プロの味!本格テリーヌ・ド・カンパーニュが家庭で作れます!長期保存可能な瓶詰めも!ワインに合いすぎてたまりません!
先日の記事「田舎風テリーヌ 簡単に作れてワインに良く合う!クリスマス料理に最適!」では、簡単に田舎風テリーヌを作る方法を紹介しました。
その作り方は、プロが作る方法に比べれば簡単でしたが、一部の読者からは、一般の家庭料理に比べると、やはり難しいという声がありました。
じゃあ、もっと簡単な方法を…
…と
読者の声に応えるかというと…
いや!
そうしたいけど…
しません。(笑)
先日紹介した作り方に、ほんの少し手を加えるだけで、プロが作るような本格的な作り方になるんですよ。
いや、ほんの少し手を加えると言うより、ほんの少し作り方を変えると言った方が正しいでしょう。
だから、やっぱり簡単な作り方よりも、プロの味!本格テリーヌという方向で進んで行こうと思います。
それを、普通の家庭にある調理器具を使って、近所のスーパーで売っている食材を使って作ります。
だから、誰でも作れる本格テリーヌという訳です。
誰でも作れます!
特別な技術は必要ありません。
ハンバーグを手作りするのと同レベルの手間と技術です。
いや、ハンバーグなら焼く時に焦がして失敗する恐れがありますが、テリーヌなら焦がす恐れはありません。
だからハンバーグよりも技術的に簡単だと思います。
作れる作れないという問題ではなく、やるかやらないかです。
ちゃんと作ったものを食べる時の喜びはいかばかりか。
テリーヌの味に感動し、ワインを美味しく飲もうではありませんか。
【目次】
1.テリーヌ・パテについて、もっと勉強しました
2.テリーヌ型について
3.キャトルエピスについて
4.キャトルエピス4種(5種)のスパイスについて
5.本格テリーヌ・ド・カンパーニュの作り方
6.本格テリーヌ・ド・カンパーニュの完成
7.一緒に作ってほしい、瓶詰めテリーヌ
8.テリーヌは2週間以上熟成させると美味しい
9.2週間熟成させた瓶詰めテリーヌ
10.まとめ
テリーヌ・パテについて、もっと勉強しました
これらの専門料理書を熟読して、様々なプロのレシピを比較検討して、勉強し、家庭で作れる本格テリーヌを考えました。
本だけでなく、もちろんウェブの情報も調べました。
とりあえず、家にある道具だけで作るという前提ではありますが、いろいろ調べたところ、プロ級の仕上がりにするために、テリーヌ型だけは買おうと思いました。
テリーヌ型について
ちょっと高いです。
これは、ル・クルーゼだから当然高いのですが、蓋付きで陶器のテリーヌ型はどれも高いです。
毎月のようにテリーヌを作るならこれを買ってもいいかも知れませんが、我が家ではそんな頻度で作らないと思います。
せいぜい半年か1年に1回くらいじゃないでしょうか。
テリーヌ型、欲しいけど、却下です。
テリーヌ型ではありませんが、テリーヌ型と同じ形のこちらを買いました。
こちらは、めちゃくちゃ安いです。
これでパウンドケーキも焼けますからね。
こういった型がなくても、グラタン皿とかでも代用できます。
キャトルエピスについて
プロのレシピをみると、必ずキャトルエピスという名のスパイスが登場します。
キャトルエピスは、スーパーには売ってませんが、大丈夫ですよ。
自分で調合できますから。
調合と言うと難しく聞こえるかも知れませんが、難しくありません。
難しくない理由を今から説明しますね。
キャトルエピスとは、フランス語で、キャトル(4)エピス(スパイス)4スパイスという意味です。
4つのスパイスとは、コショウ・ナツメグ・ジンジャー(シナモン)・クローブの4種類です。
ジンジャーの代わりにシナモンを使ってもどちらでも、両方使っても良いみたいです。
ジンジャーとシナモンの両方を入れると5種のスパイスになるのでセンクエピスと呼ばなければいけなくなりますね。
呼び方はどうでもいいのですが、要するに、キャトルエピスは上記の4~5種類のスパイスを入れたら済む話です。
これらのスパイスが家に無い場合は、あるものだけ使う、でもいいです。
けど、揃えておいた方が、より本格的なテリーヌを作る事ができます。
馴れないスパイスを使うからこそ、プロっぽくなるのです。
キャトルエピス4種(5種)のスパイスについて
1.コショウは、知らない方はいませんよね。
コショウの説明は省きます。
詳しく知りたい方は、適当に検索して調べてください。
2.ナツメグは、ハンバーグ等の挽肉料理に入れるスパイスです。
ハンバーグとかを手作りする家庭では必須だと思います。
