不二家のカントリーマアムは美味しいですね。
外はサクッとして、中はしっとりで、家で普通にクッキーを焼いてもあんな風にはなりませんよ。
あれは、いったいどのように作られているのでしょうか。
不二家カントリーマアムのサイト によると、カントリーマアムは、1970~80年代にアメリカで登場した「焼きたてクッキー」を元に開発されたとの事。
焼きたてクッキーというのは、アメリカの家庭で手作りされるクッキーの事です。
アメリカの家庭で作られるスイーツというのは、材料をガチャガチャ混ぜて焼くといった、簡単なレシピが多いので、それを元に作られたカントリーマアムは、意外と簡単に作れるかも知れません。
話は脱線しますが
アメリカのクッキーについて調べていたら、こんな事を知りました。
アメリカのスーパー等には「クッキー・ドウ」という焼く前のクッキー生地が普通に売られているのですが、なんと、それを好んで生で食べる人がいるとの事!
こちらのドラマなんかを見ていると、よく登場人物がフラれて、女友達が彼女の家に集まり、思いっきりグチりながら、甘いモノを食べまくる……というシーンがあります。そしてこの時のヤケ食いによく登場する定番アイテムが、アイスクリームと「クッキー・ドウ」。しかもお皿に盛らず、容器からそのまま食べるのがお約束です。
出典:日系トレンディネット 男にフラれたときは「生クッキー」のヤケ食いはいかが?※2019年7月6日注、上記はリンク切れになっております。
確かに、私も焼く前の生のクッキーを味見する事はあります。
それが以外に美味しいのですね。
けれどもそれは、焼きあがった時の味をイメージするための味見であって、生を好んで食べる事は無いでしょう。
そもそも生の小麦粉は、舌にザラザラと残り、喉にも残り、美味しくないでしょ。
てか体に悪いでしょ。
そしたら、こういうニュースも見つかりました。
「生のままクッキー生地を食べると危険」とアメリカ食品医薬品局が警告
そんな事、アメリカ食品医薬品局に言われんでも分かっとるわ!
クッキーを生で食べないようにという警告が出るという事は、生で食べる人がいるのは本当だったのですね。
恐るべし、アメリカ人の胃袋!
話はカントリーマアムに戻ります
作り方を調べるために「カントリーマアム 作り方」なんてキーワードで検索してみました。
すると…
数え切れないほどのレシピがヒットします。
きっと多くの人が挑戦しているのでしょうね。
あまりにも膨大なレシピで、それぞれが全く違うレシピなので、どれを参考にすればいいか分かりません。
とりあえず自分で考えて作ってみる事にします。
カントリーマアムのレシピを考える
カントリーマアムのサイトには外側のサックリ層と中側のしっとり層は、それぞれ原料も仕込みも全く違う生地であると書かれています。
外側と中側の食感の違いがカントリーマアムの美味しさの秘訣だと思います。
それでは 不二家カントリーマアムのサイト に載っている原材料を参考にしてレシピを考えてみます。
<バニラ>小麦粉、砂糖、植物油脂、チョコレートチップ(乳を含む)、還元水あめ、卵、白ねりあん(乳を含む)、全脂大豆粉、脱脂粉乳、水あめ、食塩、卵黄(卵を含む)、全粉乳、デキストリン、加工デンプン、乳化剤(大豆由来)、香料(乳・大豆由来)、安定剤(加工デンプン)、膨脹剤、カラメル色素
何やら、えらい沢山入っとるなぁ。
原材料は、外側の生地も中側の生地も、全部の材料が一緒に表記されてるから判断が難しいなぁ。
白ねりあんが入っているという点には注目です。
それ以外は、深く考えずに、とりあえず試作という事で、作ってみます。
カントリーマアムを試作
薄力粉 60g
チョコチップ 30g
バター 20g
グラニュー糖 20g
白あん 15g
水あめ 10g
溶き卵 5g
バニラエッセンス 2滴
<外側サックリ生地の材料>
薄力粉 50g
バター 30g
粉砂糖 20g
片栗粉 10g
溶き卵 5g
白あんは、わざわざ作りました。
既製品を買うと、ものすごく高いですから。
1.中側しっとり生地を作る
バターとグラニュー糖を混ぜる
白あん・水あめ・溶き卵・バニラエッセンスを加えて混ぜる
薄力粉を加え混ぜる。
チョコチップを加えて混ぜる。
2.外側サックリ生地を作る
バターと粉砂糖を混ぜ、薄力粉・片栗粉を混ぜました。
すると生地がパサパサだったので、溶き卵を加え混ぜました。
3.生地を分割する
生地を適当な大きさに分割しました。
4.整形する
外側の生地を手のひらで伸ばしてから、中側の生地を包み、天板に並べます。
5.低温でじっくり焼く
160℃のオーブンで18分焼きました。
6.冷ます
冷めたら完成です。
7.試食
中側のしっとり生地が外側のサックリ生地に包まれて2層になっています。
さて、お味は?
