グミキャンデーは、プニプニした食感で、子ども達が大好きで、大人も大好きです。
 これは、あまり家庭で作るタイプのお菓子では無いみたいですね。
 今まで、グミを手作りしたという話を聞いた事がありません。
 ですが、何でも手作りしたがる私は、毎度の事ですが、これも作ってみようと思いました。
1.まずはグミキャンデーを試作する
2.市販のグミで勉強する
3.グミキャンデー(試作第2弾)
4.グミキャンデー(試作第3弾)
5.懲りずにグミキャンデー(試作第4弾)
5-2.1日後
6.また市販のグミから学ぶ
7.炭酸カルシウム粉末を手作りする
8.新さらさら酸っぱパウダーを作る
8-2.1日後
9.溶けない粉砂糖
10.グミキャンデー(試作第5弾)
10-2.1日後
11.本当に美味しいグミキャンデー
12.グミキャンデー番外編
13.まとめ
 グミキャンデーは、要するに固いゼリーなので、ゼラチンの割合が多いゼリーを作れば、きっと出来るはずです。
 けど、配合割合が分かりません。
そこで、レシピを検索してみました。
 すると、意外に手作りしている人が多いですね~。
 たくさんヒットしましたよ。
百者百様のレシピで、どれを真似したらよいか分かりません。
 ただ、ほとんどのレシピの共通点は、やはりゼラチンの割合が多いゼリーを作っているという事です。
 とりあえず、平均的な配合を自分の都合の良いようにアレンジして作ってみる事にします。
まずはグミキャンデーを試作する
好きなジュース(今回はリンゴジュースを使用) 100ml
粉ゼラチン 20g
砂糖 30g
クエン酸 2g
リンゴジュースに粉ゼラチンを投入。
 10分後、ゼラチンが水分を吸って膨れました。
 チンしてゼラチンを溶かします。
 ゼラチンは、50~60℃くらいで溶けますので、加熱はそれくらいで良いです。
 過度に加熱すると、完成時の固まりが弱くなるので注意しましょう。
 砂糖とクエン酸を加えて混ぜます。
 型に入れて冷やします。
 今は12月なので、暖房の効いていない部屋に30分も置いておけば固まります。
 固まったものを、型から取り出せば完成です。
 グミキャンデー試作品。
お味は?
甘味も酸味も弱く、もっと濃く味付けしないといけません。
 口で溶けるのですが、じわじわと溶けるために、口に入れてから溶けて味を感じるまでに時間差があり、味を感じるまでの時間は、何も味を感じないのです。
 味を感じない時間は短いですが、ゴムを口に入れたのかと思う程の違和感です。
 そして、徐々に口で溶けて味を感じるわけですが、その味が薄い。
要するに、市販のグミの方が断然美味しいです。
自分で手作りした食品は、売っている物より美味しくなるというのが、私の考えですが、グミに関しては、まだ売っている物の方が美味しいです。
 こういった、安いお菓子に関しては、手作りするより売っている物の方が美味しい傾向が強いです。
市販のお菓子は、香料や砂糖をふんだんに使い…
 いやいや、私のレシピがマズかっただけです。
 お菓子を作っている企業の努力を、私がちょっとレシピを検索したくらいで上回ろうなんて、考えが甘い!
 自分で作って、自分の舌でしっかりと味を確かめて、配合を調整する。
 成功するまで何度でもこれを繰り返さないといけません。
では、レシピを改良して、もっと美味しいグミをつくろうではないか!
 果たして、市販のグミより美味しいものを作ることは出来るのでしょうか?
市販のグミで勉強する
今のところ、自家製グミキャンデーよりも市販のグミキャンデーの方が美味しいのですから、まずは市販の物から学ぶ事にします。
 という事で、3種ほど買ってきました。
食べてみましたが、どれも美味しいですね~。
 よく出来ています。
 感心します。
原材料を見ると、全ての商品に共通して「水あめ」と「ペクチン」が入っています。
 これらは、私の試作品には入っていなかった材料です。
「水あめ」を入れると、どうなるのかよく分かりませんが、おそらく飴っぽくなって口溶けが良くなるのではないでしょうか。
「ペクチン」は、食感が向上すると思います。
 では、次なる試作品には、水あめとペクチンを配合して作る事にします。
 我が家では、水あめとペクチンを常備しておりませんので、近所のスーパーへ買いに出ましたが、夜だったので開いてる店が限られており、ペクチンは手に入りませんでした。
 とりあえず、ペクチンは、アガーで代用する事にします。
 アガーを常備してる訳じゃないですが、以前、こんにゃくゼリーを作ったときの残りがあったので、それを使いました。
※こんにゃくゼリーについては こんにゃくゼリーを作る をご覧ください。
グミキャンデー(試作第2弾)
好きなジュース(リンゴジュースを使用) 50ml
粉ゼラチン 8g
水あめ 10g
砂糖 15g
クエン酸 2g
アガー(ペクチンの代用) 2g
グミキャンデー試作品第2弾。
第1弾より確実に美味しくなりました。
 口どけも良くなり、口に入れた瞬間から味を感じる事が出来ます。
 味も薄くありませんが、ちょっと酸味がキツくて、顔が酸っぱい顔になってしまいます。
 クエン酸を入れすぎた模様。
 それと、ちょっと柔らかすぎます。
 柔らかい事は、味にとって決してマイナスでは無いのですが、容器の中で個々がベチャーっとくっ付いてしまうので、商品化できません。(商品化しないけど)
 やはり、多少の歯ごたえは必要かと思います。
 以上を踏まえて、また試作。
グミキャンデー(試作第3弾)
好きなジュース(リンゴジュースを使用) 50ml
粉ゼラチン 10g
水あめ 10g
砂糖 15g
クエン酸 1g
アガー(ペクチンの代用) 5g
 今回は「さらさら酸っぱパウダー(試作品)」も作りました。
 これを完成したグミにまぶします。
 これは、グミ同士が引っ付かないようにするのと、口に入れた瞬間から甘酸っぱさを感じられるように、という2つの効果が期待できます。
〈材料〉
グラニュー糖 3g
オブラート粉末 2g
クエン酸 1g
粉砂糖 1g
 さらさら酸っぱパウダーをまぶすと表面がラメのように輝いて美味しそう。
 いや、実際に美味しいのです!
