
パンに何日でカビが生えるのか実験してみた
夏にパンを室温で放置して何日でカビが生えるか実験してみました。
家で手作りしたパン・ヤマザキパン・シキシマパンの3つで実験してみようと思います。
では、実験開始です。
【目次】
1.実験開始(8月9日)
2.36時間(1日半)後
3.57時間(2日半)後
4.それぞれのカビ対策について(衛生管理について)
5.81時間(3日半)後
6.90時間後(4日弱)後
7.104時間後(5日半)後
8.実験中の気温について
9.実験結果からわかった事
10.パンの黒ずみについて
11.ヤマザキパンをディスる本について
12.だから防腐剤も漂白剤も臭素酸カリウムも使ってない
13.輸入小麦の残留農薬について
14.まとめ
15.動画で説明
実験開始(8月9日)
これは、ホームベーカリーで焼いた自家製のパンです。
焼けてから3時間置いて冷ましたものです。
これをスライスして、手でペタペタと触って、雑菌を付けてから、ビニール袋に入れ、袋の口を簡単に縛って置いておきます。
続いてこれです。
ファミマで買ってきたしっとりやわらか食パンです。
消費期限は8月11日となってますが、製造日まではわかりません。
これはヤマザキパンが作ってるので、ヤマザキパンとして扱います。
消費期限8月11日なら製造日は8月8日か8月9日と推定されますが、いずれにせよ、衛生管理のしっかりしたパン工場で袋詰めされたものは、袋を開けるまではほぼ無菌状態であると仮定します。
焼けてからの時間は他のパンと異なりますが、袋を開けた時がスタートと考えて実験しています。
袋を開け、手でペタペタと触って雑菌を付けたものを袋に入れ、口を縛りました。
次は超塾です。
消費期限は8月12日となっています。
製造日まではわかりません。
これはシキシマパンが作っています。
いつ作られたにせよ、衛生管理のしっかりしたパン工場で袋詰めされたものは、袋を開けるまではほぼ無菌状態であると仮定します。
袋を開け、1枚取り出して、手でペタペタ雑菌を付けてから、袋に入れて口を縛りました。
これで仕込み完了です。
このまま放置します。
気温についてですが、実験開始が8月9日ですから、最高気温が30℃を下回る事はあまりありません。
最低気温が20℃を下回る事もありません。
カビにとっては非常に都合の良い条件だと思います。
皆様は、何日後にどんな順番でカビが生えると思いますか?
予想しておいてくださいね。
36時間(1日半)後
変化なしです。
このくらいではまだカビは生えないようですね。
57時間(2日半)後
2日半も常温で置いておけば危ないような気がしますが、まだ大丈夫のようです。
この2日間は雨で、気温が30℃を超えなかったからでしょう。
それぞれのカビ対策について(衛生管理について)
我が家でのカビ対策は特に何も行っていません。
焼いたらすぐに食べるという事くらいです。
もし残ったら冷蔵庫で保存するようにしています。
それだけです。
ヤマザキパンは
パンに防腐剤などは使用していないとの事です。
徹底した衛生管理により、カビの胞子がパンに付着するのを防いでいるとの事です。
シキシマパンも同様にパンには防腐剤などは使用しておらず、工場内の衛生環境を清潔に保つことで、商品へのカビ胞子の付着を防いでいるとの事です。
81時間(3日半)後
もうそろそろヤバいのではないでしょうか?
