ポン酢の美味しい作り方と配合の法則で簡単にプロの味!
いろんな果汁で作ってみる
あの果汁で作ったら驚きの味に!?
鍋の美味しい季節ですが、鍋といえばポン酢。
「今夜は鍋をするから、ポン酢を買わなければ…」なんて思ってませんか?
実は、ポン酢って買わなくても、すごく簡単に手作りできるんですよ。
手作りすると、まろやかで美味しく、新鮮な果汁の香りが幸せな気分にさせてくれます。
市販のポン酢のほとんどに化学調味料が入ってますが、手作りなら化学調味料不使用で作れます。
いろんな柑橘果汁を使ってポン酢を作れば、いろんな味を楽しめますよ。
【目次】
1.ポン酢とは
2.ポン酢醤油作りは簡単
3.ポン酢の作り方
4.ポン酢の材料についての説明
4-1.柑橘果汁と酢について
4-2.醤油について
4-3.みりんについて
4-4.カツオ節と昆布について
5.ポン酢配合の法則
6.いろんな柑橘を使ってポン酢を作る
7.作った6種のポン酢を評価
7-1.いよかんポン酢
7-2.グレープフルーツポン酢
7-3.レモンポン酢
7-4.スダチポン酢
7-5.柚子ポン酢
7-6.橙ポン酢
8.柑橘以外で作るとどうなるのか?パイナップルポン酢を試す
8-1.パイナップルポン酢の味は?
9.まとめ
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11.動画もあります
ポン酢とは
ポン酢とは、本来は柑橘の果汁に酢を足したものの事を言います。
柑橘果汁だけでは、すぐに痛むので、酢を混ぜて長持ちさせるのです。
オランダ語で柑橘の事を「ポンス」と言うから、そうなったと言われています。
また、酢を混ぜてない、柑橘果汁100%のものを「生ポン酢」と呼びます。
柑橘果汁と酢を混ぜた「ポン酢」又は、柑橘果汁100%の「生ポン酢」に、醤油などを混ぜた調味料を「ポン酢醤油」と言います。
ポン酢醤油が、いつの間にか略されて「ポン酢」と呼ばれるようになりました。
ポン酢醤油作りは簡単
ポン酢醤油の作り方は簡単です。
柑橘果汁と酢と醤油とみりんを混ぜて、カツオ節と昆布を入れてしばらく寝かせるだけです。
それだけです。
今回は、材料を適当な容器に入れて、最短1時間で完成する時間短縮バージョンを紹介します。
最短1時間で完成ですよ。
簡単でしょ。
急いでなければじっくりと3日以上、いや、1週間以上熟成させることも可能です。
短時間で作ると、果汁の新鮮な香りをダイレクトに感じる味になります。
逆に、長時間熟成させると、まろやかで芳醇な味わいになります。
どちらを選ぶかはお好みでどうぞ。
ポン酢の作り方
実際にポン酢を作ってみましょう。
【ポン酢の材料】完成量600mlくらい
柑橘果汁+酢 200ml
醤油 200ml
みりん 200ml
カツオ節 20g以上
知人の実家で、栽培されているわけでもなく、勝手に生っているという橙(だいだい)を頂きました。
私は、野草が好きですから、勝手に生っているとか、そういうの好きなんですよ。
だから、こういうのが手に入るとすぐに何かを作りたくなってしまいます。
こういう時こそポン酢を作るチャンスです。
幸いにも橙は、あまり甘くなく、酸っぱいので、ポン酢にするのがちょうどいいです。
橙でポン酢を作ってみましょう。
果汁を搾ります。
150mlくらいの果汁を取れたので、酢を50mlくらい足して200mlにしました。
果汁と酢を混ぜたもの200mlと、醤油200ml、みりん200ml、カツオ節20g以上を適当な容器に入れます。
急いでいる場合は、1時間以上。
急いでなければ3日以上冷蔵庫に寝かせておきます。
寝かしが終われば、カツオ節を取り除きます。
ザルでこすといいでしょう。
私は、瓶にじょうごとザルを乗せて注いでいます。
この方法は、瓶が転倒する恐れがあるので、安定した容器で濾し取ってから瓶に注ぐ方がいいかも知れません。
さらにカツオ節をギュッとしぼります。
カツオ節にたくさんのポン酢が浸み込んでますから、これをやらないと歩留まりが悪くなります。
そして、カツオ節に残っている旨味成分も余すところなく搾りだします。
もし、荒削りの削り節だったら魚の骨が入ってる事もあるので、骨が手に刺さらないように注意しましょう。
さて、出来上がったポン酢を試飲してみます。
美味しいポン酢は、そのまま飲んでも美味しいですからね。
橙のまろやかな酸味と甘味とほろ苦さがあり、良い味が出てます。
そして、何よりも手搾りの果汁を使ってますから、風味がとても良いです。
グビグビ飲みたいですね。
やはり手作りした甲斐があります。
このように、好きな柑橘果汁を使って、手軽に美味しいポン酢を作る事ができるのです。
ポン酢の材料についての説明
さて、より美味しいポン酢を作るために、原材料についてもう少し詳しく説明したいと思います。
柑橘果汁と酢について
柑橘果汁だけだと、保存が利かないので酢を入れて保存性を高めるという事は、すでに説明しました。
