
ペットボトルのジュースが開封後何日で腐るのか実験してみた
ペットボトルのジュースは開封後に何日で腐るのかを実験してみました。
市販のジュース5種類と、途中から手作りレモネードも交え6種のジュースで実験です。
すでに麦茶では実験した事があります。
麦茶については以下の記事をお読みください。
【目次】
1.実験開始(7月9日)
2.11日経過(7月20日)
3.11日目に手作りレモネードも参加!
4.16日経過(7月25日)
5.17日経過(7月26日)
6.18日経過(7月27日)
7.23日経過(8月1日)
8.31日経過(8月9日)
9.そもそもジュースは腐りにくい
10.ジュースのpH
11.pH 4.6が『食品の安全な境界線』
12.44日経過(8月22日)
13.何故炭酸ガスが発生したのか
14.炭酸が発生した場合の注意点2つ
15.まとめ
16.動画で説明
実験開始(7月9日)

実験に参加するのはスーパーで適当に買ってきたご覧の5種類です。
コーラは定番なので、必ず参加させようと思ってました。
それ以外のジュースは適当に同じ系統のジュースばかりにならないように選んだつもりです。
これらの蓋を開け、しばらくして閉じます。
開封したことで空気中の微生物に曝されました。
これで腐る可能性が発生しました。
こんな調子で毎日1回は蓋の開け閉めを行います。
ところで、YouTubeで「果汁100%でないものはジュースと呼ばない」という意味のコメントをいただきました。
そのコメントは正しいです。
JAS法ではそうなってます。
しかし今回の「ジュース」という言葉は「甘い系の飲み物」という意味ですからね。
11日経過(7月20日)

まずは実験開始から11日間の気温を見てみましょう。
最低気温と最高気温をグラフにしたものです。
食品を腐らせるには十分すぎる気温ですね。

では、ジュースがどのようになったかを実際に飲んで確かめます。
コーラはぬるくて炭酸が抜けて美味しくないですが、全く問題ありません。
他のジュースも全く問題ありませんでした。
11日目に手作りレモネードも参加!
11日目にして手作りレモネードも参戦します。

レモネードの材料(500mlのペットボトル1本分)
レモン果汁 2個分(60ml)
砂糖 60g
水 400ml

レモン2個を絞り、ペットボトルに漏斗とザルを乗せ、絞ったレモン果汁を注ぎます。
砂糖、水(水道水)を入れ、蓋を閉めて、ボトルを振って砂糖を溶かします。
これでレモネードができました。
味はめちゃくちゃ美味いです。
手作りは衛生的な面では市販品よりも劣るから11日目からの参戦という形でハンデを付けてちょうど良いのではないでしょうか。

ジュースの中身を見えやすくするためにラベルをはがしました。
麦茶の時は、ラベルを剥がさなかったために、目視による確認がおろそかになりましたから。
その反省を踏まえております。
16日経過(7月25日)

16日経ちました。手作りレモネードは5日です。
全て飲んでみましたが、味は全く問題ありません。
17日経過(7月26日)

味が大丈夫でも、ミクロの世界では何かが起きてるかもしれません。
ペットボトルの麦茶の場合でも、味では異常が見つからなかったけど注意深く目視することで異常に気付くというパターンがありました。
普通に目視するだけでなく、光を当てたり透かしたり、光も蛍光灯の光であったり、太陽光であったりと、条件を変えてみないと気付かないことがあります。
というわけで、太陽光に透かして見てみました。
コーラ・なっちゃん・りんご3兄弟・キリッとヨグに異常はありませんでした。

レモネードは、何か沈んでますが、レモンの果肉などの成分でしょう。

ソルティライチは、何か白い塊のようなものがあります。
これは怪しい。

問題のソルティライチをグラスに注いでみます。
ツルンと紅茶キノコのようなものが出てきてグラスの中を漂いました。
ブログの静止画では分かりにくいですが、YouTube版では白い物体がグラスの中を漂ってる様子がよく分かります。
これは、微生物の働きによるものでしょう。
という訳で、17日目でソルティライチが脱落です。
18日経過(7月27日)

