ハイチュウを手作りしようと挑戦した、その記録です。
あまり期待しないで読んでください。(笑)
ハイチュウに限らず、大手お菓子メーカーのヒット商品はどれも美味しいですね。
もちろん美味しいからヒットするのですが、それを手作り出来ないかと思う事がよくあります。
しかし、そういったお菓子は、家庭ではどうにもこうにも再現が難しいです。
やはり、大手お菓子メーカーだからこそ出来る技術が駆使されているので、一般家庭にある調理器具や原材料では簡単に真似できないのです。
簡単に真似できないからこそヒット商品になる訳ですよね。
そんな事は分かってます。
かくなるものと知りながら真似したい、止むに止まれぬオトコ中村。
という訳で、ハイチュウを手作りした記録をお読みください。
まずハイチュウを分析
ハイチュウの青リンゴ味です。
中心に白い部分があり、その周りに黄緑の部分があります。
白い部分と黄緑の部分を切り離して、それぞれの味を比べてみました。
白い部分は、プレーンな味のような気がします。
青リンゴの味がするような気もしますが、よく分かりません。
黄緑の部分には明らかに青リンゴの味と香りが付いていると感じました。
色が付いてるから先入観でそう感じたのかも知れません。
パッとしない分析ですね。
次に原材料を見てみます。
水あめ、砂糖、植物油脂、ゼラチン、濃縮りんご果汁、りんごジャム、りんごすりおろし加工品/酸味料、乳化剤、香料、ベニバナ黄色素、クチナシ青色素
原材料は使用されている量が多い順に表記されています。
ほとんどが簡単に手に入る原材料です。
植物油脂というのはパーム椰子が原料のパーム油の事でしょう。
おそらく、パーム油を乳化剤でクリーム化させているのでしょう。
植物油脂と乳化剤は、生クリームで代用できると思います。
香料、ベニバナ黄色素、クチナシ青色素は省略します。
それ以外は、どこにでも売っている原材料ですね。
それから栄養成分を見てみましょう。
[ 1粒(標準4.6g)当り ]
エネルギー:19kcal:
たんぱく質:0.07g:
脂質:0.36g:
炭水化物:3.8g:
食塩相当量:0g:
栄養成分から、原材料のだいたいの配合率が分かります。
タンパク質の重さからゼラチンの量が分かります。
ゼラチンの89%がタンパク質なので、タンパク質の重さのおよそ1割増がゼラチンの量になるでしょう。
脂質の重さから使用する生クリームの重さが分かります。
ハイチュウ1粒あたりの脂質が0.36gという事は、ハイチュウ1粒あたり36%の生クリーム1gを使えばいいという事です。
炭水化物の重さから水あめと砂糖との重さが分かります。
水あめは、85%が炭水化物、15%が水分です。
砂糖は、ほぼ100%炭水化物です。
原材料の1番目に水あめと表記されているので、水あめを砂糖よりも多く配合すればいいでしょう。
以上の情報を元に自分なりにレシピを考えてみました。
ハイチュウを手作りする
水あめ 33g
砂糖 30g
生クリーム35% 20g
ゼラチン 2g
リンゴジュース 12g
※ゼラチンは、リンゴジュースでふやかしておきます。
水あめ、砂糖、生クリームを鍋に入れて火にかけます。
煮詰める
沸騰してきました。
焦がさないように火力は弱火です。
混ぜながら125℃くらいになるまで加熱します。
125℃という数字の根拠は、ソフトキャンディーを作る場合は、砂糖を125℃まで加熱すると冷めた時に程よい硬さになるのです。
砂糖は加熱する温度によって固まり方が変わるのです。
130℃を超えると、冷めた時に普通の飴のように硬くなってしまいます。
120℃以下だと、ドロッとしたシロップになってしまいます。
125℃くらいがソフトキャンディーにちょうど良い硬さになるはずです。
温度管理が重要なのです。
ところが、我が家には100℃以上の温度を計れる温度計が無いので、肌に感じる熱気で温度を判断します。
温度管理が重要とか言いながら、肌に感じる熱気での判断は、豊富な経験も無いので、全く当てになりませんが、とりあえず、何となくこんなものかな?と思ったところで火を止めました。
冷ます
60℃以下になるまで冷まします。
60℃以下という数字の根拠は、次にゼラチンを混ぜるので、ゼラチンのタンパク質が熱変成しない温度という事です。
