
9日間熟成させたイワシの生なれずし
イワシの生なれずしを作りました。
生なれずしとは、ご飯と魚を一緒に発酵させて、発酵によって少し酸味が出たところで食べるというお寿司です。
今回は仕込んでから9日熟成発酵させていただきました。
気になる9日熟成生なれずしの味についても詳しく解説します。
【目次】
1.イワシの下拵え
2.なれずしを仕込む
3.葉っぱの有無について
4.なれずしを発酵させる
5.残りのイワシはどうなった?
6.9日熟成発酵させたなれずしを開封
7.9日熟成発酵させたなれずしをいただく
8.bob氏にも食べてもらう
9.妻にも食べてもらう
10.ご飯の部分だけチンして食べる
11.食中毒のリスクとリスク回避の方法
12.総括
13.まとめ
14.動画で説明
イワシの下拵え

美味しそうなうるめいわしが売ってたので買ってきました。

まずは、開きます。
イワシは手で開く事ができます。
イワシの手開きについて詳しく知りたい方は適当にググってみてください。

包丁で半分に切り、尻尾を切り落とし、背びれの骨を切り取り、腹びれも切り取ります。
小骨を抜き取ります。
骨が残ってると食べた時に嫌ですからね。
骨が取れたら、皮を剥きバットに並べます。
とりあえずイワシを5匹買いましたが、なれずしにするのは2匹だけにしておきます。

塩を振り、15分くらい置いておきます。

15分後、塩を水で流します。

キッチンペーパーで、水分を吸い取ります。
これで下拵えはOKです。
冷蔵庫に入れておきます。
なれずしを仕込む

炊いたご飯1合半くらいに塩を2gくらい混ぜ、塩ご飯を作っておきます
これを人肌程度まで冷ましておきます。

まきすの上に葉蘭、イワシ、塩ご飯を置き、巻きます。
ギュッときつく巻きます。

これをラップで包みました。
この包み方でいいかどうかは、完成するまで分かりません。
この方法で2本作りました。

次は、イワシを半分に切ってみます。

ご飯をイワシの大きさに合わせて丸めました。

イワシを乗せてぎゅっと握りました。

葉蘭で巻いて、ラップで包んだものを2個。
葉蘭で巻かずにラップで包んだものを2個作りました。

このように仕込みができました。
葉っぱの有無について

葉蘭でなくても葉の種類は問いません。
葉っぱで包むのは、葉っぱに付いてる植物性乳酸菌が、発酵スターターになって乳酸発酵を始めてくれるのを期待しての事です。
どういう事かというと、葉っぱに付いてる乳酸菌がご飯と魚を乳酸発酵させて、なれずしとして酸味が出る事を期待してるという事です。
でも、葉っぱがなくてもご飯と魚だけでも勝手に乳酸発酵してくれるとも思います。
それを確かめるために、ラップだけで包んだものも用意してみました。
ちなみに、葉っぱは、葉蘭でなくても何でもいいです。
その辺の木の葉でもいいです。
毒でない葉なら何でもいいです。
変な香りがする葉も辺な味になるから、やめたほうがいいですよ。
葉は、キャベツとかでもいいかも知れません。
なれずしを発酵させる

これらをシッパー付きの袋に入れました。
なるべく袋の中に空気が残らないように、袋を押さえて空気を押し出しました。
乳酸発酵させるには、空気は必要ありません。
逆にカビなどの腐敗菌は空気が必要です。
だから空気が無い状態は乳酸発酵させるのに都合がいいのです。
細かい事を言うと、ボツリヌス菌のような食中毒菌は、乳酸菌と同じく空気が無い状態を好みます。
袋の中の空気を完全に抜いても100%完璧ではありません。
ですが、乳酸菌が優位になると他の菌は活動できなくなるので、ちゃんと乳酸発酵していたら食べても大丈夫です。
と私は考えています。

適当なタッパーに入れました。

重石を乗せましたが、重石が乗ってる所しか圧がかかってません。
とりあえず空いたスペースにも瓶を重石がわりに入れておきます。

1日後、ちょっと作戦変更です。
ここに水を入れます。
水圧なら均等に圧がかかりますよね。

一応重石も乗せておきます。
水と重石の両方で圧をかけます。
そして、このまま放置します。
残りのイワシはどうなった?
イワシは5匹買いましたけど、なれずしにしたのは2匹だけでした。
残りのイワシはどうなったかを説明します。

