ついに来ました!!
とうとう大好きなビール作りに挑戦です!
と言っても、個人がビールを作るのは法律違反になるので、私が作るのはアルコール度数1%未満のビールですけどね。
ビールを作るに当たって、簡単ですが、ビール作りについて説明しておきます。
ビールの原料は、主に大麦とホップと水です。
大麦を麦芽にしてデンプンを糖化させ、ホップで香りを付けて、酵母で醸造します。
もちろん、これだけの説明では何も分からないので、実際に作りながら説明しますが、とりあえずの説明です。
まず、大麦を麦芽にしてデンプンを糖化させる工程があるのですが、これを一般家庭で行うのは難しいです。
そのうえ私は、デンプンを糖化させるのが苦手なのです。
過去の記事ですが、お米のデンプンを麹で糖化させる
本当に甘い甘酒を作る
で失敗しており、デンプンの糖化は、一度も成功した例がありません。
だから、ビール作りの第一工程である、大麦の糖化に挑戦すると、最初からつまづく可能性大なので、ちょっとこれは遠慮しておきます。
そこで今回は、モルトシロップを使用する事にします。
《アワジヤ》モルトシロップ【200g】 |
モルトシロップは、大麦を麦芽にして、それを糖化したものです。
パンの原材料として売られていますが、ビールの原材料としても使えるのです。
ビールの原材料として買う人は、あまり居ないかもしれませんが…
モルトシロップは、このようにドロ~っとした水飴のようなシロップで、黒糖のようなコクがあります。
このコクが、きっとビールのコクになるのでしょう。
これは、ハーブティーとして売られています。
ビールの原材料として買う人は、あまり居ないかもしれませんね。
ハーブティーとして売られているのなら、まずはハーブティーとして飲んでみましょう。
3gのホップを300mlの熱湯で抽出しましたが、これが苦いの何の!!
苦味は、確かにビールと同じ苦味です。
そして、草のような爽やかな香り?と言うか、いや、草の香りはただの草の香りです。
野草茶の香りと大して変わりません。
とにかく苦すぎて飲めません。
これが、ビールには欠かせない存在なのですね~。
そして、もう一つの原材料が水です。
水は、水道水でも構いませんが、どうせなら良い水を使いたいですね。
天然水で作ると美味しくなると思いますよ。
それでは、ビール作りを始めましょう。
◆初挑戦!中村式ビールの作り方
モルトシロップ 160g
ホップ 7g
水 約5リットル
ドライイースト 2.5g
砂糖 30g
5リットル入る容器
炭酸が入っていたペットボトル 5リットル分
※個人がアルコール分1%以上のお酒を作ることは法律で禁止されていますが、上記の配合で仕込むと、アルコール分1%未満になるので大丈夫です。
※仮に、モルトシロップの量を840gに増やして仕込むと、アルコール分約5%のビールが出来ますが、法律違反になるのでやってはいけません。
※モルトシロップは高価なので、モルトシロップの量を減らし、砂糖に置き換える事によって、コストダウンを計る事が出来ます。
例えば、モルトシロップ540g、砂糖240gで仕込むと、アルコール分約5%のビールができます。
さらにモルトシロップの割合を減らし、モルトシロップ360g、砂糖380gで仕込むと、アルコール分約5%の発泡酒(酒税法では、麦芽使用率2/3未満だと発泡酒となる。)が出来ますが、いずれも法律違反になるのでやってはいけません。
鍋で3リットルくらいの水を温めて、モルトシロップを溶かします。
モルトシロップは、水飴のようで溶けにくいので、水を温めて溶けやすくするのです。
別に沸騰させたりする必要は無いです。
モルトシロップが溶けたらそれでOKです。
そして、人肌くらいまで冷ましておきます。
7gのホップで、ホップティーをじっくりと濃く抽出します。
お湯の量は、適当で良いです。
そして、人肌くらいまで冷ましておきます。
5リットルの容器に、鍋で溶かして冷ましたモルトシロップ液、冷ましたホップティー、そして、残った水を満タンになるまで入れます。
温度は常温か、人肌程度になるようにします。
ここに、ドライイーストを入れ、発酵させます。
発酵すると、炭酸ガスが発生するので、容器は密閉せず、ガスの逃げ道を確保しておきます。
発酵開始から8日経過。
ほとんど落ち着きました。
酵母は下に沈んで、液体は澄んできました。
次の工程に移りましょう。
各ペットボトルに、砂糖を3gずつ入れます。
これは、ビールに炭酸を発生させる為のものです。
3gより多くても少なくてもいけません。
ボトル詰め完了。
炭酸を閉じ込めるために蓋をギュッと閉めることを忘れずに。
沈殿していた酵母をペットボトルに入れないようにすべきなんですが、ちょっと入ってしまいました。
濁ったものがそれです。
これが、底に沈んでいた酵母ばかりを集めたものです。
ビール酵母と言うか、もとはパン用のドライイーストだから、パン酵母ですが、ビール醸造に使ったのだからビール酵母と呼んでおきましょうか。
