自家製の米麴がたくさんあるので、甘酒を作ってみようと思います。
米麴の作り方は 米麴作りに挑戦! をご覧ください。
◆甘酒のつくり方
米(もち米でも可)1合
米麴 300g
※分量はテキトーで良いです。
米を普通の3倍くらいの水で炊く。
米麴を入れてよく混ぜる。
60℃くらいで一晩置いておく。
鍋をタオルで包んで保温。
お味は?
ん?
あまり甘くないぞ!
少し糖化しているけど、甘酒の甘さには程遠いなあ。
お粥みたいだけど、おかゆにしてみれば甘すぎます。
麴の香りは、とても良いが「甘くない甘酒」と言うか「甘いお粥」と言うか…
また中途半端なものを作ってしまった。
甘酒は普通、炊飯器の保温機能で簡単に作れるらしいのですが、我が家に炊飯器は無いのです。
鍋をタオルで包む程度では、せいぜい1時間の保温が限度です。
我が家では、60℃で保温というのが難しいみたいです。
そういえば先日、水あめを作るときも60℃での保温を失敗しました。
さて、この甘酒の出来損ないをどうしよう
約800gあります。
私は捨てませんよ。
そのまま食べて消費しようと思いましたが、半分くらい食べたところでギブアップ。
味が質素すぎて、おまけに単調で、香りは良いのだけれど、香りだけでは食べられません。
さあ、どうしようかな。
あ、そうだ!これで天然酵母を起こそう!!
「え!?」と思うかもしれませんが、米と麴で天然酵母を起こすことが出来るのです。
この米と麴で作る天然酵母は「酒種」と言って日本独自の天然酵母です。
あんこと相性が良く、あんぱんを作ると美味しいですよ。
「酒種あんぱん」て聞いた事ないですか?
酒種で焼いたあんぱんの事です。
かつて、明治初期、銀座木村屋というパン屋が、酒種あんぱんを明治天皇に献上したら、ことのほか気に入られた。その日が4月4日で、それを記念して4月4日は、あんぱんの日に定められたと言う逸話があります。
本当の話ですよ!
その日本独自の酒種を育ててみましょう。
◆酒種の作り方
ビンに甘酒の出来損ないを入れる。(本当の甘酒でも可)
水で満たして、混ぜる。
常温で放置する。
1日1回は、蓋を開けて混ぜる。
5日後。
ポコポコと、炭酸ガスが発生してきました。
酵母が起きてきました。
次の工程に進みます。
では、酒種を使っていろいろなパンを焼いてみます。
まず最初に、オーソドックスな食パンから。
◆酒種食パンの作り方 (パナソニックのホームベーカリーを使用)
酒種 125g
強力粉 250g
塩 4g
砂糖 10g
バター 10g
水 120ml
ドライイースト 1g
材料を容器に入れて、天然酵母コースのスイッチをオン!
ホームベーカリーの天然酵母コースは、「ホシノ天然酵母」という酵母で焼くためのコースです。
ホシノ天然酵母は、商品化された超エリートの天然酵母なので、自家製の天然酵母に比べると短時間の発酵で、きれいに膨らみます。
自家製の天然酵母は、じっくりと、ゆっくりと発酵させるものです。
また自家製天然酵母は、発酵力にムラがあるので、酵母によって、発酵時間が異なります。
ですが、機械ではホシノ天然酵母に合わせた発酵時間で動く為に、自家製天然酵母のゆっくりとした発酵にあわせて時間を調節なんてしてくれません。
パンが完全に膨らむ前に焼かれてしまう場合がほとんどです。
そのために、補助的にドライイーストを入れてあげると、自家製の天然酵母も、ホシノ天然酵母と同様の発酵時間で膨らんでくれます。
ホームベーカリーで、自家製天然酵母パンを焼く時のコツは、補助としてドライイーストを1gほど入れてあげる事です。
カッコつけずにドライイーストを足してあげましょう。
1gならイースト臭は、全く感じませんよ。
酒種食パン出来ました。
とても美味しいです。
日本人の味覚に良く合う酵母だと思います。
米から産まれた酵母ですから、米のようにさりげない美味しさです。
毎日食べたい味ですね~。
◆酒饅頭(あんまん)の作り方 (10個分)
酒種 125g
強力粉 200g
薄力粉 50g
塩 2g
砂糖 20g
水 125ml
あんこ 250g
※クッキングシート少々も必要です。
クッキングシートは、適当な大きさに切っておきましょう。
あんこ以外の材料を容器に入れて、天然酵母生地コースのスイッチをオン!