拡大して見てみましょう。
まだ大丈夫のようです。
90時間後(4日弱)後
おっと、ちょっと変化が出てきましたよ。
これがシキシマです。
黒いものが発生してます。
これはヤマザキです。
拡大してみると黒いものがわかります。
これは手作りパンです。
裏返してみると、このように、青カビでしょうか、何かが発生してるのがわかります。
このように、ほぼ同じタイミングでカビが発生しました。
もうしばらく置いてカビがどのように変化するかみてみようと思います。
104時間後(5日半)後
カビがよりはっきりとわかるようになりました。
シキシマパンは黒いカビが増えて、裏面は、黒いカビと青いカビが生えていました。
ヤマザキパンは、黒いカビが増え、裏面は、青いカビがポツポツと黄色いカビも生えました。
手作りパンは、特に耳の部分に黒いカビがチラホラと生えて、裏側にも青いカビが生えました。
カビの画像は撮りましたが、あまり美しいものではないので、アップしません。
カビの種類はいろいろありましたが、どれもほぼ同じタイミングでカビが生えたという事が分かったのでそれでいいです。
そして、これ以上実験を続ける意味はもうありません。
家の中にカビを育てるのは健康に悪いですから、これらのパンは廃棄処分となりました。
実験中の気温について
実験開始から終了までの6時間おきの気温のグラフになります。
この期間はずっと雨で、あまり気温が上がらなかったために、カビが生えるまでに時間がかかったのだと思います。
実験結果からわかった事
どれも等しくほぼ同じタイミングでカビが生え始めました。
カビの生え方に違いはありましたが、平等にカビが生え始めました。
私は何となく手作りパンが最初にカビるんじゃないかと予想していましたが、そんな事ありませんでした。
もし、カビが生えにくパンがあれば、防カビ剤を混ぜてるんじゃないかと疑わなければいけなくなるところでしたが、疑わずに済んで良かったです。
防カビ剤に関しては安心して市販のパンを食べる事ができます。
パンの黒ずみについて

これは実験開始から81時間経過したパンの画像ですが、手作りパンがやけに黒ずんでいるのが分かります。

これは、実験開始時のパンの画像です。
全て同じように白いです。
手作りパンは、時間が経つと黒ずみましたが、市販のパンは時間が経っても白いままでした。
この結果だけを見ると、市販のパンに漂白剤を使ってるのではないか?と疑ってしまいますよね。
そこで、原因を自分なりにいろいろ調べてみました。
今回のヤマザキパンとシキシマパンは、輸入小麦を使ってます。
手作りパンは国産小麦を使いました。
国産小麦は、輸入小麦(特に北米産の硬質小麦)に比べて、輸入小麦に比べ精製度がやや低く、胚芽や外皮に近い部分が多く、そういった成分が変色しやすい事が分かりました。
また、市販のパンは、工業的な製造工程で高温短時間の焼成や、特定のミキシング技術により、生地の酸化が抑えられ、均一な白さが保たれます。
一方、手作りパンは低温長時間発酵や自然な熟成過程で、酵素反応やメイラード反応などが進み、変色しやすくなります。
それらの要素が組み合わされて色の違いが出たと、今のところ考えています。
だから漂白剤は使ってないと思います。
ヤマザキパンをディスる本について
2008年に「ヤマザキパンはなぜカビないのか」という本が出版された事がありました。
あの当時ちょっと話題になって、私も読んだ事があります。
本の内容を簡単に説明すると、「ヤマザキパンにはパンに臭素酸カリウムという人体に悪い添加物が入ってるからカビが生えにくい。」と、まあこんな内容です。
この著者の主張は間違ってます。
しかしあの本を読んだら、なんとなくヤマザキパンに対するイメージは悪くなりますよ。
それが目的の本なのでしょうけど。

人体に悪い臭素酸カリウムを混ぜる理由は、パンがふっくら柔らかくなるからです。
要するに美味しくするために入れます。
しかし、人体に毒だから、最終食品の完成前に分解または除去しなければならないとされており、製品中に残存しないことで使用が認められています。
食べる前には分解されて残ってないからOKというわけです。
例え臭素酸カリウムが残っていたとしても、防カビ効果はありませんよ。
製品中に残存しないとは言ってますが、イメージが悪いためか、ヤマザキパンは、2024年10月31日出荷分をもって、臭素酸カリウムを使用した製品の製造・販売を終了しました。
今では全く使ってないという事です。