美味しい。
とても美味しいです。
しかし…
カントリーマアムの味に似ていますが、違います。
特に食感が違います。
これは、外側も中側もしっとり軟らかくなってます。
中側はしっとりしていますが、本物のようなとろけるような軟らかい生地ではありません。
家族の評価は高かったですが、やり直しです。
カントリーマアム試作第2弾
薄力粉 40g
チョコチップ 40g
バター 30g
グラニュー糖 20g
白あん 20g
水あめ 10g
卵黄 5g
バニラエッセンス 3滴
<外側サックリ生地の材料>
薄力粉 40g
バター 30g
粉砂糖 20g
片栗粉 5g
きな粉 5g
卵黄 5g
※中側の生地は、よりしっとり軟らかくするために薄力粉を減らし、チョコチップと白あんを増やしました。
※外側の生地は、よりサックリさせるために溶き卵を卵黄に変更して、きな粉を加える事にしました。
試作第1弾と同じ要領で作ります。
170℃で9分、160℃で5分焼きました。
生地が軟らかかったので、焼いたらダレて広がりました。
味は、美味しいのだけど、ただのソフトなチョコチップクッキーになってしまいました。
そして、第1弾よりもカントリーマアムから遠ざかりました。
家族からは好評でした。
ソフトなチョコチップクッキーとしては、とても美味しいです。
しかし、またやり直しです。
本物のカントリーマアムを食べて勉強する
勉強のために買ってきました。
本物は、チョコチップの形がほとんどありません。
そして、中側のしっとり生地の味は、あんこ感が強いです。
極端なたとえかもしれませんが、お饅頭みたいなクッキーです。
アメリカの焼きたてクッキーが元になっているという情報を信じて、アメリカ的なレシピで攻めてきましたが、視点を変えて、お饅頭的なレシピに改良してみましょう。
カントリーマアム試作第3弾
白こしあん 30g
チョコレート 10g
バター 10g
水あめ 20g
卵黄 5g
片栗粉 10g
薄力粉 15g
チョコチップ 25g
バニラエッセンス 3滴
<外側サックリ生地の材料>
薄力粉 50g
バター 30g
グラニュー糖 20g
片栗粉 5g
きな粉 5g
卵黄 5g
中側しっとり生地の作り方を大幅に変更
バター・チョコレート・白こしあんを、火にかけて混ぜる。
火にかけるのはチョコレートを溶かすためで、チョコレートが溶けたら火を消します。
残りの材料を混ぜて、最後にチョコチップを混ぜる。
生地が軟らかいですが、冷蔵庫で冷やせば丸められる固さになります。
それ以降の手順は今までと同じ
外側サックリ生地を作る。
生地を適当な大きさに分割して丸めて包み、指で押さえて整形し、天板に並べる。
170℃のオーブンで10分焼きました。
焼き上がりは軟らかいです。
冷ましたら固まってきました。
さて、お味は?
お!
おおっ!
かなりカントリーマアムに近付きました。
食感はそっくりです。
本物のカントリーマアムは、中側のしっとり生地が口の中で溶けますが、あれは、原料となる植物油の融点を口に中で溶けるように調節しているのでしょう。
そういった技術は、手作りでは真似できないので、とりあえずバターとチョコレートを混ぜて口溶けを再現しようとしましたが、やはりちょっと違いました。
レシピはまだ改善の余地がありますが、味はかなり近付いたので、これで良しとしておきます。
結論
カントリーマアムを食べたくなったら、素直に本物を買って食べましょう。
一生懸命に試作を繰り返して、そう思いました。
手作りするなら、普通のチョコチップクッキーを作った方が賢明です。
チョコチップクッキーって、バターやチョコチップをふんだんに使って手作りすると、ものすごく美味しいですよ。