味噌は1〜2月に仕込むな!!じゃあいつ仕込むの?
味噌は寒仕込みといって、1〜2月の寒い時期に仕込むのが一般的です。
しかし今回は「味噌は1〜2月に仕込むな!」という話をしたいと思います。
では、その理由をご説明しましょう。
【目次】
1.味噌の起源から考える
2.味噌作りに必要な米麹を1〜2月に作るの難しい
3.甘酒は夏の季語
4.寒仕込みをする理由
5.味噌を3〜5月の春に仕込むとどうなる?
6.味噌を6〜8月に仕込むとどうなる?
7.味噌を9〜11月に仕込むとどうなる?
8.結論!味噌はいつ仕込めば良いのか?
9.まとめ
10.動画で説明
味噌の起源から考える
味噌は、大陸から伝わった大豆の塩蔵食品です。
大豆を茹でるか、蒸すなどの方法で柔らかくして、塩漬けにしておいたものに、麹菌が自然発生して発酵したのが始まりで、それが日本に伝わったと考えられています。
麹菌が自然発生するには、暖かい季節でないといけません。
1〜2月の寒い季節には麹菌は育ちません。
味噌の起源から考えると暖かい季節に味噌が発生したと考えられます。
味噌作りに必要な米麹を1〜2月に作るの難しい
今では味噌は、大豆と米麹と塩で作るのが一般的です。
味噌を1〜2月に仕込むなら、米麹も1〜2月に仕込まなければいけません。
米麹を作るには、30℃や40℃で保温しなければいけません。
1〜2月に30℃とか40℃で保温って難しいです。
保温器があれば簡単ですよ。
また、コタツとか暖房器具を駆使して保温する方法もあります。
しかし、そんな道具を使えるのはは現代の話です。
味噌は現代に作り始めたものではありません。
電気の無い時代から作られていました。
電気の無い時代の1〜2月に30℃とか40℃で保温ってめちゃくちゃ難しいです。
火を焚いたり、炭火を駆使して、寝ずに火の番しなければいけません。
不可能ではありませんが、めちゃくちゃ面倒です。
ところが、夏なら常温で放って置いたら米麹なんてできますよ。
本当に放っておくだけでできます。
甘酒は夏の季語
甘酒という言葉は夏の季語です。
甘酒は米麹で作ります。
米麹を夏に作り、それで甘酒を作るから、甘酒は夏の季語なのです。
まさか冬に寝ずに火の番をしてまで米麹を作って、それを乾燥させて夏まで保存して、それで甘酒を作るなんて無駄が多すぎてありえません。
だから、1〜2月に米麹を仕込んで味噌を仕込むのは、不自然な事なのです。
寒仕込みをする理由
冬に仕込む理由は、冬は空気中の雑菌が少ないからだと言われてます。
夏に仕込んだら、空気中の雑菌は多いですが、それがどうしたって言うんでしょうか。
雑菌ごと味噌に混ぜ込んで蓋をして空気を遮断したら大丈夫です。
結局のところ、夏でも冬でも味噌の中では発酵に必要な菌しか活動できないです。
表面のカビさえ気を付ければいいです。
だから、夏に仕込んでも大丈夫です。
また、冬に仕込むと、最初は寒いから発酵がゆっくり進み、味噌の内部の発酵微生物のバランスが良くなってから次第に暖かい季節になり、発酵が順調に進み、味噌が美味しく仕上がるとも言われています。
いや、私は味噌は半年以上置いておく事と、夏を越す事、その2つの条件をクリアすれば美味しくできると考えています。
考えてるだけでなく、実際にいろんな季節に味噌を作った経験からそう言ってるのです。
寒仕込みが良い理由なんて、現代になってから後付けで考えられた理由だと思います。
昔の人が空気中の微生物が少ないから味噌を仕込もうなんて考えてません。
これは推測になりますが、1〜2月は農閑期だったから、その間に味噌を仕込んだのではないかと考えています。
明治以降の習慣ではないでしょうか。
味噌を3〜5月の春に仕込むとどうなる?
3〜5月に仕込んでもあまり変わりません。
基本的には夏は熱いから発酵が大いに進みます。
10月くらいになったら食べられるけど、夏を越しただけでは、熟成発酵させる期間が短いので、やはり長い時間をかけて熟成発酵させたらその分美味しくなります。
仕込みが遅かった分、長い期間置いて置いた方がいいです。
要するに12月くらいまで置いておくといいです。
味噌を6〜8月に仕込むとどうなる?
味噌を仕込んだばかりの発酵微生物のバランスが整っていない状態から、いきなり温度が高いために、いきなり酵母菌が活発に活動して炭酸ガスが発生したりします。
必ずガスが発生するとは限りません。
ガスが発生する場合があるという事です。
味噌の中に炭酸ガスが発生すると、ガスによる隙間ができます。
隙間が炭酸ガスで満たされるならいいけど、表面を覆ったラップをガスが押し上げて、隙間ができると、そこから空気が入ってきます。
空気が入るとカビが生えるリスクが高まります。
途中でかき混ぜるとか手入れをした方が無難です。
空気さえ入らなかったらカビは活動できないので大丈夫です。
6ヶ月くらいで食べられるけど、結局美味しく食べるには仕込んでから8ヶ月くらいは期間を置いた方がいい。
味噌を9〜11月に仕込むとどうなる?
ちょっと中途半端な時期です。
仕込んでから、どんどん気温が下がって冬になるから、熟成発酵がじっくり進むけど、本格的には進みません。
本格的に熟成発酵が進むのは夏です。
やはり夏を越さないといけないです。
ただし早く仕込んでるから9月になったら十分に美味しく食べる事ができます。
結論!味噌はいつ仕込めば良いのか?
今から、味噌はいつ仕込めば良いか結論を言います。
味噌はいつ仕込んでもええねん!
「1〜2月に仕込むな」というタイトルを付けましたけど、1月に仕込んでもいいです。
2月に仕込んでもいいです。
3月に仕込んでもいいです。
結論はいつ仕込んでも良い。
仕込む時期によって、味噌の熟成発酵の進み具合がかわりますけど、結局は長い期間8ヶ月くらいは置いておいた方がいいですね。
また、この記事を書きながら美味しい味噌を完成させる2大条件に気づきました。
【美味しい味噌を完成させる2大条件】
・6ヶ月以上、できれば8ヶ月以上熟成発酵させる。
・夏を越す。
味噌をいつ仕込んでも、この2つの両方を満たしたら、美味しい味噌が完成します。
まとめ
- 味噌は大陸から伝わった大豆の塩蔵食品。
- 米麹を作るには30〜40℃で保温しなければいけない。
- 米麹は夏なら常温放置でできる。
- 甘酒は夏の季語
- 味噌を寒仕込みする理由は冬は空気中の雑菌が少ないからと言われてる。
- 味噌はいつ仕込んでもええねん。
- 美味しい味噌を完成させるには6ヶ月以上できれば8ヶ月以上熟成発酵させ夏を越す。
動画で説明
動画では私が出演して熱く語っています。
動画でしか表現できない事もあるので、併せてご覧ください。