白ワイン(料理用)の作り方と
赤ワインのもっと簡単で美味しい作り方と
赤ワインソース
自家製ワインシリーズです。
先日の記事 料理用赤ワインの作り方と牛肉の赤ワイン煮込み では、ウェルチのグレープジュースにレーズンを入れてワインを作る方法と、牛肉の赤ワイン煮込みの作り方を紹介しました。
また続編の ワインの搾りかすの有効利用法とレシピ では上記の方法で発生したレーズンのかすの有効利用法を紹介しました。
今回は、白ワイン(料理用)の作り方と、前回紹介したよりも、もっと簡単で美味しい赤ワインの作り方、そして、赤ワインを使った赤ワインソースの作り方を紹介します。
【目次】
1.白ワイン(料理用)の作り方
2.赤ワインの原材料について
3.赤ワインのもっと簡単で美味しい作り方
4.赤ワインソースの作り方
5.まとめ
白ワイン(料理用)の作り方
【材料】
白ぶどうジュース 2500ml
白ブドウのレーズン 500gくらい
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白ぶどうジュースです。
1リットル入りの瓶が400円くらいするちょっと良いジュースです。
商品説明には、高級白ワイン用ぶどうを贅沢に使ったと書いてあります。
ならば、ワインを作るのにピッタリじゃないですか。
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ゴールデンレーズン(サルタナ)オイルコーティングしてない、白ブドウのレーズンです。
こういったレーズンは、そこら辺のスーパーには売ってないので、富澤商店で買ってきました。
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これらの材料を瓶に入れて放置するたけです。
レーズンに付着している酵母菌が勝手に発酵を始めてくれます。
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1週間後、元気に発酵してシュワーと炭酸の泡が弾ける音が聞こえます。
白濁しているのは、発酵により発生した炭酸ガスの細かな気泡が出ているのと、酵母菌の菌体が炭酸ガスと一緒に対流しているためです。
これは、天然酵母の力で発酵しています。
レーズンに付いている酵母菌は活発なので、発酵させるコツとかはありません。
オイルコーティングされていないレーズンを使用するだけです。
発酵が終われば白濁が無くなり、澄み切った状態になりますので、そうなればボトル詰めします。
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シリコンチューブを使ってサイフォンの原理でボトル詰めします。
白ワインをボトル詰めする画像を撮ってませんでしたので、これは赤ワインをボトル詰めした時の画像です。

ボトル詰めの際に、必ず大さじ1杯以上の塩を入れましょう。
日本の法律では個人がアルコール1%以上のお酒を作ってはいけません。
塩を入れることで、しょっぱくて飲めなくなるので、これでお酒とはみなされません。
これを不可飲処置と言います。
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1ヶ月くらい冷暗所で熟成させました。
これを飲んでみます。
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自家製天然酵母白ワイン(料理用)
辛口で軽くすっきりしています。
酸味は柔らかで、レーズン由来の甘い香りがします
例えて言うなら、トスカーナの白ワインのようです。
けっこう美味しいかも…
魚介類や鶏肉や豚肉の料理と良く合うのではないでしょうか。
いやいや違う!
塩が入ってるのでマズくて飲めないです。
料理用の白ワインですからね。
飲まずに魚介類や鶏肉や豚肉の料理を作る時に使う事にします。
赤ワインの原材料について
先日の記事 料理用赤ワインの作り方と牛肉の赤ワイン煮込み では、原材料にウェルチのグレープジュースとレーズンを使いました。
そしたら、コメント欄に、スジャータの紙パックの赤葡萄ジュースがとても濃く、それでワインを作ると美味しいとの情報をいただきました。
私は、そのジュースを全く知りませんでした。
何処に売っているとか、価格とか何も分からなかったので、スジャータのお客様相談室に問い合わせたところ、私の住む京都では、フレスコというスーパーと、マツモトというスーパーで取り扱っているとの事でした。
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さっそく買いました。
フレスコ・マツモトどちらでも、2019年3月時点で1本358円(税抜き)消費税8%込みで386円で売っています。
マツモトというスーパーでは、平日の月曜は、ほとんどの商品が1割引なので、月曜に行くと1本322円(税抜き)消費税8%込みで347円で買う事ができます。

