ざるそばが食いてぇ!!
と無性に思う時があります。
女性がパスタを好きなように、私はざるそばが好きなんです。
そんな時、まともな蕎麦屋に行くと、ざるそば1枚で1000円くらいの値段します。
ざるそば1枚食べたところで、私は食いしん坊ですから、お腹は満足しません。
心では、美味かった~と満足してみても、お腹はそうはいきません。
お腹は正直ですからね。
そして、追加でもう一枚食べたものなら2000円ですよ。
そばは、私のような庶民には手の届かない高級料理なのですね。
庶民には、立ち食いそばがあるじゃないですか。
立ち食いそばなどの、外食で使われているそばの麺は、そば粉を何%以上配合しなければいけないという決まりはありません。
そば粉は、小麦粉に比べて値段が高いから、麺に配合するそば粉の割合を減らせば減らすほどコストダウンになります。
立ち食いそばなどで使われているそばの麺は、そば粉10%未満なんてモノばかりです。
そば粉の配合割合が少ないと、そばの色が出ないので、着色料や、そばがらの粉末で、そばの色を付けている麺もあります。
だからと言って、そば粉の配合割合が減っても麺がまずくなる訳ではありません。
逆に、増えたから美味しくなるという訳でも無いのですが、そばの配合割合が減ると、そば本来の味からは遠ざかってしまいます。
どうせそばを食べるなら、そば本来の味を楽しみたいと思うのは当然でしょう。
そば粉の配合割合が少ないと、たとえ美味しくても、「そば風うどん」と言った方が正しく、そばの味は楽しめません。
ちなみに市販のそばの配合割合は?
過去の記事 二八そばから十割そばへ挑戦 (手打ちそば後編) で書いた事の引用になりますが
つまり、1割未満でも「そば」と表記しても良いという事。
ただ、そば粉が30%未満の場合は、「そば粉配合何%」と記載しなければいけません。
実際にスーパーで、「そば粉配合20%」と記載されたそばを見た事がありまして、「こんだけしか、そば粉が入っとらんのか?」と思った事があります。
また、そば粉が30%以上だったら「そば粉配合何%」と書かなくても良いので、3割のそばでも、普通に「そば」として売られていますが、原材料を見ると、小麦粉・そば粉という順に表記されています。
原材料は、多い順に表記されますから、是非とも原材料の第1番目に「そば粉」と書かれたそばを買いたいものです。
そば粉の配合割合が少ないのは、小麦粉に比べてそば粉が高いからです
・そば粉が高いからそばが高い。
・コストダウンのために、そば粉の配合割合を減らした商品が多い。
という事は分かりました。
では、なぜそば粉が高いのでしょうか。
そば粉が高い理由
以下は、令和3年の国産そばと国産小麦について、農林水産省の統計による数字です。
作付面積 65,500ha
収穫量 40,900t
10aあたりの収量 62kg
作付面積 220,000ha
収穫量 1,097,000t
10aあたりの収量 499kg
10aあたりの収量という数字を見るとよく分かります。
同じ10aという面積で、そばと小麦を育てた場合、そばは62kg収穫できたのに対し、小麦は499kg収穫できたという事です。
圧倒的に小麦の収量が多いですね。
そばは、栽培するのに手がかからずに短期間で収穫できるのですが、それでもこれほど収量に差があれば、小麦よりそばの方がコストがかかるだろうという事は、何となく想像が付きます。
また、作付け面積でも小麦の方が圧倒的に大きいです。
そばに比べて、小麦は効率よく栽培されてコストダウンされているという事でしょう。
なるほど。
そばが高い理由は分かりました。
それじゃぁ、そばは高いので、やはり私のような庶民が、本物のそばをお腹いっぱい食べるのは難しいですね。
いや!ちょっと待て!
