とうとうブルーチース(青カビタイプのチーズ)作りに挑戦です。
青カビタイプと言うだけで、難易度が高そうな気がして、1年前の自分なら作ろうなんて考えもしませんでしたが、最近になって白カビタイプのチーズ作りに成功したので、次は青カビに挑戦するしか無くなってきました。
気が付かない間に、徐々に階段を登ってきたみたいですね。
ブリーチーズ作りに挑戦!(ブリーチーズ前編)
ブリーチーズと言うより、どちらかと言うとカマンベールチーズが完成(ブリーチーズ後編)
自家製白カビチーズの料理を楽しむ(ブリーチーズ後編の後編)
青カビタイプチーズの作り方ですが、白カビチーズと同じ要領で市販のチーズを種に作ろうと思います。
種に使ったチーズはこれ「小林牧場物語手作りブルーチーズ」です。
「生タイプ」と書いてあるのがこれを選んだ理由です。
市販のチーズの大半は、保存性を高める為に、加熱殺菌されているので、肝心の青カビが死滅しています。
加熱殺菌されたチーズを種に使っても、青カビを繁殖させることはできません。
このチーズは、生タイプと書いてあり、おまけに高かったので、きっと加熱殺菌されずに青カビが生きているだろうと思った訳です。
30g入りで、400円くらいしました。
こんなチーズです。
ちょっと食べてみましたが、確かに美味しかったです。
青カビタイプのチーズを作る
牛乳 1リットル
無殺菌のブルーチーズ 15g
塩 4gくらい
牛乳にブルーチーズを入れます。
ブレンダーで撹拌します。
牛乳を固めるために、まず乳酸菌に活発に活動してもらい、牛乳をヨーグルト化させます。
そのために35℃まで加熱します。
ここでは35℃を超えないように注意します。
ヨーグルトを作るのが目的なら、40℃くらいが乳酸菌が活発に活動する温度なのですが、それどころか、50℃になっても乳酸菌は平気です。
しかし、目的はブルーチーズです。
チーズの青カビは、何度まで耐えられるか詳しく知りませんが、あまり高い温度にしない方が良いと思います。
そこで、ヨーグルトを作るにはちょっと生ぬるいけど、青カビは死滅しないであろうという温度が35℃なのです。
この温度は科学的に導き出した訳でなく、私の感覚で決めた温度なので、まだまだ完全な温度ではありませんが、とりあえずこれでチーズは作れます。
適当な容器に入れて、温かい部屋で固まるまで放置しておきます。
36時間後
固まりました。
夏なら一晩で固まりますが、冬だったので、24時間でも固まらず、36時間で固まりました。
もっと寒い地方だったら2~3日かかるかもしれません。
早く確実に作りたければヨーグルトメーカーを使うと便利です。
水切り
ザルに手拭をしいて、ヨーグルトをぶちまけます。
下に落ちたホエー(水分)を取り除きながら、24時間くらい置いておきます。
ちなみに、ホエーを少し飲んでみましたが、味は青カビチーズの味でした。
普通のヨーグルトのホエーは、爽やかなヨーグルトの酸味がして飲める味ですが、このホエーは青カビチーズのコクと香りがグッと来て飲めた味ではありません。
けど、このホエーの味は、青カビチーズが順調に育っていると感じさせてくれる味です。
24時間後
水切り完了。
さらに、手でギュッと搾ってみましたが、これ以上水分は出ませんでした。
手で搾った後は、こんな状態になりました。
青カビを繁殖させる
とりあえずこのままの形で、上に塩をパラパラと振りかけました。
このまま熟成させます。
暖房の効いていない寒い部屋に置いておきます。
蓋をしておけば、蓋の内部はカビが好むジメジメした環境になるでしょう。
気温が15℃を超える場合は、雑菌の活躍するリスクが高まるので冷蔵庫に入れた方がいいでしょう。
ただし、冷蔵庫の中は3~5℃くらいだから、雑菌のリスクは減りますが、青カビの活動も緩やかになり、熟成に時間がかかります。
夏なら時間がかかってもいいので冷蔵庫内で熟成させましょう。
24時間後
お!?
