米麹

天然麹菌で米麹を作る(後編)

2017年7月2日

天然麹菌で米麹を作る(前編)
天然麹菌で米麹を作る(中編)
の続き

天然麹菌で米麹を作るシリーズを書き始めたのは、最終的に成功するという勝算があったからです。
最終的に成功すれば、途中までの失敗談も美談となるでしょう。
そして最後に成功して、めでたし、めでたし。
というシナリオを、思い描いておりました。

そのつもりで(前編)(中編)と書き進めたのです。

ですが、実は、現時点では全く成功しておりませんし、勝算も疑わしい状態です。

だから、この(後編)を書くことをためらっていましたが、せっかく(前編)(中編)と、途中まで発表したのだから、(後編)まで発表しようと思ったのです。

一生懸命に実験を繰り返した結果をとりあえず読んでください。

〈前回までのあらすじ〉
天然麹菌を培養するために、3パターンのアプローチで実験しましたが、ことごとく失敗。
次は、ヨモギの葉に麹菌が住んでいるという情報から、ヨモギを摘んできました。

ヨモギから麹菌を育てる

蒸した米2合お米2合を蒸しました。
炊くよりも蒸す方が、お米に含まれる水分が少なく、雑菌の繁殖が抑えられるのではないかと思い、そうしました。

蒸した米に灰をまぶす小さじ1杯分くらいの灰をまぶします。
灰の上澄みでご飯をラーメン化させるよりも、灰をまぶした方が雑菌の繁殖を抑えられそうな気がしたので、こうしました。
理由は何となくです。

灰を混ぜる灰を混ぜます。

ホームベーカリーに米とヨモギを入れるあホームベーカリーの容器に灰をまぜたご飯を少し入れ、その上にヨモギの葉を入れます。
またその上からご飯→ヨモギ→ご飯と乗せ、それをホームベーカリーにセットします。

生種おこしに設定する生種おこしに設定します。
これは本来、ホシノ天然酵母を起こすモードで、これに設定すると30℃で24時間保温されます。
けど、12時間経った時点で取り出します。

12時間後

ヨモギを取り出すヨモギを取り出します。
見た目には変化はありませんが、これでヨモギに住んでいる麹菌がご飯にも移り住んだはずです。

40℃のオーブンで保温40℃のオーブンで24時間保温します。
麹菌は酸素を好むので、蓋は少しずらして空気の通り道を作っておきます。

 

そして…

 

24時間後

24時間後あれ!?

変化なしです。

麹菌が少なくて増えるのに時間がかかるのかも知れません。

もう少し様子を見てみましょう。

 

そして…

 

さらに24時間後(合計48時間)

48時間後あれれ~!?

変化無しです。

もしかして、麹菌が付いてなかったのでしょうか。

全く腐敗しているような雰囲気も無いので、灰の防腐効果はバッチリのようです。
灰の防腐効果が強すぎて麹菌すら育たなくなってしまったのでしょうか?

いずれにせよ、もうしばらく様子を見ます。

 

そして…

 

さらに24間後(合計72時間)

72時間後まだ変化なし!

 

そして…

 

さらに24時間後(合計96時間)

96時間後まだまだ変化なし!!!

このままでは永遠に変化が無さそうです。

少しずつ乾燥が進んでいるので、最終的には乾し飯が完成するというコースが見えてきました。

このままではいけない。
何か変化を与えないと。

ヨモギを埋め込むこの状況を打破するために、またヨモギを摘んできて埋め込みました。

ヨモギを埋め込んでから24時間後

24時間後おや?

画像を拡大してみましょう。

拡大白いふわふわのお米が何粒か発生しています。

いいぞ!
頑張れ!

 

※この時点で勝算ありと判断して 天然麹菌で米麹を作る(前編) をアップしました。

 

ヨモギを入れたままかき混ぜて、さらに12時間40℃で保温します。

ヨモギを埋め込んでから48時間後

48時間後全体が真っ白になっているかと期待しましたが、そんなに都合良く事が運んでません。

少ない麹菌が部分的に育っているだけなので、まだ全体に広がってないのでしょう。

ヨモギを埋め込んでから60時間後

60時間後全体的には麹菌は広がってません。
ヨモギの葉を取り出して見てみると、葉の裏に付いているご飯粒が、特に白いふわふわになっているように見えます。
麹菌は、ヨモギの葉の裏側に住んでいるのではないでしょうか?

