お家で出来るブドウジュースからワインビネガーを作る方法
ワインビネガーを、お家でブドウジュースを発酵させて作る事ができます。
赤ワインビネガーと白ワインビネガー両方の作る方法をご紹介します。
【目次】
1.ブドウジュースからワインビネガーを作る流れ
2.ブドウジュースからワインを作る
3.ワインの完成
4.ワインビネガーを仕込む
4−1.仕込んでから6日経過
4−2.仕込んでから8日経過
4−3.仕込んでから10日経過
4−4.仕込んでから21日経過
4−5.仕込んでから31日経過
4−6.仕込んでから45日経過
5.ワインビネガーの味
6.ワインビネガーを作って思った事
7.動画で説明
ブドウジュースからワインビネガーを作る流れ
まず、ブドウジュースをアルコール発酵させてワインを作ります。
次にワインを酢酸発酵させるとワインビネガーができます。
どのようなメカニズムでワインができるのかなど、また発酵に関する詳しい事は、お酢づくりシリーズの過去の記事で、化学式などを使って図解で分かりやすく説明してますので、そちらをご覧ください。
今回は、難しい説明は省いて作っていきます。
2021年4月5日ブドウジュースからワインを作る
まずは赤ワインから作りましょう。
トロピカーナのブドウジュースを買ってきました。
栄養成分を見てみると100mlあたりの糖類が12gと書いてあります。
ということは、糖度12%という事です。
アルコール発酵させると、糖度の半分のアルコール度数になるので、このジュースをアルコール発酵させたら6%のワインができます。
今回のレシピでは少なくともアルコール7.5%は欲しいので、砂糖を3%追加して糖度15%にしてからアルコール発酵させます。
砂糖3%という事は、ジュース900mlに対して砂糖27gです。
そうすれば、計算ではアルコール7.5%の赤ワインになります。
ペットボトルなどの容器にドライイースト1g・砂糖27g・ブドウジュース900mlを入れて、混ぜてイーストと砂糖を溶かします。
アルコール発酵が始まれば、炭酸ガスが発生するので、蓋をきっちり閉めずに、軽く閉めて、炭酸ガスが抜けるようにしておきます。
このペットボトルは、炭酸水が入ってた耐圧ボトルなので、蓋をピチッと閉めても、ガスの圧力に耐えられます。
蓋をピチッと閉めると、ガスが液に溶け込んで、スパークリングワインが出来上がります。
耐圧ボトルの場合は、スパークリングワインになっても問題ありません。
もし、ガラスの密閉瓶で蓋をピチッと閉めて発酵させたら、ガスの圧力で瓶が破裂することがあるので、注意してください。
ガスが抜けるように、蓋は緩く乗せる程度でいいです。
そして暖かい部屋に置いておきます。
夏だったら数時間で発酵が始まります。
冬でも暖かい部屋に置いておけば2〜3日で発酵が始まってきます。
続いて白ワインです。
こんなジュースを買ってきました。
これの栄養成分を見ると、100mlあたりの炭水化物は17.4gと書いてあります。
炭水化物といっても、食物繊維も炭水化物に含まれるから、17.4gの全てが糖分とは限らないです。
けど、ほとんど食物繊維は無いでしょうから、全て糖分だという事にして、このジュースをアルコール発酵させると、計算ではアルコール分8.7%のワインになります。
ペットボトルにドライイーストを入れ、白ブドウジュースを入れ、混ぜてイーストを溶かし、蓋を軽く閉めます。
これで、赤ワインを白ワインの仕込みが完了です。
これを仕込んだのは2021年4月5日でした。
まだだいぶ涼しい季節でしたから、暖かい部屋に置いておきました。
2021年5月7日ワインの完成
1ヶ月くらい放置してました。
1ヶ月も経たないうちにアルコール発酵は終了してましたが、そのまま次の工程に進まずに放置してました。
発酵途中の画像を撮り忘れてたので、参考までにりんご酢を作るときにリンゴジュースをアルコール発酵させた時の画像をご覧ください。
発酵中の方が白く濁ってるのがわかりますよね。
発酵途中は、炭酸ガスがしてシュワシュワーと発生して、そのガスの細かな気泡と、また発生した炭酸ガスによって酵母菌が、かき混ぜられて液が白濁してます。
アルコール発酵が終了したら
画像のように、液は澄んでそこにオリが沈殿します。
画像では赤ワインは分かりにくいですが、白ワインは底にオリが溜まっているのがわかると思います。
これがアルコール発酵終了のサインです。
これで酸化防止剤を使ってないワインが完成しました。
2021年5月7日ワインビネガーを仕込む
【ワインビネガーの材料】
作ったワイン400ml
酢200ml
