前回の 黒ビールを作ってみた(手作りビール第4弾) で紹介した通り、普通の黒ビール(スタウト)は、とても美味しくできました。
実は、これを仕込む際に、別途アレンジした黒ビールを仕込んでました。
それについて説明します。
IPA(インディア・ペール・エール)について
私は、ホップを大量に使用したIPAなどの苦い系のビールが大好きです。
IPAというのは18世紀末ごろに、イギリスから植民地であるインドにビールを輸送する際に、ホップを大量に使用して、防腐処理をして輸送したのが始まりと言われています。
それでインディア・ペール・エールと呼ばれているのです。
由来には諸説ありますが、要するにIPAはホップを大量に使用した苦いビールであります。
また苦いだけでなく、香りも豊かで非常に個性豊かであります。
この苦味と香りが私のようなビール愛好家には、たまらないんですね。
現在の醸造技術や輸送技術では、イギリスから世界中にビールを輸送しても腐る恐れは無いので、IPAは防腐処理の目的ではなく、その苦味や香りを楽しむために作られています。
アメリカや、日本のクラフトビールでもよく作られています。
黒IPAをご存知でしょうか?
黒ビールは、最初からモルトを焦がした苦味を持っているためか、わざわざホップを増やしてまで苦味を強化する事を、誰もあまり考えないのかも知れません。
黒IPAみたいな、そんな激苦スタイルのビールを見た事がありません。
普通のスタウトでも十分にパンチ力ありますからね。
けれど、黒IPAがあれば飲んでみたいと思っていました。
無いなら作ってみましょう
実は、前回の 黒ビールを作ってみた(手作りビール第4弾) で紹介した黒ビールを仕込む際に、一緒に少量の黒IPAを仕込んでいたのです。
これは、タンクに仕込んだ1次発酵途中の黒ビール原液です。
これに濃いホップ抽出液を混ぜます。
黒ビール原液 1400ml
濃いホップ抽出液 100ml
黒ビール原液1400mlをきれいなペットボトルに取り出します。
150mlくらい入る急須にホップをぎっしり詰め込みます。
詰め込んだホップの重さは12gでした。
ここに熱湯を満タン入れます。
蓋を閉めて一晩置いておきました。
そして、100mlの抽出液を取り出します。
黒ビール原液とホップ抽出液をペットボトルに混ぜます。
黒ビール原液は、1次発酵の途中だったので、再び1次発酵を続けます。
発酵途中は炭酸ガスが発生するので、ペットボトルの蓋は乗せておくだけにして、発生した炭酸ガスが抜けるようにしておきます。
4日くらいで1次発酵が完了したので、500mlのペットボトル1本につき3gのプライミングシュガーを入れ、ボトル詰めします。
この時、ほんの少しだけ、試飲してみましたが、あまりにも苦すぎて、ホップ入れ過ぎかとちょっと不安になりましたが、これも面白いと前向きに受け止める事にして、ラベルには「激苦」と書きました。
このまま1ヶ月間我が家の押入れで2次発酵および熟成させます。
熟成で、苦味が美味しく変化する事を期待します。
そして…
そして1ヵ月経ちました。
1ヶ月の熟成で、どのような味に変化したでしょうか。
飲んでみましょう。
この、仕込んだビールを飲む瞬間のワクワク感は、なんと表現すれば良いのやら…
追い求めていた異性をゲット出来るか、出来ないかという感覚でしょうか…
愛しいビールちゃん。
今から飲むぜ!
ダークな輝き。
きめ細やかな泡。
グビッと飲むと…
期待通り苦い~!
しかし旨い。
舌に苦味が残り、喉に苦味が残るのですが、それが心地良い。
この心地良い苦味の余韻と香り。
私好みの強烈なパンチの効いたビールです!
激苦黒ビールまたの名を黒IPAは、美味しいです!
大満足なので、ビール醸造免許を取って売り出す事を考えてしまいます。
考えてるだけですよ。
この記事を書きながら調べてみたら、スコットランドのブリュードックという醸造所の作るアーケイドネイション・ブラックIPAというビールがある事が分かりました。
ブラックIPAすなわち黒IPAです。
世界を調べてみればあるものですね。
世界は広いですね。
2019年4月26日注
今は、アーケイドネイション・ブラックIPAは、売ってないみたいです。
ブリュードックのビールはとても美味しくて、私も非常に高く評価しています。
私は、まだこれを飲んでませんが、ブリュードックが作るなら美味しい事は間違いないでしょう。
次回は、また違う超個性的な黒ビールを紹介します。