その他の漬物・発酵

天然酵母クラフトコーラを作る(天然酵母の力で炭酸にする方法)

天然酵母クラフトコーラ

天然酵母クラフトコーラを作る
(天然酵母の力で炭酸にする方法)

天然酵母クラフトコーラを作ります。
天然酵母クラフトコーラは、普通のクラフトコーラと違い天然酵母の発酵力で炭酸にします。
酵母の力で普通の水を炭酸水にするのですから、発酵食品の面白さ満開の内容となっています。

【目次】
1.天然酵母クラフトコーラの作り方の流れ
2.酵母液を作る
2ー1.レーズン酵母液を仕込む(10月6日)
2ー2.レーズン酵母液を仕込んで5日後(10月11日)
2ー3.レーズン酵母液を仕込んで34日後(11月9日)
3.もっと成功率の高い素材を入手
4.野草で酵母液を作る(11月8日)
4ー1.野草酵母液仕込みから5日経過(11月13日)
5.なぜ酵母液ができるのか
6.コーラ液を作る(11月13日)
6ー1.1日経過
7.ボトル詰(11月14日)
8.発酵
9.ボトル詰から6日後に完成(11月20日)
10.天然酵母クラフトコーラを試飲
10ー1.妻の感想
11.カナムグラ酵母のその後
12.まとめ
13.動画で説明

天然酵母クラフトコーラの作り方の流れ

まず、普通のクラフトコーラの作り方の流れは以下のようになってます。

【普通のクラフトコーラの作り方】
①コーラシロップを作る
②炭酸水で割る
③完成

こういう流れになります。

そして次に、本題の天然酵母クラフトコーラの作り方の流れです。

【天然酵母クラフトコーラの作り方】
①酵母液を作る
②コーラ液を作る
③ボトル詰
④発酵
⑤完成

こういう流れになります。

「①酵母液を作る」と、「④発酵」が、普通のクラフトコーラの作り方と異なる部分です。

天然酵母クラフトコーラ作りを成功させるには、特に「①酵母液を作る」が重要です。
「①酵母液を作る」が上手くいけば「④発酵」は必ず上手くいきます。

だから「①酵母液を作る」の部分の説明が非常に詳しく長く説明されています。
本気で作ってみようと思っている人以外は、軽く読み飛ばしてくださっても構いません。

では今から詳しく説明していきます。

酵母液を作る

では酵母液を作りましょう。

まずは、一般的で最も成功率の高いレーズンを使って酵母液を作ります。
これが酵母液を作るのに、最もおすすめの方法です。
レーズンは、1年中手に入り品質が安定してるからです。

【レーズン酵母液の材料】
レーズン(オイルコーティングされてないもの)大さじ1程度
砂糖 大さじ1
水 200ml程度(瓶が満タンになる量)

【酵母液を作るのに必要な道具】
瓶(ジャムなどが入っていたもので良い)


レーズンは、オイルコーティングされていないものをお使いください。
今回使うのは、オーガニックのレーズンです。
オーガニックの方が、そうでない物よりも成功率が上がります。
オーガニックのレーズンは、自然食品店に売ってますよ。

レーズン酵母液を仕込む(10月6日)


瓶にレーズン・水を満タン・砂糖を入れ、蓋をして、瓶を振って砂糖を溶かします。
このまま置いておきます。

これで仕込みはOKです。

レーズン酵母液を仕込んで5日後(10月11日)


レーズンが中途半端に浮かんでます。
これは酵母菌が作り出した炭酸ガスによって少し浮力を得て浮かんでるのかと思います。
だから酵母液として育ってる途中だと判断しました。

しかしこの後、この酵母液は発酵が進んでるような様子を見せませんでした。

これを仕込んだのは、10月6日でしたが、10月上旬の気温なら5日間も置いておけば、酵母液として完成してるはずです。

しかし、5日経ちましたが、中途半端にレーズンが浮かんでるだけで、まだ酵母液としては完成してません。

薄々おかしいなとは思いながら、そのまま34日間放置しました。

レーズン酵母液を仕込んで34日後(11月9日)


全体にレーズンの色が広がりましたが、まだ全く酵母菌が活動してる気配がありません。

おかしいです。

蓋を開けて様子をみてみましょう。


あー!!