オイルコーティングされてないレーズン10g程度
まずは赤ワインビネガーです。
大きめのタッパーに、赤ワイン・市販の酢・レーズンを入れます。
蓋を閉めます。
白ワインビネガーも同じ要領で入れます。
ワインがスパークリングワインになってました。
ペットボトルの蓋を緩く閉めていたつもりでしたが、このようにスパークリングワインになってました。
炭酸ガスは自然と抜けていくので、このままでいいですよ。
酢を入れるのは、産膜性酵母という有害菌の発生を抑えるためです。
レーズンの表面に酢酸菌が付いてるので、これを入れる事で酢酸発酵が始まります。
レーズンの種類は問いませんが、オイルコーティングされてないものを使ってください。
大きめのタッパーを使うのは、酢酸菌は液の表面で酢酸発酵を行うので、表面積が大きい方が酢酸発酵の効率が良くなるからです。
酢酸発酵には酸素が必要なので、蓋は完全にピタッと閉めずに、ほんの少し空気の通り道がある程度に閉めます。
酢酸菌は、液の表面に浮いてコロニーを作って酢酸発酵を行うので、混ぜたりするとコロニーが壊れるので、なるべく動かさないように置いておきます。
また、酢酸発酵に適した温度は20度〜30度くらいなので、冬なら暖かいところ、夏なら涼しいところに置いておくといいです。
発酵させる条件がよければ、最短3日で酢が完成します。
普通は、2週間から1ヶ月程度はかかると思います。
これを仕込んだのは2021年の5月7日でした。
2021年5月13日仕込んでから6日経過
赤ワインビネガーの様子を見てみます。
スプーンで少しすくって、匂いと味で判断します。
ワインに酢を混ぜただけの味で、全然発酵進んでない感じです。
続いて、白ワインビネガーの様子も見てみます。
こちらも全く発酵が進んでないような感じです。
2021年5月15日仕込んでから8日経過
赤ワインビネガーです。
まだ全然です。
白ワインビネガー、こちらも全然です。
2021年5月17日仕込んでから10日経過
赤ワインビネガー。
全く酢酸発酵は進んでません。
赤がこの様子なら白も同じだと思って、白ワインビネガーは確認すらしませんでした。
2021年5月28日仕込んでから21日経過
赤ワインビネガーです。
ちょっと酸っぱくなってきました。
まだ少しアルコールが残ってる感じなので、もう少しで完成ってところでしょうか。
白ワインビネガー。
まだあまり発酵が進んで無いようです。
こちらはまだ発酵のスピードが遅い感じです。
2021年6月4日仕込んでから31日経過
赤ワインビネガー。
匂いも味も酸っぱいです。
酢になりました。
瓶に移し替えます。
ちょうどいいサイズの瓶が、これしかなくて、赤ワインビネガーらしい雰囲気の出ない瓶ですが、量はぴったり入りました。
白ワインビネガーの方は発酵は進んでるけど、まだ完成ではありませんでした。
2021年6月18日仕込んでから45日経過
こちらもとうとう完成しました。
ガラス瓶に移し替えます。
これで、めでたく紅白ワインビネガーが完成しました。
ワインビネガーの味
完成したワインビネガーを試飲しました。
赤白ともに酸っぱい酢になってます。
レーズンの香りが酢の中に広がってます。
レーズンの香りがして旨味のある酢になっています。
美味しいお酢になりました。
市販の酢より少し酸度は弱いです。
レーズンの甘みは全くありません。
おそらくレーズンの糖分はアルコールに分解され、さらに酢酸に分解されたと思われます。
ワインビネガーを作って思った事
今回は、酢酸発酵に1ヶ月以上かかりました。
思っていたよりも長かったです。
前回作ったりんご酢は、3日で完成しました。
それにくらべて白ワインビネガーは45日もかかりましたよ。
15倍もの期間がかかりました。
発酵させる条件は、ほとんど同じだったのに、発酵期間が違うのは、何が原因なのでしょうか。
これは仮説ですが、酢酸菌にも色々ありますから、りんご酢を仕込むときに使った、りんごの種に付いてる酢酸菌は、早く発酵するタイプで、レーズンに付いてる酢酸菌はゆっくり発酵するタイプなのでは無いかと思います。
大手メーカーは、最も効率よく酢酸発酵する菌を純粋培養してお酢を作っています。
手作りの場合は、その酢酸菌のスピードに合わせて完成を待つといいでしょう。
りんごの種に付いてる酢酸菌の方が早く完成するんでしょうけど、ワインビネガーを作るなら、発酵がゆっくりでも、同じブドウであるレーズンの酢酸菌から作った方がいいと思いませんか。
動画で説明
動画ではオトコ中村が自らワインビネガーについて語り、試飲してます。
ビジュアル的に分かりやすいので併せてご覧ください。