あと、ホワイトソースに入れても美味しいです。
3.シナモンは、お菓子によく使われる甘い香りのスパイスです。
お菓子を手作りする家庭なら常備されている事でしょう。
これもご存知の方が多いでしょうから説明を省きます。
4.ジンジャーは、生姜の事です。
キャトルエピスでは粉末のジンジャーを使用しますが、なければ生姜のすりおろしでも大丈夫です。
粉末ジンジャー1gは、すりおろし生姜10gに相当します。
5.クローブは、日本では丁子(ちょうじ)とも言います。
こんな形をしたスパイスです。
肉の臭みを消すために使う事が多いです。
日本の普通の家庭では、まず使わないスパイスでしょう。
我が家では、何年も前にサングリアを作るためにクローブを買った事があります。
サングリアとは、ワインと果汁などを混ぜたオシャレな飲み物で、それにクローブを入れたりするのですが、ワインは何も混ぜずにそのまま飲む方が美味しいという事が分かり、1回しか作ってません。
それ以来、クローブは台所の棚の奥にずっと残ったままでした。
また、バーでウィスキーのお湯割を注文した時に、香り付けにクローブが入ってた事がありました。
飲んだ感想は、「いらんモン入れんなや。」でした。
そんなクローブですが、テリーヌのおかげで久しぶりに日の目を見る時がやって来ました。
すり鉢を使って粉末にして使います。
すり鉢が無ければ、包丁でみじん切りにしても大丈夫です。
本格テリーヌ・ド・カンパーニュの作り方
【材料】
豚ミンチ 450g
鶏レバー 150g
豚バラ肉スライス 300gくらい
卵 1個
玉ネギ 半個(みじん切りにして炒めておく)
米粉 10g
赤ワイン 30ml
塩 8g
コショウ 1g
ナツメグ 1g
ジンジャー 0.5g(すりおろし生姜なら5g)
クローブ 1~2粒(粉末にする)
シナモン 0.5g
月桂樹の葉 2枚くらい
鶏レバーのうち50gは、包丁で叩いてペースト状にします。
レバーに付いている筋を取るように書いてあるレシピもありますが、そんな面倒な事しなくてもいいです。
また、包丁で叩かなくても、フードプロセッサーを使ってもOKです。
鶏レバーの残りは、適当に切って塩コショウで炒めてから、冷ましておきます。
ハツが付いていれば半分に切って血を取り除いてから一緒に炒めておきます。
ボウルに豚ミンチ・レバーペーストを入れて粘りが出るまで練ります。
次に、卵・炒めた玉ネギ・米粉・赤ワイン・塩・スパイス類を入れて混ぜます。
テリーヌ型(ガラスのパウンド型)に豚バラ肉を敷き詰め、1gくらいの塩(分量外)をパラパラと振ります。
半分くらいまで混ぜた肉を入れ、炒めたレバーとハツを詰め込みます。
隙間ができないように、肉を詰め込みます。
豚バラ肉で包み込み、上から塩をパラパラと振り、月桂樹の葉を乗せます。
アルミホイルで蓋をして、220℃のオーブンで天板に湯を張って1時間くらい湯煎焼きします。
1時間後にオーブンから取り出して、アルミホイルを剥がし、竹串や温度計などを刺して、焼けたかどうか必ず確認します。
竹串を中まで刺して3秒くらいしてから抜き、すぐに唇に当てると、唇は温度に敏感なので、竹串の温度を感じる事ができます。
竹串を熱く感じれば中まで火が通っているという事です。
もう一つ、竹串を刺した穴から流れ出る肉汁の色でも火の通りが判断できます。
生肉のような赤い肉汁が出るようでは火が通ってないという事です。
透き通った肉汁が出れば火が通っているという事です。
また、温度計を挿して、肉の中心部が63℃以上になっていたら火が通っているという事です。
火が通っているかどうか分からなければ、追加で10分くらい焼くと良いでしょう。
焼きすぎるとパサパサになりますが、半生よりもマシですから。
火が通っていたら、オーブンから取り出し、重しを乗せて冷まします。
適当な重しが無いので、水を張ったパウンドケーキ型を上に乗せました。
これ以上の重さを乗せると、肉汁がこぼれ出すので、この程度の重さにしました。
また、わざと肉汁をこぼしておいて、こぼした肉汁を後から流し込むという方法もあります。
荒熱が取れたら冷蔵庫で1日以上置いておきます。
1日以上置いた方が、味が馴染んで美味しくなります。
本格テリーヌ・ド・カンパーニュの完成
本格テリーヌ・ド・カンパーニュ。
期待通りの美味しさです。
先日紹介したものとはレベルが違います。
これならどこに出しても恥ずかしくありません。
そして、当然の事ながら、ワインに良く合います。
こりゃたまらん!
