
飲んで美味しいみりんランキング
世にみりんと名のつく商品はいろいろあります。
それらは、いったいどんな味がするのでしょうか。
まずは実際に飲み比べてランク付けしてみました。
今回は、飲んで美味しいみりんランキングですが、飲んで美味しいからといって料理に使えば美味しいとは限りません。
確かに飲んで美味しいみりんの方が料理に使っても美味しい傾向にあります。
しかしそうとも限らないのです。
料理に使ったら美味しいみりんランキングは、また別の記事として書く予定です。
【目次】
1.みりんの作り方を大雑把に説明
2.みりんの種類
2ー1.伝統的な本みりん
2ー2.伝統できでない本みりん
2ー2ー1.純米
2ー2ー2.国産100%
2ー2ー3.それ以外
2ー3.みりんタイプ
2ー4.みりん風
3.飲んで美味しいみりんランキング
4.まとめ
5.動画で説明
みりんの作り方を大雑把に説明
みりんの材料は、焼酎と米麹と餅米の3つです。
まず焼酎に米麹と餅米を浸けます。
すると、米麹に含まれる酵素によって餅米のデンプンが糖分に分解されます。
だから甘くなるのです。
それを搾ればみりんになります。
伝統的なみりんは、さらに熟成させてから出荷されます。
【大雑把な流れ】
→米麹と餅米を焼酎に浸ける
→糖化させる
→搾る
→みりんの完成
とりあえずこれだけ知っておけばいいでしょう。
みりんの種類
みりんを飲む前に、みりんと名の付くものにはいろんな種類があるので、それを理解しておいた方がいいです。

伝統的な本みりん
江戸時代に確立された製法によって造られる伝統的な本みりんで、長期間熟成させるのが特徴です。
粕取り焼酎に米麹と餅米を入れて寝かしたものを搾り、それをさらに熟成させます。
現代では粕取り焼酎があまり造られなくなったので、米焼酎も使うようです。
芳醇で美味しいです。
伝統できでない本みりん
戦後に作られるようになったみりんで、熟成させずに短期間で作られます。
この中でも、原料の違いで、純米・国産100%・それ以外という分類ができます。
ただし、純米・国産100%などの分類は、法律による明確な基準はありません。
この分類は、製造者が品質や特徴をアピールするために使われています。
純米
純米は醸造アルコールを使わずに、米焼酎を使っています。
純米でないものは、醸造アルコールを使っています。
醸造アルコールは、砂糖を作った後に残る糖蜜という廃棄物を原料に作られています。
国産100%
米麹と餅米は国産米であるという意味です。
アルコールは米焼酎でなく醸造アルコールを使っています。
それ以外
米麹と餅米に外国産も使ってます。
私の知る限り外国産はタイ産が多いです。
そして、米焼酎でなく、醸造アルコールを使っています。
みりんタイプ
みりんに似せて配合したカクテルのようなものです。
塩が入ってるのが大きな特徴です。
本みりんは、お酒であるために1リットルあたり20円の酒税がかかります。
みりんタイプには塩が入っていて飲用に適さないためにお酒とみなされません。
そのために酒税がかかりません。
混ぜるだけで作れて、酒税もかからないので安価です。
みりん風
みりんに似せて配合したノンアルコールカクテルのようなものです。
アルコールが入ってる商品もありますが、1%未満です。
また、酢が少し入っています。
酢を配合してる理由は、私の推測ではアルコールのような調理効果を期待しての事だと思います。
混ぜるだけで作れて酒税もかからないので安価です。
飲んで美味しいみりんランキング
それでは、みりんと名の付く7種類の商品を用意したので、それを飲んだ結果をランキング形式で発表します。
ちなみに言っておきますが、私個人の感想ですからね。
妻の意見も少し出てきますが、私と妻の感想ですからね。
第7位:みりんタイプ調味料
みりんタイプ調味料は、塩を入れる事で飲用に適さなくなり、そのために酒税がかからないというものです。
だから、そもそもこれを飲むという発想自体が間違ってるのかもしれません。
飲むに値しない味なのです。
別な言い方をすると、飲めたものではありません。
口に含むとアルコールがツーンと来て甘味が広がり塩味が舌にまとわりつきます。
マズイです。
みりんタイプ調味料といってもいろいろありますから、有機原料を使用して付加価値を出してるものや、糖質オフという商品もあります。
それらを飲んでませんが、もしかしたら、美味しい商品もあるかもしれません。
いや、さすがに飲用に適さないレベルで塩が入ってるから、美味しいということはないと思いますが、マズさのレベルが優しいものもあるかもしれません。
そもそも、これは飲用ではありません。
料理用ですから、料理に使えば美味しく使えるということを期待したいと思います。