なっちゃんの底にも何か沈んでそうに見えます。
その他のジュースには問題は見つかりませんでした。

注いでみたけどよく分かりませんでした。
匂いと味は問題なかったけど、疑わしいので、なっちゃんも脱落です。
刑事裁判では「疑わしきは罰せず」ですが、食品衛生の観点から言うと「疑わしきは食せず」です。
という訳でなっちゃんは18日で脱落です。
23日経過(8月1日)

この23日間の気温を見てみましょう。
十分すぎるほどの温度です。
食品をこれだけ暑い環境に23日も置いておけば、絶対に腐ると思いますよね。
ではジュースはどうでしょうか?

まずはコーラの味を見てみましょう。
全く問題ありません。
コーラは酸が強いので腐りにくいのです。
詳しくは後述します。

りんご3兄弟、何か沈殿してますが、りんご成分でしょう。
ライトで照らしても沈殿物があることが分かるだけです。
そのことは照らさなくても分かります。

ラベルにこのように書かれています。
内容成分が沈殿または浮遊することがありますが、品質には問題ありません。
よく振ってからお飲みください。
だから沈殿物は腐敗菌とかではないでしょう。
味は、少し風味が抜けてる気がしますが、腐ってるような味ではありません。

キリッとヨグは白濁してるから液体の内部まではわかりません。
ただ沈殿物があることは分かります。
光を当ててみても、特に異常は見つかりません。

ラベルに以下のように書かれています。
原料由来の成分により、乳白色の浮遊、沈殿が見られたり時間経過により液色が変化する場合がありますが、品質には問題ありません。
この沈殿物もおそらく腐敗菌とかではなさそうです。
味は、少し風味が抜けてると思いますが、大丈夫です。

手作りレモネードは、レモン成分が沈殿しています。
光を当てると乱反射して逆によくわかりません。
味は、全く問題ありません。
31日経過(8月9日)

31日も経ちましたよ。
毎日蓋を開け閉めはしております。
では、味見してみましょう。

4種類とも異常ありませんでした。
ちなみに、麦茶での実験では、29日の時点で全ての麦茶が脱落しました。
そもそもジュースは腐りにくい
そもそもジュースという物は腐りにくいのです。
防腐剤などが入ってるという意味ではありません。
ジュースは、防腐剤を入れなくても腐りにくいのです。
では、何故ジュースが腐りにくいのかを説明します。
ジュースというのは基本的に甘いです。
けど、ただ甘いだけでは美味しくありません。
そこに酸味が加わることで、サッパリして美味しくなるのです。
ちょっと脱線しますが、甘味に苦味や渋味を加えて味のバランスを取ったものがコーヒー飲料や紅茶飲料だと思います。
乳飲料は、脂肪分の甘味が加わって、複雑な甘味になるから美味しいのかと思います。
とにかく甘味という単一の味覚だけでは美味しくないので、商品として成立しないのでしょう。
だからジュースというものは、基本的に甘酸っぱいです。
そして、酸味があるということは、ジュースは酸性であるということです。
酸性ということは防腐剤を入れなくても防腐効果があるのです。

一つだけ例外があります。
ファンタグレープの原材料:果糖ぶどう糖液糖(国内製造)/炭酸、香料、酸味料、着色料(カラメル、アントシアニン)、保存料(安息香酸Na)、甘味料(ステビア、アセスルファムK)
出典:コカコーラ社のサイト
原材料の「保存料(安息香酸Na)」というのが私の言う防腐剤です。
ここでは、ジュースにこれを入れることの是非を問うているのではありません。
こんなもの入れなくても防腐効果があるのに例外的に入ってるということが言いたかっただけです。
私が知る限り防腐剤が入ってるジュースは、ファンタグレープだけです。
調べても他のファンタには防腐剤は入ってないのに、グレープだけに入ってます。
栄養ドリンクには入ってるものがあります。
そんな訳でファンタグレープは例外です。
ジュースというものは、酸性だから腐りにくいのです。
ジュースのpH