ヨモギを埋め込んでから84時間後

84時間後白いふわふわもあるのですが、違う色の奴がちらほらと出てきました。
違う色の奴は、表面に見えている限りは箸でつまみ出しましたが、これは非常にマズイ状況です。
ヨモギを取り出して、混ぜてみました。

ヨモギを埋め込んでから108時間後

108時間後あちゃ~。
麹菌とは違う色の奴らが、完全に優位になってしまいました。

108時間後を拡大拡大。

緑っぽい部分が所々に確認できます。

完全にアウトです。

そもそも臭いが完全にアウトです。

トホホ…

 

しかし、最終的にはアウトになりましたが、白いふわふわのご飯が発生しただけでも大いに前進です。

◆今回の実験で分かった事
ヨモギには麹菌が住んでいるっぽいという事。
特にヨモギの葉の裏側に麹菌が住んでいるっぽいという事

以上の結果を踏まえて、また挑戦

ヨモギでの米麹再挑戦2合のお米を蒸して、灰をまぶし、たっぷりのヨモギと混ぜました。

これを40℃で保温します。

先ほどの実験との違いは、ヨモギの量が多い事と、30℃での保温を経ず、いきなり40℃で保温を始めるという事です。

24時間経過

再挑戦24時間後上に乗せたヨモギが朽ちてしまいました。
ご飯には変化は見られません。

朽ちたヨモギは取り除きます。

さらに24時間後(合計48時間)

再挑戦48時間後ご飯には変化無しです。
ヨモギが全体的に朽ちて真っ黒になってきました。

今回のヨモギが何故朽ちたのでしょうか?
謎です。

さらに24時間後(合計72時間)

再挑戦72時間後新鮮なヨモギに替えました。

ご飯には特に変化がありません。

いや…

 

実は…

 

匂いが…

ちょっと先行き不安な匂いがしてます。

さらに24時間後(合計96時間)

再挑戦96時間後あちゃ~。
やはり違う色の奴が発生してしまいました。

再挑戦96時間後拡大拡大。

緑っぽい部分が散見され、これはアウトです。

そもそも臭いがダメです。
麹菌の匂いは、ポワーンと酒のような分かりやすい匂いがするので、匂いで判断すれば間違いありません。

またしてもアウトです。

自信あったんだけどなぁ(笑)

◆今回の実験で分かった事
ヨモギには麹菌が住んでいるっぽいけど、育てるのは簡単じゃないって事。

こんな事が分かっても、研究が進んでないじゃないか!!

原点に返って、もう一度おにぎりトラップを作ってみます

ヨモギでおにぎりトラップヨモギを敷き詰めたタッパーに、灰をまぶしたご飯のおにぎりを入れて、さらに上からヨモギを被せます。

ヨモギのおにぎりトラップを庭に放置庭に放置しておきます。
季節は5月で、最高気温が30℃を超える日もあるくらいの気候です。

4日後

ヨモギのおにぎりトラップ4日後なんじゃこりゃ~?

おにぎりの梅干がはみ出したのか?
いやいや、梅干なんか入れてない。

何か分かりませんが、何かの微生物でしょう。
残念ながら麹菌じゃなさそうですね。

という事は、アウトですね。

◆今回の実験で分かった事
おにぎりを置いておくと赤くなったりもするって事。

こんな事が分かっても、全く研究が進んでないじゃないか!!

まだ懲りずに、違うアプローチでおにぎりトラップを作ってみます

今度は米ぬかに着目しました。
米ぬかにも麹菌が住んでいるのです。

ぬかでおにぎりトラップタッパーに米ぬかを敷いて、霧吹きで湿らせておきます。
そこに、灰を混ぜて握ったおにぎりの表面に米ぬかをまぶしたものを置きます。

ぬかのおにぎりトラップを庭に放置庭に放置しておきます。
季節は6月に入って、最高気温は30℃を超えたり超えなかったりです。

4日後

ぬかのおにぎりトラップ4日後ほら期待通り、白いふわふわが発生しています。

ちょっと気になるのが、うっすらとピンク色の部分がある事です。

白いふわふわを移植白いふわふわの部分だけを取り出して、蒸して灰をまぶしたご飯に移植します。

混ぜる混ぜました。

これをまた40℃で保温します。

そして

その後の記録は残ってません。

 

しかし記憶は残ってます。
腐ったご飯ができたという記憶です。

◆今回の実験で分かった事
ぬかから天然麹菌を育てるのも簡単じゃないって事。

まとめ

散々実験を繰り返した結果、都会で天然麹菌を育てるのは難しいという事が分かりました。

難しいですが、決して不可能だとは思っていません。
新たなる方法を模索中です。

ヨモギには麹菌が住んでいるっぽい事と、特に葉の裏側白い部分に多く住んでいるっぽい事が分かっているので、そこらへんが成功への手がかりとなるかも知れません。
もしかすると、ヨモギではなく、また違ったアプローチの方が良いのかも知れません。

