勝って当然のような気がしますが、何故かコーヒーの味が勝っているのです。
ちなみに、おつまみですが、私はいつも苦いビールにはポテトチップスが良く合うと言っているのですが、コーヒーの味が強いのでポテトチップスが合いません。
コーヒーだからといって洋菓子と合わせてみても、ホップの苦味と洋菓子の甘味がぶつかって合いません。
これに合うおつまみは、今のところ見つかってません。
それから、これにシロップを入れて甘くして飲んでみると、まさにアイスコーヒーにシロップを入れたかのような味です。
よりアイスコーヒー感が強まりました。
コーヒースタウトに生クリームを少し入れてみました。
これも合います。
ビールのようなアイスコーヒーのような、どちらでもない何とも複雑な味です。
コーヒースタウトと牛乳を1対1で混ぜてみました。
コーヒースタウトオーレとでも呼びましょうか。
牛乳の方が生クリームよりも良く合います。
味は、ほとんどアイスオーレなんですが、微妙に炭酸のピリピリとホップの苦味もあり、あと1歩のところでビールとして踏みとどまっています。
これにシロップを入れると、よりアイスオーレに近付きました。
もうビールとしての存在意義が見出せなくなってきました。
コーヒースタウトオーレを飲むなら普通のアイスオーレを飲んだ方がいいです。
まとめ
コーヒースタウトは、非常に面白い味でした。
牛乳やクリームを加えても合いますが、ビールとしての価値が下がるので、ストレートで飲んだ方が良いと思います。
仕込む際に、コーヒーの配合割合が多すぎたのかも知れません。
コーヒーの割合を減らして、ビールの味を優勢にしたら、またそれも面白いと思います。