第11回世界料理研究会が、京都市にある宇津峡公園にて行われました。
今回のテーマは、「カツオのたたき」の予定でした。
メンバーのbob氏から「高知で食べたカツオのたたきがものすごく美味かったので、自分たちでやってみよう。」と提案があったからです。
高知は、カツオのたたきの発祥地と言われております。
新鮮なカツオの表面を、藁(わら)の炎で焼くというのが本場である高知のスタイルです。
私は、藁の炎で焼いたカツオのたたきを食べた事がありません。
高知の味は、藁で焼かないと出せないらしいです。
ガスコンロの炎で焼いた物ならいくらでも食べた事があるのですが、どうやら違うみたいです。
藁の炎で焼くというのが大きなポイントのようです。
ですから、今回の研究のために、わざわざ通販で藁を仕入れました。
稲藁3kg。
長さは1メートルくらいで、サンドバッグくらいの大きさがあります。
デカイです。
これを燃やしてカツオを焼けばいいだけです。
はっきり言って簡単。
とりあえず、藁の準備はOK。
さて、次にカツオはどこで仕入れようかな。
そのために、数日前からスーパー等の鮮魚コーナーを下調べしました。
いろんなスーパーや、デパ地下の鮮魚コーナーを見ると、重大な事実に気付きました。
カツオを売ってない
生のカツオが全く売られてないのです。
せいぜい売っているのは「カツオのたたきの完成品」の冷凍で、しかも小さい物です。
これはどうした事か。
季節は10月の下旬で、今は戻り鰹の旬なのですが、ねぇ。
調べてみると、こんなニュースがありました。
三陸沖カツオ不漁 高知の船「小型ばかり」
※2019年4月26日注、↑高知新聞のリンクだったのですが、現在リンク切れになっています。
ニュースを要約すると、カツオがものすごく不漁で、漁に出ても獲れない、獲れても小さいのばかりで、漁を早々に終了したという事です。
少し値段が高いくらいなら何とか頑張って買いますが、そもそも漁を終了したのなら、買う事ができません。
カツオのたたきは無理!!
という事が分かりました。
近年はカツオに限らず海産物の不漁が多い
カツオだけでなくマグロやウナギなんかもそうですね。
今年は、黒潮が大蛇行しているので、それが影響しているのでしょう。
しかし、根本的な原因は、乱獲だと思います。
カツオを食べるのは日本人だけではありませんから、世界中の人々が水産資源維持のために協力して漁獲量を調整しなければいけません。
世界有数の海洋国家である日本が、国際社会の中でリーダーシップを発揮して、そういったルールを決めなければ、この状況を改善するのは難しいでしょう。
仮にルールを決めたとしても、ルールを無視する大きな国家がありますからねぇ。
どうしたらいいのでしょうか。
カツオのたたきが食べられなくなるだけなら、まだ我慢が出来ますが、ひどい場合はカツオ節が作れなくなり、カツオだしを味わえなくなってしまいます。
カツオだしを味わえなくなったら、私はもう生きていけません。
世界料理研究会も、その名のスケールにふさわしく、世界の食糧問題まで考えるようになってきました。
しかし非常に難しい問題であります。
すぐに解決策が見つかるようなテーマではありませんが、読者の皆様にもこういった問題があるという事だけでも知っていただければと思います。
それで、研究テーマはハンバーガーに変わる
研究テーマは一旦リセットして、ハンバーガーになりました。
カツオのたたきとは全く関係ありませんが、アウトドアでハンバーガーを作るのです。
ハンバーガーがアメリカ料理である事は、ご存知ですよね。
アメリカ人にとってのハンバーガーは、日本人にとってのおにぎりと同じくらい、国民食と言っても良いでしょう。
18世紀より米国に移住したドイツ人が食した独自の挽肉料理をアメリカ合衆国で「ハンブルク風(ハンバーグ)ステーキ」と呼称するようになる。1891年の文献には既に「ハンバーガーステーキ」の文字が見られる。
※ウィキペディアより引用
簡単に言うとハンバーグをパンに挟んだのがハンバーガーです。
ハンバーガーという名の由来には諸説あるらしいですが、そこまでは調べてません。
バーガー用のバンズは、家で焼きました。
家のオーブンレンジで一度に焼けるのは9個なので、これを2クールで合計18個のバンズを焼きました。
さらに、現地でもダッチオーブンを使ってパンを焼きました。
パンを焼くのには時間がかかるので、これが焼けたのは終盤にかかった頃でした。
ハンバーガー作り開始
ハンバーグを、藁を燃やした炎で焼きます。
藁の香りが付いて美味しくなるでしょうか?
ちなみにアメリカでは、農務省の法律でハンバーガーに使う肉は牛肉100%でないとハンバーガーを名乗れません。
これは合挽きミンチを使っているので、アメリカではハンバーガーと名乗る事ができません。
しかし、ハンバーグは牛ミンチで作るより合挽きミンチで作る方が、味に広がりが出て美味しいと思うのですが、どうでしょう?
バンズは炭火で焼きます。
パンを炭火で焼くと、驚くほど美味しく焼けるのですが、すぐに焦げるので注意が必要です。
パンにハンバーグ・スライスチーズ・トマト・レタス・オニオンスライス・ピクルス・ベーコン・ハッシュドポテトから好きなものを選んで乗せて、マヨネーズ・ケチャップ・マスタードで味付けします。
各自の好みでトッピングします。
ここは、子供達も楽しそうにやってます。
ぼくのハンバーガーできた~。
具をたくさん挟んだから、分厚いハンバーガーになりました。
どうやって食べようかと思ってしまうくらいです。
では、私もいただく事にします。
いただきま~す。
あっ…アゴが外れる~!
ガブッ!!
むしゃむしゃ…
う…
美味い!!
味は絶品!
そして食べ応え十分。
手作りした甲斐があります。
けど、スライスチーズとピクルスは既製品を使いました。
ところで、ハンバーガーを食べて思ったのですが、具をたくさん詰め込むと、それだけで美味しくなります。
物理的に、具を挟める限界までたくさん挟んだハンバーガーが最も美味しいハンバーガーかも知れません。
ただし、食べ難くなりますが。
食べ難い証拠に、ハンバーガーを食べた後は、手と顔を洗わなければいけない状態になりました。
けど、手と顔を洗ってでも食べる価値のある美味しいハンバーガーでした。
あ、藁の香りは全く分かりませんでした。
バーベキューも
さらに同時進行でバーベキューもやりました。
こちらも最高!
稲藁はどうなった?
今回のために仕入れた藁は、家に置いておくにも場所を取りますし、それよりも虫が発生するので、燃やしてしまうしか仕方がありません。
藁で焚き火を楽しみましょう。
藁は、よく燃えるのですが…
燃えた後に灰にならずに、炭になってしまうのです。
だから、燃やしても量があまり減りません。
ご覧の通り、藁の炭が焚き火台にあふれてしまいます。
この焚き火台はスノーピークのLサイズです。
大きさは45cm×45cmで、この大きさなら過去に何度も焚き火をやりましたが、薪をガンガンくべてもどんどん燃えて炭が残るなんて事はありません。
しかし、藁を燃やせばこのように炭が残ってしまうのです。
残った炭のおかげで空気の流れが遮断され、燃焼効率が悪くなり、くすぶり続けます。
けど、この炭の中に、アルミホイルで包んだ芋を入れたら上手に焼けました。
藁は、焼き芋を作るには最適である事が分かりました。
さて、次はデザートです。
今回は、デザートにも力を入れてます。