クヌギの美味しい食べ方
ドングリのクヌギは、アク抜きすれば美味しく食べることができます。
アク抜きの方法とクヌギを使った美味しい2品をご紹介します。
1品目はモンブランです。
ドングリで作るからドンブランと呼びます。
2品目は縄文クッキーです。
縄文時代のレシピで作ると美味しくないので、バターと砂糖を使った令和のレシピで作ります。
【目次】
1.クヌギを拾ってくる
2.水洗いする
3.殻を剥く
4.茹でる
5.細かくする
6.アク抜き
7.生のままでもアク抜きできる
8.ドンブランを作る
9.令和版縄文クッキーを作る
10.ドンブランと縄文クッキーを試食
11.まとめ
12.動画で説明
クヌギを拾ってくる
クヌギの樹皮はこのようになっています。
カブトムシの木です。
薪や木材にも使われ、シイタケ原木にも使われたりします。
今回紹介するようにドングリも美味しく食べる事ができるので、まさに万能の木です。
クヌギの葉はこのようになっています。
クヌギの実はこのようになっています。
地面に落ちてる実を拾います。
これだけ収穫しました。
水洗いする
一応水洗いします。
殻を剥くので、あまり水洗いする必要はないかもしれませんが、地面に落ちてたものなので、軽く水洗いします。
もし、水に浮かぶものがあれば取り除きます。
殻を剥く
まずは、ペンチやプライヤーで殻を割って、割れ目から殻を剥きます。
綺麗に剥けました。
中にはこんな物もあります。
これはおそらく虫食いです。
クヌギを拾ってきてしばらく置いておくと、中にはこんな風に穴が開いて。
こんな体長1センチにも満たない白いイモ虫が出てきます。
これはゾウムシの仲間のようです。
ゾウムシとはこんな奴です。
という訳で、虫食いの部分はナイフで取り除きます。
これでいいでしょう。
ピンボケですみません。
殻を剥けました。
これだけの量を剥くのに30分以上かかりました。
この段階で薄皮は付いたままで大丈夫です。
次に茹でますが、茹でると薄皮が剥がれて浮いてきます。
茹でる
たっぷりのお湯で茹でます。
しばらく茹でると薄皮が浮いてくるので、これを取り除きます。
蓋をして弱火で30分以上茹でます。
30分経ちました。
これで柔らかくなりました。
お湯を切ります。
細かくする
フォークで潰します。
本当は裏漉しするのがベストですが、裏漉しは面倒なので、手を抜いてフォークで潰しました。
もう一度言いますが、裏漉しするのがベストです。
細かくなりました。
アク抜き
細かくしたドングリを大きめのボウルに入れて、水を入れます。
混ぜます。
ドングリのアクはタンニンという成分で、タンニンは水に溶けるために、こうやってドングリを細かくして水にさらせばアクを抜くことができます。
しばらく置いておきます。
置いておくとドングリが沈澱します。
上澄みを捨てます。
少し味見してみます。
まだアクが残っています。
また水にさらします。
アクが抜けるまでこの作業を繰り返します。
今回は、3回水にさらして上澄みを捨てた段階でアクが抜けました。
さらしで水分を切ります。
しばらく置いて水分がある程度落ちるのを待ちます。
次にさらしをギュッと絞って水分を切ります。
ほとんど水分を切りました。
これがアク抜きしたドングリです。
もう食べる事ができます。
このままでは食べても美味しくないので、今からこれを美味しく調理します。
それでは冒頭に書いたように、ドンブランと縄文クッキーを作ります。
生のままでもアク抜きできる
今回はドングリを茹でてから細かくしてアク抜きしましたが、生のドングリを細かくしてアク抜きする事も可能です。
その場合は、殻むきの段階で、薄皮も取り除いておく必要があります。
殻も薄皮も取り除いたドングリをフードプロセッサーなどで細かくして水にさらせばアク抜きができます。
火を通さないので、また違った料理が作れるかも知れません。
これは今後の研究課題です。
ドンブランを作る
【ドンブランの材料】プチタルト12個分
◾️ドンブランペースト
あく抜きしたクヌギ 100g
牛乳 50ml
砂糖 30g
◾️カスタードクリーム
牛乳 100ml
砂糖 15g
卵黄 1個
薄力粉 10g
バター 10g
バニラオイル 1振り
プチタルト 12個
ドンブランペーストの材料を鍋に入れて軽く沸騰するまで混ぜながら加熱します。
裏漉しします。
ドンブランペーストが完成です。
冷ましてから冷蔵庫で冷やしておきます。