生地をこねて、1次発酵終了までは、ホームベーカリーがやってくれますが、機械はホシノ天然酵母使用を前提に動いてますので、1時発酵がちゃんと出来たかどうかは、自分で確認します。
生地を手で触って、ふわふわになっていたら1次発酵完了です。
生地は、約500g出来上がるので、50gずつ丸める。
あんこは25gずつ丸めておく。
よくレシピなどで「濡れ布巾をかぶせてベンチタイムを約20分」等と書かれていますが、実際は必要ないです。
濡れ布巾をかぶせるのは、生地の乾燥を防ぐためですが、結局は蒸すので、乾燥の心配なしです。
ベンチタイムは、生地を馴染ませるために必要ですが、数分で大丈夫です。
50gの生地を10個作るのに数分かかる訳ですから、最後の10個目を丸めている頃には、最初に丸めた生地は、もう馴染んでいますよ。
そして、あんこを生地で包み、クッキングシートの上に乗せます。
包んだつなぎ目を見せると、中華まんの雰囲気が出ますね。
つなぎ目を下にすると、きれいな丸い形になります。
蒸篭に入れて蓋をして、少しだけ温めて、40℃くらいにします。
(これが2次発酵です。)
2次発酵は約1時間。
少し膨らんだら2次発酵完了です。
強火で5分~10分くらい蒸せば出来上がりです。
酒饅頭のできあがり。
ホカホカの状態でいただきましょう。
パカッと割ると、中から熱いあんこが出てきて、アチッ!!
火傷しないように気をつけましょう。
オイシー!!
こりゃたまらん!!
家族4人で、ペロリと食べてしまいました。
次は、お待ちかね酒種あんぱんを作ります。
◆酒種あんぱんの作り方
酒種 125g
強力粉 250g
塩 4g
砂糖 10g
バター 10g
水 125ml
あんこ 400g
〈表面の飾りに〉
卵黄 1個分
黒ゴマ 少々
※銀座木村屋のあんぱんは、飾りに桜の花を使いますが、我が家には桜の花が無いので、黒ゴマを使いました。
あんこ以外の材料を容器に入れて、天然酵母生地コースのスイッチをオン!
ほとんど酒饅頭と工程は同じです。
1次発酵が完了したら、生地を50gずつ丸める。
あんこは40gずつ丸めておく。
濡れ布巾・ベンチタイム無しでいいです。
あんこを生地で包み、つなぎ目を下にして天板に乗せます。
我が家のオーブンは、40℃の発酵機能があるので、それで約1時間、2次発酵させます。
生地が膨らめば、刷毛で表面に卵の黄身を塗り、黒ゴマを乗せます。
卵の黄身を塗ると、表面がきれいに焼きあがります。
黒ゴマは、見た目のアクセントだけでなく、意外と味のアクセントにもなります。
180℃のオーブンで約20分焼きます。
オーブンは余熱なしでも、余熱ありでも好きなように焼いてください。
私は、天然酵母パンの場合、余熱なしの方が美味しく焼けるような気がしてますが、まだ研究段階で、結論には至ってません。
酒種あんぱんの出来上がり。
熱々で食べても、冷めてから食べても美味しいです。
パン生地とあんこの相性抜群で、パンとあんこの相乗効果と言いますか、何と言うか、とにかく1+1が、3にも4にもなった味です。
これまた、たまりませんね~。
ペロリと食べてしまいました。
そんなこんなで、甘酒を作ろうと思っていたのが、酒種特集になってしまいましたね。
甘酒もまた再びチャレンジしてみようと思ってますので、何か作るときのコツとかあれば教えてください。