 固さも味も良い加減で、口に入れた瞬間から甘酸っぱさが広がり、溶けた後も心地よい余韻が残る。
 市販のグミに匹敵する美味しさです!
 香料を使っていないので、鼻を突き抜けるような、わざとらしい香りはないので、「優しい味」という印象ですが、それも手作りの良さだと思います。
 こうやって容器に入れると、商品化できますよ。(しないけど)
ところが!!
1日経って、これを食べてみると、味が腑抜けになっていました。
 表面のさらさら酸っぱパウダーは、グミの水分でしっとりとした腑抜けの膜に変わりました。
 腑抜けの膜に包まれているために、それが邪魔をして、口に入れても、すぐに味を感じる事ができません。
 ようやく感じた味も少し薄いかも…
 これじゃあ、商品化は、まだまだです。(しないけど)
さて、次はどうなる事でしょう?
懲りずにグミキャンデー(試作第4弾)
好きなジュース(リンゴジュースを使用) 50ml
粉ゼラチン 10g
水あめ 10g
砂糖 20g
クエン酸 1.5g
アガー(ペクチンの代用) 5g
出来上がったものを、冷蔵庫で1日乾燥させます。
 そして、改良したさらさら酸っぱパウダーをまぶします。
〈材料〉
グラニュー糖 5g
オブラート粉末 2g
クエン酸 2g
 作りたてのホヤホヤは、市販品に匹敵する美味しさです。
 ですが、1日置いても表面はさらさらなのでしょうか?
1日後
 表面に水分がにじみ出て、しっとりしてしまいました。
 味は、前回の腑抜けよりは改善されましたが、市販品より劣ります。
うむむ…
どうやら、さらさら酸っぱパウダーに含まれている砂糖が、内部の水分を引っ張り出しているのだと思います。
 例えば、漬物を作るとき、野菜に塩をまぶすと野菜から水分が出てくるのと同様、グミの表面に砂糖をまぶすと水分が出てくるのでしょう。
 そうなると、表面にまぶす粉末に砂糖を使えなくなります。
 砂糖を使えないと、口に入れた瞬間の甘味をどうやって表現するのでしょうか?
そろそろ技術の限界か…?
もう諦めるのか…
どうしよう…
作りたてホヤホヤなら、市販品に匹敵するものができたので、これで満足しておこうかという気にもなってきました。
また市販のグミから学ぶ
そんな時、Pureグミの原材料を見ると…
「炭酸カルシウム」という材料が目に付きました。
 また、フェットチーネにも「炭酸カルシウム」が使われています。
 これらの商品は、表面のパウダーに炭酸カルシウムを配合して、砂糖によるベタ付きを防いでいるのではないだろうか?
 そうでなければ、表面の甘酸っぱいパウダーがベタ付かない事の説明が出来ません。
ならば、実験してみましょう。
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 まず、炭酸カルシウムを仕入れるところから始めなければいけません。
 楽天で調べたこの商品、150g入りで3,888円(税込、送料込)
 これは、ちょっと手が出ないなぁ…
よしっ!
 これも手作りしてみよう!
炭酸カルシウム粉末を手作りする
卵の殻の主成分は、炭酸カルシウムなので、焼いた卵の殻をパウダーにして、炭酸カルシウムパウダーを作ります。
方法は、すり鉢でゴリゴリすります。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
肉眼で粒が確認できないくらいまですりつぶします。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
舌でザラザラ感じないように、25ミクロン以下の微粒子まで細かくします。
ゴリゴリゴリゴリゴリゴリ…
 こんなものかな?
