卵の発酵食品

ボラの卵の代用として鶏卵でからすみを作ってみる

2014年1月10日

皆様は、すでにご存知であろうと思いますが、このブログは、何でも手作りするのを旨としております。
今まで色々手作りして、徐々に自信を付けてきましたので、これからは難易度の高い珍味系もどんどん手作りしてみたいと思っています。
珍味系と言えば、あの「くさや」も将来的には手作りしたいと思っていますが、強烈な臭いをまき散らすであろう事が容易に想像できる為に、家族から禁止されています。
くさやはともかく、今回着目したのは「からすみ」です。
からすみは、ボラという魚の卵を塩漬けにしたもので、チーズのような風味で、たまらない美味しさ。
珍味系の代表格ですね。

そして、からすみを作るには、まずボラの卵を入手する事から始めなければなりませんが、ボラの卵と言いましても、そこいらの魚屋さんには売ってません。
そこで、通販となります。

楽天で調べてみると…
「さかなのデパート三栄」というショップで、国産ボラの卵(冷蔵)
1腹約300グラムで12960円+送料850円=13810円
(2016年6月現在)
ん!!高いっ!!これは手が出ない。

ランクを下げてもいいから、もっと安いものはないかと探してみると…
「築地イストマーケット」というショップで、オーストラリア産又はブラジル産ボラの卵(冷凍)
1腹約200グラムで3974+送料1000円=4974円
(2017年7月現在)でありました。

んん~!!これでもちょっと高いなぁ(汗)

ただでさえリスクの高い珍味系なのに、こんな高価なものを使って作るのを失敗したら目も当てられません。

さてさてまずは、もっと安価なもので練習してみてはどうだろうか…

という訳で、鶏卵でやってみる。

今回はひとまず、入手が簡単で安価な鶏卵で、からすみ作りに挑戦してみることにしましょう。

鶏卵でからすみって、どんな味がするのでしょうか?
ひょっとしたら、また大発見があるかもしれませんよ。

塩にくぼみを作るタッパーに塩を敷き詰めて、スプーンで卵を入れるくぼみをつくる。

黄身を入れる卵の黄身を入れ、3日ぐらい放置する。

3日後3日後、水分が抜けてシワシワになりました。

箸でつまむ見ての通り、箸で取り出せるくらいの硬さです。

熟成させる表面に付いている塩を洗い流して、タッパーか何かに入れて熟成させます。

塩分濃度が高いのでカビが生える心配はありません。

そして…3ヶ月熟成させました。

3ヶ月熟成させたもの

あっ!?

カビが生えたしまった!!

カビが生えてる!!

カビの心配は無いと言ったのは誰やねん!!

卵からすみ表面を洗い流したらカビは簡単に取り除けました。

たぶんこれで大丈夫。

卵からすみ完成です。

早速試食してみましょう。

スライスして試食薄くスライスして、そのままいただきます。

ぐえ!!マズ!!

何じゃこりゃ~!?

カビの影響は無いと思うのですが、卵の生臭さが口の中で爆発して食べられたものではありません。
そして歯にネチョ~っとこびり付き、いやな味がずっと口の中に残ります。

3ヶ月かけて卵の生臭さを増幅させたような味です。

さて、どうしたものか、このまま捨ててしまいたい気もしますが、それでは、この卵を産んでくれた鶏に申し訳ない。
いや、そもそも私は、食べ物を捨てたりしません。

そのままでは食べられないけど、上手に料理したらきっと美味しく食べられるはずです。

なんとかしてみましょう

こんにゃくヌードル

こんにゃくヌードルに卵からすみを刻んで入れてみました。

良い味が出るかと思いきや…

マズイです!!

こんにゃくヌードル自体は美味しいのですが、卵からすみを入れた効果で、とてもマズくなっています。

卵からすみと小松菜のパスタこれならどうだ!!

卵からすみと小松菜のパスタ

からすみと言えば、パスタに入れるのが有名な料理法ですから、これなら美味しいはずです。

美味しそうに見えるでしょ。

これがまたマズイのです。
パスタ自体は美味しいのですが、卵からすみを入れた効果で、とてもマズくなっています。

ちょっと発想を変えてみる

卵からすみを水に溶かす

正攻法で攻めてもダメなので、ちょっと発想を変えてみましょう。
卵からすみを、水に浸けて数日間置いておきます。

水に溶けた卵からすみ卵からすみが水に溶けました。

これを「卵からすみ液」と呼ぶ事にします。

味見しましたが、ものすごくマズイです。
しかし、火を通せば何とかなるでしょう。

工夫して調理してみましょう。

卵からすみのお吸い物卵からすみ液を、だし汁で割ってネギを刻み入れました。

卵からすみのお吸い物です。

見た目は白味噌の味噌汁みたいですが、コクのあるお吸い物という味です。
ネギのおかげで生臭みが弱まって、あまりマズくありません。
もう一工夫で、もっと美味しくできるかも…

コクがあるので、ラーメンのスープに合うのではないかと妻が提案したので、それを採用する事にしました。

卵からすみラーメン卵からすみラーメン

鶏がらスープに、卵からすみ液を入れ、コショウを効かせ、酢で味を引きしめ、ネギをたくさん刻んで臭みを消して、麺は手打ちしました。

お!?

うまい!!うまいぞ!!!

手打ちした麺は、めちゃくちゃ美味しいのですが、それは別問題。
本題のスープは、実に複雑怪奇な味ですが、確かに美味しいです。

要するに「珍味」という事かな。

とんこつ・しょうゆ・みそ等に続く、卵からすみという新たなるラーメンジャンル確立か?

しかし、よく考えると、コショウと酢とネギを効かせて、卵からすみの特徴を消す事ばかりを考えて作りましたから、卵からすみの存在意義があるのでしょうか?

でも美味しくできたのだから、これでめでたし… と言いたいところですが、私の中で大きな疑問が沸き起こってきました。

それは、卵からすみではなく、新鮮な卵黄を溶かしたほうが美味しいのではないのか?という疑問です。

おっと、それを言ったら、今までの研究は何だったのだ~!って事になるではないか。

そこで急遽、新鮮な卵黄で作ってみました。

新鮮な卵黄ラーメン新鮮な卵黄ラーメン

卵からすみを新鮮な卵黄に変えただけで、作り方は全く同じです。
これは確かに美味しいのだけど、味に深みと広がりが無い。
やはり、卵からすみラーメンのほうが美味しいです。

あ~よかった。

研究は、無駄ではなかった。

最後に

という事で、卵からすみは、スープに溶かして、強い味付けをすると、かろうじて美味しく食べられるという事が分かりました。

でもね…

普及せんだろうな。
やっぱりボラの卵で作るのが一番なんでしょうね。

続き 鶏卵から美味しいからすみが出来ちゃった(卵からすみ後編)

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
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