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カマンベールチーズの作り方
自宅で材料3つで出来る方法
カマンベールチーズを、自宅で材料3つで作る方法をご紹介します。
特別な道具とか必要ありません。
普通のご家庭にある調理道具があれば作れます。
もし道具がなくても100均で揃えることもできます。
この方法を守れば、白カビ菌を失敗せずに育てることができます。
工場で作られる製法とは違います。
私が何年もかけて試行錯誤を繰り返し、普通のご家庭で作れる方法にアレンジしました。
ユーチューブ動画もあります。
動画は視覚的にわかりやすく、おかげさまで5万回以上再生していただいております。
ブログの方は論理的に詳しく書いてあるので、詳しく知りたい方は、動画を観てからこのブログをじっくり読んでください。
【目次】
1.カマンベールチーズの材料
2.カマンベールチーズ作りの手順と期間
3.ヨーグルトを作る
4.ヨーグルトの水を切る
5.熟成させる
5−1.熟成開始から1週間経過
5−2.熟成開始から2週間経過
5−3.熟成開始から3週間経過
5−4.熟成開始から4週間経過 完成!
6.まとめ
7.チーズ作りまとめページの紹介
カマンベールチーズの材料
【カマンベールチーズの材料】
牛乳 1リットル
種チーズ 15g
塩 1g

牛乳は普通の牛乳で大丈夫です。
低温殺菌牛乳でなくても大丈夫です。
もちろん低温殺菌や、ノンホモを使うと完成したチーズは美味しくなります。
ご予算に合わせてお選びください。

種チーズは、白カビが生きているタイプのチーズでなければいけません。
市販の白カビチーズのほとんどは、発酵が進まないように加熱処理されていて、白カビは死滅しています。
加熱処理されていないチーズでも、なぜか上手くいかない場合もあります。
画像のチーズは、イオンの食品スーパーに売っているブリーチーズで、チーズの味としては、あまり美味しくありませんが確実に白カビが生きています。
そして、作るのはカマンベールチーズなのに、画像の種チーズはブリーチーズです。
カマンベールチーズの白カビもブリーチーズの白カビも、同じ「ペニシリウム・カメンベルティ」という白カビなので、これを種にカマンベールチーズを作ることができるのです。
カマンベールチーズとブリーチーズの違いは、形が違うだけなんです。
厳密に言うといろいろありますが、自宅で白カビチーズを作る上では、そう思っていただいて差し支えありません。
白カビが生きているチーズの見分け方について詳しくは以下の記事をご覧ください。
【塩】
塩は、何でもOKです。
カマンベールチーズ作りの手順と期間
【カマンベールチーズ作りの手順】
1.ヨーグルトを作る(1日)
2.ヨーグルトの水を切る(1日)
3.熟成させる(約1ヶ月)
仕込みから完成まで約1ヶ月です。
手順を簡単に説明するとこうなります。
これだけではわからないでしょうから、手順を追って説明します。
ヨーグルトを作る

牛乳を鍋で35〜40℃くらいの温度まで温めます。
ヨーグルトを作るだけなら40℃以上まで温めても問題ないですが、白カビが40℃以上まで耐えられるかどうか分からないので、40℃を超えないようにしています。

種チーズを入れます。

ハンドミキサーでブリーチーズを粉々に攪拌します。
ハンドミキサーがなければ、チーズをみじん切りにして混ぜるといいです。
チーズはそんなに細かくしなくても大丈夫です。
チーズの乳酸菌と白カビが牛乳に行き渡ればそれで大丈夫です。

適当な容器に入れます。

保温します。
ヨーグルトメーカーをお持ちの方は、それを使うと良いでしょう。
我が家にはヨーグルトメーカーがないので、そのまま常温で放置しました。
夏ならエアコンの効いてない暑い部屋に置いておけば、半日でヨーグルト化します。
エアコンの効いた涼しい部屋なら24時間もあればヨーグルト化します。
冬なら暖房の効いた暖かい部屋に置いておけば3〜4日でヨーグルト化します。
ヨーグルトというのは、保温すれば確実に早く完成しますが、保温しなければならないという事はありません。
適当に放置すれば出来てしまいます。

これを仕込んだのは8月だったので、1日でしっかり固まりました。
ヨーグルトの水を切る

ボウルにザルを置き、キッチンペーパーを敷き、ヨーグルトを注ぎます。
これを冷蔵庫の中で1日置いておきます。
下にに落ちた水分がたまったら、その都度取り除くといいでしょう。

1日経ちました。
かなり水分が抜けました。
カマンベールチーズとしては、まだまだ水分量が多いですが、重力に任せて水分を切るのはこの辺が限界なので、水切りはこれで終了します。

下に落ちた水分は、このような透明の液体です。
この液体をホエーと言います。
ホエーは、タンパク質が含まれ、乳酸菌が生きた腸に優しい飲み物です。
けど、そのまま飲むのは美味しくないので、カレーなどの料理に使ってもいいですよ。
私はホエイプロテインをホエーで溶かして飲みました。
ホエイプロテインの原料が、このホエーです。
ホエーを乾燥させて粉末にした物がホエイプロテインなのです。