だから防腐剤も漂白剤も臭素酸カリウムも使ってない
だから、今回の実験結果から、平等にカビが生えましたからね、ヤマザキもシキシマも、防腐剤は使ってないというのは本当だと思います。
防腐剤に関しては安心してパンを食べる事ができますね。
平和に締めくくることができて良かったです。
漂白剤についてもいろいろ調べましたが、使ってないと思います。
輸入小麦の残留農薬について
残留農薬の話は、今回の実験とは関係ないのですが、防腐剤・漂白剤・臭素酸カリウムの話まで出たので、ついでに触れようと思います。
私は、輸入小麦を使ったパンは残留農薬が気になります。
輸入小麦は収穫後に輸送中に虫が湧かないように農薬を撒いています。
ポストハーベスト農薬と言いますが、輸入小麦にはその農薬が残留していて、市販の輸入小麦を使ったパンからグリホサートという農薬の成分が検出されています。
業界団体の日本パン工業会による公式見解としては残留農薬はごく微量だから大丈夫との事です。
以下、少し長文になりますが、日本パン工業会のウェブサイトから引用します。
ラウンドアップは世界各国で小麦を含めた農産物に広く使用されており、パンにも極微量のグリホサートが検出されます(週刊誌やYou Tube等で取り上げられている数値はパン1kg当たり0.05mg〜0.18mg)。これに対して、グリホサートの内閣府食品安全委員会が定めたADI(一日摂取許容量:人がある物質を毎日一生涯にわたって摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量)は体重1kg当たり1mgです。これは、例えば体重50kgの人が50mgのグリホサートを毎日、一生涯、摂取し続けても、健康に問題がないことを示しており、取り上げられているグリホサートの最大検出量0.18mg/kgのパンであっても、毎日278kg(約730斤)食べ続けても問題がないことになります。このパン量は日本人1人当たりの1日の平均的パンの摂食量である44gの約6,000倍にもなる非現実的な量です。このことから明らかなように、パンに関するグリホサートの健康上の懸念は全く不要です。
最初に記したように、食品の安全性は科学的なリスク分析によって確保されています。風評に惑わされずに食生活を楽しむことが大切であると思います。引用元:https://www.pankougyokai.or.jp/information/glyphosate.html
シキシマパンは、「残留農薬は気にするほどではないけど、気になるのなら当社の国産小麦パンを食べてね。」という主張をしてます。
この件に関しては、まだ1歩進んだ対応かなと思います。
確かに、残留農薬は気にするほどではないかも知れません。
残留農薬を絶対に許さないのだったら、野菜や果物などの農作物をほとんど食べられなくなってしまいます。
しかし、小麦の場合は、国産小麦からは残留農薬が検出されてないのだから、もっと国産小麦を広めて欲しいなと思います。
余談ではありますが、小麦のグリホサートの残留基準値は2017年まで5ppmだったものが、それ以降は30ppmに変更されました。
大胆な変更ですね。
そんな訳で、我が家では、国産小麦を使ってホームベーカリーでパンを焼いて食べてます。
ところで1年前に、天然酵母パンについて、全5回のシリーズで記事を書きました。
これを読めば天然酵母パンの焼き方が全てわかる内容になってます。
これを読んでいただければ嬉しいです。
天然酵母パンの焼き方を全5回にて説明してます。
1.酵母液の作り方
2.元種法での焼き方
3.ストレート法での焼き方
4.失敗例から学ぶ
5.パンが膨らまなかった時のリカバリー法
↑これらを全て読めば天然酵母パンマイスターになれますよ。
まとめ
- パンの袋に製造日までは記載されてない。
- 大手パン工場では衛生管理がしっかりしている。
- 実験開始から81時間経っても全てカビは生えなかった。
- 実験開始から90時間経ったら全てにカビが生え始めた。
- 市販のパンに防カビ剤は入ってない。
- 市販のパンに漂白剤も入ってない。
- 手作りパンが黒ずんだのは使用した小麦の違いなどが影響してる。
- 今のヤマザキパンに臭素酸カリウムは使われていない。
- 輸入小麦を使ったパンからグリホサートが検出されるが微量だから気にしなくて良いらしい。
- 我が家では国産小麦でパンを焼いてる。
動画で説明
動画では私が実演しております。
動画でしか表現できない事もあるので併せてご覧ください。