低温調理

オイルサーディンを低温調理で作る!24時間放置するだけで常温長期保存が可能!

2018年9月16日

オイルサーディンとは、イワシのオイル煮の事です。
スーパーやコンビニに缶詰の物が売られているからご存知ですよね。
もし、ご存知無い方がいらっしゃれば、適当にググッて調べてみてください。

そして、オイルサーディンは、簡単に手作りできます。

缶詰は、さすがに手作りできませんが、瓶詰めなら簡単に手作りできます。
手作りの瓶詰めでも、正しく脱気処理ができれば、常温で長期保存が可能です。

近頃、自然災害が多く発生しておりますが、オイルサーディンは、災害用の備蓄食としても十分に通用します。
手作りのオイルサーディンを備蓄しておくのも悪くないと思いませんか?

また、既製品のオイルサーディンは、ほとんどが輸入品ですが、手作りすると、日本のイワシと好きな油で作る事ができます。
さらに、好きな香辛料を加える事も可能です。
これも手作りの醍醐味ですね。

オイルサーディンの材料

【材料】
イワシ 適量
オリーブオイル 適量
ニンニク 適量(無くても良い)
コショウ 適量
10%くらいの塩水 適量
瓶(イワシを入れる容器)
キッチンペーパー (イワシの水分を拭き取る用)

※イワシの大きさは問いませんが、瓶に入るちょうど良い大きさがいいでしょう。
となると、なるべく小さいイワシが良いという事になります。
けど、大きな瓶に大きなイワシを入れるのも面白いと思います。

※油の種類は何でも良いです。
私はオリーブオイルを使いましたが、サラダ油でも、グレープシードオイルでも米油でも何でも良いです。
極端な例えでは、バターやラードでも良いです。
バターやラードなら常温で固まってしまいますが、温めて食べる事を前提に考えると非常に面白い選択だと思います。

※香辛料も、ローズマリー・タイム・ディルなど魚に合う系なら何を入れても良いです。

低温調理での瓶詰めオイルサーディンの作り方

スーパーで買ってきたイワシ

近所のスーパーで画像のイワシを2パック買ってきました。
手抜きして頭と内臓を取り除いてあるものを買いました。
と言うか、これしか売ってなかったのです。

イワシを塩水に浸けるイワシを水道水で水洗いしてから10%くらいの濃度の塩水に2時間くらい浸けます。

キッチンペーパーで水分を拭き取るキッチンペーパーで水分を拭き取って…

瓶に鰯を詰め込む瓶に隙間なく詰め込みます。

別に隙間が生じても構いませんが、油を入れる量が多くなってしまいます。
油が多くて構わなければ、隙間だらけでも大丈夫です。

オリーブオイル・ニンニク・コショウも入れるオリーブオイルで満たして、ニンニクのスライスとコショウを入れました。

湯煎する瓶の蓋を閉めて、お湯を張った鍋に入れます。
お湯の量は瓶の蓋にお湯がかからない程度です。

鍋のお湯の温度が60~98℃の範囲(理想は80℃)で、決して沸騰しない程度に火力を調節して、24時間放置します。

鍋の蓋をして、火力をごく弱火にすると、だいたい60~98℃の範囲で保温できます。

火力は室温によって変わります。
夏ならごく弱火でも沸騰するかもしれません。
そんな場合は蓋を少しずらしておくと、隙間から少し熱が逃げて温度がキープできます。

低温調理器をお持ちの方はそれで調節してください。

なぜ60~98℃の範囲(理想は80℃)で24時間なのか

骨まで柔らかくするためです。
別に骨が硬くてもいいなら80℃で2時間くらいの調理でも大丈夫です。

ところで、骨の主成分は、何かご存知ですか?

そりゃカルシウムでしょ。

 

…と思う方も多いでしょう。

 

けど、違います。

 

 

骨の主成分は、タンパク質なのです。

 
骨の主成分がタンパク質なのは、イワシだけでなく、人間も同じです。
高齢者のタンパク質不足は、骨粗しょう症を招きますから、食事からたんぱく質を不足させてはいけません。
また、無理なダイエットをすると身体がタンパク質不足を起こして、身体が骨や筋肉からタンパク質を分解して代謝に回しますから、骨がもろくなり、筋力が弱まります。
ダイエットをする時は、絶対にタンパク質を不足させてはいけません。
脂肪も身体に必要な栄養素ですから、あまり不足させるのは良くありません。
健康を損なわずにタイエットをするには、糖質を減らす以外にありません。
そう考えるとオイルサーディンは、ダイエット食としても優れていますね。

 

さて、脱線した話を戻しますと、骨の主成分はタンパク質であり、そのタンパク質とは、コラーゲンなのです。
イワシの骨を柔らかくしようと思えば、主成分であるコラーゲンを柔らかくすればいいのです。
コラーゲンを柔らかくする方法は、以前紹介しました。

低温調理が美味しい理由を化学的に考察する

要するにコラーゲンは、60℃以上で調理をすると、柔らかく変成するので、60~98℃の範囲で調理するのです。

肉の低温調理の場合、60~66℃の範囲で調理し、硬いコラーゲンを柔らかくゼラチン化させ、おまけにアクチンが硬くならないようにした結果、驚くほどの柔らかい食感を実現しました。

魚の身は35℃くらいから白濁し始め、45℃くらいで硬くなってしまうので、魚の身が驚くほど柔らかく、おまけに骨も柔らかいという調理法は存在しません。
しかし、魚の身は45℃くらいで硬くなると言っても、硬さは知れています。
魚の身は硬くなっても柔らかいです。
焼き魚や煮魚の身が硬いと感じる人はあまりいないでしょう。

