その他の漬物・発酵

お家で仕込んだ「へしこ」が異常発酵してしまった

自家製へしこ

お家で仕込んだ「へしこ」が異常発酵してしまった

へしことは、魚の糠漬けです。
今回は、塩さばを糠床に漬けて簡単に作りました。
2025年7月12日に「へしこ」を仕込み、9月22日まで72日間熟成発酵させました。
すると猛暑の影響で、異常発酵してしまいました。
果たして異常発酵したへしこは、どんな味になったでしょうか。

【目次】
1.へしこを仕込む(7月12日)
2.押し入れに放置する
3.本物のへしこも知っておこう
4.72日後(9月22日)
5.自家製へしこを焼く
6.自家製へしこをいただく
7.振り返り
8.まとめ
9.動画で説明

へしこを仕込む(7月12日)


塩さばを買ってきました。
ノルウェー産じゃなくて国産ですよ。


これは、いつも野菜を漬けている糠床です。


保存袋にぬかと塩サバを交互に入れ、サバが完全にぬかの中に隠れるようにします。
袋を押えて、空気を抜きます。


袋の中の空気がほとんどなくなるようにジッパーを閉じました。
袋ののまま置いておくと、匂いが出てくるので、タッパーに入れて蓋をしました。

これで仕込みはOKです。
このまま押し入れに入れて放置します。

押し入れに放置する

仕込んだのは7月12日でした。
そして、9月22日まで72日間置きました。


私のお家は京都です。
画像は京都駅ビルです。

京都では、今年の夏に最高気温が35℃以上の猛暑日が60日ありました。
また最低気温が25℃以上の熱帯夜は64日でした。

猛暑日と熱帯夜とも60日を超えるという60ー60を達成したとニュースになりました。
去年は初めて50ー50を達成したばっかりなのですが、その記録を1年で更新しました。
まあ要するに、発酵するには十分な気温があったという事です。

これだけ暑いと野菜を漬ける方の糠床も、常温で置いておくと異常発酵して野菜が美味しく漬かりません。
糠床を冷蔵庫に半日入れて、半日出して、半日入れて、半日出してという具合に温度調節をするとちょうど良く漬かります。
ずっと室温のままだったら発酵し過ぎて、美味しくなくなります。

それなのに、このへしこは、冷蔵庫に入れずに、すっと押し入れに入れたままでした。

本物のへしこも知っておこう


本物のへしこを買ってきました。
1296円(税込)で買いました。
作るのに手間暇かかりますから結構高いです。


へしこを取り出しました。


少しだけ切って、画像の左側部分は生のまま食べてみようと思います。
鯖という魚は普通は生で食べませんが、へしこは生で食べることができます。


水でぬかを洗い流し、キッチンペーパーで余分な水分を吸い取ります。
胸ビレを取り除き、皮を剥ぎ、骨を抜きます。


適当にスライスします。


生のへしこを食べる準備ができました。


美味しいです。
水分が抜けて、しっかりと噛みごたえがある硬さです。
そして塩辛いです。
生という感じはあまりありません。
ぬかの香りと発酵による酸味と旨味もありますが、そんなに強く感じません。

マグロのキューブ形になっったおつまみがありますが、あれの味を思い出しました。
あれは割と甘く味つけしてあります。
へしこには甘味はありませんが、味はマグロキューブに似ています。

お酒とも合うし、ご飯も進む味です。

珍味ではありますが、私はそんなにクセが強い食べ物だとは思いません。
普通に美味しいです。
しかし、私は鍛えられてるので、普通の人が食べたらクセ強く感じるかもしれません。


次にグリルにへしこを焼きました。


ちょっと焦がしましたが、焼いたへしこです。


普通の焼き魚のように箸で身を割って食べようにも、水分が抜けてるために硬くて箸が入りにくいです。

生で食べるよりも身が硬くなったのと、食べる温度が違うために香りが違って感じますが、基本的に生で食べた時と印象は変わりません。
塩辛いので、少しの量でいいです。

美味しいです。

というわけで、これが本物のへしこでした。

では、我が家の押し入れで真夏に72日熟成発酵させたへしこの様子を見てみましょう。

72日後(9月22日)


タッパーの状態だと匂いも感じないので中の状況は全くわかりません。


タッパーの蓋を開けてみます。
別になんて事ないですね。
ちょっと糠漬けの匂いがするだけです。


タッパーから取り出してみました。
ちょっとぬかが変色してる部分があります。
見た目だけではまだ何とも判断できません。


蓋を開けてみます。

おおーっ!

匂いは、糠床と魚の乳酸発酵した匂いです。
けど、発酵度合いがかなり進んでる匂いです。
発酵し過ぎたキムチみたいな匂いです。


では、鯖を取り出してみようと手を突っ込みました。

しかし…

あれ!?

サバが見つからないぞ!

身がボロボロに崩れてます。


やっとサバの破片を見つけて取り出しました。


手探りで、形が残っているものを探し出して、これだけの鯖を取り出しました。
仕込んだ時は3枚だったんですけどね。


ぬかがたくさん付いているので、すこし指で拭ってきれいにします。

しかし、皮の面は指で拭っても大丈夫ですが、身の部分は指で触ると身かぬかかもうどっちかわかりません。
簡単に形が崩れるのです。


一応きれいにしたへしこです。

当初はこれをお造りで食べる予定だったんですが、これは焼いて食べる事にします。

自家製へしこを焼く


グリルにアルミホイルを敷いて焼きます。
網のままだと下に落ちるからです。


片面を6分焼いたところで裏返そうと思いましたが、溶けてます。

これじゃ裏返せません。

もうちょっと焼いたら完成という事にします。


さらに2分焼きました。
これでいいでしょう。


器に、葉蘭を飾り、盛り付けました。

焼いたへしこの完成です。

自家製へしこをいただく


口に入れた瞬間にほろりと液体になります。
口溶け食感です。

口溶けの後に、へしこの味とぬかの味が広がり、骨が口に残ります。
口溶けの柔らかさの中に感じる骨の硬さが不愉快です。

へしこの味はしてますが、本物に比べ塩分濃度は控えめです。
また、まとわり付いたぬかを拭いきれてないので、本物に比べぬかの味は強いです。


ご飯と一緒にいただいてみます。

ある程度骨を取り除いてから食べたので、ご飯と一緒に食べた一口の中には骨は入ってませんでした。
骨が無いと美味しいです。
溶けるからご飯の味に混ざり合い、へしことご飯が渾然一体となり、美味しかったです。

振り返り

きっと暑ずぎたために異常発酵したのだと思う。
ぬかの水分も少なめにしておいた方が良いと思う。
出来上がった糠床でなく、糠のまま漬けた方が良いかも。

10年くらい前にもへしこを作った事がありますが、今から思えばあの時は、不完全な浅漬けへしこでした。

これはレシピを改良して再挑戦しなければいけませんね。


焼いたへしこの残りは瓶に入れて、何か料理に使おうと思います。

まとめ

  • 国産の塩サバを家の糠床に漬け込んで押し入れに放置した。
  • 2025年の京都の夏は猛暑日と熱帯夜共に60日を超える60−60を達成。
  • 夏の京都に72日間放置した。
  • 本物のへしこは生で食べても焼いて食べても美味しい。
  • 自家製のへしこは過発酵で溶けてしまった。
  • 溶けたけど味は一応へしこだった。

動画で説明

動画では私が実演しております。
動画でしか表現できない事もあるので併せてご覧ください。

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このブログを書いてる人

オトコ中村
京都在住 40代 料理を通じて皆が健康で幸せになればいいなと思っている。
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