誰でも絶対に美味くできる!パエリアのレシピ
パエリアを作るのが得意な私が、普通の家庭の台所で、どなたでも絶対に美味しく作れるパエリアの作り方をご紹介します。
「これさえ読めば、誰でも美味しいパエリアを作れるようになる。」というのを目指して頑張って書いてみました。
【目次】
1.パエリアを作る鍋について
1ー1.パエリア鍋
1ー2.フライパン
1ー3.スキレット
1ー4.ホットプレート
1ー5.その他
2.パエリア作りの流れ
3.パエリアの作り方
3ー1.豚バラ肉と野菜のパエリアの材料(4人前)
3ー2.1.パエリアスープを仕込む
3ー3.2.具材を切る
3ー4.3.具材を炒める
3ー5.4.煮込む
3ー6.5.水分を飛ばす
3ー7.(重要)美味しく仕上げるために
3ー8.6.蒸らす
3ー9.パエリアの完成
4.まとめ
5.動画で説明
6.おまけ、パエリアの見識を広めるための過去記事
パエリアを作る鍋について
「パエリアは、専用の鍋を使って作らなければいけない。」なんて事はありません。
フライパンやホットプレートなど、普通の家庭にある調理器具で美味しく作れます。
まずは、使用する鍋の違いによる味の特徴を説明しますので、これを参考にして自分で作る場合の鍋を選んでください。
パエリア鍋
やはりパエリア鍋で作れば雰囲気は抜群です。
パーティーなどには最適ではないでしょうか。
エビやムール貝など魚介類を豪快に盛り付けたらインスタ栄えもするでしょう。
このパエリア鍋は、パエリア食材と鍋がセットになって売られていたものです。
薄っぺらい鉄板なので、火の当たる部分ばかりが焦げ付くという欠点がありますが、鍋を移動させて満遍なく火を通すように工夫すれば欠点をカバーできます。
下手をすれば焦げ付く可能性がありますが、使いこなす事が出来れば、カリッとおこげの付いた美味しいパエリアを作る事が出来ます。
フライパン
どこの家庭にもフライパンならあるでしょう。
パエリア鍋との違いは、基本的に取っ手の付き方が違うだけです。
パエリア鍋のように両方に取っ手が付いてるか、それともフライパンのように片方に持ち手が付いてるかという事です。
だからフライパンでも美味しく作る事ができます。
鉄フライパンなら、おこげもカリッと美味しく作れますが、焦げ付く恐れもあります。
それどころか、上手に焦げ付かずに作っても、パエリアという料理は、おこげを作るものですから、どうしてもこびり付きます。
こびり付いて、洗うのは面倒ですけどカリッとしたおこげができると美味しいです。
おこげを作れば美味しいけど、洗うのが面倒なので、鉄フライパンもハイリスクで、ハイリターンと言えるでしょう。
コーティング付きのフライパンなら、おこげがカリッとなりませんが、こびり付く心配が無いので後片付けが楽チンです。
おこげがカリッとならないから美味しさのレベルが少し下がるけど、洗うのは楽なので、ローリスクで、ローリターンと言えます。
スキレット
スキレットは鉄の分厚いフライパンです。
これは、鉄フライパンと同じように考えていただいて構わないですが、分厚いですから熱の伝わりがまろやかになって、ふっくらとした仕上がりになります。
ふっくらとするのはご飯だけでなく、入っている食材全部がふっくらと温かく仕上がります。
おこげもふっくらしたおこげになります。
こびり付き具合もまろやかになります。
カリッとしたおこげでは無くなりますが、分厚い鉄の蓄熱により食材全体にしっかり火が通り、何とも言えない温かみのある不思議な美味しさになります。
ホットプレート
ホットプレートは、テフロン加工のフライパンと同じような仕上がりになると考えていただくと良いでしょう。
ただ、コンセントからの電力では、4人前のパエリアを作るには、ちょっと火力が弱いです。
ここ一番というタイミングでの強い火力が期待できないので、メリハリの利いた仕上がりにはなりませんが、手軽さでは一番でしょう。
最もローリスクでローリターンだと思います。
ローリターンと言えど、これでも十分美味しく出来ますよ。
その他
ちょっと特殊な作り方になりますが炊飯器でもできます。
炊飯器で作るとパエリア味の炊き込みご飯になります。
あと、鍋ならどんな鍋でも出来ます。
土鍋なんかで作っても面白いかも知れません。
パエリア作りの流れ
【パエリア作りの流れ】
