これは、自家製醤油を絞った後に残った醤油粕です。
この醤油粕のできるまでについては、以下をご覧ください。
2014年初挑戦の醤油醸造 仕込みから経過編
2014年初挑戦の醤油醸造 完成編から火入れ編
さて、この醤油粕の量は、1.5キログラムくらいあります。
何せこれはカスですから、特に使い道が無く、困っています。
キッコーマンやヒガシマルなどといった醤油を製造している企業では、醤油粕の処理は、どうしているのでしょうか?
もちろん大手企業で醤油を製造しても醤油粕が発生します。
それらは、昔は産業廃棄物として処分されていましたが、2000年に食品リサイクル法という法律が施行されたことによって、現在は、ほぼ100%リサイクルされています。
厳密に言うと、大手醤油製造企業が自社で醤油粕をリサイクルしている訳ではなく、廃棄物処理業者に醤油粕のリサイクル処理を委託しています。
廃棄物処理業者がきちんとリサイクル処理しているかというと、そこまで分かりません。
なぜ、そんな懐疑的なことを言うのかというと、ココイチの冷凍カツの問題もありましたし、廃棄物処理業者に関して不透明な部分がある事は否定できないからです。
しかし、ここではきちんとリサイクル処理されているとして話を進めますね。
どのようにリサイクルしているかと言うと、家畜の飼料や、また、乾燥させて燃料としたり、塩分を水洗いして肥料として利用したりなどしています。
しかし、我が家では上記のようなリサイクル方法は、あまり現実的でありません。
今回は、以下4つの方法で醤油粕の有効利用を試みてみました。
醤油粕漬け野菜
一般家庭では、醤油粕を漬け床として利用するのが最も簡単な利用法のようです。
醤油粕に何も混ぜず、そのまま野菜を漬け込みます。
キュウリと大根を漬けてみます。
キュウリはそのまま漬けますが、大根は、たくあんのように、乾燥させてから漬けてみようと思います。
縦に4等分にしてネットで1週間くらい乾燥させました。
乾燥させた大根を醤油粕の中に漬けました。
あと、埋もれて見えませんが、キュウリも一本入ってます。
キュウリは、1日半(約36時間)で取り出しました。
キュウリの醤油粕漬け。
これはうまい!
キュウリに生醤油が染み込んだ味で、期待以上の美味しさでした。
大根は、1週間くらい漬けてから取り出しました。
大根の醤油粕漬け。
これもうまい!
たくあん漬けのようで、生醤油の味がして、期待以上の美味しさでした。
きっと醤油の絞り方が弱く、醤油粕に醤油がたくさん残っていたので、それが漬物に染み込んで美味しくなったのでしょう。
醤油粕漬けベーコン
醤油粕に豚肉を漬け込んでベーコンを作ります。
米国産豚ばら肉を買ってきました。
本当は、国産豚ばら肉を買いたかったのですが、あまりにも高いので手が出ませんでした。
いつもベーコン用のお肉は、スーパーで国産豚ばら肉が半額になった時に買うのですが、最近は半額との出会いがなく、米国産を買いました。
豚ばら肉を、醤油粕とコショウを混ぜたものに10日間くらい漬けます。
醤油粕を洗い流して、一晩水に漬けて塩を抜きます。
クッキングペーパーで水分を拭き取り、冷蔵庫にラップをせずに入れて1日乾燥させます。
サクラのスモークウッドに粉末ピートを1割くらいブレンドしてスモークします。
3時間くらいスモークすると、すっかりいい色になりました。
1日寝かせる。
煙の匂いがきついので、1日か2日くらい冷蔵庫で寝かせると、ちょうど良くなります。
醤油粕漬けベーコン。
これも期待以上の美味しさでした。
醤油粕には発酵微生物や酵素が生きているから、きっとそれらの働きで美味しくなったのでしょう。
醤油粕のパワーは、結構すごいかも…
しかし、漬け床として利用するのも確かに有効利用に違いないのですが、数回利用すれば、その漬け床は役目を終えるので、結局捨ててしまう事になります。
そうなんですよ。
結局捨ててしまうのです。
漬け床よりも、もっと良い方法は、やはり食べてしまう事です。
そこで、醤油粕を食べるレシピを考えてみました。
醤油粕ドレッシング
醤油粕 120g
酢 80g
醤油 30g
砂糖 5g
サラダ油 100g
ごま油 20g
ごま 20g
ボウルに全ての材料を入れます。
マルチブレンダーでギュイーンと混ぜてしまいます。
完成。
簡単に完成したように見えますが、実際は、味見して→足りない味を足して→また味見して→また足りない味を足して…
などを、数回繰り返し、最終的に上記のレシピにたどり着きました。
キャベツの千切りにかけていただきます。
非常にまろやかな味で美味しいです。
醤油粕の食物繊維が残っている為か、ドロドロとしたドレッシングになっています。
味噌っぽい味もしますが、味噌ではありません。
そもそも醤油粕と味噌は、同じ大豆からできています。
そして、製法も似ているので、当然味も似ているのですが、醤油粕は搾りかすですから、美味しい部分は醤油に持っていかれています。
だから味噌と同じようには使えません。
けど、このように、他の調味料を足して混ぜると、もともと発酵微生物と酵素が生きていますから、何かよく分からないけど美味しいのです。
醤油粕ふりかけ
まず、ドライ醤油粕を作ります。
フライパンに油をひいて、弱火で醤油粕をじっくりと炒め、水分を飛ばします。
焦がさないように弱火でじっくりと炒めます。
だんだん水分が飛んでポロポロになってきました。
ほとんど水分が飛んで、サラサラになりました。
これで、ドライ醤油粕が出来ました。
これをふりかけの材料として使います。
ドライ醤油粕 7g
ごま 3g
砂糖 6g
刻み海苔 3g
粉かつお 2g
ごま油 1g
フライパンにごま油以外の材料を入れ、弱火でよく混ぜながら炒めます。
熱で砂糖が溶け始めるので、焦がさないように注意しながら、全体に砂糖が絡みつくように混ぜます。
砂糖が絡まってきたら、ごま油を加え混ぜ、耐熱性の容器に入れて冷まします。
全体に絡みついた砂糖が、冷え固まって、パリパリサクサクのふりかけになります。
あったかご飯にかけていただきます。
美味しいです。
バランスの良い味わいになりました。
子ども達は、ご飯を何回もおかわりして食べてました。
ちなみに上記のレシピに到達したのは、2回試作した後の3回目でした。
まとめ
醤油粕は漬け床としてとても優れています。
期待以上に美味しく漬かりました。
しかし、数回使えば捨てる事になるので、真のリサイクルとは言えないかも知れません。
真のリサイクルは、やはり食べてしまう事だと思います。
しかし、醤油粕を食べるには、やはり搾りかすですから、それだけでは味が弱いです。
けれど、他の食材で足りない部分をカバーすると、発酵による深みがありますから、美味しく出来る事が分かりました。
醤油粕を使った料理は、作ってみると面白くて、もっと作りたくなりました。
けど、もう全て使い切ってしまいました。
最初は処分法に困っていた程なのですが、今ではもっと欲しいと思うくらいです。
また、早ければ半年後に現在熟成中の醤油が完成して、醤油粕も発生するので、その時まで楽しみに待つ事にします。
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