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外来種オオキンケイギクを美味しく食べて駆除しよう
オオキンケイギクという綺麗なお花があります。
それが緊急対策外来種に指定されていて、駆除が必要な植物なのです。
駆除するついでにオオキンケイギクを使って以下3品の料理を作ってみました。
- オオキンケイギクの花びらサラダ
- オオキンケイギクのお浸し
- オオキンケイギクのパウンドケーキ
あまりにも予想外の結果になりました。
【目次】
1.オオキンケイギクとは
1−1.緊急対策外来種とは
1−2.特定外来生物とは
1−3.日本の侵略的外来種ワースト100とは
1−4.こんなポスターもある
2.オオキンケイギクを収穫というか駆除する
3.オオキンケイギクの花の構造と味
4.オオキンケイギクの料理法
5.オオキンケイギクの花びらサラダ
6.オオキンケイギクのおひたし
7.まずは2品を試食
8.オオキンケイギクのパウンドケーキ
9.オオキンケイギクのパウンドケーキを試食
10.まとめ
11.動画で説明
オオキンケイギクとは
ここは京都の鴨川です。
この土手が黄色いお花畑になっています。
これがオオキンケイギクです。
これは野草ですが、このように綺麗なお花畑になって目を楽しませてくれます。
鴨川べりを散歩する人たちも、花の美しさに立ち止まり、スマホで写真を撮ったりしています。
車で走っていると中央分離帯に咲いてるオオキンケイギクが目を楽しませてくれます。
オオキンケイギクは、北アメリカ原産で1980年代に園芸用や緑化用として輸入されましたが、あまりにも繁殖力が強く、各地で野生化して在来種を駆逐してしまうために、緊急対策外来種・特定外来生物・日本の侵略的外来種ワースト100に指定されています。
1980年代に輸入されたということは、私が子供の頃に輸入されたという事です。
どおりで、昔は見なかったはずです。
私の中では。数年前から鴨川の土手に綺麗な花が咲いてるなという程度の認識でしたが、その綺麗な花がどんどん範囲を広げています。
今年(2023)は圧倒されるほど咲き誇っています。
来年以降も観察を続けたいと思います。
緊急対策外来種とは
この緊急対策外来種というのは植物では15種類が指定されてます。
いわば外来種のワースト15ですよ。
特定外来生物とは
植物では19種類が指定されています。
日本の侵略的外来種ワースト100とは
植物では27種類が指定されています。
こんなポスターもある
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出典:https://www.city.maebashi.gunma.jp/material/files/group/46/ookinkeigiku_kankyousyou.pdf
このようなポスターまで作られています。
そんな訳で、各方面から目を付けられてる植物なのです。
オオキンケイギクを収穫というか駆除する
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と言う訳で、これを収穫しますと言うか駆除します。
綺麗なお花畑だから駆除しなくても良いのではないかと思わなくもないですが、日本の在来種が駆逐されるのも困りますからね。
やはり駆除するべきなのでしょう。
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根から引き抜いてビニール袋に入れます。
しっかり根を張ってるから、力を入れないと抜けませんよ。
そして、種や根を落とさないように、ビニール袋を縛って密閉して持ち帰ります。
オオキンケイギクの花の構造と味
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外側の大きな花びらは舌状化(ぜつじょうか)というお花で、真ん中には頭状花という小さい花が集まってます。
舌状花の味は、ほんのり甘く、これはサラダで食べられる味です。
頭状花は甘味に加えほんの少し苦味があります。
花の裏の、咢に見えるのは苞(ほう)です。
苞は葉が変形したものです。
苞葉(ほうよう)とも言います。
苞もほんのり甘く、ほんの少し苦味がありますが、生で食べる事ができます。
ちなみに茎は硬すぎて食べられたものではありません。
葉は小さいです。
根の近くにはもっと大きな葉がありますが、花が咲く頃には枯れるので食べられません。
根と花の間には画像のような小さい葉が付いてます。
この葉はアクはあまり強くなく、上手に料理すれば美味しく食べるこ事ができるでしょう。
オオキンケイギクの料理法
オオキンケイギクという食材は未知の食材なので、全くどのように料理すればいいかというのが分かりません。
それでもいろいろ考えた結果、冒頭にも書いた通り以下の3品を作る事にします。
オオキンケイギクの花びらサラダ
オオキンケイギクのお浸し
オオキンケイギクのパウンドケーキ
オオキンケイギクの花びらサラダ
お花を茎から外します。
蕾もお花と同じように取り出します。
サラダには蕾は使いませんが、他の料理で使います。
そして、水洗いします。
レタスは洗ってちぎっておきます。
トマトは適当に切っておきます。
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お皿にレタス・トマトを盛り付け、花びらをちぎってばら撒きます。
最後にドレッシングをかけます。
パセリをかけました。
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オオキンケイギクの花びらサラダの完成です。
オオキンケイギクのおひたし
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まず、葉を集めます。
茎は硬くて食べられないから、茎から葉の部分だけをちぎって集めます。
葉は小さく少ないのでなかなか集まりません。
葉と一緒に蕾も混ざっています。
水で洗い、鍋にお湯を沸かして、葉を茹でます。