塩を振って置き、洗い流し、酢で締めます。
その間にご飯に寿司酢を混ぜてシャリを作っておきます。
要するにシメサバみたいにお酢で締めて、締めイワシにしました。

締めイワシを少し食べてみます。
バッチリ美味しいです。

握り寿司の真似事みたいにしてイワシ寿司にしました。
もちろん美味しかったですよ。
酢で締めたサバはよく売ってますが、酢で締めたイワシという物はあまり売ってないので、馴染みがありませんが、これも美味しいですよ。
私はサバ寿司も大好きですが、イワシはまたサバとはちがった美味しさがあります。
これもお寿司屋さんで売ってくれたいいのにと思います。
なれずしというのは、保存食です。
魚が大量に捕れて、すぐに食べられないような時に、干して保存する場合もありますが、なれずしにして保存するというのも一つの方法です。
現代は、物流が昔とは比較にならない程発達しました。
新鮮な魚がいつでも手に入りますからね、新鮮なまま食べたらいいです。
冷蔵庫も冷凍庫もあるから、なれずしを作る必要性があまりありません。
現代のなれずしは嗜好食品として作られるのです。
新鮮なイワシ寿司は美味しかったです。
なれずしの方も、乳酸発酵の力で、酢で締めたみたいに、イワシに酸味が出てきます。
ご飯の方も、乳酸発酵によって、寿司酢を混ぜたかのような酸味が出てきます。
だから、新鮮なイワシで作ったイワシ寿司とよく似た味になると思います。
上手くいけばの話ですが。
9日熟成発酵させたなれずしを開封

水から取り出します。

袋を開けて、中身を取り出します。
特に匂いは感じられません。
では、これを開封してみましょう。

ラップをめくりました。

葉っぱをめくりました。

これを適当に一口大に切ります。

お皿に並べていきます。

これはラップだけで包んだものです。
適当に一口大に切りお皿に盛りました。
9日熟成発酵させたなれずしをいただく

ではいただきます。

少し醤油を付けていただきます。
お好みでワサビも付けるといいですよ。
パクッ…
モグモグ…
んー。
イワシはちゃんと出来てると思うのですが、ご飯がカチカチのポロポロに固まった冷やご飯になってます。
だからご飯が美味しく無いです。
締めイワシと冷やご飯を一緒に食べたという味です。
ご飯を取り除きイワシ単独で食べてみると、酸味は出てませんが、変な味もせず、イワシは美味しかったです。

次に、葉で包まずにラップだけで包んだ方です。

こちらもいただきます。
相変わらずご飯は不味いです。
イワシは酸味が出てません。
葉っぱの有無は味にどのような影響を与えてるか分かりません。
bob氏にも食べてもらう

ご飯が固くて噛むのに力がいりすぎて、お魚が柔らかすぎて食感がわからへん。

魚は柔らかくなってるわ。

ご飯を噛めば噛むほど魚がワケ分からなくなる。
口に入れた瞬間は、一瞬お寿司かなって思うけど、噛んでご飯の固さとお魚の柔らかさを感じた時に自分の知ってるサバ寿司と違ってあれ?って思った。

ご飯はミスったわ。
11月に仕込むもんじゃなかったのかも。

ワサビと醤油付けたら酸っぱいのかどうか分からへんわ。
でも新鮮な魚ではない。
新鮮な魚よりも柔らかい。
かと言って、変な臭さはない。

腐ってる感じではないよね。
自己消化が始まってるのかな。

魚醤みたいな感じで?

うん。

熟成期間が短かったと言ったけど、あと1週間、10日や2週間続けたらご飯の問題って解決するの?

ご飯はマズいままかな?
いやーどうやろ。
分からんわ。
魚は酸味が出てくると思うけど。

出来る前の途中のものを食べた感じかな。
妻にも食べてもらう
妻は食べるまでは嫌がっていましたが。
何だかんだ言って一切れを1口でパクっと食べました。

もったいない、お魚美味しいのに。

お!?
美味しいという評価出ました!

食べたら、お魚は溶けて無くなるような感じだけど、ご飯が口の中で暴れる。
暴れて、粉々になって暴れて、せっかくの魚の食感をぶち壊しにかかってくる。
お魚の味はすごく美味しい。
食べる前は怖かった。
どうしてご飯だけこんな事になるのかな?

気温が低かったからかなー?