大丈夫です。
安心してください。
今からそれを安く食べる方法をお教えします。
本物のそばを安く食べる方法とは
何でも手作りするのが大好きな私がオススメする、本物のそばを安く食べる方法は…
もう言わなくても分かりますよね。
それは…
自分で手打ちすればいいのです。
初心者でも数回練習すれば、それなりの物が出来ますよ。
そしたら、本物のそばをお腹いっぱい食べる事ができます。
ついでに、つゆから本物のそばを作ってしまいましょう。
そばを打つのに特別な道具なんていりません
そば粉を混ぜる容器(ボール)とめん棒があれば大丈夫です。
いずれも100均で売ってます。
そば打ちを始めるのに一番高い出費は、そば粉を買うことです。
ちなみに、私は富澤商店にて北海道産のそば粉500gを950円(税込み)で買いました。
本物のざるそばの作り方
そばの風味をしっかりと味わえる二八で打ってみようと思います。
国産そば粉 160g
国産強力粉 40g
水 86g
※分量に含まれませんが打ち粉にもそば粉を使います。
そば打ち初心者の方に二八そばは、少し難しいです。
麺がボロボロになる可能性があるので、初めての方は、四六から始めるといいですよ。
四六でも十分にそばの風味を楽しむ事が出来ます。
国産そば粉 120g
国産強力粉 80g
水 85g
※分量に含まれませんが打ち粉にもそば粉を使います。
水を2~3回に分けて入れ、箸で混ぜる。
全体に水分が回ったら、手でこねる。
まとまったら少し練ります。
丸めて、乾燥しないように蓋をして10分以上寝かせます。
麺を寝かせている間に、ネギでも切っておくといいでしょう。
刻みネギには、京都産の九条ネギが香り良く軟らかでオススメです。
寝かせた生地を手で押さえて伸ばしてから、めん棒で2mmくらいの厚みになるように伸ばします。
めんが引っ付かないように打ち粉をしっかり振ります。
麺を適当に折りたたんでまな板に乗せます。
折り方は、まな板に乗せやすい形にであり、自宅にある包丁で切りやすいサイズに折る事です。
これは、屏風に四つ折りしたものを縦に二つ折りしました。
作業環境によって折り方は変わります。
折る時も、麺が重なる部分には打ち粉をたっぷりと振ります。
包丁で適当な幅に切ります。
なるべく均等に切りたいところですが、別にそうでなくても手作り感が出て、それでいいと思います。
たっぷりのお湯でそばを茹でます。
茹で時間は、そばの太さや配合によって変わりますが、およそ2分です。
そばを打つ前にやっておく事があります
順番が前後しますが、そばを食べるために、つゆを仕込んでおかなければいけません。
つゆを作るにはまず「かえし」を作ります。
かえしを仕込んで1週間以上寝かせておきます。
かえしとは醤油に砂糖とみりんを加えて火を入れ、寝かせたものです。
出汁にかえしを加えるとそばつゆになります。
醤油 400ml
みりん 100ml
砂糖 70g
黒糖 20g
材料を全て鍋に入れて火を加え、少し沸騰したら火を止める。
冷めたら適当な容器に入れて1週間以上寝かせます。
かえしの火の加え方にはいろいろありますが、大きな違いはありません。
それよりも1週間以上寝かせる事が大切です。
寝かせると何故かよく分からないですが、とにかく美味しくなるのです。
これは1ヶ月寝かせたかえしです。
冷蔵庫に入れておけば半永久的に腐る事はありませんので、大量に作って寝かせておけばいいでしょう。
かつおと昆布で出汁を取ります。
水500mlに対し、かつお節25gと昆布5cmくらいを火にかけます。
中火で5分くらい煮出します。
かつお節の旨味成分を残さず抽出させます。
火を止めて、かつお節が沈めば濾します。
出汁にかえしを入れます。
かえしの量は、自分の好みで調節します。
およそ出汁5に対し、かえし1くらいの割合でしょうか。
そばつゆの完成。
これを冷蔵庫で冷やしておきます。
そばつゆは、そばを食べる前日に仕込んでおくと良いでしょう。
そばを打つ前にやっておく事まとめ
そばを食べる1週間以上前にかえしを仕込んでおく。
そばを食べる前日にそばつゆを仕込んでおく。
以上の事をやっておかなければいけないのですが、かえしは半永久的に保存できますし、そばつゆは冷蔵庫で1週間くらいはもちますので、かえしやそばつゆを作って置いておけばそれほど計画的に作らなくても大丈夫です。
そば完成
ざるそば。
ざるじゃなく、皿に盛ったので、もりそばが正解でしょうか。
しっかりとそばの風味を味わいながら食べる事ができました。
実に旨い。
しかも約3枚分ですから、お腹も心も満足しました。
まとめ
手作りすると、1枚あたり約200円で食べられる計算になります。
高級料理であるそばも、手作りすれば、私のような庶民でもお腹いっぱい食べる事ができます。