1.パエリアスープを仕込む(5分)
2.具材を切る(5分)
3.具材を炒める(5分)
4.煮込む(10分)
5.水分を飛ばす(5分)
6.蒸らす(10分)
7.完成
こういう流れになります。
所要時間は約40分です。
パエリアの作り方
では、絶対に美味しくできるパエリアの作り方をご紹介します。
大きなエビやムール貝を使ったパエリアだと映えますが、今回は、誰でも作れるように普通にスーパーで売ってる食材で作れる豚バラ肉と野菜のパエリアを作ります。
豚バラ肉を鶏もも肉に替えても大丈夫です。
豚バラ肉と野菜のパエリアの材料(4人前)
豚バラ肉と野菜のパエリアの材料(4人前)
【パエリアスープの材料】
水400ml
トマトケチャップ 大さじ3
醤油 大さじ1
固形スープの素 1個(粉末なら4g)
サフラン 0.1gくらい
【具の材料】
お米 2合
豚ばら肉スライス 200g
ナス 1個
国産パプリカ 1個
ズッキーニ 1個
タマネギ 小1個
ニンニク 1かけ
【その他の材料】
炒め油(ラードやオリーブオイル) 大さじ1
塩 少々
コショウ 少々
無洗米を使う場合はパエリアスープの水を50ml多くします。
今回は入れてませんが、具材にお芋系を入れても美味しいです。
1.パエリアスープを仕込む
サフランは、パエリアのスープに無くてはならない存在です。
サフランの上品な香りとコク、これが無ければパエリアとは言えません。
これは、1g入りで1080円で買いました。
高いですね~。
計算すると100gで10万8千円になります。
恐ろしく高いですね。
サフランが高い理由は、こちらをお読みください。
サフランの花から香辛料のサフランを取り出しパエリアを作る
パエリア4人前に使う0.1gはこのくらいの量です。
いや、画像より若干少なくても大丈夫かなというくらいの量です。
鍋に水を入れて火にかけ、パエリアスープの材料を全て入れます。
沸騰したら火を止めて、置いておきます。
こうしておくとサフランの香りがスープに広がります。
固形スープの素を使わずに、ちゃんとコンソメスープを取ってから作るともっと美味しくなりますが、今回は、誰でも美味しく作れるレシピなので、手軽な固形スープを使っています。
2.具材を切る
野菜は、こう切らなければいけないというルールはありません。
とにかく一口大に切ります。
パエリアは煮込む料理なので、食べる頃には野菜は柔らかくなるので、案外大きめに切っても美味しく食べられます。
逆に小さく切ると、食べた時に野菜の存在感が分からなくなってしまいます。
豚バラ肉も一口大に切っておきます。
鶏もも肉を使う場合も適当に一口大に切っておきます。
にんにくは、みじん切りにしておきます。
お米は洗ってザルで水を切っておきます。
無洗米を使う場合は、パエリアスープの水を50ml多くしておきます。
お米は水で洗ったら当然水分を吸います。
無洗米を洗わずに使う場合は、水分を吸いませんから、その分パエリアスープに水を足して調節するのです。
3.具材を炒める
鍋を温め、ラードを溶かします。
油はオリーブオイルでも可です。
ニンニクを炒め、豚バラ肉を炒めます。
豚バラ肉はほぐしながらしっかり火を通します。
鶏もも肉を使う場合は、皮がパリパリになるまで焼きます。
後で煮込むから、現段階では中まで火が通らなくてもいいです。
とにかく皮をパリパリに焼きます。
カットした野菜を入れて炒めます。
野菜に少し火が通れば、お米を入れ、軽く炒めます。
世界では、お米も野菜の一種と考えられているので、お米も炒めるのです。
ただし、軽く炒めるだけでいいですよ。
お米も炒めたらパエリアスープを入れます。
全体を均します。
お米はスープに沈んでないと美味しく調理できませんから、スープに沈めます。
野菜は沈まなくても大丈夫です。
野菜の上に付いてるお米があれば、この段階でスープの中に沈めてやります。
4.煮込む
スープが沸騰したら蓋をして、弱火で10分煮込みます。
パエリア鍋には蓋が無い場合が多いので、これは別の鍋の蓋を使っています。
蓋が無ければアルミホイルでもOKです。
5.水分を飛ばす
10分煮込んだので、蓋を取りました。
この段階では、画像の赤い線のあたり、鍋の縁のあたりが、まだ水分が多く、グツグツと沸騰しています。
場合によっては、全体に水分が残ってグツグツしてる場合もあります。