このジュースの注目すべき点は、原材料に「ブドウ種子抽出物」が入っているという事です。
赤ワインは、ブドウの果軸も皮も種も含んだ状態で潰して発酵させ、それを丸ごと搾るので、種の成分も抽出されるのです。
赤ワインの渋味やコクは、ブドウ種子も搾るからこそ出てくるものなのです。
また、お馴染みのポリフェノールという抗酸化物質は、ブドウ種子抽出物にたくさん含まれています。
種子の成分が無く、赤ぶどうの果汁だけを発酵させても、味は軽いものになってしまいます。
ウェルチのグレープジュースが、ジュースとしては濃く感じたけれど、ワインにすると軽くて物足りなかったのは、そのためです。
このジュースは、赤ワインを作るために作られたジュースなのではないか?と疑いたくなるほどです。
私の知る限り、これの他にブドウ種子抽出物が入っているぶどうジュースを見た事がありません。
このジュースを使って赤ワインを作れば、きっと美味しいに違いありません。
赤ワインのもっと簡単で美味しい作り方
【材料】
スジャータ赤葡萄ジュース 3本
砂糖 370gくらい
イースト 3gくらい
1gの糖分をアルコール発酵させるとおよそ0.5gのアルコールが発生します。
ワインのアルコール度数は12~13%なので、そうするためにはジュースの糖度を24~26%にするといいです。
栄養成分表に、このジュース100gあたりの炭水化物が12.8gと書いてあります。
という事は、糖度がおよそ12.8%なのでしょう。
このジュース100gに12.2gの砂糖を足すと糖度がおよそ25%になります。
それがアルコール発酵すると、アルコール度数がおよそ12.5%のワインになります。
実際は、アルコール発酵せずに、ワインに残る糖分もあるので、この計算は、計算どおりにならなかったりします。
例えて言うなら、算数で円周率を、およそ3と考えるような大雑把な計算です。
けど、砂糖の量を簡単に計算できるので、この計算で満足しております。
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瓶に材料を入れて放置しておけばワインになります。
発酵の期間は気温によって変わります。
酵母菌は、シュワーシュワーと発酵しますので、発酵が落ち着くと、液体の白濁がなくなり、瓶の底にオリという沈殿物がたまるので、そうなればボトル詰めします。
オリは美味しくないので、それを完全に取り除くために、ボトル詰めの前に、ワインを別の容器に移し替えて、オリを取り除き、しばらく静置して再びオリを沈殿させてから、ボトル詰めすると、より完成度が上がります。
別の容器に移し替えて、オリを取り除く事を、オリ引きと言います。
売っているワインは、ほとんどがフィルターで濾過してオリを取り除いてますが、昔ながらの製法なら何度もオリ引きをして澄み切ったワインにするみたいです。

シリコンチューブを使ってサイフォンの原理でボトル詰めします。
瓶の底に沈んだオリは、ボトルに入れないで沈めたままにしておきます。
シリコンチューブを瓶の底まで入れるとオリまで吸い込んでしまうので注意しましょう。
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ボトル詰めの際に、必ず大さじ1杯以上の塩を入れて不可飲処置をしましょう。
ボトルに詰めたら、すぐに飲んでもいいですが、1日以上、できれば1ヶ月くらい置いてから飲むと美味しいです。
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微妙に炭酸が残っていて、少し気泡が浮いて見えます。
微妙な炭酸のため、爽やかな口当たりで、ぶどうジュース由来の甘い香りがします。
そして、少し軽めで飲みやすいです。
ジュースのようなワインですが、決して甘いとか、アルコール度数が低いとかそういう訳ではありません。
ちゃんとしたワインなのに、ジュースのようなのです。
ワイン初心者にもお勧めの味です。
軽めの肉料理が良く合うのではないでしょうか。
いやいや違う!
塩が入っているのでマズくて飲めません。
料理用のワインですからね。
料理に使う事にします。

