イノコヅチ(ひっつき虫)の美味しい料理法
服に種が付く「ひっつき虫」の一種である「イノコヅチ」という野草は、食べることができます。
イノコヅチの美味しい食べ方をご紹介します。
【目次】
1.イノコヅチを収穫する
2.イノコヅチを下処理して胡麻和えを作る
3.イノコヅチ茶を作る
4.イノコヅチの胡麻和えとイノコヅチ茶の味
5.まとめ
6.動画で説明
イノコヅチを収穫する
我が家の近所に、このように、イノコヅチが生えている所があります。
調べると、イノコヅチには「ヒカゲイノコヅチ」と「ヒナタイノコヅチ」があるようです。
文字通り、日陰には「ヒカゲイノコヅチ」、日なたには「ヒナタイノコヅチ」が生えます。
画像は、木陰に生えているものなので「ヒカゲイノコヅチ」だと思われます。
しかし、両者は混生するみたいなので、はっきり言ってどっちがどっちか分かりません。
どちらも大差無いので、当ブログでは両者をイノコヅチとひとまとめにして扱います。
この先端にできた種がひっつき虫です。
これを撮影したのは7月の末なので、まだ種として成熟しないので、まだ引っ付く能力はありません。
未熟な種のようにも見えますが、おそらく花が咲く前のつぼみではないかと思います。
このように種として成熟してないものは、食べる事ができます。
葉はいつでも食べることができます。
これを刈り取っていきます。
根本からハサミで刈りました。
引っこ抜いてもいいですよ。
これだけ収穫しました。
ついでに、ちょっと脱線しますが、セミの抜け殻が3つも付いたイノコヅチがあったので、珍しいと思い、撮影しました。
イノコヅチを下処理して胡麻和えを作る
イノコヅチを洗って、先端の部分と葉だけ取ります。
茎は硬くて食べられないので、乾燥させてお茶にします。
イノコヅチは、アクがほとんど無いので、生でも食べることは可能です。
ほうれん草などの緑色野菜系の味がします。
しかし、可食部も硬いので、食感が悪いです。
生で食べるより茹でた方が食べやすくなります。
茹でても食べやすくなりますが硬いです。
口の中で、噛んだら細かくなりますが、ザラザラして食感が悪いです。
味は悪く無いのですが、食感が悪い。
これは、胡麻和えがふさわしいでしょう。
胡麻のザラザラ感によってイノコヅチのザラザラが気にならなくなるのです。
食感の悪ささえ気にならなければ、美味しく食べる事ができるでしょう。
胡麻和えという料理は、硬くて食感の悪い野草を美味しく食べる事のできる料理法の1つです。
他の野草にも応用が効くので覚えておくといいですよ。
茶にする部分と食べる部分に分けて、食べる部分は1分くらい茹でてお湯を切り、冷水で締めました。
茹でたイノコヅチの水分をギュッと絞って、適当に切ります。
すり鉢に胡麻をすり、醤油・みりん・イノコヅチを入れて混ぜたら胡麻和えの出来上がりです。
これの味は後述します。
イノコヅチ茶を作る
葉を取り除いた後の茶にする部分はベランダに干しておきました。
全ての葉を取り除くと淋しいので、少しだけ葉を残しています。
数日後、パリッと乾きました。
乾燥イノコヅチを適当な大きさに切って、急須に入れ、熱湯を注いで5分程度蒸らし、イノコヅチ茶を淹れました。
これの味も後述します。
イノコヅチの胡麻和えとイノコヅチ茶の味
イノコヅチの胡麻和え。
普通の胡麻和えの味です。
そして、硬いです。
硬いけど噛めば口の中で細かくなって、ザラザラするけど胡麻と一緒だから嫌な感じはしません。
家族も食べましたが、硬いという感想は共通してましたが、2口、3口と食べてました。
不味かったら1口しか食べませんから、不味くなかったのでしょう。
イノコヅチ茶。
これは意外と美味しいです。
まるで、ダージリンのファーストフラッシュみたいです。
ダージリンのような渋味は無く、ダージリンのような茶の甘味があります。
干した草の香りがダージリンほど上品ではありませんが、意外な美味しさでした。
ちなみに、イノコヅチの根の部分は、昔から生薬として飲まれています。
今回お茶にしたのは茎と葉の部分ですから、今回のイノコヅチ茶は、生薬ではありません。
生薬ではありませんが、意外と美味しいお茶です。
実は野草は、お茶にするとほとんどが美味しく飲む事が出来ます。
例え、不味くて煮ても焼いてもどうしても食べられないような野草でも、お茶にして飲むと美味しく飲める事が多いです。
これも野草全般に共通する事なので、覚えておくといいですよ。
まとめ
- イノコヅチはひっつき虫。
- イノコヅチの葉はアクが少ないので生食が可能だが硬くて食感が悪い。
- 茹でたら食べやすくなるが硬くて食感が悪い事には変わりない。
- イノコヅチのような食感の悪い野草は胡麻和えにすると良い。
- イノコヅチ茶は意外と美味しい。
- 食べて不味い野草でもお茶にすると美味しい。
イノコヅチは、夏の七草と言われています。
夏の七草とは、夏に採れる食べられる7種の野草の事です。
戦後の食糧難の時に食べられていたそうです。
だから、もちろん食べられるのですが、食糧が豊かな現代は、スーパーで売ってる野菜は甘くて柔らかいものばかりです。
そんなのを食べ慣れた口にはイノコヅチは違和感でしかありません。
けど、食糧難はいつ訪れるかわかりません。
もう始まってるとも考えられます。
イノコヅチを美味しく食べられる方法を知っておけば、きっと役に立ちますよ。
動画で説明
動画では私が出演して料理を実践しております。
動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。