カビが生えてる!

これはダメです。

まさかオーガニックのレーズンで失敗する事があるなんて、思いもよりませんでした。

100%成功すると思って、オーガニックのレーズンを使ったのです。

確かにオーガニックのレーズンは成功率は高いですが、100%成功する訳ではない事がわかりました。

それでもオーガニックレーズンがおすすめである事は変わりません。
100%ではありませんが、成功率は高いです。

発砲するレーズン酵母液

ちなみに成功するとこうなります。
これは今回のレーズン酵母ではありません。
過去に上手くできた時の画像です。

蓋を開けるとともに、シュワシュワーと酵母菌が作り出した炭酸ガスが発泡します。

酵母菌がこのように炭酸ガスを作る力を利用して、炭酸のコーラを作るという作戦なのです。

という訳で、オーガニックのレーズンで失敗してしまったので、次はもっと成功率の高い素材を使おうと思います。

実は、もっと成功率の高い素材があるのです。
最初からそれを使えって話ですが、再現性の高い素材が良いと思ってオーガニックのレーズンを選んだのです。
1年中手に入り品質が安定してるからです。

でもうまくいかなかった。

だから、再現性はちょっと下がりますが、もっと成功率の高い素材を使います。

もっと成功率の高い素材を入手


ここは京都の鴨川です。


ここの河川敷に生えてる、この植物。
これはカナムグラという野草の鞠花です。

カナムグラは、あの、ビールに苦味をつけるホップの仲間です。
これでビールを作った事もあります。
それについては以下の記事をご覧ください。


それから、これはミントです。
ミントは説明いらないですよね。
あの爽やかなミントですよ。


カナムグラとミントを摘んできました。

野草で酵母液を作る(11月8日)


まずは、水洗いします。
泥とか付いてるかもしれないので、洗い流します。

酵母菌まで洗い流されるのではないかという心配はいりません。


左側はジャムが入ってた瓶です。
瓶はこういった瓶で大丈夫です。
左側の瓶にミント、右側の瓶にカナムグラを入れ、砂糖と水を入れ蓋をして、瓶を振って砂糖を溶かしました。

このまま置いておきます。

野草酵母液仕込みから5日経過(11月13日)


5日経過しました。


ミント酵母液は酵母菌が作り出した炭酸の気泡が見て取れます。


発酵による圧力で中身が溢れて少し瓶の下が濡れています。
ミントはちゃんと酵母液として出来上がりました。


カナムグラの方は、ちょっとピンク色に染まってきました。
まだ炭酸ガスの気泡は見当たりません。
蓋を開けてみると、ちょっとお漬物みたいな匂いがしてます。
これは乳酸菌が活動してる匂いです。
乳酸菌が雑菌の繁殖を抑えてくれます。
乳酸菌が活動した後に酵母菌の時代がきますから、このままあと数日置いておけばきっと元気な酵母液になるでしょう。

