ピータン作りに挑戦です。
ピータンは、卵をアルカリ性の粘土で包むことによって作ります。
本当はアヒルの卵を使うみたいですが、手に入りやすい鶏卵で作ってみようと思います。
参考にしたのはこちら↓
北京料理 盛華亭 中華雑学 「ピータンについて」
ピータンの作り方
鶏卵 3個
塩 20g
炭酸ナトリウム 45g
消石灰 15g
粘土 卵に塗れる量
木灰 30g
茶、モミガラ・適量
材料をあわせる水
見慣れない材料名がいくつかありますね。
まず、そういった材料の説明からしていきましょう。
炭酸ナトリウムは、洗剤コーナーに売ってます。
これは、ダイソーで購入しました。
初心者の方に大人気!!思い通りになる粘土!!お試しください。陶土・陶芸用粘土 有田土物 細目(... |
粘土ですが、都会に住んでいたら、そんな物は簡単に手に入りません。
山に掘りに行くべきでしょうか?
けど、山の何処に掘りに行ったら良いか分かりません。
そして粘土を買うとなると、このような商品が一番安そうですが、10kgですよ。
こんなの買ったら陶芸を始めなければならなくなります。
考えた結果、粘土は、小麦粘土を使用することにしました。
小麦粘土とは、小麦粉に水を加えて練り、粘土のようにしたものです。
木灰は、薪を燃やしたときに出た灰を取っておきました。
以上のような、料理の原材料としては極めて珍しいものを使います。
では、作り始めましょう。
まず、お茶を淹れて、冷ましておきます。
茶の種類は、特に指定が無かったので、家にあるほうじ茶を使いました。
小麦粉150gに冷めたお茶を注いで練ります。
お茶の量は小麦粘土の固さを見て調節します。
耳たぶの硬さでしょうか?
耳たぶの硬さとよく言いますが、そんな事言われて耳たぶをつまんでみても、私にはイマイチよく分かりません。
だから、粘土としてちょうど良いと思う硬さを目指します。
手が荒れるので、手袋を着用したほうが良いです。
硬ければ水を入れて、程よい粘土らしい硬さに調節します。
まず、粘土で卵を包み、それを新聞紙で包みます。
もみがらが無かったので、新聞紙で代用しました。
もみがらは、粘土同士が引っ付かないようにする為に使われているので、新聞紙でもきっと大丈夫でしょう。
甕にいれます。
甕じゃなくでも保存容器はビニール袋でもタッパー何でも良いのだけど、甕の方が何となく雰囲気が出るでしょ。
このまま冷暗所で40日くらい放置します。
冷暗所と言っても、我が家の冷暗所は押入れなんですが、連日の猛暑だから押入れ内も30℃越えてると思いますが、大丈夫なんでしょうか。
アルカリ性の粘土で包んでるから、きっと腐る事は無いと思います。
アルカリ性の環境だから微生物が活動できないのです。
だから、ピータンは微生物による発酵食品ではありません。
卵のたんぱく質が、例えば熱を加ると固まってゆで卵になるように、アルカリでも同じように固まるのです。
詳しい事はわかりませんが、とにかくアルカリで固まるという事です。
そして…
40日熟成させました
この40日間、この甕を押入れに保存していたのですが、だんだん押入れ内に異臭が漂い始めてヤバイと思いつつ、40日を迎えるまでは、何としてもこのまま保存するぞと忍耐を重ね、とうとう40日を迎え、めでたく解禁できるという訳です。
そして、プ~ン。
異臭。
エビが古くなったような匂いです。
ヤバイなぁ~。
プ~ン。
中の粘土は、別に腐っているように見えません。
けど、臭ってます。
卵の表面を完全に洗い流しました。
洗うと臭いはなくなりました。
きっと粘土が臭っていたのでしょう。
小麦粘土だから、きっと小麦に含まれているタンパク質が変化して臭ったのだと思います。
そうだとしたら、小麦粘土で包むのは、ちょっと考え物ですね。
では、これを試食してみます。
ええ!?食べるの!?
当然です。
怖いけど…
中身は固まってませんでした。
固まらなかったのは、アルカリが弱かったのでしょうか、それとも熟成期間が短かったのでしょうか、それとも小麦粘土がいけなかったのでしょうか。
また調べておきます。
色は、少しピータンっぽいどす黒い色になっています。
白身はサラサラとした液体となっていて、黄身は少し固まっている様子です。
怖いなぁ…
匂いは何ともありません。
普通の白身の匂いだと思います。
口の中に流し込むと…
味は?
ん…?