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20秒茹でました。
ザルでお湯を切り、しばらく水にさらします。
水分をギュッと絞って適当に切っておきます。
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切ったオオキンケイギクに出し汁・みりん・醤油を加え、花びらを少しちぎりました。
混ぜて、しばらく置いて味を染み込ませてから、お皿に盛ります。
オオキンケイギクのおひたしができました。
まずは2品を試食
まずは、2品を試食します。
サラダは、普通に美味しいです。
オオキンケイギクの花びらが入っていても全く違和感がありません。
味にほとんど影響を与えていません。
ほとんどドレッシングの味です。
花びらの味は口の中で探したら見つかるという程度の弱いものです。
食感はレタスのシャキシャキを感じます。
花びらは柔らかいので食感にほとんど影響を与えていません。
見た目には黄色く鮮やかに存在感を示していますが、味には存在感はありません。
普通に美味しいサラダとして食べられます。
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おひたしは、あまり美味しく無いです。
ちょっとアクを感じました。
味は、キク科ですから、春菊に似たような香りがします。
食感は野草ですから少し硬いですが、問題のない硬さです。
そして、少しアクと言うか、エグ味が残ります。
茹で時間をもう少し長くするか、茹でた後水にさらす時間を長くすれば、もっと美味しく食べられると思います。
味はハルジオンに近いです。
ハルジオンの調理法が参考になります。
ハルジオンについては以下の記事をご覧ください。
葉も食べられる事は分かりましたが、量が少ししか無いので、まとまった量を集めるのは手がかかります。
今回は蕾を混ぜて増量してますから、純粋に葉だけだともっと少ないです。
葉は、手をかけてまで食べるほどの価値は無いです。
オオキンケイギクのパウンドケーキ
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<オオキンケイギクのパウンドケーキの材料>
(直径18cmのパウンド型1台分)
バター 100g
砂糖 70g
卵 2個
薄力粉 100g
オオキンケイギクの花 100g
ベーキングパウダー 3g
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バターは室温で柔らかくしておき、練ります。
砂糖を加えよーく混ぜます。
卵を1個ずつ加え混ぜます。
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薄力粉をザルで振るいながら入れ、混ぜます。
オオキンケイギクの花をまな板に広げ、軽くみじん切りにして加えます。
混ぜて、最後にベーキングパウダーを加え混ぜ、パウンド型に入れます。
170度のオーブンで20分焼きます。
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焼けました。
オオキンケイギクのパウンドケーキを試食
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では、オオキンケイギクのパウンドケーキをいただきます。
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切ってみると、なんとカラフルな!
この断面の色に驚きました。
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カラフルなお花のケーキです。
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口に入れると、お花の香りがフワーンと口の中に広がります。
これは、菊の香りですが、日本の菊の香りではなく、洋風な菊の香りです。
この香りを、私はYouTube動画の中では日本の菊とカモミールの中間のような香りと表現しました。
後にアロマ好きな妻が、これはカレンデュラの香りに似ていると言ってました。
カレンデュラはキク科のハーブとして使われてるお花です。
また、ケーキの中にお花が入ってますから、お花の食感もあります。
お花の食感は、野菜のシャキシャキ感と同じような感じです。
お花の大きな塊の部分は少し苦味を感じる事もあるので、花は細かく切ったほうが良いです。
このケーキは、私を含め8人が試食しましたが、その中の一人は「バナナの味がする。これ絶対バナナ入ってる。」と言っていました。
いや、入ってませんけど。
そして、意外と美味しいというのが全員の共通意見です。
お花の味がする意外と美味しいケーキです。
これは初めて食べる味です。
また、カレンデュラと香りが似てるなら、同じような薬効が期待できるのではないでしょうか。
生命力の強い野草は、何かしらの薬効が期待できる物が多いです。
今後そういった方面での研究が進むと面白いなと思ってます。
まとめ
- オオキンケイギクは、北アメリカ原産で1980年代に園芸用や緑化用として輸入された。
- 繁殖力が強く在来種を駆逐してしまうため緊急対策外来種・特定外来生物・日本の侵略的外来種ワースト100に指定されている。
- オオキンケイギクの花はほんのり甘く生で食べられる。
- オオキンケイギクの花びらサラダは普通に美味しい。
- オオキンケイギクのおひたしはイマイチ。
- 葉は手間をかけて集めてまで食べる価値を見出せなかった。
- オオキンケイギクのパウンドケーキはお花の味がして意外と美味しい。
外来種ですが、花は綺麗なので、ただ刈り取ってしまうだけでは可哀想な気がしてしまいます。
しかし、日本の在来種が駆逐されるのも困りますから、やはり駆除しなければいけないと思います。
ただ駆除するだけでなく、美味しく食べる事ができたら、お花も活かされるのではないでしょうか。
動画で説明
動画では私が出演して、駆除する場面から、料理して食べるところまで全て実践しています。
動画でしか伝わらない事もあるので、併せてご覧ください。