なのに、こんなに美味しいのに、子供たちは全然食べません。
きっと大人の味という事なんでしょう。
大人だけで楽しませてもらいます。
一緒に作ってほしい、瓶詰めテリーヌ
テリーヌ型に入れて焼かずに、瓶に入れて湯煎するだけで作るテリーヌです。
これを、単独で作ってもいいのですが、テリーヌを作る時に挽肉の分量を多目に仕込んで余らせて、それを瓶詰めにすると楽に作れます。
瓶詰め料理は、瓶に詰めて湯煎するだけで、食材の旨味を閉じ込め、保存が利く料理が作れるので、最近の私が強くお勧めしている料理です。
テリーヌも例に漏れず、瓶詰めが可能なのです。
これをやらない手はありません。
最初から瓶詰めを作るつもりで、最初に紹介したテリーヌのレシピの分量より、お肉を2割くらい多く作って瓶詰めにする分を残しておきました。
テリーヌを余裕を持った分量で作って、残った肉を瓶詰めにするという2段構えの方法で作ると材料を余らせずに使い切る事ができますよ。
残した肉を瓶に入れます。
湯煎で40分くらい加熱しました。
余裕があれば、お湯の温度を70℃以下に保温して低温調理で仕上げる事もできます。
低温調理をすれば、また違った味わいになるでしょう。
今回は、色々と同時進行で料理していたので、温度管理をする余裕は無く、ごく弱火で沸騰寸前という温度で放置したので、低温調理ではありません。
テリーヌは2週間以上熟成させると美味しい
さて、調理が完了すれば、冷まして冷蔵庫に入れて保存します。
瓶で密閉しているために、未開封なら冷蔵庫で1ヶ月くらいは保存が利くと思います。
1日以上置いておけば、味が馴染んで美味しくなりますが、2週間以上置いてから食べてみてください。
2週間以上置くと、熟成されて、さらに美味しくなります。
プロが作るテリーヌは、焼いた後に溶かしたラードを型の上に流し込み、冷やし固めて空気を遮断し、2週間以上熟成させてから提供されるものもあります。
ラードで蓋をするのです。
熟成は、空気に触れない状態でないといけませんが、瓶なら密閉しているので大丈夫です。
瓶詰め料理の利点は、保存が利き、気が向いたときに、即食べられる事です。
置いている間に、熟成も進みます。
ところで、以前に瓶詰めスイーツを紹介しました。
その時の記事:瓶詰めスイーツ!プリン・半熟チーズケーキ・杏仁豆腐が常温で長期保存できます!
その時作った瓶詰めプリンを、作ってから1ヶ月後に、すなわち1ヶ月熟成させてから食べた時は、熟成されたプリンになってました。
熟成されたプリンの味は、どうだったかと言うと、あまり歓迎すべきものではありませんでした。
歓迎すべきものではない、要するにマズかったという事です。
腐ってはいませんでしたが、極端な言い方をすれば味噌のようなプリンでした。
プリンは熟成させるべきではありませんが、テリーヌは熟成させると美味しいのです。
2週間熟成させた瓶詰めテリーヌ
瓶詰めテリーヌ。
蓋を開けたときにペコッと音が鳴れば、きちんと脱気して密閉されていた証拠です。
安心して食べられます。
ペコッと音がならなければ、空気が通る隙間があったのかも知れません。
冷蔵庫に入れてあれば大丈夫だと思いますが、念のために腐ってないか確認してから食べてください。
さて、瓶に入れるとテリーヌと呼ぶには抵抗があります。
瓶詰めパテと呼ぶ方がふさわしいですね。
このように、スプーンですくっていただきます。
しっかり固まっているのでクラッカーやパンに塗ることはできませんが、そうしたいなら、固まりのまま乗せて食べたらいいでしょう。
熟成させると、お肉の新たなる旨味が発生するのでしょうか、違う素材で作ったかのような、違った味わいになっています。
いわゆる熟成味ですね。
期待通り美味しいです。
ワインと良く合います。
まとめ
・普通の家庭にある調理器具を使って、近所のスーパーで売っている食材を使って、誰でもプロの味、本格テリーヌが作れます。
・陶器のテリーヌ型は高いが、ガラス製パウンド型なら安くておすすめ。
・キャトルエピスとは、フランス語で、4スパイスという意味。4つのスパイスとは、コショウ・ナツメグ・ジンジャー(シナモン)・クローブの4種類。
・テリーヌ型に入れて焼かずに、瓶に入れて湯煎するだけで作る事もできる。
・空気を遮断して冷蔵庫で2週間以上置くと熟成されて、さらに美味しくなる。
・プリンは、熟成させるとマズくなる。
テリーヌを余裕を持った分量で作って、残った肉を瓶詰めにするという2段構えの方法で作る事を、強くお勧めします。
そうすると、テリーヌを食べ切って、数日経ってから、また食べたいなと思った時に、冷蔵庫の中に熟成させた瓶詰めがあるのです。
コンビニでワインでも買ってこれば、それだけで私は幸せな晩餐ができてしまいます。
とにかく、何度も言いますが、ワインと良く合うのです。
ワイン好きな方は、是非とも作ってみてください。