ゼラチンを混ぜる
リンゴジュースでふやかしておいたゼラチンを温めて溶かします。
溶かしたゼラチンを冷ました飴に混ぜます。
全ての材料が混ざりました。
冷やす
クッキングシートの上に広げて冷まし、荒熱が取れたら冷蔵庫で冷やします。
冷えたけど
冷蔵庫で冷やしたので、固まっていると期待していたのですが、これでは柔らかすぎます。
味は、甘くてリンゴの風味がして美味しいですが、クリーミーすぎます。
クリーミーなのも美味しいですが、あまりクリーミーだとハイチュウではなくミルキーになってしまいます。
それでもいいかもしれませんが、今回はハイチュウを作るのが目的なのです。
水分を減らして、生クリームを減らして再挑戦してみます。
第2弾を作る
水あめ 30g
砂糖 30g
生クリーム35% 15g
ゼラチン 2g
リンゴジュース 10g
※ゼラチンは、リンゴジュースでふやかしておきます。
同じ要領で第2弾を作りました。
これを冷やすと…
このように整形も可能な状態ですが…
指で引っ張ると、びよ~んと伸びてしまいます。
味は結構イイ感じでしたが、これだけ柔らかければハイチュウと言えませんね。
柔らかいのは、きっと水分が多いからでしょう。
また、煮詰めるときの温度が、もう1℃とか2℃高ければ、もう少し硬くなるでしょうけど、肌で感じる熱気での判断では、あと1℃や2℃の微調整は難しいです。
そりゃ、あと100回くらい練習すれば1℃や2℃の微調整も会得できるかも知れませんよ。
しかし、そこまでやらずに、作戦を変更します。
この試作した柔らかいハイチュウを冷蔵庫内で乾燥させて硬くします。
冷蔵庫で20日間乾燥させる
ハイチュウ第1弾です。
手で持てそうに見えますが、柔らかくて持てません。
まだまだまだまだ柔らかいです。
こちらは第2弾。
一応、手で持てるレベルになりました。
ハサミで切って少し試食しましたが、口に入れるとまだまだ柔らかいです。
しかし、冷蔵庫で乾燥させることによって明らかに硬くなりました。
この作戦を続けます。
ゆっくり、じっくり、長い期間かけて乾燥させましょう。
そして…
冷蔵庫で3ヶ月間乾燥させる
こちらは第1弾です。
指で押さえると簡単に形が変わるくらいで、つまんだら、びよ~んと伸びるくらい柔らかいです。
まだまだです。
こちらは第2弾。
指で強く押さえたら、形が変わるくらいの柔らかさです。
まだちょっと柔らかいです。
もっと気長に、長~い期間かけて乾燥させましょう。
そして…
冷蔵庫の中で…
存在を忘れるくらい…
乾燥(放置)させました。
更に5ヶ月乾燥させる
こちらは第1弾。
通算で8ヶ月乾燥させました。
こちらは第2弾。
第1弾よりも硬いです。
ソフトキャンディーとしての硬さになっていると思います。
もうこれでいいでしょう。
ハイチュウを整形する
第1弾をクッキングシートに挟み、めん棒で伸ばします。
第2弾を真ん中に乗せて…
巻きました。
切ってみるとハイチュウの断面か?
いや、ちょっと違うなぁ…
ま、いいか。
こんな感じでいくつかのハイチュウ(もどき)が出来ました。
そこそこいい感じの食感に出来ました。
味は?と言いますと、本物のハイチュウより甘味が強いのと、ミルク感が強いのと、8ヶ月間冷蔵庫で放置していた為か、リンゴの風味が飛んで、弱まってます。
甘くて少しミルク感があり、かすかにリンゴの風味がするソフトキャンディーという味でした。
10歳の息子は、「めっちゃ美味しい。」と言ってくれました。
お世辞かも知れません。
8歳の娘は、「味がある。」という意味不明な感想でした。
美味しければ美味しいと言うはずですから、私に気を使って美味しくないと言わずに誤魔化したのかも知れません。
まとめ
やはり、リンゴの風味が飛んでいるのが評価が低い原因ではないでしょうか。
作りたては美味しかったので、8ヶ月も冷蔵庫で乾燥させずに作る事が出来れば、もう少し高い評価をもらえるかも知れません。
そうなると、砂糖を煮詰める時に、もう1℃とか2℃高い温度を見極める技術が必要ですね。
あと100回も練習すればその技術を会得出来るかもしれませんが、もう遠慮しておきます。
やはり本物のハイチュウは凄いですね。