うっすらと青カビが発生してきました。
大丈夫かな~!?
これは正しい青カビなのでしょうか?
正しい青カビと信じて熟成を続けるしかありません。
さらに24時間後
うわおっ!!
青カビが順調に育ってきました。
これが正しい青カビなのか気になったので、少しだけ切り取って試食しましたが…
大丈夫でした。
青カビチーズの味がしてます。
自信を持って、もう少し熟成させます。
さらに24時間後
ぎょっ!!
正しい青カビとは知りつつも、こんなに繁殖するとは驚きました。
ちょっと怖いですが、順調に育ってます。
整形する
チーズらしい形にするために、ゴムベラを使ってガラスのカップに入れてみました。
これを逆さにすれば、このままの形で出てくると思ってたのですが…
逆さにしても全く出てこないので、ゴムベラで無理やり出せば、形が崩れて元の木阿弥になりました。
結局、お皿の上で、ナイフを使ってチーズらしい形に整形しました。
ナイフとは、包丁ではなくて、フォークとセットで使うナイフです。
だからナイフのギザギザがチーズの表面に付いてます。
ブルーチーズは、チーズの内部にも青カビが混ざっているので、このように青カビが育ったチーズを一旦ぐちゃぐちゃに混ぜてチーズ内部に青カビを入り込ませました。
売っているブルーチーズの作り方はちょっと違います。
表面に青カビが生えてから、細い棒か何かを突っ込んで、青カビを中に押し込み、さらに熟成させます。
棒を突っ込んだ穴から内部の青カビにも酸素が供給され、中と外から熟成が進みます。
今回作っているチーズは、ナイフで整形できる事から分かるように、まだまだ水分が多いため柔らかくクリーム状なので、棒を差して穴を開けても「糠に釘」状態になって意味をなしません。
そこで、ぐちゃぐちゃに混ぜる作戦に出たのです。
そして、冷蔵庫で蓋をせずに置いて乾燥させます。
10日後
冷蔵庫で10日間乾燥させました。
ちょっと水分が飛んで引き締まったように見えます。
裏返しました。
固まりのまま裏返す事が出来たので、確実に乾燥が進んでいます。
乾燥させる前なら、柔らかすぎて裏返すなんてとんでもなかったですから。
青カビチーズとしての硬さとしては、もう少しのような気がするので、もう少し乾燥させます。
5日後
十分に水分を飛ばす事ができました。
蓋をして暖房の効いていない寒い部屋でさらに熟成させます。
さらに5日熟成させて完成
表面も青カビに覆われ、内部にも青カビが入り込んだ正真正銘のブルーチーズになりました。
では、いただいてみましょう。
赤ワインと共にいただきます。
赤ワインは、ちょっと珍しい発泡性の赤ワインです。
いや、ワインよりもチーズです。
チーズの味は、どうでしょう?
ほんの一かけらを口に含みました。
モグモグ…
む…
むむ…
むむむ…
美味しい!!
まぎれも無く、青カビチーズの味がします。
青カビのピリリとした刺激と強いコクと塩気がマッチして、ほんの一かけら食べただけで、長く余韻が残ります。
そして、赤ワインと合うのなんの。
これは大成功でした。
やったー!!
ただし、ワインが進むので、飲みすぎに注意です。
まとめ
今回は初めての試みだったので、自分の作り方が正しいのかどうか分からないまま作ってました。
結果、正しいという事が分かったので、今回作った工程をまとめてみました。
1.牛乳にブルーチーズを混ぜてヨーグルト化させる → 1日
2.ヨーグルトの水を切る → 1日
3.塩をかける → 10秒
4.蓋をして熟成 → 3日
5.混ぜて整形する → 10分
6.冷蔵庫で乾燥させる → 15日
7.蓋をして熟成させる → 5日
8.完成
これで、日本の普通の家庭でも特別な道具や素材を使わずに青カビタイプのチーズを作る事が出来ます。
是非お試しください。
ってあまり試す人いないでしょうね。
もし試す場合は、カビを扱いますからくれぐれも自己責任でお願いします。
種に使ったチーズはこれです。
これは間違いなく青カビが生きています。