こんなに塩の味がするんだったら、料理の味に影響が出るんじゃないの?
そもそも、これを買うときに塩が入ってると知って買う人あまりいないよね。

ホンマそれ!

でも考えようによっては塩も入ってるからこれ1本で料理の味が成立するかもね。

そういったコンセプトの商品ではないよね。
あくまでみりんの代用品だから中途半端な印象やね。
第6位:みりん風調味料
みりん風調味料は、酢が少し入ってるので、匂いを嗅いだ時点で酸っぱい匂いがしました。
それで飲みたくないなぁーと思いました。
でも、ちょっと勇気を出して飲んでみました。
甘酸っぱいです。
飲めなくはないです。
もっと酸味が強い方が美味しいと思います。
しかし、飲むために作られたものでなく、料理を作る際のみりんの代用品として作られてますから、酸味を強くしたら料理のバランスが崩れてしまいます。
酸味は料理に混ぜても影響を与えない程度で、旨味と感じられる程度に抑えられています。
これもみりんの代用品として低価格で販売するものですから、みりん以上の味を期待してはいけないでしょう。
しかし、飲めない事はありません。
みりん風調味料もいろんな種類があるので、もっと美味しいものがあるかもしれません。

みりんを料理に使うのは、美味しくなる事を期待してだから、はたしてこれを使う価値はあるのかなって思う。

これの味を分かった上で、味と価格のバランスを考えて、お財布事情と相談して、買うか買わないかを決めるといいよね。
第5位:タカラ本みりん
匂いを嗅ぐとアルコールのツーンという香りとほのかにみりんの香りがします。
飲んでみるとアルコールの香りがツーンと来て甘味が舌に広がります。
甘味自体はシロップのような強い甘味です。
みりんというものはシロップのように甘いものです。
だから甘味の強さは普通だと思います。
原材料のもち米にタイ産が使われています。
あと、糖類(国内製造、タイ製造)というものが入ってます。
何やろ糖類って!?
何かよく分からんものが入ってるという事です。

アルコールの香りが最初に来て、甘味がガツンと来てあまり香りは無いね。
第4位:マンジョウ米麹こだわり仕込み本みりん
匂いを嗅ぐとアルコールのツーンという香りとほのかにみりんの香りがします。
飲んでみるとアルコールの香りがツーンと来て甘味が舌に広がります。
先ほどのタカラ本みりんと味の違いはほとんど感じませんでした。
こちらは、もち米(国産)と、糖類(国内製造)という事で国産100%となってます。
ちょっと話は脱線しますが、原材料の(国内製造)ってのは、国内で製造してますって意味で、原材料が国産であるという意味ではありません。
例えば、よくパンなどの原材料に【小麦粉(国内製造)】って表記があります。
これは小麦を国内で製粉してるという意味です。
輸入の小麦を国内で製粉しても(国内製造)と記載できます。
と言うか(国内製造)と記載されていたら、それは輸入原料が主だと思って差し支えありません。
国産の原料を100%使用していたら、もっと国産100%をアピールしますからね。
話は戻りますが、これは国産100%と謳ってますが、もち米と米麹は国産100%だけど、それ以外は(国内製造)です。
今これを書いてる最中に気付きましたが、パッケージに書かれてるのは(国産100%)でなくて、(国産米100%)と書かれています。
(米)という文字が入ってるのです。
という事は(国産米100%)の意味は、お米は(国産100%)だけど、醸造アルコールと糖類は(国内製造)ですよ。
という意味なのでしょう。
我々消費者は(国産米100%)と書いてあれば、何となく国産原料100%だと勘違いしてしまいますよね。
きっとそれを狙ってパッケージのデザインを考えてるのでしょう。
私たち消費者は、パッケージを見て商品をイメージしてしまいがちですが、しっかり原材料まで見て判断しなければいけません。
(国産米100%)を(国産原料100%)と勘違いする程度なら取るに足らない事ですが、みりんだと思って買ったら塩が入ってる場合もあるんですよ。
それで、これの味は、タカラ本みりんよりは上位になりましたが、ほとんど同レベルでした。