赤いカナムグラ

カナムグラ酵母液がピンク色に染まってるのは、この赤いタイプのカナムグラの色です。

では、ミント酵母は酵母液としてほぼ完成したので、ミント酵母液を使ってコーラを仕込みます。

ちなみに、野草で酵母液を作る場合は、ミントでなくても何でもいいです。

そこら辺に生えてる草だったら何でもいいです。

ミントは爽やかな香りがして美味しそうだからミントを選んだだけです。

どんな野草でも酵母液は作れます。

なぜ酵母液ができるのか

理科に弱い人でもわかるようになぜ酵母液ができるのか説明します。


まず、摘んできた野草には酵母菌が住み着いています。


レーズンにも酵母菌が付いてますよ。


酵母液を仕込んだら、この野草などの素材に付いてる酵母菌が、砂糖を餌にして増殖していきます。

そして、酵母菌が増殖した液体を酵母液と呼んでます。

瓶の蓋を閉めましたが、それによって酸素の供給が絶たれ、カビなどの腐敗菌が活動できなくなります。
カビは酸素が必要ですから、蓋を閉めたらカビが繁殖できないです。

と言いながら、今回のレーズン酵母ではカビを生やしてしまいました。
だから100%カビの発生を抑える訳ではありません。

しかし高確率でカビなどの腐敗菌の発生を抑える事ができます。

そして、酵母菌は酸素が無くても生きていけます。
また、乳酸菌も酸素が無い環境を好みます。
酵母菌と乳酸菌は、仲良く共存できます。
あまり乳酸菌が活発になると酸味が出ますが、コーラを作るのが目的だから、コーラに酸味が加わっても全く問題ありません。
コーラに酸味が加われば爽やかで美味しくなるかもしれません。


ちなみに、上記の方法で酵母液を仕込んで酸味が強く出た事は1度もありません。

気温が低い季節に酵母液を仕込んだら、最初に乳酸菌が強く働く事があります。
今回仕込んだカナムグラ酵母液がそれです。
お漬物みたいな匂いがするので分かります。

でも安心してください。

そうなると乳酸菌が雑菌の繁殖を抑えてくれるので、きっと失敗しません。
最終的に乳酸菌は大人しくなって酵母菌が活発になります。
なぜ乳酸菌が大人しくなって酵母菌が活発になるのかは分かりませんが、とにかくそうなるのです。

というわけで、瓶の蓋を閉めて置いておくと腐敗菌が活動しにくくなり、酵母菌が育つにのに都合の良い環境になります。

以下の記事でも酵母液の作り方について説明してます。
この記事は、天然酵母パンを焼くための酵母液の作り方について説明してますが、酵母液を作るまでの過程は共通してます。

コーラ液を作る

【コーラ液の材料】2500ml分
砂糖150g
ステビアsweet 25g
水2300ml
カルダモン 10粒
シナモン 1本
クローブ 10粒
ブラックペッパー 20粒
生姜 20g
酵母液 200ml

ステビアsweet

本来なら砂糖を 275g入れる計算になるのですが、砂糖を減らすために、このステビアスイートという商品を使います。これは砂糖の5倍の甘さなので、これを25g入れたら砂糖125g分の甘さになります。
なので、砂糖を125g減らすことが出来ます。

ステビアは砂糖と甘味の質が違うので、ステビアの割合をこれ以上増やすと、美味しくなくなります。
今回のレシピくらいの量が味のバランスを保ちつつ、砂糖の量を減らせる最大限の量かと思います。

それから、砂糖は酵母菌の餌になるので、砂糖は必要になります。
甘味を砂糖0%、ステビア100%にすると炭酸になりません。

カルダモンの殻を剥いて、細かくして香りがよく出るようにしておきます。
シナモンは少し折っておきます。
クローブとブラックペッパーはそのまま使います。

生姜をすりおろします。

鍋を火にかけ、砂糖を入れて加熱します。

加熱して、砂糖を焦がした色でコーラの色を出すのです。

最初のうちは変化がありませんが、100℃を超えたら溶けてきます。
そして、徐々に色が付いてきます。

煙みたいなのが出てきました。

この辺から変化が早く忙しくなってきます。

色も濃くなり、いきなりボコボコっと泡立ってきました。

火を止めて水を入れました。

ジュワー!!っと派手に音を立てて、湯気が上がります。

カラメルになりました。
焦げが足りません。
もっと焦がす必要がありそうですが、砂糖が泡立った時点で怖くなって、すぐに水を入れてしまいました。

だって勢いよく泡立ってきましたから、そのまま加熱を続ければ、溶岩のようになった砂糖が吹きこぼれるんじゃないか、と頭の中をよぎりました。
それで怖くて水を入れたのです。

次に作る機会があれば、もっと焦そうと思います。

ここにスパイスと生姜を入れ、弱火で5分くらい煮込んで、スパイスの香りを出します。

5分煮込んだら火を止めて蓋をして、1日置いておきます。

1日経過

1日経ちました。

ここにミント酵母液を入れます。

ステビアsweetも入れました。

ミント酵母液が入ってた瓶の底の沈殿物は酵母菌の集まりです。

これを洗い流して入れます。

残りの水を全部入れ、混ぜます。

ちょっと味見してみます。
炭酸のないコーラみたいな味です。

ボトル詰(11月14日)