また、柑橘果汁って、レモンは別ですが、調味料としては酢などに比べると酸味が弱いので、果汁に酢を足してやると味のバランスが良くなります。
また、柚子とかスダチの果汁を100ml搾るのって、意外と重労働です。
だから、果汁50mlに酢を50ml足して合計で100mlにするとか、増量させる意味でも酢を入れるといいです。
酢を足す場合は、果汁よりも酢の量が多くならないようにしましょう。
酢の量が多すぎると、当然の事ながら、果汁の個性が弱まります。
どこまで酢を入れるのを許容するかは、人それぞれの好みですが、私は、果汁よりも酢の量が多くならなければ果汁の個性を発揮できると感じています。
つまり、果汁5割以上、酢5割以下という事です。
また、柚子やスダチや橙だけでなく、柑橘系なら何を使ってもポン酢になります。
その他の柑橘を使ったポン酢がどのような味になるのかは、後述します。
醤油について
好きな醤油を使ってください。
みりんについて
好きなみりんを使ってください。
みりん風調味料はダメです。
カツオ節と昆布について
最短1時間で完成する時間短縮バージョンで作る場合、すぐに旨味成分を出したいので、薄く削った花カツオを使うのがお勧めです。
3日以上寝かせるなら、荒削りタイプのカツオ節でも、昆布を入れても何でもOKです。
カツオ節と昆布の量は、柑橘果汁と醤油とみりん、それぞれの1割以上の重さが目安です。
柑橘果汁と醤油とみりんそれぞれ100mlを混ぜる場合は、100mlの1割以上、10g以上入れるという事です。
だしを強めに効かせたい場合は2割(20g)くらい入れてもいいです。
基本は1割(10g)で、お好みで量を増やせばいいでしょう。
説明がちょっと解り難いですね。
解りやすいように、以下表を作りました。
ポン酢配合の法則
ポン酢の配合について図にしてみました。
柑橘果汁と酢を足した酸味10に対して、醤油10、みりん10、だし1以上。
これが、ポン酢配合の法則です。
【ポン酢配合の法則】
柑橘果汁5以上+酢5以下で酸味10。
酸味10に対して、醤油10、みりん10、だし1以上。
これはメモっておきましょう。
いろんな柑橘を使ってポン酢を作る
いよかん。
いよかんってそのまま食べて美味しいですよね。
ポン酢にしたらどうなるでしょうか?
グレープフルーツ(ルビー)。
グレープフルーツも柑橘なので、ポン酢になります。
ちょっと苦いポン酢になるのではないでしょうか?
レモン。
スダチ。
完成したポン酢をボトルに詰めました。
画像のボトルは4種類ですが、全部で、いよかん・グレープフルーツ・レモン・スダチ・柚子・だいだいの6種類でポン酢を作りました。
さて、これらはどんな味なのでしょう?
作った6種のポン酢を評価
味をイメージしやすいように、こんな表を作ってみました。
これで評価していきます。
香り・酸味・甘味・苦味の4項目は、それぞれの強さを表しています。
例えば、香りが強ければ、たとえそれがいやな香りであっても、香りの星の数は多くなります。
その逆も然りです。
なので、これら香り・酸味・甘味・苦味の4項目は、星が多ければ評価が高いという訳ではありません。
後味は、後味が心地よいかどうかで星の数を決めますので、こちらは星の数が多ければ、評価が高いという事です。
総合評価は、もちろん星の数が多いほど評価が高いです。
まあ、全て私の独断ですけどね。
ちなみに、この評価は、ポン酢を試飲して行います。
そうです、ポン酢を飲むのです。(笑)
飲むと言っても、なめる程度の量ですよ。
美味しいポン酢は、飲みたいと思うくらいですからね。
では、ポン酢の評価にまいりましょう。
いよかんポン酢
いよかん特有の甘味と甘い香りを感じます。
パンチは弱いですが、甘く優しい味わいです。
これは、これで美味しいです。
市販のポン酢で、こういったタイプの味のものには出会った事がありません。
グレープフルーツポン酢
口に入れても、普通のポン酢のように感じましたが、飲み込んだ後に、グレープフルーツ特有の香りと苦味を感じました。
予想ではマズイだろうと思ってましたが、意外といける。
そんな感じでした。
一応ポン酢の味になってます。
1回味わったらそれで好奇心は満たされて、もうそれで満足してしまいました。
もう作ることは、おそらく無いでしょう。
レモンポン酢
予想通り、レモンの酸味が効いたパンチのある味になっています。
酸味だけでなく、レモンの爽やかな香りも効いており、爽やかなポン酢という感じです。
美味しいです。
スダチポン酢
スダチは、ポン酢として定番なので、特に説明は必要ないでしょう。
美味しいです。
スダチの青い香りが、醤油の香りを引き立たせるように感じました。
スダチポン酢は、なぜか醤油の香りが前に出てくるような印象です。
柚子ポン酢
柚子はポン酢として定番中の定番ですね。
あの柚子の魅惑的な香りと、まろやかで優しい味が一体となって、美味しさに陶酔してしまいます。
ポン酢として最高の組み合わせだと思います。
総合評価5が出ました!