このジュースが気に入ったので、アマゾンで6本入り1ケース買いました。
後から気付いたのですが、スーパーで買う方が安いです。
6kgの荷物を持ち運ぶ事を考えると、アマゾンで注文しても高くないと思います。
赤ワインソースの作り方
せっかくですから、贅沢に赤ワインをたっぷり使った赤ワインソースのレシピを紹介します。
赤ワインソースとは、文字通り赤ワインの風味を活かしたソースです。
赤ワインソースの仲間で、ステーキソースという商品名で市販されているものがあります。
ステーキソースの中には赤ワインが入ってないモノもありますが、だいたい似たような用途なので、赤ワインソースはステーキによく合います。
マッシュルーム、赤ワイン、コショウ、タイム、フォン・ド・ボーを煮詰めてバターで仕上げます。
ワインをよく煮詰める事がポイントです。
【材料】完成量300gくらい
マッシュルーム 1パック約100g(みじん切り)
バター 20g
赤ワイン 500ml(塩の入ってないワイン)
粗挽きコショウ 1gくらい
タイム 小さじ1/2くらい(フレッシュなら1枝くらい)
フォン・ド・ボー 250ml
バター 30g(仕上げ用)
塩 8gくらい
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マッシュルームは、みじん切りにします。

鍋にバターを溶かし、マッシュルームを焦がさないように弱火で炒めます。
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マッシュルームがしんなりしたら、赤ワインを加えます。
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コショウ・タイムを加え、煮詰めます。
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どんどん煮詰めます。
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1/4くらいまで煮詰めます。
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次にフォン・ド・ボーを加えるのですが、フォン・ド・ボーって作るの面倒ですから、いや、そもそもフォン・ド・ボーって仔牛のスープですから、仔牛なんてスーパーに売ってないので簡単に作れません。
代わりに、牛すじ肉を炒めて水で煮込んだ煮汁(フォン・ド・ボーもどき)を使いました。
これでしっかりと牛のダシが出ています。
残りの肉は、そのまま適当に味付けして牛すじ煮込みとしていただきました。
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フォン・ド・ボー(もどき)を加えハンドミキサーで攪拌します。
本当はシノワという濾し器で濾すのですが、我が家にはシノワなんてありませんから、手軽にハンドミキサーを使います。

さらに煮詰めます。
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仕上げにバターを加えよく混ぜます。
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フランス料理では、仕上げにバターを加えてよく混ぜる事をモンテすると言います。
モンテは、ソースにとろみを付けるのが目的です。
そして、最後に塩で味を調えて完成です。
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早速ステーキにかけていただきます。
赤ワインが濃縮されてますから、めっちゃ赤ワインの風味満開です。
さらにフォン・ド・ボーもどきを煮詰めた牛肉の旨味も濃縮されてますから、これが美味しくないなんて事があってたまるものですか!
美味しいです!
これは贅沢なソースだ!
コストも高く手間もかかるので、本当に贅沢で、これを食べたら幸せのあまり会社を3日くらい欠勤しなければいけない美味しさです。
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ハンバーグにもかけてみました。
これも贅沢なハンバーグになりました。
美味しいです。
もちろんワインとも良く合います。
まとめ
- 白ぶどうジュースとサルタナレーズンを瓶に入れて放置するだけで、天然酵母白ワインができる。
- スジャータの赤葡萄ジュースは、ワインを作るのに最適。
- スジャータの赤葡萄ジュースと砂糖とイーストを瓶に入れて放置すれば、赤ワインができる。
- 赤ワインソースは、ステーキに良く合い、贅沢で美味しい。
料理用の飲めないワインについていろいろ語りました。
また新しい発見があればお知らせしたいと思います。
繰り返しますが、今回紹介したのは、料理用の飲めないワインです。
飲めるワインは、お店で買いましょう。