米麹

自宅消費用の簡易版、鍋一つで作れる米麹(こめこうじ)の作り方。これで甘酒も作れます。

2016年12月8日

古くから日本の発酵食文化を支えてきた米麹ですが、現代の日本では洋食文化が採り入れられ、米麹の活躍の場が減ってきました。

ところが2011年頃から始まった塩麹ブームにより米麹が注目されるようになりました。
今では塩麹のブームは去りましたが、昨年(2015年)あたりから甘酒の材料として再び米麹が注目を集めているような気がします。

ご存知の通り甘酒は、砂糖を全く使っていないのに、ものすごく甘いです。
それは、麹菌の作る酵素がお米のデンプンを糖化するからです。
糖分だけでなく、各種アミノ酸も豊富に含まれて、健康、美容、ダイエットに効果があると期待されます。
その甘酒の材料になるのが米麹です。

また味噌作りにも米麹を使います。
我が家では味噌作りのために、米麹をたくさん使います。
そのために2012年から米麹を手作りするようになりました。

自宅で簡単に作る簡易版米麹の作り方をご紹介します。

【目次】
1.自宅での米麹作りはハードルが高いと思っている方は多いでしょう。そんな事ありませんよ。
1ー1.一つずつ誤解を解いていきましょう。
1ー2.米麹を作るのは、決して大変ではありません。
1ー3.作り方を紹介する前に
2.簡易版鍋一つで作れる米麹の作り方
2ー1.お米を洗って水に浸ける 1時間
2ー2.お米を炊く 30分
2ー3.麹菌を植えつける 30分
2ー4.保温する 12~20時間
2ー5.混ぜる 5分
2ー6.保温する 12~20時間
2ー7.完成

自宅での米麹作りはハードルが高いと思っている方は多いでしょう。そんな事ありませんよ。

米麹作りに対するこんなイメージを持っているのではないでしょうか。

  • 特別な道具が必要
  • 温度管理が大変
  • 発酵途中は寝る暇もない

それは誤解です。

一つずつ誤解を解いていきましょう。

  • 特別な道具が必要?

→米麹作りは、鍋一つあればできます。

  • 温度管理が大変?

→確かに多少の温度管理は必要ですが、極端な高温や低温にしなければアバウトでも成功します。

  • 発酵途中は寝る暇もない?

→私はサラリーマンですが、平日に仕事を休まずに、十分な睡眠時間を確保しつつ、米麹を仕込んでます。

米麹を作るのは、決して大変ではありません。

米麹作りは、完成まで24時間以上かかるので、これを料理と考えると、24時間以上もかかる料理など大変と感じるのは無理もないでしょう。

しかし私の場合、麹菌という生き物を育てる気持ちで作っています。
ペットの世話をするような、お花の世話をするような、そういった気持ちにで麹菌に接しています。
ペットの世話は、世話した分の何倍もの癒しとなりますし、お花の世話も同じですね。
美しい花を咲かせたら、世話した分の何倍もの喜びになります。

麹菌を世話して、元気に育ったらそれ自体が喜びであり、料理を美味しくしてくれて、健康にも貢献してくれるでしょう。
だから大変ではありません。

微生物も、そういう気持ちで接すると、それを感じ取って元気に育ってくれます。
微生物にも気持ちが伝わるのです。

麹菌を可愛がってやると、本当に元気に育ちます。
科学で証明されているかどうか知りませんが、私は実体験として、そう感じています。
麹菌を可愛がって、「こうじちゃん」と呼んで育てましょう。

作り方を紹介する前に

これからご紹介するのは、自宅消費用の簡易版の米麹です。

簡易版ですが、米麹として全く問題なく使えます。

2016年の手前味噌完成。カビ対策の結果も発表。で紹介した手前味噌も、この簡易版米麹を使って仕込みましたが、美味しい味噌が出来上がりました。

米酢を作る 仕込み編で紹介した米酢も、この簡易版米麹を使って仕込みましたが、美味しい酢が出来上がりました。

ちなみに、簡易版ではない普通の米麹の作り方は
米麴作りに挑戦!をご覧ください。

簡易版鍋一つで作れる米麹の作り方

【用意する道具】
大きめの鍋

【米麹の材料】
完成量約1.5kg お米 7合(1kg)
水 4合(720ml)
麹菌 1~3g

※材料は、ご自宅にある鍋の大きさに合わせて増減してください。

【手順】所要時間26時間以上
1.お米を洗って水に浸ける 1時間
2.お米を炊く 30分
3.麹菌を植えつける 30分
4.保温する 12~20時間
5.混ぜる 5分
6.保温する 12~20時間
7.完成