ちょっと舐めてみます。
 粉っぽいけど、ほとんどザラザラを感じないレベルです。
 粉っぽいのは、粉なんだから当然ですよね。
 念のため、もう少しだけすって、それで良しとしておこう。
 出来上がった粉を茶漉しでふるいます。
 これが手作り炭酸カルシウム粉末。
新さらさら酸っぱパウダーを作る
そして、手作り炭酸カルシウム粉末を使って「新さらさら酸っぱパウダー」を作りました。
〈材料〉
グラニュー糖 2g
炭酸カルシウム 1g
クエン酸 1g
 新さらさら酸っぱパウダーを自家製グミにまぶします。
 食べてみても、粉っぽさやザラザラを感じません。
 いや、正直言って、少しジョリジョリしましたが、これもご愛嬌。
 作りたてホヤホヤだと、市販品に匹敵する美味しさですが、これが1日経ったらどうなるでしょうか?
1日後
見事にベタベタしてしまいました。
ガーン!!
もう打つ手無し。
参りました~。
グミは、手作りするよりも市販の物の方が美味しいです!
いや、ちょっと待った~!!
溶けない粉砂糖
こんな物を買ってきました。
 溶けない 粉砂糖です。
 これは、グラニュー糖と澱粉と食用精製加工油脂を溶けないように加工した物です。
 食用精製加工油脂とは、常温でも固体の状態になるように加工された油のことで、要するにマーガリンのような物と思ってください。
 果汁グミの原材料に、砂糖、植物油脂、でん粉が入っていますが、これは、溶けない粉砂糖と共通の原材料ですね。
 おそらく溶けない粉砂糖のような物を使っているのではないかと思われます。
 そこで、溶けない粉砂糖を使って、また試作してみましょう。
 今度は、市販品に習って香料も使います。
 オレンジエッセンス(オレンジ香料)も買ってきました。
 オレンジの精油をアルコールで薄めた物です。
グミキャンデー(試作第5弾)
好きなジュース(オレンジジュースを使用) 50ml
粉ゼラチン 10g
水あめ 15g
砂糖 20g
クエン酸 1.5g
アガー(ペクチンの代用) 5g
オレンジエッセンス 4振り
香料入りオレンジのグミです。
 そして、溶けない粉砂糖を使って、究極のさらさら酸っぱパウダーを作りました。
〈材料〉
溶けない粉砂糖 3g
クエン酸 1g
 そして、グミに、究極のさらさら酸っぱパウダーをまぶします。
 そして、このまま1日置いておくとどうなるでしょう?
1日後
おおっ!!
さらさらを維持しております!!
やったぜ!!
 さらさらの壁を越えました!!
そして、問題の味ですが、はっきり言って美味しいです。
 香料のおかげで、オレンジの香りがガツーンと来て、分かりやすい味になっていますが、この香りは、いかにもアメリカ産のオレンジという香りで、高級感は感じられません。
市販品に匹敵する味ですが、市販品を越えてはいません。
 特に香りの質において差を感じました。
 市販品は、香料にもこだわっていて、大手菓子メーカーは、例えば「国産の○○という品種の香り」などといった、プレミアムな香料を使っているみたいです。
という事は、国産の果実を手絞りでもしないと市販品を越えられないですね~。
え!?
それなら、国産の果実を手絞りしたら市販品を越えられるって事!?
これは試してみるしかありません。
 手絞りみかんジュースを作りました。
 これを使ってグミを作ります。
本当に美味しいグミキャンデー
手絞りみかんジュース 50ml
粉ゼラチン 10g
水あめ 15g
砂糖 20g
クエン酸 1.5g
アガー(ペクチンの代用) 5g
 みかんグミ。
 香料を使ってないので、自然な風味ですが、上質なみかんの香りと甘酸っぱさが口に広がり、心地よい余韻を楽しめます。
激ウマです!!
とうとう市販品を越えました!!
バンザーイ!!
という訳で、長かったですが、めでたく研究を終了することができました。
 最初から最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
グミキャンデー番外編
 おまけの番外編として、赤ワインでグミを作ってみました。
 しっかりとアルコール分が残っており、これはまたセンセーショナルな味です。
 驚くほどの美味しさでした。
 ただし、時間が経つと、アルコール分が抜けて、風味が半減するので、すぐに食べたほうが良いです。
風味がすぐに落ちるという点で、商品化はできません。(しないけど)
 しかし、このように「お酒」という切り札を使うことによって、簡単に市販品を越える物を作る事も出来ます。
まとめ
- 下手に手作りするよりは、市販のグミキャンデーの方が断然美味しい。
 - 手作りだと、1日置いておくだけでグミキャンデー同士がくっ付いてしまう。
 - グミキャンデー同士がくっ付かないようにするには表面に溶けない粉砂糖などを使った美味しい粉をまぶすと良い。
 - 搾りたての美味しい果汁を使ってグミキャンデーを作ると本当に美味しくできる。
 - お酒でグミキャンデーを作ると、売ってない美味しさだけど、すぐに風味が飛ぶ。
 





