マテバシイのパンとケーキ,炒りスダジイ,クヌギのパン (ドングリ2013 その1)
の続きです。
またまたドングリの食べ方を紹介します。
これはシリブカガシ。
直径2cmくらい。
表面に白い蝋のようなものが付いています。
殻をむいて、生でかじってみると、大丈夫、食べられます。
炒ると、表面の白いものは溶けて、艶々になりました。
味は、少し栗っぽいです。
マテバシイを栗っぽくしたような味ですが、マテバシイよりも味は劣ります。
けれど、全く問題なく食べられます。
これは、一般的に食べられるドングリと言って良いでしょう。
これは、シラカシ・アラカシ・イチイガシなどです。
直径1.5cmくらい。
一般的にはこの種のドングリは、食べられないとされています。
ですから普通の人間は、この種のドングリを食べようとは思わないでしょう。
しかし調べてみると縄文人は、食べていたみたいです。
という事は、本当は、食べられるのですね。
では、殻をむいて、少し生でかじってみましょう…
ぐえ~!!
アクが強すぎて強すぎて、口の中でアクが爆発して、食べられません。
すぐにぺっと吐き出しました。
これはウバメガシ。
直径2cmくらい。
これもアクが強すぎて、ほんの1ミリかじっただけで、アクが爆発して、もう飲み込めません。
4歳の娘が、果敢にも生で試食しましたが、洗面所にダッシュしてうがいしてました。
こんなもの、人間の食べるものじゃないです。
最初に紹介したシリブカガシは、全く問題なく食べられますが、それ以外の、シラカシ・アラカシ・イチイガシ・ウバメガシはアクの強いドングリで、一般的に食べられないと言われています。
私も、身をもって試食した結果、こんなもの人間の食べるものじゃないという感想を抱きました。
しかし、先ほども言ったように縄文人は、これらを食べていたのです。
では、どうやって食べていたのでしょうか?
縄文人はアクに強かったのでしょうか?
確かに、歴史の教科書に載っていた縄文人のイラストは、アクに強そうな顔をしていました。
いやいや、そういう問題じゃなくて、さすがの縄文人も、生で食べていたわけでなく、アクを抜いて食べていたみたいです。
だから、アクを抜けば食べられるという事なのですが、さてどうやってアクを抜いたら良いのでしょうか?
これが大きな問題なのです。
実は、昨年これらのドングリのアク抜きに挑戦して、失敗しました。
何回も茹でこぼしてアクを抜いたつもりでしたが、まだまだ全く食べられないレベルの強烈なアクが残っていて、断念したのです。
失敗してもタダでは起き上がらないこのブログ、昨年は失敗したまま終わったので、この事は、記事になりませんでした。
そして、1年経ってまた今年、ドングリのアク抜き再挑戦です!!
果たしてうまくいくのでしょうか?
殻をむいたドングリを茹でます。
多少の渋皮が付いたままでも大丈夫です。
茹でると渋皮は浮いてくるので、茹でこぼせば取れます。
「ムワッ!」と湯気に何か強烈なものを感じます。
きっと湯気にも強烈なアクが含まれていて、吸い込むと喉がやられるのではないでしょうか?
たぶん気のせいだと思いますが…
2時間くらい茹でたものを裏ごしします。
裏ごしするのは、ドングリを細かくするのが目的です。
細かくして、アクを抜きやすくするのです。
裏ごしドングリです。
この時点でのアクは、まだまだ強烈で、食べられません。
アク抜きは、ここからが本番。
大きな鍋で、たっぷりのお湯を使って裏ごしドングリを茹でます。
沸騰したら火を止めます。
火を止めてしばらくすると、ドングリが沈むので、上澄みを捨てます。
またたっぷりのお湯でゆでる → 火を止めて上澄みを捨てる。
またたっぷりのお湯でゆでる → 火を止めて上澄みを捨てる。
合計3回これを行いました。
上澄みを捨てた状態。
少し味見してみると…
もうアクを感じません!!
やった~!!アク抜き成功!!
布で水分を絞りました。
こしあんみたいだから、これをドングリこしあんと呼ぶことにします。
見た目は、こしあんみたいですが、味はマズイです。
木のような味とでも言いましょうか?
木の実だから、木のような味がして当然かもしれませんが、ちょっと期待はずれ。
せっかく苦労してアクを抜いたのですが、あまり食べる気が起こりません。
しかし、捨てるなんてとんでもない。
せっかくだから、縄文人の食を体験する勉強と思って、これを使って縄文クッキーでも作りましょう。
縄文クッキー
縄文人の食を勉強と言っても、マズイのは食べたくないから、バターや砂糖も配合して、現代の味覚に合うように改良しています。
これが意外と美味しいです!!
いや、決して美味しくはないのですが、意外と美味しいです。(どっちやねん!)
もうちょっと改良したら本当に美味しいものができそうです。
まず、ドングリこしあんの状態で配合していたために、水分が多く湿ったクッキーだったので、どんぐりこしあんを乾燥させて、ドングリ粉にしました。
これをクッキーに配合します。
他にも配合を改良して再びクッキーを焼いてみます。
縄文クッキー(改)
美味しい!!
現代でも通用する美味しさ!!
あの木のような味が、こんがり焼くと香ばしくなって、まるでグラハムクッキーみたいに、本当に美味しくなりました!!
あの強烈なアクのドングリが、こんなに美味しくなるなんて、奇跡かもしれません。
感激です!!
これで、どんなドングリでも工夫次第で美味しく食べられるという事が分かりました。
これからは、うっかりドングリを踏ん付けられませんね。
◆縄文クッキー(改)の作り方
※真似する方は、あまりいらっしゃらないとは思いますが、レシピを載せておきます。
ドングリ粉 40g
バター 20g
強力粉 20g
粉砂糖 15g
重曹 1g
クエン酸 1g
全ての材料を混ぜて、180℃のオーブンで20分焼けば出来上がり。
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