今回は3つの研究があります。
研究その1
京都御苑の鷹司邸跡にスダジイの木があります。
これが鷹司邸の説明。
こういった歴史的な事も面白いのですが、私はそれよりもスダジイに興味があります。
今の季節、この木の周りには、このようなドングリが落ちてるのです。
これがスダジイです。
このように殻斗(かくと)という殻に包まれている物もあります。
これらを子ども達と一緒に拾い、持ち帰りました。
殻を剥くと、このような実が出てきます。
スダジイは、アクが少ないので、このまま生でも食べる事が出来ます。
生で食べても決して美味しいわけでは無いですが、うっすら甘味を感じます。
全部殻を剥きました。
たったこれだけの殻を剥くのに、8歳の息子と、6歳の娘と、私の3人がかりで、30分以上かかりました。
これをご飯と一緒に炊きます。
ご飯は普通どおりの水加減で、そこにスダジイを入れて普通に炊くだけです。
栗ご飯と同じです。
スダジイご飯。
スダジイは、このようにご飯と一緒に食べるのもなかなか美味しいです。
味は、栗ご飯に似ていますが、栗ご飯の美味しさには適いません。
それでも自分達で拾ったドングリですから、格別なものがあるのです。
これも立派な秋の味覚なのです。
研究その2
京都御苑の寺町御門から入ってすぐの所に、シイの木がたくさん生えています。
シイの木とは、ドングリの中で最も美味しいドングリの生る木です。
この辺りは、どちらかと言うと人通りが少なく、私もあまり通らないので、今までシイの木の存在に気が付きませんでした。
この通り、シイの実が沢山落ちています。
シイの実は、ドングリの中で最も美味しいので、私以外にも拾う人が居るために、たいてい落ちていてもまばらなのですが、ここはあまり知られていないのでしょう。
これほどまでに沢山落ちたまま放置されているのは珍しいです。
こんなに沢山落ちていたらテンション上がってしまいます。
ちょっとずんぐりしたタイプの物もあります。
こちらは、ツブラジイだと思ってましたが、それは間違いで、調べてみると、どうやらこれもスダジイみたいです。
ツブラジイは、もっと丸いみたいです。
また、細長いはずのスダジイにも丸い物があるみたいで、スダジイとツブラジイの区別がはっきりよく分からないので、これらをまとめてシイの実としておきます。
私の興味は、スダジイとツブラジイの区別よりも、これらを食材としてどのように美味しく調理するかという事に重点が置かれているのです。
このシイの実は、ドングリの中で一番美味しいです。
…と言っても、栗の美味しさには到底及びません。
はっきり言って、舌が肥えた現代人には、物足りない味でしょう。
しかし、このように、食べられるドングリが落ちていれば、拾わずに居られないのです。
体が勝手に動いて拾ってしまいます。
これだけ拾ってきました。
多く拾っても、処理するのに手がかかるので控えめに拾ったつもりです。
さて今回は、これをどのように料理しようかな。
炒りました。
炒ると殻が割れて剥きやすくなるのです。
もちろん、このまま食べても十分食べられます。
味は、栗のような味ですが、栗に比べると物足りないです。
また、冷めると急激に硬くなり、風味も無くなるので、10粒食べた頃には、口も飽きて、冷めて風味が無くなり、硬くなり、それ以上は手が進まないでしょう。
殻を剥きました。
炒ると簡単に殻を剥く事ができるのです。
所要時間は約30分でした。
生だったら何時間もかかったかもしれません。
計ってませんが、150gくらいの剥きドングリができました。
ただ、この剥きドングリは、炒った後に冷めた物なので、このまま食べるのは硬いので、さらに加工する必要があります。
結局裏ごししました。
このように手をかけてやらないと美味しく食べられないのがドングリなのです。
そうと分かっていても、何故か拾ってしまうのです。
裏ごしドングリが出来ました。
これをクッキーやパンに練りこんで焼くと驚くほど美味しくなります。
ドングリクッキーや、パンについては
ドングリでパンとクッキーを焼く(ドングリ2012)
ドングリ2014 ドングリパン
をご覧ください。
さんざん美味しくないと言いましたが、クッキーやパンにすると美味しくなります。
これは本当です。
ですから、ドングリを拾いすぎて困ったらクッキーやパンにすると良いでしょう。
しかし、ドングリクッキーやパンは何回も焼いているので、今回は、ちょっと頑張ってドングリモンブランを作ってみようと思います。
これでドングリモンブランペーストが出来ました。
マロンペーストに比べると、白いですが、このままで良いでしょう。
カステラを買ってきて乗せました。
スポンジ生地の代用です。
ここは手抜き。
ドングリモンブランペーストを塗りつけて完成!