それは分かりませんが、今度こそ、良い報告が出来るように頑張ります。

※2019年8月14日注
↓天然麹菌で米麹作りに成功しました↓

台湾産甜麺醤

その他の漬物・発酵

2022/9/28

甜麺醤第2の謎

甜麺醤第2の謎 中国の甜麺醤という調味料は、謎の多い調味料です。甜麺醤を手作りしようと思った事がキッカケで、作り方を調べて行くうちに、いくつもの謎にぶち当たってしまいました。 それらの謎を何年もかかって、とうとう解き明かしました。 今回は甜麺醤の第2の謎についてお話したいと思います。 【目次】1.甜麺醤第1の謎2.甜麺醤第2の謎3.第2の謎の解明4.大麦粉で甜麺醤を作る4–1.はったい粉で試作4–2.はったい粉の甜麺醤を試食4–3.大麦粉で試作4–4.大麦粉の甜麺醤を試食5.まとめ6.動画で説明 甜麺醤第 ...

ReadMore

小麦粉から仕込んだ甜麺醤

その他の漬物・発酵

2022/9/28

日本の甜麺醤は全て偽物!?これを読めば本物の甜麺醤が分かる!

日本の甜麺醤は全て偽物!?これを読めば本物の甜麺醤が分かる! 甜麺醤の事を詳しく調べたら、スーパーに売ってる甜麺醤が偽物で、本物の甜麺醤は日本では売ってない事が分かりました。そこで、本物の甜麺醤の作り方を調べ、本物の甜麺醤の作り方に出会うまで何年もかかり、とうとう本物の甜麺醤の作り方を知る事ができ、それを仕込みました。これを読めば、本物の甜麺醤の事が分かります。 【目次】1.甜麺醤の研究を始めたのは2016年2.日本の標準的な甜麺醤3.本に書いてある甜麺醤の作り方4.甜麺醤の作り方を調べてわかった事5.本 ...

ReadMore

アイスクリーム

スイーツ

2022/9/2

プロテインアイスの作り方アイスクリームなのにダイエット食品!?

プロテインアイスの作り方アイスクリームなのにダイエット食品!? プロテインアイスとは、プロテイン入りのアイスクリームの事です。糖分控えめで作ればアイスクリームなのにダイエット食品になります。食べても罪悪感の無いギルティフリーのアイスクリームです。それでは、作っていきましょう。 【目次】1.プロテインアイスの材料1–1.プロテインについて1–2.砂糖について1–3.生クリームについて1–4.バニラについて2.プロテインアイスの作り方3.プロテインアイスの味4.プロテインアイスの栄養成分5.まとめ6.動画で説 ...

ReadMore

六四蕎麦

麺料理

2022/8/26

素人でも蕎麦打ちは美味しくできます。まずは六四から始めるのがお勧め。

素人でも蕎麦打ちは美味しくできますまずは六四から始めるのがお勧め 手打ちそばは、素人でも美味しく出来ます。専用の道具なんてなくても、家にある道具だけでできます。今回は、蕎麦打ちの素人である私が、美味しい蕎麦の打ち方をご紹介します。 【目次】1.蕎麦粉の配合割合について2.蕎麦粉の配合割合と味について3.蕎麦打ちに必要な道具4.六四蕎麦の打ち方4–1.捏ねる4–2.伸ばす4–3.切る4–4.茹でる4–5.食う5.まとめ6.動画で説明 蕎麦粉の配合割合について 蕎麦粉というのは、水を入れて練っても粘り気が出ま ...

ReadMore

収穫した猫じゃらし

鴨川の野草

2022/8/18

猫じゃらし(エノコログサ)を美味しく食べる方法を探求する

猫じゃらし(エノコログサ)を美味しく食べる方法を探求する 猫じゃらし(エノコログサ)は食べる事が出来ます。今回は、どのようにすれば美味しく食べる事ができるかを探求したレポートです。 【目次】1.猫じゃらしの収穫2.猫じゃらしという植物について3.最も手軽な食べ方4.脱穀5.籾ずり6.炒る7.炒り猫じゃらしをアレンジする8.猫じゃらし茶9.猫じゃらしを使った2品の味10.まとめ11.動画で説明 猫じゃらしの収穫 ここは京都の鴨川です。 ここの河川敷に、このように猫じゃらしが生えています。 これを収穫します。 ...

ReadMore

このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住で2児の父 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
ツイッターで更新情報など色々呟いてます。
詳しくは プロフィールのページ をご覧ください。

-米麹