あ、
大丈夫だ。
塩味が少し効いてコクのある白身液体という感じです。
粘土に塩を練りこんであるので、塩味が付ているみたいです。
味から判断したところ、食品衛生的には大丈夫だと思うのですが、1口だけで十分、2口目が進みませんでした。
続いて、黄身を試食してみます。
黄身は柔らかいですが固まっているので、歯で噛んで少しだけ口に入れました。
モグモグ…
ん?
お?
大丈夫!
少しピータンぽい味がします。
ピータンっぽい半熟卵という感じです。
大丈夫でした。
ところで、そもそもの評価が、美味しいかどうか?ではなく、大丈夫かどうか?というのは、どうなんでしょうね。
残りの黄身は、キャベツ千切りに添えていただきました。
ピータンサラダっぽかったです。
ピータンの残り2個は、包んでいる新聞紙を取り替えて、あと1ヶ月くらい熟成させてみます。
そして、卵が固まらなかった原因を検証してみようと思います。
そして…
もう1ヶ月熟成させました
熟成70日を迎えました。
エビの古くなったような異臭がするので、最初は押入れに置いてましたが、匂いがこもるので、この1ヶ月は庭に置いてました。
さて、どのように変化したでしょうか。
あ、この色は?
ピータンの色じゃないか。
期待に胸を膨らませ、このまま殻を剥こうとしましたが、中身は固まっておりませんでした。
指を入れたらグサッと刺さり、中からドロッとした液体が出てきました。
何じゃこりゃ?
マジ驚きました!
※気分を害す方がいるかもしれないので、画像をモザイクにしていますが、興味のある方は画像をクリックして普通の画像をご覧ください。
「え!?食べるの?」
「もちろん食べますよ。」
「もしかしたら、食べたら美味しいかも知れないでしょ。」
「いや、食べんでも分かるやろ。」
「そうやな…正直言うと、食べたくないんや。」
「しかし、本当のところは食べてみなければ分からない。」
などと、心の中で葛藤しながら、実験結果を確かめる為に、ほんの少しですが口に入れてみました。
さて、お味は?
ん!?
ん~っ(涙)
無理!
飲み込めない!
ピータンっぽい濃厚で強烈なアンモニア臭の液体という印象で、私の舌はこれを食品として認識しませんでした。
過去最高の手強さ!
どんなに料理が下手な人でも、こんなに手強いものは作れないでしょう。
ハッハッハッ。
もう食べなくても無理だと分かっているのですが、一応口に入れてみましたが…
やっぱり無理でした。
という事で、ピータン作り失敗です。
失敗の原因は、おそらく粘土を小麦粘土にしたからだと思います。
それだけが原因とは限らないですが、少なくとも小麦粘土は使わないほうが良いという事は間違いないでしょう。
気を取り直して再挑戦
京北の山で、粘土っぽい土を少し掘ってきました。
これを使ってピータン作り再挑戦です。
まず、普通の土ですから、食品衛生的にNGなので、オーブンで焼いて消毒します。
焼いた土と、木灰・炭酸ナトリウム・塩・消石灰に水を少し入れて練ります。
このまま庭で40日以上熟成させます。
上手くいけば良いのですが…
そして…
40日経過しました
山で掘った粘土だと、どうなっているでしょうか。
まったく異臭はありません。
包んである新聞紙の匂いを若干感じる程度です。
土をはがしていくと、普通に土の匂いがしています。
少しも腐っているようには感じません。
土を洗い流します。
それでは、卵を割ってみましょう。
果たして、ちゃんと固まっているのでしょうか?
いや、ショックを受けるのはまだ早い。
食べてみたら美味しく変身してるかも知れないでしょ。
塩味が浸み込んでますが、美味しくも何ともありません。
少し固まってますが、美味しくも何ともありません。
全くピータンじゃないです!!
う~む…
もしかして、熟成期間が短かったのかも知れません。
もう20日間置いてから結論を出す事にします。
そして…
20日経過しました
60日の熟成で、どうなっているでしょうか。
あ、もう割らなくても分かってしまった!
失敗でした~!!
まとめ
今のところ失敗の原因は分かりません。
こうなってくると、また仮説を立てて、複数の実験を繰り返す必要があるでしょうが、これ以上の実験は、多くの卵を無駄にする可能性が大きいので、食べ物を大切にするという精神から逸れてしまいます。
一応、このブログの根幹に、自然から授かった食べ物を大切に感謝して頂くという心があるのです。
劇的な改善方法が見つからない限り、これ以上の実験は封印することにします。
煮え切らない結果でごめんなさい。