炭酸が入ってたペットボトルに、コーラ液を注ぎます。
ジョウゴの上に茶漉しを乗せてその上から注ぎました。

蓋をギュッと閉めます。

発酵

このまま置いておきます。

この中にはミント酵母液を混ぜてますから、この中に酵母菌が居ます。

酵母菌が砂糖をアルコールと二酸化炭素に分解します。
これをアルコール発酵と言います。

アルコール発酵ではアルコールが発生します。
日本では免許がない人がお酒を作ってはいけません。
ですが、大丈夫ですよ。
アルコール1%未満ならお酒とみなされません。
アルコールが1%になるまでに発酵を終了させるので、酒造免許がなくても大丈夫ですよ。

それで、アルコール発酵では、アルコールと同時に二酸化炭素も発生します。
酵母菌が作り出した二酸化炭素によってコーラが炭酸になります。
これが天然酵母クラフトコーラのキモとなる部分です。

ここは大事な部分ですから、もう1回言いますよ。

酵母菌が作り出した二酸化炭素によって炭酸になる。

これが発酵前のボトルです。
発酵前はボトルを指で押さえたらペコペコと凹みます。

ボトル詰から6日後に完成(11月20日)

ボトルを指で押さえても炭酸の圧でカチンコチンになって全く凹みません。
これが発酵完了のサインです。

という訳で、天然酵母クラフトコーラが完成しました。

天然酵母クラフトコーラを試飲

ペットボトルの蓋を開けても吹きこぼれるほどの圧ではありませんでした。
氷を入れたグラスに注ぎ、レモンを絞っていただきます。

グビッ!

美味しい!

爽やかな炭酸飲料です。

けど、あまりコーラって感じではありません。
スパイスの香りとミントの香りが感じられます。
その中でもカルダモンの香りは、まさしくコーラという香りです。
それ以外のスパイスは、あってもなくてもコーラっぽさには関係ないかと思います。

クラフトコーラっていうのは、コーラに似てるかどうかよりも、スパイスを効かせた独自性の強いものが多いですが、これも独自性の強い炭酸飲料になりました。

妻の感想

コーラと言うよりジンジャーエールに近い感じがする。
ジンジャーエールよりショウガの風味は弱い。
でもこの香りとこの雰囲気はコーラだよ。

あ、後味がコーラだわ。
後味がまさにコーラ。
色のイメージでジンジャーエールって思ってしまうけど、後味がコーラ。

美味しい。

カナムグラ酵母のその後

仕込んでから11日後です。

これを仕込んで5日後にはお漬物の匂いがして、乳酸菌が活発に活動してましたが、とうとう酵母菌の時代が来ました。
画像では分かりにくいですが、炭酸の気泡が見て取れます。

蓋を開けたらシュワーっと炭酸の弾ける音がしてますが、画像では音は伝わりませんね。
音が気になる方はYouTube版をご覧ください。

というわけで、ちゃんと酵母液になりました。

そして、とあるフルーツみたいな匂いがしています。
カナムグラは発酵させると、あるフルーツの匂いがするのです。
何のフルーツの匂いになるかと言うと、カナムグラでビールを作った時の記事をご覧ください。

まとめ

  • 天然酵母クラフトコーラを作るには最初の酵母液を作る段階が最も重要。
  • 酵母液を作る時はレーズンを使うのがおすすめ。
  • 実は、野草で酵母液を作るのはもっとおすすめ。
  • そこら辺に生えてる草で酵母液を作れる。
  • カラメルは思った以上に焦がさなければいけない。
  • 酵母菌が作り出した二酸化炭素によって炭酸になる。
  • 後味はコーラみたいな美味しい炭酸飲料が出来上がった。

動画で説明

動画では私が実演しております。
動画でしか伝わらない事もあるので、炭酸のプシューって音やシュワシュワーって音などは動画でしか伝わりませんので、併せてご覧ください。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
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