冷えたら絞り袋に入れます。
カスタードクリームは、卵黄に砂糖を加え混ぜ、薄力粉を入れて混ぜ、温めた牛乳を少しずつ入れて混ぜます。
牛乳が混ざれば火にかけながら固まってくるまで混ぜます。
火を止めて、バターを入れて、バターを混ぜ、冷めたらバニラオイルを入れて混ぜ、冷蔵庫で冷やしておきます。
冷えたらカスタードクリームを絞り袋に入れておきます。
プチタルトは既製品を使います。
プチタルトにカスタードクリームを絞ります。
その上にドンブランペーストを絞ります。
ドンブランが完成しました。
令和版縄文クッキーを作る
まずアク抜きしたドングリを120℃のオーブンで1時間くらい焼いて水分を飛ばします。
水分が飛んでドングリパウダーになりました。
水分を飛ばして瓶に入れておけば長期間保存ができます。
【令和版縄文クッキーの材料】およそ12枚分
ドングリ粉 50g
バター 40g
薄力粉 50g
砂糖 30g
冷えた状態のバターに薄力粉と砂糖を加えバターが細かくなるまで混ぜます。
さらにドングリ粉を加え混ぜます。
パサパサになって、つなぎが必要な場合は、溶き卵を少し入れてください。
棒状に丸めてラップに包んで冷凍庫でしばらく冷やします。
10分くらい冷やしたところで取り出して、適当に切ってみましたが、ドングリの粒が引っかかってうまく切れません。
ドングリを裏漉しせずに、フォークで潰しただけだからこうなったのです。
まあ、いいか。
指で押さえて修正しました。
オーブン天板に並べて170℃のオーブンで20分くらい焼きます。
焼けました。
ドンブランと縄文クッキーを試食
ドンブランをいただきます。
意外と美味しい!
実はあまり美味しくないと予想してました。
しかし、美味しいです。
ドンブランペーストだけを味わってみると、こしあんのような味がします。
雑味やエグ味やマズ味といったマイナスの味は感じません。
ここに美味しいブランデーを足したりすると、もっと美味しくなるでしょう。
栗で作ったモンブランに匹敵する美味しさです。
なぜ、あまり美味しくないと予想していたかと言うと、過去にスダジイでドンブランを作った事がありました。
スダジイは、アクが少なく生でも食べることができます。
ドングリの中で最も美味しい部類に入ります。
だからスダジイでドンブランを作れば美味しくできると思って作りました。
これが2015年にスダジイで作ったドンブランです。
これが美味しくありませんでした。
スダジイは、調理して温かい状態で食べると美味しいのですが、冷めると途端に不味くなるのです。
モンブランは、冷たい状態で食べるものですから、冷たくしたスダジイのドンブランは、当然不味くなりました。
この経験があったので、今回のクヌギで作ったドンブランの味も期待してませんでした。
しかし、クヌギは冷たくなっても美味しい。
これは、おもてなしにも使えるレベルの味です。
縄文クッキーは、期待通り美味しいです。
ただし、ドングリの粒が残っているので、それが固いです。
そのためにバリバリボリボリという食感です。
これはドングリを裏漉しせずにフォークで潰しただけだったからです。
次からは裏漉しする事にします。
味は、美味しいです。
クヌギは、アク抜きさえすれば、雑味やエグ味やマズ味といったマイナスの味は無いので、バターや砂糖と一緒に焼くと絶対に美味しくなります。
クヌギがこんなに美味しく調理できるとは、今回の実験で初めて知りました。
あと、ドングリでパンを作ると絶対に美味しいです。
これは2013年に焼いたクヌギのパンです。
この時は、アク抜きが中途半端だったために、食べた後に口の中に渋い緑茶を飲んだ後のような渋みが残りましたが、それでも総合的に美味しかったです。
他にも美味しい調理法が見つかれば追記していこうと思います。
まとめ
クヌギはアク抜きすれば食べられる。
ペンチなどで殻を割ってから剥く。
薄皮は茹でると剥がれて浮くので、剥かなくても大丈夫。
柔らかく茹でたらフォークで潰すよりも裏漉しするのがベスト。
ドングリのアクはタンニン。
タンニンは水に溶けるので水にさらせばアクは抜ける。
クヌギで作ったドンブランは美味しい。
クヌギで作った令和版縄文クッキーも美味しい。
クヌギを混ぜたパンも美味しい。
動画で説明
動画では私が出演して熱く語っています。
動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。