これは、ものすごく手間隙かけた技が光る逸品であると自負しております。
美味しい、ドングリモンブランペースト以外は、美味しいです。(笑)
やはり、ドングリはパンに練りこむのが良いですね。
研究その3
京都御苑には、このようにドングリの説明が設置されています。
※画像をクリックすると大きく表示されます。
私は、スダジイ(イタジイ)と、コジイ(ツブラジイ)の区別がよく分からないので、これを参考に調べてみようと思います。
掲示されているように、葉も一緒にして見比べると分かりやすいですね。
これはスダジイでしょう。
京都御苑に、本当にコジイは、あるのでしょうか?
私は、見た事がありません。
しかし、設置されている説明によるとコジイ(ツブラジイ)も京都御苑で見る事が出来ると書いてあります。
ひょっとして、あれが設置された後に、ナラ枯れでコジイが無くなってしまったのではないのでしょうか?
ナラ枯れとは、カシノナガキクイムシが媒介するナラ菌により、ナラなどドングリの木が枯れる事です。
京都御苑では、ナラ枯れ防護対策として、カシノナガキクイムシが木に侵入できないように、木の表面に保護材を塗ったりビニールシートで保護したりしています。
今では京都御苑内のドングリの木ほぼ全てが、木の表面が保護材でテカテカだったり、ビニールシートが巻いてあったり、何らかの保護がされています。
これは、ビニールシートで保護されたドングリの木。
ドングリを探すには、まずこういった木を探せば良いのです。
だから、京都御苑でドングリの木を見つけるのは簡単なのです。
それなのに、私は、京都御苑内を隈なく散策してるつもりなのに、コジイを見た事が無いのです。
コジイの存在をご存知の方がいらっしゃれば教えてください。
さて、また拾ってしまったので、スダジイを料理します。
料理ブログですから、ここまでは前置きで、ここからが本題です。
以前から、ドングリは、パンかクッキーにするしか美味しく食べる方法は無いと言っておりますが、それだけでは飽き足らず、新たなる料理に挑戦しようと思います。
まずは、炒ってから、殻を剥いて、茹でます。
今回は、マロングラッセを参考に、軟らかくなるまで茹でてから、砂糖を入れて煮込もうと考えております。
要するにドングリグラッセを作るのです。
15分くらい茹でたら軟らかくなってきたので砂糖を投入して煮込みます。
さらに15分くらい茹でたら、ふにゃふにゃに溶けてしまいました。
箸でつまんだら壊れるくらいの軟らかさです。
こりゃいかんなぁ…
結局、ドングリグラッセではなく、ドングリ餡が出来てしまいました。
ちょっと味見してみると、これが案外美味しいのです。
これはこれで美味しいので結果オーライかな。
美味しい!
シイの実は、餡にすると美味しいです。
これは大発見!
今度は、さらに一ひねり加えた料理にも挑戦です。
まず、さつま芋を茹でます。
ドングリきんとん。
美味しいです!
けど、栗で作ったほうがもっと美味しいです。
いや、それを言っちゃぁいけないですね。
それでも、ドングリをこれだけ美味しく料理できたのは、我ながら驚きでした。
と、喜んでいたのですが、ドングリきんとんを、冷蔵庫で一晩置いたものは、急激に味が落ちました。
さつま芋が美味しいので、料理全体のレベルは、少ししか低下しませんででしたが、ドングリの部分は明らかにマズくなっていました。
炒ったドングリが、冷めたらマズくなるのと同様、ドングリきんとんも、冷やしたらマズくなくなるのですね。
逆に、ドングリ餡トーストは、温かいうちに食べたから美味しかったです。
また、先日作ったドングリモンブランは、冷やして食べたからドングリの部分がマズかったです。
という事で、シイの実は、餡にしても美味しいです。
ただし、温かいうちに食べられるような工夫が必要です。
しかしこれは、大発見ですよ。