さて、pH(ピーエイチ)とは、液体が「酸性」か「アルカリ性」か、あるいは「中性」かを一目で表すための「ものさし(数値)」です。
pH7が中性で、数値が少なくなるほど酸性が強くなり、数値が大きくなるほどアルカリ性が強くなります。
私はpHを(ペーハー)と読むように習いましたが、最近は(ピーエイチ)と読むのですね。
YouTubeでは、ちゃんと「ピーエイチ」と読みましたが、喉元まで「ペーハー」が出てきそうになりました。
それで、各ジュースのpHはご覧の通りです。
コーラ pH2.4 炭酸が抜けても3以下(推定)
なっちゃん pH 4.0(推定)
ソルティライチpH5.0(推定)
りんご3兄弟 pH3.5(推定)
キリッとヨグ pH4.0 (推定)
手作りレモネード pH3.5(推定)
コーラなんてpH2.4で、強酸性の部類になります。
pH2.4というのは炭酸での数値です。
炭酸が抜けても3以下の強酸性です。
レモネードとりんご3兄弟が3.5くらいの酸性。
なっちゃんとキリッとヨグが4くらいの酸性。
ソルティライチが5くらいの弱酸性。
これらは推定値です。
参考程度に、普通の天然水が中性で、温泉水99は弱アルカリ性になります。
画像には入れてませんが、麦茶はpH6程度で酸性寄りの中性です。
pH 4.6が『食品の安全な境界線』
食品業界ではpH 4.6が、『安全な境界線』と言われています。
これより酸性が強くなれば(pHの数値が小さくなれば)
ボツリヌス菌や、その他の食中毒菌が毒素を作ることができなくなり、繁殖もできなくなります。
でもそれらの菌が死滅する訳ではありません。
身動きが取れなくなるだけです。
でも食中毒菌が身動きが取れなくなるわけですから、ジュースの安全性は一気に跳ね上がります!

この中で、一番早く脱落したソルティライチは、pH5あたりです。
4.6の境界線を超えてますから、最も防腐効果が弱いです。
17日目で紅茶キノコのようなものが発生したのも納得です。
なっちゃんはpH4くらいなので、18日目で疑わしかったために脱落させましたが、存続させておいても大丈夫だったかもしれません。
そして、コーラは特に酸性が強いのが分かりますよね。
pH3以下は強酸性ですから、防腐効果は極めて高いです。
きっとコーラは腐らないと思います。
手作りレモネードも食品衛生の事を気にせずに、容器などを殺菌消毒せずに普通の家庭料理の衛生レベルで作りました。
それでも高い防腐効果があると思います。
44日経過(8月22日)

44日間の気温のグラフです。
お盆の頃に少し気温が下がりましたが、厳しい残暑になってます。
この気温で44日間も腐らない食品は、発酵食品や干物くらいしか考えられません。
しかし、ジュースも腐らないのです。

これらは、開封後44日経過したジュースです。
31日目までは毎日開け閉めして、その後13日間は蓋を閉めたまま放置しました。
レモネードは、作ってから33日経過です。
20日間開け閉めして、その後13日間放置です。
ではこれらを飲んでみます。

コーラは、炭酸が抜けて美味しくありませんが、コーラの味がする甘ったるい液体で、全く腐ってるようには感じませんでした。
りんご3兄弟は、りんごの風味は抜けてるとは思いますが、りんご香料の香りはしっかりと感じられ、全く腐ってるようには感じませんでした。
キリッとヨグは、風味は抜けてるかもしれませんが乳酸菌飲料系の香料の香りは健在で、薄いカルピスといった味です。
全く腐ってるようには感じませんでした。