アルコールの刺激が目に来た。
第3位:相生桜本みりん
これは道の駅で買ったもので、あまり売られてません。
三河国(現在の愛知県東部)では伝統的な本みりんを造るみりん蔵が複数存在しています。
その中の小規模なみりん蔵のものです。
ネットで検索してもあまり詳しい情報が見つかりません。
とにかく伝統的な製法で作られた本みりんです。
みりんの芳醇な香りが少しあります。
アルコールのツンという刺激は少しありますが、弱いです。
普通のみりんではない美味しさです。
第2位:三河みりん
三河国で造られる伝統的なみりんの中で最も有名なのがこれです。
三河みりんと言えば、三河国で造られる伝統的な本みりんの総称でもあります。
しかし、この三河みりんが有名すぎて、三河みりんと言えばこれですよね。
これは2年かけて作られます。
みりんの芳醇な香りがします。
アルコールがツンと来る事はありません。
紹興酒に似た香りもします。
紹興酒とみりんでは製法が違いますが、紹興酒は、もち米を発酵させて熟成させて造るので、もち米由来の香りが共通するのだと思います。
そして、これはハチミツのような甘味を感じます。
とにかく芳醇な甘味と香りと余韻で恍惚としてしまう味です。

何か穀物のような香りがする。
料理に使えるなってイメージが湧いてくる。
第1位:福来純本みりん

第1位は、福来純本みりんです!
これは岐阜県にある白扇酒造が造る伝統的な本みりんです。
3年かけて造られています。
三河みりんよりも色が濃く、さらに芳醇な甘味と香りがします。
アルコールのツンも無く、紹興酒に似た香りもします。
香りの良さと味の広がりがすごく良いです。
三河みりんをハチミツに例えましたが、こちらはメープルシロップを飲んでるような感覚です。
さらに香りに浸っていると、チョコレートのような香りとドライフルーツのような香りも感じました。
それだけ広く芳醇な香りと余韻があるのです。
これはめちゃくちゃ美味しいです。
恍惚とした気持ちになり、ニヤニヤしてしまう美味しさです。
これを料理に使ったら美味しいでしょう。
これを料理に使うとどうなるだろうなと想像するだけでワクワクします。

紹興酒みたいな香り、紹興酒よりもいい香りかも。
クセのない紹興酒より甘いお酒。
サヴァランとかお菓子に使えるよ。
まとめ
7位:みりんタイプ調味料
6位:みりん風調味料
5位:タカラ本みりん
4位:マンジョウ米麹こだわり仕込み本みりん
3位:相生桜本みりん
2位:三河みりん
1位:福来純本みりん
こういう結果になりました。
およそ価格順になりました。
いろんな店に行って買いましたが、店によって販売価格が変わるので、価格の比較はしませんが、だいたい価格順という印象です。
これはそのまま飲んだ時の味をランク付けしただけです。
みりんというのは、調味料として使う事が主になってますから、飲んで美味しくても、調味料として美味しくなければいけません。
逆に、飲んで不味くても、調味料として美味しければ利用価値ありますよね。
また、みりんでなく砂糖で味付けした場合とも比較してみたいと思います。
と言うわけで、次回は料理に使って美味しいみりんランキングを発表します。
実際に料理に使うと順位は変わりましたよ。
では次回をお楽しみに。
動画で説明
動画では私が実際に試飲しています。
ブログでは7種類ですが、動画では6種類となっています。
動画を撮った後に、ブログ版ではさらに価値のある情報にするために種類を増やしましました。
動画では種類は少ないですが、動画でしか表現できない事もあるので併せてご覧ください。