近所の公園に、カリンの木がある事に気が付きました。
最初は果実が緑色だったために何か分からなかったのですが、黄色く熟れてきて「あ、これはカリンだ!」と気付きました。
レモンじゃないですよ。
美味しそうな匂いがします。
大きさは、直径15cmくらい。
私、カリンを調理するのは、初めてです。
生では渋くて硬くて、とても食べられないですが、砂糖につけたり、熱を加えたら渋みが抜けるとの事。
今回砂糖で漬けてみましょう。
切ってみる。
断面はこのようになっています。
中心部に種がびっしり詰まっていますね。
細かく切りました。
カリンと同じくらいの重量の、砂糖に漬けます。
砂糖は甜菜糖を使用。
この状態で約1週間放置します。
カリンの種は、捨てずに、10分ぐらい煮ます。
すると、煮汁がドロッとなります。
カリンの種茶ができました。
ドロッと葛湯のようなものです。
味は、美味しくも、まずくもありません。
色が茶色いのは、甜菜糖の色です。
さて、1週間経ちました。
カリンの砂糖漬けが、完成。
シロップだけを別容器に移しかえました。
これが、カリンシロップです。
カリンシロップをお湯割りにして頂きます。
美味しいですが、酸味が少ないですね~。
おそらく、レモン汁を少量入れると、もっと美味しくなるのじゃないかと思います。
ですがレモンがなかったので、代わりにワインビネガーを入れてみましたが、イマイチでした。
残ったカリン果肉で、酵母を育ててみますしょう。
カリン果肉を、ビンに入れて、水で満たして蓋を閉めます。
これを常温で置きます。
1日1回以上は、蓋を開けて混ぜましょう。
1日経過。 特に変化はないかな。 | |
2日経過。 少しシュワーッと泡が出てきました。 | |
3日経過。 蓋を開けるとシュワーっと 泡が出てカリンの良い匂いがします。 | |
4日経過。 少し水が濁ってきました。 アワもたくさん出るようになりました。 酵母液としては、これで完成です。 この液体、このまま飲んでも、カリン味の炭酸飲料として美味しく飲めます。 このカリン酵母でパンを焼くのですが、今回は、より発酵力を強くするために、小麦粉でつないでいきます。 酵母液100ml・強力粉100gを混ぜて、常温で放置します。 | |
1日経過したら、更に 酵母液50ml・強力粉50gを追加して混ぜます。 | |
もう1日経過。 膨らんできました。 | |
更に 酵母液50ml・強力粉50gを追加して混ぜます。 | |
もう1日経過。 ビンの中一杯に膨らみました。 |
山芋をすりおろしたような状態で、少しアルコールの匂いがします。
これでカリン天然酵母パンを焼く準備が出来ました。
カリン酵母を育てた後の、残ったカリン果肉で、ジャムを作ってみます。
カリンと砂糖と、酸味が足りないだろうから、レモンも一緒に入れて煮ます。
このカリン果肉、最初にシロップを作り、次に酵母を作り、最後にジャムになるという活躍で、1石3鳥の働きです。
頼もしいですね~。
煮詰まりました。
紅く鮮やかな色に変化しました。
果肉と煮汁を分けます。
煮汁が冷めると、とろりとしたジャムになります。
果肉は、ほとんどのレシピに「食べられないから捨てる」と書いてありましたが、捨てるなんてとんでもない。
私が食べてやろうではないか!
けれど、味は美味しいが、少し渋い、ザラザラした食感で食べにくい。
どうやら、このまま食べるには向かないみたいです。
とりあえず、何か良い料理法が見つかるまで冷蔵庫で保管。
次は、カリン天然酵母でパンを焼いてみましょう。
ホームベーカリーで、カリン天然酵母食パンを焼きました。
カリン酵母種(小麦粉をつないで作ったアレ) 100g
強力粉 250g
バターなど油 20g
砂糖 20g
塩 5g
水 120ml
※ドライイースト 1g
※ホームベーカリーの場合、発酵時間が短く、天然酵母だと膨らみきらない間に焼けてしまいます。
きれいに焼こうと思ったら、補助的にドライイーストを使用する必要があります。
カリン酵母パンにカリンジャムを付けて食べる。
カリンジャムが少し渋い…
パンは、カリンの香りがして、なんともいえない深い味わいがあり、めちゃくちゃ美味しいです。
今度は、ホームベーカリーも、ドライイーストも使用せずにカリン天然酵母パンを焼きます。
生地をこねるためにホームベーカリーを使用しますけどね。
こねた生地の1次発酵に約12時間。
発酵時間は、温度や生地の状態を見て判断してください。
そして、あの渋かったカリン果肉が、一晩置くと、味がまろやかになったので、パン生地に混ぜることにしました。
これを適当な大きさに丸めます。
これは、カリン果肉が混ぜてあるパン。
これは、カリン果肉が巻いてあるパン。
これは、プレーンのカリン酵母パン
そして、2次発酵は、オーブンを40度に設定して約2時間。
これも、発酵時間は生地の状況を見て決めてください。
2次発酵完了。
これを180度のオーブンで約20分焼きます。
焼けました。
部屋中にいい匂いが漂い、幸せ~な気分です。
カリン果肉は、渋みが抜けて、柔らかくなって、美味しくなっています。
パンは、もちろんめちゃくちゃ美味しいです。
天然酵母だと、味わい深くてたまりません。
自分でとってきた果実で、酵母を起こし、パンを焼き、そのジャムをつけて食べるなんて、これほどの食の喜びは、なかなか味わえませんよ。
お金では買えない贅沢ですね。
現代人は、こういった感覚を忘れがちですが、こういった喜びを、多くの人に思い出してもらいたいですね。