今話題の「塩レモン」
私は、「たかが塩とレモンを合わせただけの物、何でそんなに話題なのか?」 と思ってました。
そんなある日、本屋の料理本コーナーで、塩レモンに関する本がたくさん出ていたので、パラパラと読んでみて、そこで、初めて知ったのですが、塩レモンとは、たかが塩とレモンを合わせただけの物でなく、レモンを塩で漬け込んだ発酵食品なのです。
そうです!
私の大好きな発酵商品なのです!!
長期間漬け込んで、発酵させることにより、レモンの酸味や香りがまろやかになり、新たなる風味が醸し出されるのです。
それを知ったとたんに、塩レモンに対する意識が変わりました。
それならば、自分で塩レモンを作ってみましょう。
塩レモンの作り方
国産のレモンを購入。
くし型に切ります。
レモンの重量は、110g
レモンの重量に対して10%の重量である11gの塩を入れます。
塩を混ぜて常温で置いておきます。
塩とレモンが完全に馴染むまでは、毎日かき混ぜます。
漬け込む期間は、とりあえず3ヶ月とします。
レモン以外のものでも仕込んでみます
レモンだけだと、ありふれているので、ちょっとアレンジして、同じ要領でスダチを漬けてみました。
塩スダチです。
レモンとスダチだけでは、まだヒネリが足りないと思ったので、同じ要領でショウガを漬けてみました。
塩ショウガです。
さらにもう一ヒネリと思いまして、同じ要領でニンニクを漬けてみました。
塩ニンニクです。
以上4種類を、それぞれ3ヶ月間漬けてみます。
1日経ちました。
少し水が上がってきました。
全体が水に浸かるまで、毎日のようにかき混ぜて、押さえつけてやります。
それにしても、塩ニンニクは、容器の蓋をしっかり閉めているにも関わらず、家がニンニクの匂いで一杯になってしまいました。
別に嫌な臭いじゃないですが、このままではちょっと…
とりあえず、容器ごと袋に入れて、口を結びました。
これで大丈夫かな?
いや、まだ少し匂いがします。
さらに一回り大きな容器に入れて蓋をきっちり閉めました。
これで、大丈夫になりました。
さらに3日経過(漬けはじめから4日経過)
かなり水分が上がってきましたが…
ん…?
あ!!
ショウガの、水分に浸かってない部分に、うっすらとカビが!!
こ、これは、いかん(汗)
表面の怪しい部分は取り除き、防腐のために、塩をもう一つまみ追加しました。
とりあえずこれで様子を見ます。
スダチも、画像では分かりませんが、表面がヤバイ事になり始めています。
これも、表面のヤバイ部分を取り除き、塩を一つまみ追加して、様子を見ます。
レモンとニンニクは、無事でしたが、念のために塩を一つまみ追加しました。
このまま無事に、腐らせることなく3ヶ月間熟成させることは出来るのでしょうか?
そして…
3ヶ月経過しました。
これが、3ヶ月熟成発酵させた塩レモン。
緑のレモンだったのですが、色あせて、変な色になっています。
こちらは、同じく3ヶ月熟成発酵させた塩ニンニク。
白いニンニクだったのですが、黄色くなりました。
あと、塩スダチと塩ショウガは、作り始めて1週間くらいで腐ってしまい、今は残っておりません。
蓋を開けて、中を見てみます。
塩レモンは、何とも食欲をそそらない色になっています。
匂いは、皮の渋味が匂いに変化したような何ともいえない複雑な香りの中に、少しレモンの爽やかな香りがします。
塩ニンニクは、見た目は普通のニンニクで、匂いも普通のニンニクです。
匂いがまろやかになったような気がしますが、それは、発酵で匂い成分が分解されたのではなく、単純に3ヶ月匂いを発散させたからだと思います。
塩レモンの味見をしてみます。
塩辛い中にレモンの爽やかさと皮の渋味と苦味が口に広がります。
固さは、舌で潰せるくらい柔らかいです。
柔らかいために、口の中で溶けて、皮の渋味と苦味と塩味と複雑な香りが、一気に広がります。
単独で食べるには、当然ですが味が強すぎます。
やはり調味料として使うべきでしょう。
以前食べたことのある市販の塩レモンは、新鮮なレモンを塩漬けにしただけで、熟成していない味で、口で溶けず歯ごたえがありました。
また、インターネットで「塩レモンの作り方」を検索してみると、見つかるレシピは、長くても1ヶ月熟成で、早ければ、数時間漬けるだけというレシピも見受けられます。
3ヶ月熟成というのは、私は短い期間を設定したつもりでしたが、意外にも長かったみたいで、そのために、流行のものとは一味違う、口で溶け複雑な香りがするという特徴を持つ塩レモンになりました。
次に、塩ニンニクの味見をします。
普通に塩味のするニンニクです。
固さは、シャキシャキとした普通のニンニクの固さで、匂いは弱いですが、しっかり残っています。
また、生ニンニクのツーンという刺激も少し残っており、生で食べるにはちょっとキツイかな…
こちらは、調味料と言うより、料理のアクセントに使えると思います。
塩レモンと塩ニンニクを使った料理
まずは、サラダに塩レモンを使ってみました。
シンプルにキャベツの千切りに塩レモンを刻み、オリーブオイル・酢・コショウをかけただけです。
これが割とイケます。
塩レモンの複雑な香りというのが、単独で味見したときには、決して心地よい香りでなかったので、内心不安だったのですが、オリーブオイルやコショウと混じると、ハーブのように心地よい香りに感じられます。
サラダには使えます。
けど、子ども達には極めて不評でした。
大人の香りなのかも知れません。
次に、塩ニンニクです。
鶏とジャガイモのパエリアに、塩ニンニクを使ってみました。
パエリアという料理に、ニンニクは必須なので、普通のニンニクの代わりに塩ニンニクを使ってみましたが、これは間違いでした。
ニンニクの香りは弱いし、余分に塩味が効いてしまって、味のバランスが悪くなりました。
単純に普通のニンニクの代用にすると、こうなるので、それを踏まえて料理を考えないといけません。
次は、両方を使った、塩レモンと塩ニンニク醤油仕立てのトンテキ。
豚ロースにコショウと塩レモン塩ニンニクをまぶし、仕上げに醤油で味付けしました。
塩レモンの複雑な香りが肉の臭みを消して、爽やかな酸味が味を引きしめて美味しいです。
塩レモンは、肉料理にも使えます。
一方、塩ニンニクは、穏やかなニンニクの香りと塩味を付けてくれますが、これが、果たして塩漬けにして3ヶ月熟成させる意味があるのでしょうか。
とりあえず、塩レモンは、3ヶ月熟成した甲斐があるものに仕上がりました。
なので、これに関しては、成功でした。
塩ニンニクについては、残念ながら今のところ、新鮮なニンニクの方が美味しいという結論です。
私は、この結論を覆したいと思っているのですが…どうでしょう。
引き続き研究する必要がありそうです。