レモネードは、蓋を開けた瞬間に少しプシュッと中からガスが噴出しました。
これは炭酸ガスです。
と言うことは、レモネードはレモンスカッシュになってました。
味は、絞りたての爽やかな風味こそ抜けてますが、普通のレモネードの味です。
全く腐ってるようには感じませんでした。
また、炭酸は感じませんでした。
発生した炭酸ガスは少しだけだったようです。
何故炭酸ガスが発生したのか
レモネードのpHは3.5(推定)なので十分な防腐効果があると思います。
防腐効果というのは、言い換えれば腐敗菌が身動きが取れなくなる効果です。
世の中に存在する菌というのは、腐敗菌だけではありません。
酸に強い菌というのもあるのです。
酸に強い菌の代表的なのが乳酸菌と酢酸菌です。
乳酸菌と酢酸菌は、名前に酸が入ってます。
そして、そもそも酸を作り出す菌ですから、酸に弱いわけがありません。
また、酵母菌も酸に強いです。
このレモネードは、酵母菌が活動したものと考えられます。
絞ったレモンに住み付いてた酵母菌なのか、空気中の酵母菌が入ってきたのか分かりませんが、とにかく酵母菌です。

酵母菌は、砂糖を餌にしてアルコールと二酸化炭素を発生させます。
これをアルコール発酵と言います。
ジュースが炭酸になっても何も不都合はありません。
美味しくなるだけです。
しかし、アルコール発酵という名の通り、炭酸ガスだけでなく、アルコールも発生してしまいます。
炭酸が発生した場合の注意点2つ

1つは、炭酸の圧に耐えられる容器に入れないと、容器が破裂する恐れがあります。
こういう炭酸が入ってたペットボトルに入れておくと、絶対ではありませんが、まあ大丈夫です。
もう1つの注意点は、日本の法律では個人がアルコール1%以上のお酒を作ってはいけないということです。
アルコールが1%以上にならないように注意しましょう。
レモネードが軽くレモンスカッシュになる程度なら1%を超える心配はありません。
しかし、レモンスカッシュがレモンサワーにならないように注意しましょう。
500mlのペットボトルなら、単純計算で、10gの砂糖がアルコール発酵するとアルコール分1%になります。
だからレモンスカッシュに50gくらい砂糖を追加して、それがアルコール発酵したら、アルコール5%のレモンサワーになってしまうので、やってはいけませんよ。
空気中の天然酵母が混入してアルコール発酵するというのは、かならず成功するとは限りません。
確率が低い博打のようなものです。
確実にアルコール発酵させようと思えば、パンを膨らませるイーストを少し入れるといいですよ。
っていったい何を説明してるんだ?
とにかくお酒にならないように注意しましょう。
まとめ
ペットボトルのジュースは開封後に何日で腐るのかという実験は、17日目にソルティライチに紅茶キノコのようなものが発生して脱落、18日目になっちゃんが疑わしいために脱落、その他のジュースは44日目(レモネードは33日目)でも腐っているという兆候を見出すことはできませんでした。
そんなわけで、ジュースは防腐剤を使ってないのに酸性だから腐りにくいということです。
いや、腐りにくいどころの話ではありませんでしたね。
でも、もしかしたら、何らかの微生物が何からの毒素を出してるかもしれないので、真似しないでください。
酸が強いと腐らない代わりに、炭酸になったりお酒になるかもしれないということも分かりましたね。
お酒は作ってはいけないので注意しましょう。
いやそれにしても不思議ですね。
皆様は、今回の結果を予想できましたか?
予想できた人はすごいですよ。
YouTubeでは、甘酒が酢になったとか、野菜ジュースが炭酸になったというコメントがありました。
皆様も、飲みかけのジュースを放置して、何かヤバいものが発生したという経験はありますか?
ぜひコメント欄で教えてください!
動画で説明
動画では私が実演しております。
動画でしか表現できないこともあるので併せてご覧ください。