1.お米を洗って水に浸ける 1時間

浸水

お米を洗って鍋に入れて、普通に炊く場合の6割くらいの水を入れる。

普通に炊く場合は、お米と水を1対1の割合にします。
これは6割の水で炊くので、お米7合に対し、4合の水を入れました。

通常の米麹は、お米を蒸しますが、蒸すのは面倒なので、簡易版では水分6割の硬めに炊きます。
水分を6割よりも減らすと熱の循環が上手くいかずに炊きムラができてしまいます。
私の経験上、水分6割がギリギリの水加減なのです。
それでも蒸した米より断然水分量は多いです。
けど自宅消費用なので大丈夫です。

浸水させた米

1時間以上置いておくと、お米が水分を吸って膨らみます。
では、これを炊きます。

2.お米を炊く 30分

鍋で米を炊く

沸騰するまで強火で加熱します。
沸騰したら弱火にして10分。
10分経ったら火を消して10分蒸らします。

炊飯器があれば、炊飯器に任せてください。

鍋で炊いた米

炊き上がりました。

3.麹菌を植えつける 30分

ご飯を冷ます

炊きたてのご飯を、何か適当な容器にぶちまけて30度以下になるまで冷まします。
30度以下というのは、体温が36℃くらいですから、人肌よりも少し下の温度です。
手で触って体温よりも少し低いと感じる程度まで冷まします。

種麹

ここで麹菌の登場です。
これは4年前に購入して、冷蔵庫で保存しながら使い続けている物です。
4年間保存しても菌の活性に全く衰えを感じません。
100g入りで、1回につき1~3gしか使いませんので、今後何年も使い続ける予定でいます。

さすがに種麹はスーパー等には売ってないので通販でお求めください。
2021年1月15日現在、アマゾンで1750円で売ってますが、この出費で何年も使い続ける事が出来るのでとても安い買い物だと思います。

麹菌を振りかける

茶漉し等があれば、それで麹菌を振りかけます。
茶漉しが無ければスプーンなどで均等に振りかけても大丈夫ですが、茶漉しがあればやりやすいです。

麹菌を混ぜる

種麴を、手を使って均一にすり込むように混ぜます

混ぜた米

炊いた米は少し粘りがあるので、このようにまとまります。
蒸した米なら、パラパラとほぐれてこのようにまとまる事は無いです。

4.保温する 12~20時間

鍋に移して保温

鍋に移して保温します。

蓋はずらしておく

麹菌には酸素が必要なので、鍋の蓋を少しずらして麹菌が呼吸できるようにします。
そして、厳密に言うと30℃で12時間保温ですが、それは面倒なので、暖房の効いた温かい部屋に置いておくだけでいいです。

ちなみに麹を仕込む季節は、味噌を仕込む冬である事を前提で説明しています。
冬なら保温に気を付けなければいけませんが、夏なら常温で置いておけばいいです。
夏に米麹を作るのはめちゃくちゃ簡単ですよ。

保温する時間は、12~20時間くらいの幅で考えてもらったら大丈夫です。

ブランケットで保温

冷めないようにブランケットを被せておきます。
外出する時や、寝る時は暖房を切りますが、それでも構いません。
麹のために暖房を付けっぱなしにするとか、そういった事はしてません。

けど、暖房を切ったらめちゃくちゃ寒いお家だったりすると、暖房を付けたままの方がいいと思います。

5.混ぜる 5分

混ぜる

蓋を開けて混ぜてやります。
見た目には何の変化もありませんが、麹菌が芽を出して育ち始めているのです。
麹菌の力を信じてやりましょう。

6.保温する 12~20時間

オーブンで保温

厳密に言うと、40℃で12時間保温します。
我が家のオーブンには幸いにも40℃という設定があり、これを重宝しております。
本来はパンを発酵させるための機能ですが、米麹にも活用できます。
ただしこのオーブンは、時間が最長95分しか設定できません。
例えば、寝る前に40℃95分で設定しておくと、起きた頃にオーブンは切れてますが、起きてからまた40℃95分で設定すれば、別にそれでも大丈夫です。
一度米麹の温度が40℃まで上がると、麹が発酵する事によって生じる熱で何とかなるのです。

こういったオーブンなどが無い場合は、湯煎でも風呂でも炬燵でも何でもいいので、とにかく人肌より少し熱いくらいの温度にしてやりましょう。
途中で温度が下がったら、また40℃まで加熱してやりましょう。
そうすると後は何とかなります。

7.完成

米麹完成

完成。
蓋を開けるとぽわーんと麹の香りが広がります。

完成した米麹

このように、お米がふんわり白い綿毛のようなもので包まれています。
そして、もうすでに糖化が始まっていて、食べてみると少し甘いです。

普通の米麹よりも水分が多めなので、お米の粒がパラパラと独立していません。
べちゃっと固まっています。
パラパラの米麹を作ろうと思えば、お米を蒸さなければいけません。
お米を蒸すのは面倒なので、少ない水で炊いたのです。
だから簡易版なのです。

簡易版ですが、これで味噌でも甘酒でも仕込む事ができますよ。

ただし、これは長期保存には向きません。
保存するなら冷蔵庫で保存して、なるべく早く使い切りましょう。

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