まあ、例外的に、魚を焼きすぎて水分が飛んで硬くなる事はありますが、それは意味が違います。
だから、魚の身が少しくらい硬くなってでも、60~98℃の範囲で骨を柔らかくするのです。

また、98℃以下にする理由は、瓶の中の水分が沸騰しないようにするためです。

理想は、80℃で24時間キープですが、低温調理器が無いと難しいので、60~98℃と幅をもたせて、保温のハードルを下げているのです。

オイルサーディンの完成

オイルサーディン

24時間調理したものです。
瓶の底にはイワシに含まれていた水分の層があり、その上に油の層があります。

また、瓶の蓋は凹んでますので、ちゃんと脱気処理が出来ています。
これなら常温で長期保存可能です。
すぐに食べますけどね…

脱気処理というのは、瓶を加熱した際に、瓶の中の水分が水蒸気となり、瓶の内部の空気を押し出した後、瓶の温度が下がり、水蒸気が水に変わることで、瓶の内部が真空状態になる事です。
厳密に真空ではありませんが、空気が少なく、おまけに殺菌されているので、蓋を開けない限り内部の食品が腐敗する心配はありません。

自家製オイルサーディンをいただくでは、いただきます。

 

骨まで柔らかく、とても美味しいです。

日本のイワシの味がします。

イワシという魚は、本来旨味があって美味しい魚なんですよね。
イワシの旨味が分かるオイルサーディンです。

油はオリーブオイルを使用しましたが、オリーブオイルのクセはまろやかになり、と言うか、油の個性は弱まりました。
ニンニクやコショウも調理の過程で香りが飛んだのか、あまり感じません。
スパイスを効かせたいなら、完成品に振りかけるなどの方が良いかもしれません。

ちなみに、11歳の息子は魚嫌いなので、食べませんでした。
食わず嫌いです。

9歳の娘は、美味しいと言ってムシャムシャ食べました。

オイルサーディンを酢玉ネギと共にいただく食べさしの画像で申し訳ありません。
酢玉ネギと一緒に食べると更に美味しかったです。

口の中でマリネの味になりました。

酢玉ネギは、青魚に良く合います。
余談ですが、酢玉ネギは、サンマの塩焼きにも良く合いました。

調子に乗ってもっと作る

瓶たち

オイルサーディンの大成功に気を良くして、もっと作る事にしました。
今度は常温での長期保存を視野に入れて、インスタ栄えまで考えてドイツ製のWECKの瓶を買ってきました。
蓋が緑色の瓶は、ピクルスの入っていた瓶の再利用です。

瓶にオイルサーディンの材料を詰め込むWECKの瓶は高さが足りず、イワシがはみ出してしまうので、尻尾をハサミで切り落としましたが、それでも少しはみ出しています。
近所のスーパーにはこの瓶にピッタリの小さなイワシは売ってませんでした。
あらゆるサイズのイワシを取り揃えているスーパーというのは、私の住む京都市には無いでしょう。
じゃあ、もっと大きな瓶を買えば良いのですが、この大きさの瓶がオシャレに見えたので、これを買ったのです。

オイルサーディンの調理前WECKの瓶の説明書には、容器の7~8割くらいまで食材を入れて、それ以上入れないように書いてありました。
私は9割9分9厘まで入れてしまいました。
これなら脱気処理も何もありません。
とにかく、このまま調理してみます。

完成

完成したオイルサーディン

このようになりました。

WECKの瓶は、案の定、脱気処理どころではありませんでした。
蓋が上に乗っているだけの状態なので、これらは冷蔵庫で保存します。

真ん中のピクルスの入っていた瓶は、しっかりと脱気処理が出来ていて、こちらは常温長期保存が可能なので、災害用に備蓄しておこうと思います。

余った油はどうする?

オイルサーディンの油

油が余りました。
市販のオイルサーディンは、安い油を使っているので、捨ててもいいのですが、これはオリーブオイルですから、捨てるのはもったいないです。

オイルサーディンドレッシング酢と醤油を入れて、ドレッシングにしました。
一番上にオリーブオイルの層、
上から2番目に酢の層、
上から3番目にイワシの水分の層、
一番下に、うっすらと醤油の層が見えます。
イワシの味がするオイルサーディンドレッシングです。

オイルサーディンサラダサラダにオイルサーディンドレッシングをかけていただきます。

サラダにオイルサーディンをトッピングするとドレッシングのイワシ味は感じませんが、野菜だけのサラダにこのドレッシングをかけるとイワシの香りと生臭さを感じました。
イワシが嫌いでなければ美味しくいただけます。

まとめ

  • オイルサーディンを手作りすると日本のイワシを使って好きな味に仕上げられるのでお勧め。
  • 瓶に塩水に浸けたイワシとオイル・スパイスを入れて、湯煎で60~98℃の範囲(理想は80℃)で24時間調理する。
  • 骨の主成分はタンパク質(コラーゲン)なので、タンパク質が不足するといけない。
  • オイルサーディンは、ダイエット食としても優れている。
  • 瓶でちゃんと脱気処理が出来れば常温で長期保存が可能。だからオイルサーディンは、災害用に備蓄できる。
  • 余った油に、酢と醤油を混ぜるとイワシの味がするドレッシングになる。
  • それから、オイルサーディンを使った料理も考えましたが、変な小細工をするより、そのまま食べる方が美味しかったです。
    お好みのスパイスや薬味と一緒に食べるのも良いです。
    またサラダにトッピングしたり、酢玉ネギと一緒に食べるのも美味しかったです。

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