ちょっとなめてみると、イーストと、ビール両方の匂いがします。
このままでは、美味しくなくて飲めた物じゃありません。
何か有効に利用する方法は無いでしょうか。
あ、そうだ。
これでパンを焼くことにします。
ホームベーカリーの天然酵母コースでセッティングしました。
ビール酵母パン。
もとはパン用のドライイーストなのだから、パンが焼けて当然ですね。
味は、モルト由来のコクと香ばしさがある、何となくドイツっぽい独特なパンです。
8歳の息子は、マズイと言って食べませんでしたが、6歳の娘は、美味しいと言って食べました。
好き嫌いの分かれるパンですね。
さて、ビールの方は、ペットボトルに詰めて1週間くらいで飲み始める事が出来ます。
そして1週間経ちました。
酵母は沈殿して液体は澄んでます。
指でペットボトルを押さえてみると、カチンコチンという程ではないですが、固くなっています。
固くなってるのは、炭酸が入っている証拠。
よし、とりあえずこれで飲める。
グラスに注いで試飲。
あれ、泡が立ってないなぁ…
こぼれんばかりの泡が立つのじゃないかと期待していたのですが…
飲んでみると、やはり微炭酸。
味は確かにビールみたいですが、こんなに炭酸が弱い状態では、まだ味を評価できません。
そこで、各ペットボトルに3gずつ砂糖を追加しました。
砂糖を入れたら、泡が吹き出しそうになったり、沈殿していた酵母が浮かび上がったり、ボトルの中はまた変化が起こり始めました。
また1週間置いておきます。
そして…
さらに1週間経ちました。
ボトルを指で押さえると、前より固くなっているので、炭酸が強くなってるはずです。
では飲んでみましょう。
やった~!
…と思ったのも束の間、一瞬にして泡が消えてしまいました。
あれれ…
撮影したその瞬間は、泡があったのですが、1回撮影したらもうすでに泡が無いのです。
なんとまあ、泡もちの悪いビールだこと。
味は、ヨーロッパの味わい深いビールのようですが、何か物足りないような気がします。
きっとまだ若いのでしょう。
ボトル詰めしてからまだ2週間くらいですが、1~2ヶ月くらい経過した頃が、飲みごろらしいので、これからの味の変化に期待しましょう。
そして…
1ヶ月熟成させました。
そして、ラベルも手書きして貼りました。
ラベルが無いよりは、下手でもあったほうが良いですね。
1ヶ月以上経ってからが、飲みごろという事なので、飲んでみます。
相変わらず、泡はすぐに消えてしまいます。
そういうタイプのビールなんだという事にしておきましょう。
味は、美味しくなってます。
甘味が弱まり、ドライでキレが出て来ました。
モルトの香ばしさも残ってます。
例えて言うなら、日本のピスルナーとイギリスのペールエールの中間のような味でしょうか。
ただ、少しイースト臭がします。
このイースト臭は、パン用のドライイーストを使ったのだから、ある程度は仕方がないかもしれません。
けど、長期熟成させることによって、イースト臭が消えて、さらに美味しくなるかもしれません。
そうなんです。
ビールというのは、熟成させることによって、美味しくなる物もあるのです。
逆に日本の一般的なビールは、工場出荷後、すぐに飲んだほうが美味しいです。
日本の一般的なビールは、瓶詰めする前に酵母菌までフィルターで濾過されます。
そのため、瓶詰めされたビールは、無菌状態で、それ以上の発酵や熟成が期待できないのです。
こういったタイプのビールは、時間が経てば劣化するばかりです。
今回私が作ったような、熟成させることによって美味しくなるというビールは、瓶詰めするときにフィルターで酵母菌を除去する事なく、ビールと一緒に砂糖も入れます。
砂糖と一緒に瓶詰めすることを、ボトルコンディションと言います。
そうすると、酵母菌が活性化して瓶の中で再発酵します。
そして、3週間以上寝かせてビールが完成となります。
ボトルコンディションされたビールは、日数が経過すれば劣化するどころか、ますます風味に磨きがかかります。
熟成が浅いビールは、モルトやホップといった素材由来の味や香りが感じられますが、日数が経つにつれて、ブーケと呼ばれる熟成香が増してきて、甘味が弱くなりドライになります。
ベルギービールには、かつて賞味期限の表示は無かったのですが、EU加盟とともにそれを表示しなければいけなくなりました。
ボトルコンディションされたビールは、賞味期限を過ぎても、ますます美味しさに磨きがかかっていると言えるでしょう。
何の為の賞味期限なんでしょうね。
ベルギーのビアカフェでは、ヴィンテージビールというものを飲ませてくれるみたいです。
中には、40年も前のビールを飲ませてくれるお店もあるみたいで、そんなに時間を経過したビールには、もう雄大なるロマンを感じざるを得ません。
一度ベルギーまで足を運んで、実際に飲んでみたいものですね。
さて、自家製ビールですが、これもボトルコンディションされていますので、熟成による味の変化が楽しめます。
40年とまでは言いませんが、2~3ヶ月、または6ヶ月くらい熟成させて味の変化を楽しむ事にします。