火力を中火にして、この水分を飛ばします。
もし、焦げ臭かったら火力を弱めてください。
2〜3分経つと、見た目に水分が無くなってきました。
全体が均一に水分が飛んでるとは限りません。
水分が多く残っていそうな部分だけに火を当てて、焼きムラを調節します。
(重要)美味しく仕上げるために
この仕上げの段階が重要です。
ここで上手に仕上げる事ができれば、パリッと香ばしいお焦げができて、プロっぽい仕上がりになります。
ここからは鉄フライパンなどの、コーティングされてない鍋で作る場合にパリッとしたお焦げを作るための説明になります。
テフロン加工のフライパンを使う場合は、パリッとしたお焦げは期待できません。
参考程度にしておいてください。
まず、見た目で水分が飛んだかどうかを判断します。
次に音です。
水分が多い時はグツグツと煮込む音がしますが、水分が少なくなってくると、チリチリと炒めるような音に変わります。
音がグツグツからチリチリに変われば完成したサインです。
さらに、匂いで判断します。
こんがり香ばしい匂いがしたら、OKです。
もし、焦げ臭ければ、火を弱めてください。
焦がしてしまったら、台無しになるので、注意してください。
水分が残っているのに焦げ臭くなった場合は、少し時間はかかりますが、弱火でじっくりと水分を飛ばしてください。
水分が飛んでるのに香ばしい匂いがしない無い場合は、仕上げに強火で30秒〜1分焼いてから火を止めてください。
【パエリアの仕上がりの判断基準】
見た目 → 水分が飛んだらOK
音 → グツグツからチリチリに変わればOK
匂い → 香ばしい匂いがすればOK
上記の3方面から判断します。
これは非常に重要ですよ。
学校だっら試験に出ますから覚えてくださいね。
そして、知識として知ってるだけでなく、実践して体得して欲しいです。
そしたら、いつでもプロ並みのパエリアを作ることが出来ます。
6.蒸らす
上記の3方面の判断基準を合格したら、火を止めて、蓋をして10分蒸らします。
パエリアの完成
10分蒸らせば、あとは蓋を取って食べるだけです。
小皿に取っていただきます。
綺麗なお焦げができてるのが分かりますよね。
パエリアは、混ぜないでそのままお皿に取ります。
炊き込みご飯とは違いますよ。
味は、美味しいですよ。
お焦げがパリッと香ばしく、中はふっくらとしていて、メリハリのある味になっています。
豚バラ肉はコッテリした食材ですが、野菜が沢山はいってるので、バランスが取れています。
違う材料で作っても、お焦げがパリッとして、中がふっくらと仕上がるので、美味しく出来ますよ。
是非とも挑戦してみてください。
まとめ
- パエリアはいろいろな鍋で作れる。
- パエリア作りの所要時間は40分。
- 無洗米を使う場合はパエリアスープの水を50ml追加する。
- お米はスープに沈めて煮る。
- 見た目と音と匂いで仕上がりを見極める。
- パエリアは混ぜずに小皿に取っていただく。
動画で説明
動画では私が出演して熱く語っています。
動画では、チリチリの音を聞く事ができます。
さすがに動画でも匂いは分かりませんが、見た目と音は理解できるので、併せてご覧ください。
おまけ、パエリアの見識を広めるための過去記事
焚き火でパエリアを作る 第5回世界料理研究会(前編)
焚き火で作ると薪の味がすると聞いたので、それを試してみました。
鍋はパエリア鍋を使用、鍋の蓋はアルミホイルを使用しました。
パエリアのルーツについても書かれています。
焚き火とスキレットでパエリアを作る 第8回世界料理研究会(前編)
焚き火とスキレットで作ると、火の通りが全く違うものになりました。
焚き火での火力調整についても書かれています。
2016年のクリスマスは、焚き火を使ったキャンプ料理を頑張りました。(その2ちぎりパン・パエリア編)
チキンを使ったパエリアはクリスマス料理に最適です。
それを焚き火でやりました。
同時にダッチオーブンでちぎりパンも焼いてます。
スペイン産マルコナ種アーモンドをパエリアの風味付けに使う
地中海料理では、アーモンドや、松の実をすりつぶしたものを加え、コクを出すという方法があります。
この方法はパエリアにも使えます。
アーモンドの最高級品であるスペイン産のマルコナ種を使ったパエリアはどのような味になったか書かれています。