橙ポン酢
最初に作り方を紹介した橙ポン酢は、まろやかな酸味と甘味とほろ苦さがあり、バランス良い味が出てます。
柑橘以外の果物で作るとどうなるのか?パイナップルポン酢を試す
パイナップルは、どちらかと言うと酸味が強いタイプの果物なので、ひょっとしてポン酢に、なるかも?って思い、カットパインを買ってきました。
これでポン酢を作ってみます。
柑橘では無いので、これで作ってもポン酢とは呼べないですけど。
パイン果汁を60mlくらい搾りました。
これに酢を40ml足して、100mlにしました。
パイン果汁+酢100mlと、醤油100ml・みりん100ml・カツオ節10gを入れて冷蔵庫で3日間寝かせました。
パイナップルポン酢の味は?
パイナップルポン酢。
鼻を近づけると南国のパイナップルの香り。
一瞬だけ違和感を覚えますが、味はまろやかな甘い系ポン酢になってます。
そして、醤油とカツオと南国パイナップルの余韻が残ります。
一応ポン酢の味してます。
しかし、何だろうな、酢豚にパイナップルが入っていた時に、パイナップルを食べられるのは嬉しいけど、わざわざ酢豚に入れなくてもいいんじゃないか、というような気分かな?
それに似たような、嬉しいような嬉しくないような複雑な気分です。
これをハンバーグにかけて食べたら、違和感なくとても美味しかったです。
総合評価2になりました。
1にしようか迷いましたが、意外と美味しかったので2にしました。
ハンバーグにかけるなら星4つです。
まとめ
- ポン酢とは、本来は柑橘の果汁に酢を足したものの事。
- 酢を混ぜてない、柑橘果汁100%のものを「生ポン酢」と呼ぶ。
- 柑橘果汁と酢を混ぜた「ポン酢」又は、柑橘果汁100%の「生ポン酢」に、醤油などを混ぜた調味料を「ポン酢醤油」と言う。
- ポン酢醤油が、いつの間にか略されて「ポン酢」と呼ばれるようになった。
- ポン酢醤油の作り方は簡単、材料を適当な容器に入て、最短1時間で完成。
【ポン酢配合の法則】
柑橘果汁5以上+酢5以下で酸味10。
酸味10に対して、醤油10、みりん10、だし1以上。
いろんな果汁で作ったポン酢の味は↓ 以下の通り↓
香り | 酸味 | 甘味 | 後味 | 苦味 | 総合評価 | |
いよかんポン酢 | 3 | 2 | 5 | 3 | 1 | 3 |
グレープフルーツポン酢 | 2 | 1 | 4 | 1 | 3 | 1 |
レモンポン酢 | 4 | 5 | 1 | 3 | 2 | 3 |
スダチポン酢 | 4 | 2 | 1 | 4 | 2 | 4 |
柚子ポン酢 | 5 | 2 | 4 | 5 | 1 | 5 |
橙ポン酢 | 3 | 3 | 3 | 4 | 2 | 4 |
パイナップルポン酢 | 3 | 2 | 5 | 2 | 0.5 | 2 |
いろいろ長くなりましたが、手作りポン酢の魅力は伝わりましたでしょうか。
珍しい柑橘系の果物が手に入ったりした時がポン酢作りのチャンスです。
きっと個性的で美味しい物ができるでしょう。
簡単に作れて、果汁の個性が発揮できて、化学調味料不使用ですから、売ってるポン酢が物足りなく感じてしまいますよ。
関連記事
外部サイトになりますが、オトコ中村執筆のポン酢についての記事です。
こちらにはトマトポン酢が登場します。
動画もあります
動画では、オトコ中村自らが出演して、ちょっと違った角度からポン酢作りについて語っています。
動画でしかお伝えできない部分もあるので、併せてご覧ください。