キッチンペーパーを摘んでザルから取り出します。

もう美味しそうなチーズに見えますね。
実際にフランスのフロマージュブランと言うチーズに味がそっくりです。
カマンベールチーズとしては、まだ水分が多いのと、白カビを生やさなければいけません。
白カビはまだ生えていませんが、チーズの中に生きていますから、熟成中に生えてくるので大丈夫です。

キッチンペーパーを剥がし、取り除きます。

所々に見える黄色い斑点は、種チーズの残骸ですから、品質に問題ありません。
この上に、塩1gをパラパラと振りかけます。

出っ張った所を押さえたりして、もう少しカマンベールチーズらしい形に整形します。
そして、これをそのままラップも蓋も被せずに冷蔵庫内で熟成させます。
熟成させる
冷蔵庫内で約1ヶ月熟成させます。
フランスのカマンベールチーズは、温度は13℃で、高湿度の部屋で熟成させますが、日本の普通の家にそんな環境ありません。
冷蔵庫内は、温度が低く乾燥しています。
温度が低いと、白カビが育つスピードがゆっくりになりますが、ゆっくり確実に育ちます。
逆に雑菌の繁殖を抑えることが出来ます。
また、空気が乾燥していると、チーズの水分が蒸発しますが、重力だけで水を切ったチーズは、まだまだ水分を多く含んでいます。
だからチーズの水分が蒸発するのは好都合なのです。
フランスの製法とは全く違いますが、冷蔵庫という環境は、日本中(世界中)どこでも季節に関係なく同じ条件ですから、これをお読みの方は、皆が同じ条件で熟成させることが出来ます。
熟成開始から1週間経過
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少し水分が蒸発して引き締まりました。
白カビはまだ生えていません。
生えてきてませんが、チーズ内部で生きているので大丈夫です。
冷蔵庫内の低温環境で、ゆっくり育っているのです。

裏返してみました。
お皿に密着していた部分がツルツルになっています。
裏側も白カビはまだ生えていません。

風通しを良くするために、網の上におきました。
これは100均で買った網です。
網が無ければ割り箸を何本かチーズの下に置くとかでもいいですよ。
1週間冷蔵庫で水分を飛ばして、少し固くなったからこのように網の上に置くことができるようになったのです。
最初から網の上に置いたら、網が食い込むかもしれません。
そして、この状態で、ラップも蓋もせずに、冷蔵庫で熟成を続けます。
熟成開始から2週間経過
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お、少し白カビが生えてきました。
冷蔵庫という寒い環境でも生えてくるのです。
白カビが生えてきて、ここから本当に熟成となります。
そして、水分を蒸発させるのは、この辺で終了とします。
水分を蒸発させるのは、熟成開始から1〜2週間くらいです。
水分が少なければチーズが固くなり、水分が多ければチーズが柔らかくなるので、蒸発させる期間はお好みで決めてください。
分からなければ2週間です。
水分が少なければ、雑菌が繁殖するリスクも減りますから。
あまりに水分が少なければ白カビが繁殖しませんので、2週間くらいを限度にすると胃でしょう。
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ここからは、チーズをお皿に直接置いて、蓋をかぶせて水分が飛ばないように冷蔵庫内で熟成させます。
蓋を被せると、蓋の内部はジメジメした環境になりますから、白カビも喜ぶでしょう。
もし、最高気温が15℃程度の季節なら、蓋をして常温で置くと熟成が早く進みます。
その場合は、あと1週間くらいの熟成で完成します。
熟成開始から3週間経過
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白カビがフワフワモフモフに育ってきました。
順調です。

裏返すと、皿に触れていた部分は、あまり白カビが生えていないので、このまま蓋をして、さらに冷蔵庫内で熟成させます。
熟成開始から4週間経過 完成!

すっぽり白カビに覆われました。
これで完成とします。
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チーズを美味しく食べるために、赤ワインを買ってきました。
今回選んだワインは、コルヴォ・ロッソ2017というイタリアワインです。
これは1000円未満のお買い得なワインです。
軽めでフルーティで様々なアロマが感じられます。

チーズは、ヨーグルトの酸味が少し残り、あっさり若い味です。
ワインも軽めなので、若いチーズと相性バッチリです。
ウマイ!!
表面の白カビの層はプニプニしていて、クセもなくあっさりしています。
内部はトロトロではありませんが、クリーミーで、口の中で溶けていき、チーズの余韻を楽しませてくれます。
ワインが進みます。
ウマイなぁ〜。
ワインのおかげでチーズを美味しく食べることが出来て、チーズのおかげでワインを美味しく飲むことが出来ました。
そんな訳で、家で材料3つでカマンベールチーズを作れるのです。
まとめ
- カマンベールチーズは、牛乳・種チーズ・塩の3つで作れる。
- 種チーズは白カビが生きているチーズを選ぶ。
- ヨーグルトを作り、水を切り、1ヶ月熟成させれば完成する。
- 冷蔵庫で蓋をせずに水分の蒸発と熟成を同時に行う。
- 水分の蒸発は1〜2週間とする。
- 水分が蒸発したら蓋をして冷蔵庫で熟成させる。
- きれいに白カビに覆われたら完成。
- 赤ワインと一緒に食べると最高!
チーズ作りまとめページの紹介
自家製チーズ作りに初めて挑戦した時から、試行錯誤を繰り返し、次第に作れるようになるまでの流れが分かります。今回のレシピ開発には、このような過程があったと理解していただければ、めちゃくちゃ嬉しいです。