ポロポロ冷やご飯というか、炊いて芯が残ったままのご飯が冷え固まったような感じのゴワゴワ感があるよ。

炊いたばかりは美味しかったで。

蝋を食べてるのかと思った。


じゃあ、次はラップだけで包んだ方の、ご飯は食べずにお魚だけいただきます。

熟成させたお造りみたいになったのかな。
塩味が付いてるけどね。

滑らかな食感。


新鮮な方も食べたけど、それよりもこっちの方が臭みがない。

確かに生臭くないよね。

全く生臭くない。
むしろ新鮮なやつの方が青魚特有の臭みがあった。
白身魚よりもクセがない。
鯛みたいって言ったら言い過ぎかもしれんけど…

鯛!?
確かに昆布締めにした鯛に似てなくもないなぁ。
ご飯の部分だけチンして食べる
ご飯の部分は冷やご飯になってるだけだと思うので、ご飯だけ電子レンジで加熱して食べてみました。

うん、普通のご飯になった。

塩味がする。

うん、ご飯に塩混ぜてるからね。

食感もまあ普通のご飯やね。

塩味のする普通のご飯になったね。

でもお魚の味が少し残ってる。

そりゃね、お魚とくっ付いてたからね。

お刺身をご飯に乗せてお醤油で食べた後の下に残ったご飯の味がする。

あーそやね。
海鮮丼の下に残ったご飯の味やね。
食中毒のリスクとリスク回避の方法
私は、きちんと乳酸発酵していれば食中毒菌の事は、気にしなくても大丈夫と考えています。
しかし今回作ったものは、ほとんど乳酸発酵してませんでした。
という事は、もしかすると食中毒菌が優勢な状態だったかも知れません。
今回のようなものは、自分たちが自己責任で食べるからいいですが、飲食店で提供するとかお店で販売できる物ではありません。

一応食中毒のリスクを回避するために、bob氏には梅干しを1個食べてもらいました。
梅干しのクエン酸によって、胃が刺激されて、胃酸の分泌が促されます。
胃酸をしっかりと出して、胃で殺菌したいと思います。
胃酸のPHは1〜2くらいですから、ちゃんと胃酸が出てたら、どんな食中毒菌を食べても、きちんと殺菌されると私は考えています。
胃では菌が作った毒素は解毒できないけど、菌には打ち勝つ事ができると私は考えています。
ちなみに、このような場合に、胃酸を抑制するような胃薬なんか飲んだら殺菌できませんからね。
きっと逆効果になると思いますよ。
ちなみに梅干しは自家製です。
美味しいですよ。
後日bob氏から、お腹壊さなかったとの報告をいただきました。
私は、梅干し食べるの忘れてましたが、お腹壊しませんでした。
総括
今回は気温が低く、ただ冷蔵庫に入れてただけのようなものができてしまいました。
熟成期間が長ければ違う結果になってたかも知れませんが、もう分かりません。
次は、もっと暖かい季節に仕込もうと思います。
私の経験では、春から初夏にかけての季節に仕込んで成功した2つの例があります。
↓成功例その1↓
↓成功例その2↓
だから次回は6月頃に仕込もうと考えています。
かといって寒い季節に仕込むパターンも諦めたわけではありません。
YouTubeでこのようなコメントをいただきました。
@tokoyano.さんのコメントから抜粋
私の母は11月にサンマのなれ寿司を仕込んで正月に振舞ってましたよ。その「ハラン」の様な葉っぱを取りに行く仕事は私でした。
杉林に生えてる暗い山へ一人で。。。しかもその少年はナレ寿司なんかよう食べん!! でも今はフナ寿司大好き!
11月に仕込んで正月に振舞っていたとの事。
このお母様に教えを乞いに行きたいです。
また、他の方のコメントで、ご飯の水加減を多めにすると良いなどのアドバイスもいただきました。
皆様いつも有益なコメントありがとうございます。
私は、11月に仕込むパターンでの成功例はありませんが、6月に仕込むパターンでは成功例があるので、その方向をより洗練していきます。
また11月に仕込むパターンも次は成功させたいと思います。
まとめ
- なれずしを葉っぱで巻く必要があるのかはまだ分からない。
- なれずしを発酵させるのに空気は不要。
- 酢で締めたイワシのイワシ寿司も美味しい。
- 9日間熟成させたなれずしのご飯が固くなった。
- 9日間熟成させたなれずしの魚は柔らかくなった。
- ちゃんと発酵させれば食中毒の心配はないと考えてる。
- 食中毒のリスク回避には梅干しが有効と考えてる。
動画で説明
動画では私が実演しております。
bob氏と妻も声だけ出演してます。
動画でしか表現できない事もあるので併せてご覧ください。







