京都御苑にある椿の実です。
この実から椿油が取れます。
椿油とは
椿油と言えば、椿の種から採った油です。
化粧品としては、昔から日本人の頭髪や肌に美容油として使われていました。
日本人の体質によく合っているのだと思います。
また料理では、最高級の揚げ油と言われ、私は食べたこと無いですが、とても軽やかで油とは思えない味らしいです。
椿油の価格は、だいたい100mlで1000円以上します。
そんな高価な油で揚げ物なんぞした日にゃ家計がすぐに底を尽きるっちゅうの!
そこで、このブログなら当然の流れですが「自分で椿油を作ってみよう。」という事になりました。
1.椿油の作り方
2.椿の実を収穫 → 干す → 種を取り出す
2−1.椿の実の収穫時期について(2020年8月3日追記)
3.種を炒る → 潰す
4.殻を剥く → 炒る
5.すり潰す
6.煮る
7.浮いたものをすくう → 濾す → 搾る
8.煮詰める
9.濾す
10.完成
11.まとめ
椿油の作り方
椿油を手作りする方法を、本やネットでいろいろ調べました。
1.椿の実を収穫する
2.干す
3.種を取り出す
4.種を炒る
5.すり潰す
6.煮る
7.上澄みを濾す
8.煮詰める
9.濾す
10.完成
油屋さんなら圧搾機などの道具があるでしょうが、もちろん我が家にはそんな道具はありません。
上記の方法なら家でも出来そうです。
他にも手作りの方法はあるみたいですが、今回はこの工程でやってみます。
椿の実を収穫 → 干す → 種を取り出す
まず椿の実を収穫してきました。
重量は量ってないですが、およそ1kgです。
これを干しておきます。
椿の実の収穫時期について(2020年8月3日追記)
今回収穫したのは8月から9月にかけての時期でした。
これは収穫時期としては早いです。
理想の収穫時期は、椿の実が弾けて中の種が落ちる頃です。
椿農家では、椿の木の下にシートを敷いて、そこに落ちた種を集めます。
ですが、それは椿農家の話で、私のように、趣味で野生の椿の種を採取する場合は、実が弾ける直前に収穫するのが現実的です。
そういった意味で、私の住む京都なら、10月になるかならないかという時期が理想の収穫時期です。
収穫時期が早いと、油の含有量が少ないです。
じっくりと油が乗るのを待ってから収穫するといいでしょう。
ー2020年8月3日の追記終わりー
1週間くらい干すと、実がぱっくり割れて中の種が出てきます。
種の重量は204g
圧搾機があれば、種の重量の25%である50gくらいは油が取れる計算ですが、もちろん家に圧搾機などありません。
我が家では、種をつぶして煮詰めて油を取り出す方法でやります。
この方法だと、種の重量の10%である20gの椿油を取れたら十分だと思います。
20gじゃあ、揚げ物は無理ですね。
せいぜい、サラダのドレッシングに使える程度でしょうか?
種を炒る → 潰す
まず、種を軽く炒ります。
焦がすのでは無く、水分を飛ばす為です。
炒った種をつぶします。
あれ?
硬くてつぶせません。
それもそのはず、栗のように固い殻の中に実が入っています。
殻ごとつぶせるわけがありません。
殻を剥く → 炒る
結局、1時間以上かけて殻をむきました。
殻をむいたら中身の重量は74g
また軽く炒ります。
とても香ばしくて、ナッツのような美味しそうな匂いがするので、一粒食べてみました。
すると…
ぐえっ!!
渋すぎる!!
喉の奥がビリビリくる渋さです。
うっかり半分飲み込みましたが、半分は吐き出しました。
すぐに、うがいをして事なきを得たと思っていた矢先、奥歯に詰まった実が、じわじわとビリビリ感を供給してくるではありませんか!
口の中がマズくてマズくて仕方ありません。
結局、歯も磨きました。
その後も30分くらいは、喉にビリビリ感が残っていました。
椿の実は、美味しそうですが食べられません。
さて、炒ったら68gになりました。
すり潰す
炒った実をすりつぶします。
今度はちゃんとつぶせました。
いかにも油っこい感じがします。
煮る
鍋に湯を沸かします。
すりつぶした実をグツグツと40分煮ます。
40分後。
味噌汁みたいですね。
いや、よく見ると坦々麺のスープのようで美味しそうです。
飲んでみたい気もしますが、ものすごくマズイだろうから止めておきました。
画像では分かりにくいですが、油が浮いています。
浮いたものをすくう → 濾す → 搾る
浮いた部分をすくって
キッチンペーパーで濾します。
ぎゅ~っと押さえつけて搾ります。
おたまで押さえるだけでは搾る力が足りず、手で握りつぶすように搾りました。
そしたら手が油でヌルヌルになりました。
このような液体が取れました。
ここには手がヌルヌルになるだけの油分が濃縮されているのです。
煮詰める
これを煮詰めて水分を飛ばします。
煮詰まってきました。
見た目はドロドロの焦がしバター、匂いは香ばしいナッツの匂いです。
ここからどれだけの油が取れるのでしょうか?
濾す
最後にティッシュペーパーで濾します。
ずいぶんと多くの工程を経ましたが、これが最後の工程です。
このドロドロの中から椿油だけが下に落ちているはず。
ちゃんと落ちているのかな?
少し心配しながらティッシュを外します。
完成
おお!!
椿油が出来ました。
完成重量は、あまりにも少量のため計測不能です(笑)
しかし少ないですね。
これじゃぁ料理に使っても味が分からないだろうから、料理に使うのは止めておきます。
そのかわり、指に付けてなめてみました。
ナッツのような心地よい香りが広がって軽やかで油とは思えない美味しさです。
比較のためにサラダ油をなめてみましたが、味も香りも無く、軽やかさが無いです。
やはり椿油は、めちゃくちゃ美味しい!
グビグビ飲みたいくらいです。
もし、こんな油で揚げ物なんかしたら、この世のものとは思えないくらいに美味しいでしょう。
パンに付けて食べても美味しいと思います。
残りの油は、化粧油として家族で使っています。
こんなに少量の油でも、指にチョンと付けるだけで、手のひらの面積くらいは軽く伸びて、何回か使いましたが、まだまだ残っています。
使い心地は抜群で、すっと肌に浸透していきます。
日本人の肌との相性は抜群です。
おそらくホホバオイルよりも良いのでしょう。
まとめ
椿の実を収穫して椿油を取るところまでやってみました。
1kgの椿の実を収穫して、完成した椿油はほんのごく僅かでした。
実を収穫する時期が早かったために油の量が少なかったのかも知れません。
実際に成熟しきってない実がいくつもありました。
収穫のタイミングが良ければもう少し量が採れると思います。
まあそれにしても、感動的に品質の良い油でした。
こんなに素晴らしい油が取れるなら、今回の椿油の作り方とは一線を画し、いっそのこと圧搾機を買っちゃいましょうか。
圧搾機で搾れば簡単に油が取れるはずですから。
ちなみにアマゾンで圧搾機を調べると、このような商品がヒットします。
そんなに高くないかもしれませんが、お試し感覚では手が出ない値段だなぁ。
しかし、もっと良い油絞りの方法があるかもしれないので色々調べてみます。
もしかしたら、この自家製油シリーズ続くかも知れません。
関連記事:椿の花を食べる